ガルパンバイク部のお話   作:日本を鳥戻す

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カバさんチームのシェアハウスに泊まったカルパッチョ(たかちゃんの部屋で寝たのかな)。
一夜明けて、カエサルとタンデムで大洗巡りをします。
これって、あの映画みたいなので、そんなタイトルを付けました。



タンデムで「大洗の休日」

 

「お早う。さすが、朝食当番は早いな。」

 

「おはようございます。」

 

「カエサル、カルパッチョさん、おはよう。もうすぐ朝ご飯ができるぜよ。」

 

「朝ご飯もおりょうさんが作られてるんですね。」

 

「他の者が作ることもあるんだけど、おりょうが作った朝ご飯が一番美味しいからね。」

 

カエサルが食卓を出しながら言う。

 

「褒めても何も出ないぞ。」

 

「割烹着がすごくお似合いです。」

 

「ありがとう。カルパッチョさんは食器を出しておいてくれるかな。」

 

そこに、エルヴィンと左衛門佐が2階から降りてきた。

 

「お、いい匂いだな。今日の焼き魚は塩鮭か。」

 

「やはり朝は白米に味噌汁、焼き魚に限るな。」

 

「見てないで手伝え。カエサルとカルパッチョさんが食卓を用意しているから、エルヴィンは冷蔵庫から梅干しと佃煮を出して持って行ってくれ。左衛門佐は味噌汁の味噌を溶いてくれ。」

 

「心得た。お、今日の味噌汁は小松菜と豆腐か。」

 

「あとは玉子焼きができたら完成ぜよ。」

 

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「ご馳走様でした。なんだか、久しぶりに和風の朝食を食べたような気がします。」

 

「やっぱりアンツィオだと朝食もイタリア料理だったりするの?パスタとか。」

 

お茶を淹れながら、エルヴィンが聞く。

 

「いいえ、さすがに朝からパスタは食べませんね。寮で一人暮らしだから自分で作るんですが、朝はトーストとサラダにコーヒーぐらいです。」

 

「昼は屋台で鉄板ナポリタンやラザニアを売ってるんだよね。」

 

「ええ、戦車道で結構お金がかかりますし、燃料や砲弾、整備部品や、時には修理もあるので。だから、少しでも足しになればと思って。」

 

「我々もそこまで潤沢に予算があるわけじゃないから、訓練の時も無駄弾を撃たないようにしている。まあ、訓練ではペイント弾だから、それほど高いわけじゃないが。」

 

「むしろ、整備のほうが大事だな。そこらへんはレオポンさんチームがやり繰りしてくれているけど、パーツの交換となると、それなりのお金がかかるらしいし。」

 

「秋山さんがガラクタ市とかオークション、通販のセールをチェックして整備部品は調達してくれているらしいが、戦車道の人気が出て来たからか、最近は値上がりしているらしい。」

 

「うちはセモヴェンテとカルロベローチェが多いから、部品は結構手に入りやすいですね。でも、この間手に入れたP40は、なかなか予備部品が手に入らないんです。だから、全国大会の時に壊れた個所の修理がまだなんです。」

 

「どこも台所事情は同じだな。」

 

「だから、お昼休みにお店を出す以外にも、学園艦が寄港した時はその土地のイベントにも出店してるんです。けど、そうすると戦車道の時間がとれなくなるので悩ましいですね。」

 

「だったら、アンツィオの学園艦が大洗に寄港した時は、シーサイドステーションにお店を出せばいいんじゃないか?」

 

「なるほど、エルヴィンの言うとおり、シーサイドステーションだったらキッチンカーも出てるから屋台を出すには丁度いいぜよ。」

 

「そうなんですね。じゃあ、ドゥーチェに話しておきます。」

 

「私達も、会長に言っておくよ。会長から大洗の商工会に口添えしてもらえば、大丈夫だと思うよ。」

 

「ありがとう、たかちゃん。」

 

「ところで、今日はどこを見て回るんだ?」

 

左衛門佐が、昨日の夜、カエサルとカルパッチョが大洗をバイクで観光すると話していたのを思い出して尋ねた。

 

