キングオブバンパイア出久   作:ダインパンチ

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ほぼ、キバの過去編のダイジェスト
タイトルは、原作風


知れ!過去の話!

◆◆◆◆

 

国内某所、薄暗い路地裏にあるしゃれたバーに死柄木弔と黒霧の姿があった。

「あ゛~クソ!痛ぇ、腕を打たれた。手下どもは瞬殺だった、脳無もやられた、仮面ライダーもいた、話が違うぞ先生!」

雄英教師、スナイプによって撃ち抜かれた右手を抑えながら愚痴をこぼす。

「違わないよ」

先生と呼ばれたその人物は、"sound only"と表示されたモニターから答える。

「見通しが甘かったの、敵連合なんてチープな名前にしておいてよかったわい」

先生とは違う声がモニターから流れる。

「ところで、わしと先生の共作、脳無は?」

「回収していないのかい?」

「すみません、仮面ライダーに破壊されてしまいました」

モニターの向こうの上司たちに、申し訳なさそうに黒霧が答える。

「なに!?ファンガイアをさらってくるのがどれほど大変だったと.....」

「まぁしょうがないよ。それに、面白いところに協力してもらえそうだからね」

先生は、不気味に笑った。

 

◆◆◆

 

目を覚ますと、見知らぬ天井が見えた。

どうやらここは、雄英の保険室のようだ。

「出久!」

少し目を腫らした響香の叫び声が、静かな保健室に響き渡る。

「目を覚ましたかい?」

雄英の保険医、リカバリーガールが声をかける。

「まったく、ヒーローてのは難儀なものだねぇ。自己犠牲を美徳にしている。

あんた、もう平気かい?大した怪我もないから、落ち着いたら家に帰んな」

 

 

 

「ありがとうございました!」

帰り支度を済ませ、保健室を出ると窓の外はすっかり暗くなっていた。

「僕どのぐらい寝てたの?」

響香に聞いてみると

「5時間だよ。あんた寝すぎ!」

と怒られてしまった。

 

響香に寝ていた間のことを聞くと、事件の影響で、向こう2日間休校になったらしい。

響香を家に送り、急に現れた休日をどう過ごそうかと考えていると、嶋さんからメールが来た。

メールの内容は、話したいことがあるから明日、マルダムールに来てほしいとのことだった。

 

 

 

翌日、マルダムールに着くと、嶋さんと名護さん、響香が待っていた。

「すみません待たせちゃって」

「まだ約束の時間じゃないから問題ない。さてさっそく本題に入るが、近ごろファンガイアの被害が急激に増えている。

もしかすると、チェックメイトフォーが姿を現したかもしれない」

僕たちは息をのんだ。

チェックメイトフォーは、キング、クイーン、ビショップ、ルークの4人からなる上位ファンガイアで、その強さはほかのどのファンガイアよりも強いが、18年前の戦いから行方知れずとなっているという話だった。

「しかし、18年前に彼らは姿を消したはずです。なぜ今頃....」

「わからない。何せまだ仮定の話、ほんとにまた姿を現したとも限らないが、ファンガイアの被害が増えているのは事実。

そこで、だ」

嶋さんが、何やらベルトのようなものを二本取り出す。

「これは、18年前の戦いで使用した、イクサシステムを改良したものだ。この先、上位ファンガイアたちと出会う可能性が高い。

出久君にはキバがあるが、今までの武器では太刀打ちできなくなる。そこでこれだ。こいつのスペックはキバと負けずにも劣らない。」

そういうと、名護さんと響香にベルトと説明書を渡した。

「使い方はそこに書いてある。これから頼むよ、仮面ライダーイクサ!」

「「はい!」」

あれ?僕何で呼ばれてるんだろう?

そう思っていると、嶋さんがこっちを見て

「そして、出久君。確認だが、ご両親の名前は分かるかい?」

「?緑谷音也と緑谷真夜ですけど....」

それを聞いた嶋さんは、神妙な顔で口を開いた。

「やはりか....これから、君の知らない君の話をする、覚悟して聞いてほしい.....」

 

◆◆◆◆◆

 

 

18年前

緑谷音也は、バイオリンを片手に街を歩く女性に話しかけていた。

いわゆるナンパである。容姿もなかなかに良く、バイオリニストという肩書も相まって、成功率は1000%、落とせない女はいなかった。

 

ある日、いつものように女性に声をかけるが、冷たくあしらわれてしまう。

その時彼は、なぜかこの女性こそ運命の女だと確信し、猛アタックを開始した。

ある時は、家の前で。

ある時は、町の中で。

ある時は、バイト先の喫茶店で。

もはやストーカーのような彼の執着も2週間が過ぎたころ、彼女の前に蜘蛛の異形が立ちはだかった。

「チューリヒッヒッヒ」

異形が、彼女に襲い掛かると、彼は彼女を突き飛ばし、異形を殴った。

幸い喧嘩の腕には自信がある。

自らの個性も使い、異形を追い払い、彼女の方を見る。

意図していなかったが、きっとこれで俺に惚れてくれる。そう思っていた。

が、「じゃまをするな!お前のせいであいつを逃がしたじゃないか!!」

 

