キングオブバンパイア出久   作:ダインパンチ

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今回は、ドライブ風タイトル。なぜって?俺に質問するな!


少年たちはなぜレスキュー訓練を行えないのか

 

朝、響香とともに学校に来ると、学校の前にたくさんのマスコミが群がっていた。

「うわぁ~何あれ?」

「多分、オールマイト関連じゃないかな?」

話しながら校門の前にたどり着くと、案の定

「君達!オールマイトの授業はどんな感じですか?」

と声をかけられた。

僕はサッと、響香の後ろに立つ。

やはり人見知りは治らない。

「あの、出久が怖がってるんでやめてください!出久、行くよ」

「響香、ありがとう。助かったよ」

「大丈夫、ウチは出久の保護者なんだから」

そんなことを話していると教室に着いた

 

しばらくすると、相澤先生が入ってきてホームルームが始まる。

「昨日の戦闘訓練お疲れ様、VTR見せてもらった。爆豪、もうあんなガキみてぇなまねすんな。

緑谷も訓練だからって手抜いてると、いつか痛い目見るぞ」

「チッ、わかってるよ」

「はい!」

僕はあれから、あの時変身しなかったのは本当に良かったのかと考えている。

僕は無意識的に皆のことをなめていたのかもしれない。

これからは、もう手を抜くような真似をしない。あの力で今まで何体ものファンガイアを葬り去ってきたが、これからは人を助けるのに使いたい。

僕が一人そんな決心を決めていると相澤先生が口を開く

「さて今日のホームルームだが、今日は君らに.....」

クラスに緊張が走る。

「学級委員長を決めてもらう」

「「「「学校っぽいのきたぁぁぁぁ!!!」」」」

「俺やりたいです!」

「ウチも!」

「オイラのマニュフェストは膝上10センチ!」

「俺にやらせろ!!」

クラスが一気に騒がしくなる。

集団をまとめ上げる力は、ヒーローにとってとても大切な要素なので、ヒーロー科では学級委員長をやりたがる人が多い。

もっとも僕は絶対にやりたくないが。

「静粛にしたまえ!!」

飯田君の一言で、クラスが静寂に包まれる。

「他をけん引する重要な責務だぞ!!ここはやはり、投票で決めるべきだ!」

飯田君、言っていることはもっともなんだけど、がっつり手をあげながら言っても、あんまり説得力無いよ。

「俺は時間内に決まれば何でもいい」

相澤先生はそう言うと、寝袋に入ってしまった。

いつでも持ってんな、あれ。

 

投票の結果、飯田君に3票、八百万さんに2票入りそれぞれが委員長と副委員長になった。

 

 

午前の授業が終わり、僕は響香と麗日さん、飯田君と食堂にいる。

「まさか、僕が選ばれるなんてな。選ばれたからには委員長としての責務を果たさなくてはな!」

ん?"僕"?

そう思っていると、麗日さんも同じことを思ったらしく

「飯田君て、たまに"僕"になるよね!飯田君って.....もしかして坊ちゃん?」

麗日さんは相変わらず言いずらいことをすげすげと言う。

「坊!...そういわれるのが嫌で一人称を変えていたのだが。...君たちはターボヒーローインゲニウムを知っているかい?」

「知ってるよ!インゲニウムは都内に相棒を65人も抱える人気ヒ-ローで、この前なんか「出久、ストップ!てか飯田、この流れでその名前が出るってまさか...」

「それが俺の兄さ!」

飯田君が胸を張って、自慢げに言う。

「あからさまや!」

麗日さんがふき出した

「規律を重んじ、人を導く愛すべきヒーローさ。俺はそんな兄にあこがれてヒーローを志した。」

そんな会話をしていると、突如警報が鳴り響いた。

『セキュリティ3が突破されました、生徒との皆さんは速やかに避難してください』

近くにいた先輩の話によると、セキュリティ3は誰かが校内に侵入したことらしい。

だが、キバの索敵能力を使っても敵やファンガイアのような邪悪な気配はしない。

最近気づいたことだが、キバの索敵能力は"人の心の中に流れている音楽が聞こえる"というものらしい。

今聞こえるのは、緊張と興奮と好奇心が混ざったような音色で、今朝あったマスコミの人たちと似ていた。

まさかと思い、窓の外を見ると案の定マスコミがごったがえしていた。

だがそんなことを知らない生徒たちは、我先に避難しようと食堂の入り口で詰まっていた。

「飯田君、侵入してきたのはマスコミだ!」

「なに!?ひとまずこのことを伝えて、この騒ぎをどうにかしなくてはな。だが、こんな状況では叫んでも誰も気づかないだろう。

いったいどうすれば.......はっそうだ、麗日君!俺を浮かしてくれ!!」

飯田君はそう言うと、麗日さんに浮かしてもらい、ふくらはぎのエンジンを使い食堂の入り口の上まで飛んで行った。

 

「みなさん、大丈ー夫。ただのマスコミです!!」

飯田君の言葉を聞いた生徒たちは、落ち着きを取り戻し、混乱は終息した。

余談だが、その時の恰好から彼のあだ名が非常口になった。

 