「とりあえず、澤さんと大洗駅で待ち合わせることにしている。猫田さんは実家に帰っているらしいけど、お昼前にはこっちに戻って来てるから、お昼ご飯に合流するって言ってた。」

 

朝食を終えると、カルパッチョとカエサルが出かける支度をしている間、おりょう、エルヴィン、左衛門佐は後片付けをする。

 

「ごめんなさいね。なにからなにまでお世話になって。」

 

「いや、私達も楽しかった。」

 

「今度はアンツィオにも遊びに来て下さいね。」

 

「ああ、西住隊長にアンツィオとの練習試合を進言してみよう。」

 

「じゃあ、ひなちゃん、行こうか。」

 

「ゆっくり楽しんで来てくれ。あと、澤さんと猫田さんにもよろしくな。」

 

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「おはようございます、カエサル先輩、カルパッチョさん。」

 

カエサルを後ろに乗せたカルパッチョのバイクが大洗駅に着くと、すでに梓は到着していた。

 

「おはようございます。澤さんのスクーター、昨日は夜だったからあまり見えなかったけど、素敵なパステルカラーですね。」

 

「ありがとうございます。レオポンさんチームの、あ、ポルシェティーガーに乗ってる自動車部の方たちなんですけど、行きつけの部品屋さんでスクーターがあったのを安く譲ってもらったんです。」

 

「澤さんらしい、可愛い色だね。」

 

カエサルも梓のバイクを褒める。

 

「カルパッチョさんのバイクも素敵です。スクーターで2人乗りができるんですね。」

 

「これは小型二輪だから。高速は乗れないけど、近場をのんびりと走るには丁度いいんですよ。」

 

「猫田先輩も小型二輪に乗ってます。親戚のお店を手伝う配達用のバイクですが、結構お洒落なデザインなんです。」

 

「お昼ご飯で合流されるっておっしゃってましたね。今から楽しみです。」

 

「ところでカエサル先輩、まずはどちらにいくんですか?」

 

「やはり磯前神社だろう。ここからだとバイクで10分ぐらいだし、お参りして、神磯の鳥居を見たりしてたら、丁度お昼ぐらいになると思う。」

 

「だったら、途中で寄りたいところがあるんですが。東町商店街にあるウスヤ精肉店の串カツが美味しいって、猫田先輩から聞いたんです。」

 

「じゃあ、そこに寄ってから磯前神社に行こう。」

 

梓が先導する形で大洗を出発した2台のバイクは、きらめき通りを左折して髭釜商店街、永町商店街を走る。肴屋本店の信号を右折し、曲松商店街を抜けると、前方に白いプレハブが見えたところで、手前の駐車場にバイクを乗り入れる。

 

お店は、町のお肉屋さんという佇まいで、その奥で揚げ物のお惣菜を作っていた。メニューには、串カツ以外にもたくさんの揚げ物がある。

 

「どれも美味しそう。」

 

「けど、ここであまり食べ過ぎるとお昼ご飯が食べられなくなるよ。」

 

「じゃあ、串カツで。」

 

「私は磯辺風味にします。」

 

それぞれが串カツを注文すると、その場で店主が揚げてくれた。紙コップに入れて上からソースをかけた串カツと、淹れてもらったお茶を持って、隣のプレハブでできた休憩所に入る。

 

「町のお肉屋さんの揚げ物って、なんだか懐かしいね。」

 

「小学生の頃、よくひなちゃんと近所の商店街に行って食べたよね。」

 

「お二人は、小学生からのお友達なんですか?」

 

「ええ、小学校、中学校と一緒だったわね。」

 

「高校は別々になっちゃったけどね。」

 

「だから、たかちゃんが戦車道始めたって聞いたとき、びっくりしたのよ。」

 

「ああ、必修選択科目で戦車道ができたって聞いて、みんなでやろうってことになったんだ。」

 

「全国大会の2回戦、たかちゃん達カバさんチームのⅢ突と私たちのセモベンテで一騎打ちだったわね。あのカバさんのマークで、これは間違いなくたかちゃんだってわかった。」

 

「あれは熾烈な戦いだったな。」

 

「最後は相討ちになったけどね。」

 