そこで彼は、すべてを知った。さっきの異形はファンガイアという人を食らう化け物だということ。彼女がそのファンガイアを追う素晴らしき青空の会のファンガイアハンターの麻生ゆりであるということ。

その上で、音也は

「それなら、俺がその素晴らしきなんちゃらの会に入ればいいだろう?」

と言い放った。

結局、音也は素晴らしき青空の会に入ることになった。

 

 

音也が入って数日後、次狼という男が入ってきた。

彼も音也と同じ女を狙っていた。

だが、彼の目的は音也のそれとは違った。

彼の正体はファンガイアに滅ぼされたウルフェン族の生き残りで、彼女に自分の子を産ませ、ウルフェン族の再興を狙っていたのだ。

音也は、彼が人間を襲うところを見てしまい、その正体をかなり早い段階で知るのだが、縁を切るなんてことはせず、今までどうり恋敵として接した。

そんな時、当時のイクサシステムが完成した。

ゆりが志願したが、次狼がその装着者に選ばれた。

当時のイクサシステムは、体に多大な負荷がかかるため、ガタイのいい次狼が選ばれたのだ。

 

次狼がイクサに変身して数日後。

彼は、自らの一族を滅ぼしたチェックメイトフォーのルークと出会ってしまった。

くしくも、そいつはゆりの親を殺したファンガイアであった。

彼らはそれぞれの方法で、ルークに挑むが全く歯が立たない。

そこで、彼ら3人は結託し、体に負担のかかるイクサシステムを装着させ、ルークの体力を削り、肩に負傷を与えることができた。

ルークはその後、永い眠りについた。

 

ルークとの一件で、音也とゆりは急接近した。

次狼は焦り、同じくファンガイアに一族を滅ぼされた、マーマン族のラモンとフランケン族の力とともに、音也を殺害し、ゆりを誘拐するという暴挙に出た。

結果的には、音也は死なずにゆりを救出。

これがきっかけで二人は付き合うことになった。

 

が、その幸せは長くは続かなかった。

 

音也はある日、黒い服に身を筒んだ妖艶な美女と出会った。

その美女は、ファンガイアを追っている最中に何度も出会い、音也が魅かれるのも時間の問題であった。

 

その美女の正体は、真夜。チェックメイトフォーのクイーンであった。

真夜は、人間を愛してしまったファンガイアを処刑していたが、禁忌であるにもかかわらずファンガイアが人間を愛し続けることに疑問に思い、音也を利用して人間の愛を理解しようとしたのだ。

 

当然、ゆりがそんなことを許すわけがない。

音也と離れるように、真夜に迫るが人間である彼女が敵う相手ではない。

次第に、ゆりは音也と離れてゆき、このカップルは自然消滅した。

 

音也は真夜にバイオリン製作を教わり、狂ったように熱中した。

真夜は、ファンガイアゆえに非常に長生きしており、その過程で、誰もが名前を聞いたことのある有名なバイオリン職人に弟子入りしていた時期がある。

数か月の後、音也の最高傑作、ブラッティーローズが完成した。

 

だがそんな二人を許さないものがいた。

ファンガイアのキング、真夜の正式な夫である。

音也はあろうことか、最強のファンガイアに目をつけられてしまったのだ。

 

キングはそのことを知った時、自らの手で真夜を処刑しなければいけない可能性を考え、愛刀ザンバットソードを自らの住まいであるキャッスルドランの壁に埋め、真夜を切れないようにした。

 

キングは、まず音也の友人である、力、ラモン、次狼に目をつけ、音也を殺すか、自分たちが殺されるかを選ばせるが、彼らは音也を殺すことができなかった。

彼は、先代のキバ、ダークキバに変身し、そんな3人をキャッスルドランに彫像として封印してしまった。

 

真夜の愛情が、完全に音也に移ってしまった。

彼はそのことを知ると、真夜からファンガイアの力を奪い、ファンガイアの世界から追放した。

そのことが原因で、キバットバット2世と仲違いし、キバの力を失った。

 

その後、音也を直接倒そうとするも、キバットバット2世と手を組みダークキバに変身した音也に倒されてしまう。

キングが死んだことで、ファンガイアたちはおとなしくなり、世界に平穏が訪れた。

だが、音也は平穏を味あわずにこの世を去った。

キバは、ファンガイアのための鎧、人間である音也はその負荷に耐えられなかったのだ。

彼は、真夜の膝の上で安らかに息を引き取った。

 

◆◆◆◆◆

 

嶋さんの話が終わり、僕は口を開く。

「.......つまり僕は、」

「そうだ、君は人間とファンガイアの間に生まれたハーフだよ」

僕は絶句した。

今まで、自分が人間であることに疑問を持ってこなかった。

「何かの間違いなんじゃ」

響香も受け入れられないようだ。

「間違いじゃない、キバを特に反動無く使えているのがその証拠だ」

嶋さんの言葉には反論の余地もない。

「それがどうした。君が人間であろうとファンガイアとのハーフであろうと、君が君であることは変わらない。自分を信じなさい!」

名護さんの言葉に僕は目を見開いた。

「そう...ですよね」

正直まだ気持ちの整理はつかない。だけど僕が僕であることには変わらない。

僕は、僕が何であろうとこの力を使って、最高のヒーローになって見せる。

 

僕は静かに決意を固めた。

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