 

教室に入ってきた相澤先生が口を開く

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、それともう一人の三人で見ることになった」

おそらく、先のマスコミ騒動が原因だろう。

「そんで、今日の授業だが....水難、災害なんでもござれ、レスキュー訓練だ!!」

「レスキューか、大変そうだな」

「何言ってんだよ、これこそヒーローの本分だろ」

「水難なら私の独壇場、ケロケロ」

「おいまだ途中....」

相澤先生が個性を発動すると、クラスが静寂に包まれる。

「今回、コスチュームの着用は各自の判断に任せる。中には活動を制限するものもあるからな。

訓練場は少し離れているから、バスで移動する。以上、準備開始!」

レスキュー...ファンガイアとは戦ってきたけれど、人命救助はやったことがなかった。

よし!がんばるぞ!

 

コスチュームに着替え、バス乗り場へ向かうと、

「1-A集合!バスにすーむーずに乗り込むために、番号順で2列に並ぼう!」

飯田君が笛を鳴らして叫んでいた。

飯田君、フルスロットル!

結果から言うと乗り込むバスが、向かい合って座るタイプだったので、飯田君のしたことは意味がなかった。

「こういうタイプだったか.....」

飯田君はさっきから落ち込んでいる。

「意味なかったな~」

「私思ってることは何でも言っちゃうの、緑谷ちゃん」

「ふぇ、何!蛙吹さん?」

声が裏返ってしまった。恥ずかしい....

「梅雨ちゃんと呼んで。あなたの個性がいまいちよくわからないんだけど、いったいどういうものなのかしら?」

「あぁ~確かに!変身したり、武器呼び出したり、後コウモリみたいなのもいたな!」

「呼んだか?俺はコウモリじゃなくてキバット族の末裔、キバットバット3世だ。キバットと呼んでくれ」

切島君の言葉に、キバットが反応する。

「うわっしゃべった!ていうか、どっから出てきたんだ!?」

「ケロッ、キバットちゃん、あなたが緑谷ちゃんの個性なの?」

どうしよう、無個性ってばれたらまた中学の時みたいに.....

そう考えていると、響香が

「大丈夫、ここには出久をいじめるようなやつはいないよ」

と励ましてくれた。

「うん、ありがとう....実は僕、...無個性なんだ」

「「えっ!」」

バスの中に、驚きが広がる。

「じゃあ、変身してたのは何なんだよ?」

少し離れた席から、上鳴君が身を乗り出している。

「あれは個性とは別の力っていうか....キバットの力っていうか.....ごめん、僕もよくわかんないんだ」

「でも、変身て派手でいいよな~。俺の硬化なんて、対人じゃあ強いけどいかんせん地味なんだよなぁ」

切島君が話題を変えてくれた

「スゴイかっこいいと思うよ!プロにも十分通用する個性だよ!」

そんな会話をしていると、目的地が近づいてきた。

「もう着くぞ、いい加減にしとけ!」

 

目的地に着くとそこは巨大なドームのような場所だった。

中に入ると、たくさんのエリアに分かれていて、まるでUSJの様だった。

そんなことを考えていると、向こうから宇宙服を着た人、スペースヒーロー13号が歩いてきた。

災害救助で目覚ましい成果を上げている、紳士的なヒーローだ。

「みなさん、待ってましたよ!」

「わぁ~私好きなの13号!」

麗日さんが張り切っている。

「水難事故、土砂災害、火災、暴風、その他多数。あらゆる事故や災害を想定して僕が作った演習場です。

その名も、うその災害や事故ルーム略してUSJ!」

(((ほんとにUSJだった。)))

全員の思考が一致した。

「13号、オールマイトは?」

「それがですねぇ.....」

相澤先生たちが何やら小声で話している。

「不合理の極みだな、おい」

「では、始める前に、お小言を1つ、2つ、3つ.....」

13号先生のお小言が増えていく。

 

 

13号のありがたいお話が終わると、クラスから拍手が巻き起こった。

その刹那、たくさんの悪意に満ちた音楽が僕の頭に響き始めた。

まさか!

「先生!」

「緑谷急にどうし.......!!」

中央の、噴水の辺りに黒い靄のようなものが現れそこからぞろぞろと、人が現れた。

「なんだ、入試の時みたいに、いきなり始まってんぞパターンか?」

「一塊になって動くな!あれは.....」

「敵だ!」

相澤先生の言葉を遮り宣言する。

 

「13号に、イレイザーヘッドですか。先日いただいたカリキュラムではオールマイトもいるはずですが。」

「オールマイトいないのかぁ。子供を殺せば来るかなぁ」

靄の男と手だらけの男が話していのが聞こえる。

 

「13号生徒を守れ!」

相澤先生はゴーグルをつけ、走り出す。

さすがはヒーロー、首に巻いている捕縛布を使い次々に無力化していく。

「みなさん、逃げましょう」

13号先生が、避難を促すも、靄の男に回り込まれてしまった。

「おっと、ここで逃がすわけには行けませんよ。

初めまして、我々は敵連合。僭越ながら、ここヒーローの巣窟雄英高校に入らせていただいたのは、平和の象徴、オールマイトに息絶えていただきたいと思いまして。本来ならここにいらっしゃるはずですが。まあ、それとは関係なく私の役目は、「オラァ!」

BOOOOM!!