串カツを食べながら全国大会の2回戦の話をしていたが、気が付けば時間が経っていたので、磯前神社へとバイクを再び走らせた。

ものの5分ほどで磯前神社の駐車場に着いたので、バイクを停めて神社に向かう。

 

「原付だと、さっきの坂はちょっときつかったです。」

 

「私のバイクも、普段だったら大丈夫なんだけど、今日は後ろにたかちゃんが乗ってたから。」

 

「えっ?私が重いってこと?」

 

「やっぱり、自動二輪の免許を取りたいなあ。」

 

「原付だと、いろいろと制限がありますからね。速度も30kmまでだし。」

 

「この間、箱根に行った時にたまたま大学選抜の愛里寿ちゃんがアズミさんのバイクに乗って来てたのにばったり会ったんですが、アズミさんのバイク、中型なんですよね。400ccだから、後ろに愛里寿ちゃんが乗っても大丈夫だったし、高速で箱根まで来たって言ってました。」

 

「確か、パーシングに乗ってる副官の方だったかしら?」

 

「ええ、猫田さんや知波単の福田さん、聖グロのペコちゃんやローズヒップさんと箱根に行った時、偶然同じお宿に泊まってらっしゃったんです。愛里寿ちゃん、アズミさんに大洗に乗せて来てもらったのが楽しかったらしくって、たまに2人でツーリングに行ってるそうですよ。」

 

「そうなんですか。でも、島田さんは小柄だから、後ろに乗ってもそこまで重くは感じないんじゃないですか?」

 

「やっぱり、私が重いってことなの?」

 

手水場で手を清めて、門をくぐり、神社に参拝する。その後は、社務所でお守りを見たり、絵馬を見たりしてから、神磯の鳥居に向かうために一度神社を出た。

 

「この石段から見える風景、素敵ですね。天気がいいから、海が綺麗に見えます。」

 

「栃木県は海がないからね。」

 

「私も、ここから見る風景は好きです。」

 

長い石段を下り、道路を渡って海岸に出ると、磯の中に鳥居が建っているのが見えた。

 

「あら?鳥居の上にカモメがとまってますね。」

 

「うん、なぜかいつもあそこにとまっているんだ。やっぱり鳥居って言うからかな。」

 

カルパッチョは、風景が気に入ったらしく、スマホで何枚も写真を撮っていた。

 

「あの、お二人の写真、撮りましょうか?」

 

梓が声をかけると、

 

「じゃあ、お願いしちゃおうかな。たかちゃん、一緒に撮ろう?」

 

梓がシャッターを押すと、バックに神磯の鳥居と海が写った満面の笑みのカルパッチョとカエサルの写真が撮れた。

 

「ひなちゃんと一緒の写真って、久しぶりだね。」

 

「そうね。全国大会の試合の後の宴会で撮って以来かしら。」

 

「澤さんも撮ってあげようか?」

 

「じゃあ、お願いします。」

 

梓も、今回のツーリングで仲良くなったカルパッチョと一緒に撮ってもらった。

 

「あ、後でカルパッチョさんのバイクも写真撮らせて下さいね。」

 

「ええ、いいですよ。」

 

「じゃあ、そろそろ行こうか。」

 

道路を渡って、鳥居の前に立つと、先ほど降りてきた石段がそびえたつ。

 

「こ、これを登るのか。」

 

一歩一歩足を上げながら、なんとか神社に辿り着いた。

 

「はあ、息切れしちゃいました。」

 

「ちょっと、そこの休憩所で一休みしましょう。」

 

駐車場に向かう途中にある休憩所に入り、自販機で飲み物を買ってテーブルにつく。

 

「ところでひなちゃん、お昼ご飯は何が食べたい?」

 

「そうね、港町に来たから、やっぱり美味しいお魚が食べたいな。」

 

「じゃあ、サンビーチ沿いにあるお店に行こうか。お刺身や海鮮丼、お寿司がすごく美味しいところがあるんだよ。」

 

「あ、私、そこ知ってます。」

 

「じゃあ、澤さんが先導してくれるかな。そう言えば、猫田さんから連絡あった?」

 

猫田がお昼ご飯に合流する予定だったのを思い出し、カエサルが聞いた。

 

「はい、さっき神磯の鳥居にいた時に、これから鉾田を出るってメッセージが来ました。」

 

「じゃあ、大洗までは30分ぐらいで着くかな。澤さん、サンビーチ通り沿いの、大洗文化センターの前にある和久っていうお店に行くってメッセージ送っておいてくれる?」

 

「はい、了解です。」

 

梓がメッセージを書いて猫田に送信し、お茶を飲み終わると、駐車場に向かった。

 

「あ、カルパッチョさん、バイクの写真、撮らせてもらってもいいですか?」

 

「ええ、いいわよ。」

 

カルパッチョのバイクはイタリア製のスクーターで、梓のものよりは一回り大きかった。

 

「澤さん、ちょっと跨ってみる?」

 

「え?いいんですか?」

 

「ええ、どうぞ。見ているだけじゃなく、やっぱり跨りたくなるわよね。」

 

カルパッチョのバイクに跨ってみると、やはり自分のスクーターよりは大柄な感じがした。

 

「原付のスクーターに乗り慣れてたら、免許さえ取ればすぐに乗れるようになるわよ。」

 

「そんな感じがしますね。でも、私、自動二輪の免許を取りたいんです。」

 

「確か、知波単の西さんや大学選抜のアズミさんが自動二輪に乗っているって言ってたね。」

 

「はい。この間、箱根に行った時にアズミさんのバイクに跨らせてもらったんですが、なんだか恰好良くって。フルフェイスのヘルメットを被ったアズミさんもすごく恰好良かったし。」

 

「自動二輪だと高速にも乗れるから、行動範囲が広がりますしね。」

 

「もうしばらくスクーターに乗って、アルバイトしてお金貯めてから教習所に通おうと思います。」

 

「うん、いい心がけだ。」

 

「じゃあ、そろそろ行きましょうか。もうすぐ猫田さんも大洗に着くころじゃないかしら。」

 

磯前神社の駐車場を出発し、坂を下ってサンビーチ通りへとバイクを走らせた。

 

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5分ほどでお店に着いて、駐車場にバイクを停めていると、そこにタイミング良くねこにゃーも到着した。

 

「お待たせしました。」

 

「いや、私たちも今着いたところだから。」

 

「猫田さんですね。はじめまして。アンツィオ高校のカルパッチョです。」

 

「はじめまして。猫田です。みんなからはねこにゃーって呼ばれてます。」

 

「大学選抜との試合の時に会ってるんじゃないの?」

 

カエサルが言うと、

 

「あの時は人がたくさんいて、ボク達、あまりお話できなかったから。ただでさえコミュ障だし。」

 

「でも、猫田先輩、制服を着ている時と違ってすごくはきはきしていますよね。」

 

「うん、配達先に挨拶する時はきちんと話さないと駄目だから、バイクに乗ってる時ってその感覚で話せちゃうんだよね。」

 

「しかし、私服姿の猫田さんって初めて見たなあ。」

 

今日のねこにゃーは、ジーンズにスニーカー、上はパーカーを羽織っていて、長い髪を後ろでまとめており、ネコ耳カチューシャもつけていない。

 

「学園艦だと、普段は制服か、自室にいる時はジャージ姿だから、こんな恰好しているのはなかなかないからかも。」

 

「じゃあ、今日のねこにゃーさんはレアキャラなんですね。」

 

ねこにゃー達アリクイさんチームがネトゲ好きという話はしていなかったが、カルパッチョがうまく表現したので、みんなで大笑いした。

 

「では、そろそろお店に入りましょうか。」

 

「お腹がぺこぺこにゃ。」

 

お店に入ると、左手にある食事処の奥のテーブルに通された。

 

「私がスクーターを売ってもらった豊年屋機工部の人に、ここのお店はお刺身やお寿司がすごく美味しいって聞いてたんで、一度来てみたかったんです。」

 

「確か、自動車部が部品を取り寄せてもらっているお店だって聞いてるけど。」

 

「はい、学園艦のお店に無いものはそこに注文して、寄港した時に買うそうです。」

 

「原付の免許を取った後、最初は自動車部の備品のスクーターを借りて乗ってたんですけど、そのお店で新しい小型二輪を買ったからスクーターが余ってるって聞いて、それを安く譲ってもらいました。」

 