「その前に俺たちにやられるとは思わんかったか!!」

かっちゃんと、切島君が突っ込んでいった。

「危ない危ない、生徒と言えど優秀なヒーローの卵」

爆煙が晴れると、そこには靄の男が無傷で立っていた。

「だめだ、離れなさい!!」

13号先生が焦って叫ぶが、

「散らして嬲り殺す!」

靄の男の靄が広がると、僕らは完全に包み込まれてしまった。

「響香!」

とっさに響香に覆いかぶさる。

 

靄がはれ、当たりを見渡すと、ここはどうやら山岳ゾーン。

僕たちは、敵に囲まれているようだ。

「お二人とも、大丈夫ですか?」

八百万さんもここに来ていた。

「キバット!」

「よっしゃぁ! キバっていくぜ!ガブっ!」

「変身!」

「ガルル、セイバー」

変身と同時に、青色の彫像が飛んできて、僕はガルルフォームに変身した。

二人もそれぞれ、ファンガイアスレイヤーと個性で作った日本刀を構えている。

「いくよ、二人とも」

 

幸い、敵たちは質より数を重視して集められたらしく、あまり強くはなかった。

あらかた片づけた僕らは、中央広場に向かうことにした。

 

 

広場に着くと、相澤先生が脳みそむき出しの化け物にねじ伏せられていた。

「個性を消しても無駄だ。そいつはファンガイアの体を改造して作った、対平和の象徴改造生物、脳無だ!」

手だらけ男は、おもちゃを自慢する子供のように得意げに言った。

「死柄木弔、すみません生徒を一人逃がしてしまいました」

手男、死柄木の隣に靄の男が現れ彼にそう告げた

「お前がワープホールじゃなかったら粉々にしてたよ、黒霧」

靄男は黒霧というらしい

「相澤先生から、離れろ!」

ガルルセイバーで脳無の腕を切り落とし、相澤先生を連れて離脱する。

「八百万さん、響香!先生を連れて、避難して!」

「わかった、...出久、死なないでね」

「耳郎さん、急ぎましょう!」

響香たちを避難させ、脳無を見るとさっき切ったはずの腕が再生していた。

「無駄だよ、そいつには超再生とショック吸収の個性をもってる。斬撃も打撃も効かない、最高のサンドバックだ!!」

なるほど、ショック”吸収”なら...

「ドッガハンマー!」

紫の彫像が飛んできて僕の手に収まると、拳を模したハンマーに変わる。

ドッガハンマーで、脳無を殴る。

確かに、効いている様子はないがとにかく殴る。

しばらく殴っていると、脳無が押され始める。

「おい黒霧、どういうことだ。何で脳無が高校生のガキに押されてるんだ!?」

「おそらく、ショック吸収に限界が来たのかと」

殴ること数百発、ついに脳無が膝をついた。

「ドッガバイト」

その隙を突き、ドッガハンマーの柄をキバットにかませるとドッガハンマーの拳が開き、トゥルーアイがあらわになる。

トゥルーアイに見つめられた脳無は動くことができない。

「とりゃぁぁぁあ!」

雷をまとわせた巨大な拳が脳無にぶつかり、ステンドグラスのように砕け散り、光の弾が飛び出す。

すると、キャッスルドランが現れ、弾を食べ飛んで行った。

「あぁぁぁぁぁ、ゲームオーバーだ。黒霧、帰るぞ!」

死柄木が帰ろうとすると、死柄木の手を銃弾が貫いた。

「もう大丈夫!私たちが来た!!」

「1年A組クラス委員長、飯田天哉ただいま戻りました!」

飯田君が雄英教師を引き連れ戻ってきたことで、主犯の二人が逃げ出し、このUSJ襲撃事件は終息した。

 

 

脳無を倒した僕は、変身を解除しその場に座り込む。

ドッガハンマーを数百発も打ち込んだことはなかったが、これはかなり体力を持ってかれる。

意識がもうろうとする。

立ち上がろうにも足元がおぼつかない。

僕は、先生たちが来て安堵しているクラスメイト達を見ながら、その意識を手放した。

 

◆◆◆◆◆◆

 

ヤオモモとともに相澤先生を運んでいると、雄英の教師陣が扉を突き破りやってきた。

相澤先生をマイク先生に預け、出久の元へ急ぐ。

 

「出久、大丈夫だよね、やられてないよね。出久強いから、大丈夫だよね。」

自分に言い聞かせるようにつぶやきながら走っていると、倒れている人影が見えた。

まさかと思いつつ、近づくとその人影は出久だった。

「出久!」

急いで駆け寄り、彼の手首をつかむと、弱々しいがしっかり脈打っていた。

ひとまず安心し、彼を抱きかかえる。

初めてであったころに比べるとかなり筋肉がついていて、男らしい体つきになっていた。

「出久、よくがんばったね」

響香は、優しく微笑んでつぶやいた。

 

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