「とても可愛らしいスクーターで、澤さんに似合ってますね。」

 

「ありがとうございます。でも、やっぱり中型のバイクに乗りたいなあ。」

 

「この間、箱根に行った時も、アズミさんのバイクに跨らせてもらってたね。」

 

そこに、注文していた料理が運ばれてきた。

 

「このお刺身、すごく新鮮ですね。身がプリプリしてます。」

 

「ひなちゃん、お刺身大好きだからね。」

 

「煮魚も美味しそう。」

 

「お寿司も、シャリとネタが光ってるにゃ。」

 

「カルパッチョさんだから、やっぱり刺身なんですか?」

 

「そうね。実際、イタリア料理のカルパッチョは、サーモンや鯛、ホタテを使うことが多いですね。でも、魚だけじゃなくって、牛肉のカルパッチョもあるんですよ。」

 

「マリネみたいなもんかな?」

 

「似てるけど、少し違いますね。カルパッチョは薄切りの切り身にオリーブオイルをかけて香草を散らしたイタリア料理ですが、マリネは食材を漬け汁に漬けて柔らかくしたフランス料理ですね。」

 

「さすが、料理が得意なアンツィオなだけあるにゃ。」

 

「全国大会2回戦の後の宴会、美味しいものがたくさんありましたね。」

 

「うちは、ドゥーチェが、試合の後は選手やスタッフを労うためにいつも食事会をしますから。対戦相手の方達も一緒に食べてもらって、皆で楽しむんです。」

 

「え?そんなのがあったの?いいなあ、ボク達は決勝戦からだったから。」

 

「五十鈴さん、全力でいろんなものを食べてたなあ。」

 

「アンツィオのみんなもびっくりしてましたよ。あんなに食べる人は初めて見たって。食べ切れないぐらい作るから、普段は結構残るんですけど、あの時はきれいに食べきってましたし。」

 

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その頃、大洗の某焼肉屋さんにて。

 

「ちょっと、華、まだ食べるの?」

 

「ええ、久しぶりの焼肉食べ放題ですし、いろんなお肉を食べられるなんて、とても幸せですわ。」

 

「ここは新しくオープンしたところですから、まだ五十鈴殿の回状が出回っていないみたいですね。」

 

「ケーキも美味しい。」

 

「このお店も時間の問題かな。」

 

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「そう言えば、アンツィオって、お昼休みにいろんな屋台が出てるそうですね。」

 

「ええ、ウチは料理が得意な人が多いし、家庭科では本格的なイタリア料理の授業があるんですよ。戦車道履修者で2店舗出してますし、他の部活動もいろんな屋台を出しています。」

 

「ペパロニさんの鉄板ナポリタンがすごく美味しいって聞いたことあるにゃ。」

 

「ひなちゃんはラザニアが得意だよね。」

 

「うん、ペパロニは鉄板ナポリタン、私がラザニア、ドゥーチェがパスタの担当なの。他の子達は、別の屋台でジェラートを売ってるわよ。」

 

「いいなあ、一度、アンツィオにお邪魔して屋台で食べ歩きしてみたい。」

 

「ええ、ぜひ一度、遊びに来て下さいね。」

 

気が付けば、出てきた料理は綺麗になくなっていた。

 

「じゃあ、そろそろ出ようか。ひなちゃん、どこか行きたいところってある?」

 

「そうね、帰る前にお土産を買っておきたいかな。」

 

「じゃあ、シーサイドステーションのまいわい市場に行きましょう。あそこだったら大洗の名産品をたくさん売ってますし。」

 

お店を出ると、再びバイクに跨り、少しだけ走ってシーサイドステーションへ。

駐輪場にバイクを停めて、まいわい市場でお土産を買い、大道芸人のパフォーマンスを見たり、保護猫カフェで猫と遊んだり、動物雑貨のお店を覗いたりしていると、気が付けば日が傾いていた。

 

「名残惜しいけど、そろそろおいとましなくちゃ。」

 

「ここから宇都宮まではどのぐらいかかるんですか?」

 

「2時間ぐらいかな。ただ、夕方は50号線が結構混むから、もう少しかかるかもしれないわね。」

 

「ひなちゃん、遠いところからわざわざありがとうね。」

 

「どういたしまして。久しぶりにたかちゃんと一杯お話ができたし、カバさんチームのみなさんとのお喋りも楽しかった。」

 

「あ、あの、戦車道履修生の中でバイクに乗っている人のメッセージグループがあるんですが、カルパッチョさんも参加しませんか?」

 

「いいんですか?」

 

「うん、ボクも入ってるけど、戦車道とバイクの共通の話題もあるし、結構楽しいにゃ。」

 

「タイミングが合えば、一緒にツーリングに行ったりするんですよ。」

 

「じゃあ、入れて頂こうかしら。」

 

「機会があれば是非ツーリングに行きましょう。」

 

「ええ、楽しみにしています。澤さん、頑張って自動二輪の免許を取ってくださいね。」

 

「はい!」

 

「ひなちゃん、気を付けて帰ってね。」

 

「ありがとう。着いたらメッセージ送るね。」

 

カエサル、梓、ねこにゃーは、バイクに乗って帰るカルパッチョを見送った。

 

「では、私たちも帰ろうか。」

 

そう言って、カエサルが学園艦のほうに歩き出そうとしたら、ねこにゃーが声をかけた。

 

「あ、あの、ボクのバイク、一応2人乗りはできるから、送って行こうか?」

 

「本当?じゃあ、お願いしようかな。しかし、バイク繋がりで他の学校の子達と知り合えるなんて、羨ましいな。今度、他の学校で歴史好きな戦車道履修生を探してみようかな。」

 

「ローマだったらアンツィオ、ドイツなら黒森峰、日本だとやっぱり知波単あたりに歴史ネタが好きな人がいるんじゃないですか?」

 

「ボクも、他の学校でネトゲ好きな人がいないか探してみるにゃ。オンラインだといつでも会えるし。」

 

「戦車道を通して友人の輪を広げて行く、これも戦車道なのかもしれないな。」

 

「はい、大学選抜戦の時に他の学校の人達が駆けつけてくれたのも、西住隊長の戦車道のおかげですもんね。」

 

そんな話をしながら、夕焼けの中、2台のバイクは、学園艦へと走り出した。

 

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(後日談)

 

「カルパッチョ、ペパロニ、今度の日曜日、空いてるか?」

 

アンツィオ高校戦車道の隊長のアンチョビがカルパッチョとペパロニに声をかける。

 

「あ、はい、特に予定は入っていませんが。どうしたんですか?」

 

「さっき、大洗女子学園の角谷から電話があってな、うちの学園艦が大洗港に寄港する時に、シーサイドステーションで屋台を出さないかって話があったんだ。」

 

「あ、この間、大洗に行った時、たかちゃん達とその話をしてたんです。シーサイドステーションに屋台を出したらどうかって。そしたら、生徒会長に口添えしてくれるって。たかちゃん、約束守ってくれたんだ。」

 

「そうなのか?カルパッチョ、でかした!」

 

「大洗って言えば、あんこうが有名らしいっすよ。あと、干し芋も。ドゥーチェ、干し芋パスタ、出しましょう!」

 

「干し芋パスタ、そう言えば、角谷が作ってくれるって言ってたな。よし、角谷に作り方を聞いてみよう。」

 

「よーし、私もいつもの鉄板ナポリタン、ガンガン売りまくるっすよ!」

 

「アマレット達の出してるジェラートも、屋台で出しましょう。」

 

「ああ、そうだな。これでP40の修理代が稼げるぞ!よし、今日の戦車道の時間は、大洗出店に向けて料理研究と作戦会議だ!」

 





いかがでしたでしょうか。
かなり前に梓とねこにゃーがツーリングに行った安住神社での伏線、ようやく回収できました。

はい、筆者はカルパッチョ推しです。中の人の癒し系の声もいいですね。

今回のお話、かなり以前から書き始めていましたが、なかなかストーリーが定まらず、途中で放っておいたものをなんとか書き上げました。
おまけに、途中で別のお話(継続のアキちゃんのお話)が思い浮かんで、そちらを先に書いたり。あと、これと並行して別のお話も書き始めています。

コロナの影響でなかなか大洗に行けませんが、こんなお話で大洗を感じていただければ。
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