最凶の組のIS操縦士 ~家族の絆で空を行く~   作:木原@ウィング

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ちょっと長めの入院生活を送り、最近ようやく退院出来ました。
入院中に書き上げようとしたんですけど保存していた筈のデータがぶっ飛んだり案外病院が快適だったりして全然執筆出来ませんでした。
遅れてしまって大変申し訳ございません


中華娘と生徒会長の襲来を受けて男は笑う

「親父さん、マドカもおはよう!」

 

 

「二人とも、おはようございます」

 

 

「おう、箒に一夏。おはよう」

 

 

「おはよう、二人とも」

 

 

一夏のクラス代表決定パーティーから次の日の朝、食堂で食事を終えて教室に向かう廊下で雷光とマドカを発見した一夏と箒は挨拶をして二人の元に向かう。

それに気が付いた雷光とマドカも足を止めて二人と合流すると再び教室に向けて歩き出した。

 

 

「昨日は楽しかったか? 一夏」

 

 

「いやいや、緊張してあんまり楽しめなかったよ。親父さん」

 

 

「情けないぞ、一夏。今後はああいう機会も増えるのだ。今のうちに慣れておけ」

 

 

「マドカの言う通りだ。クラスの代表なのだからどっしりと構えていれば良いんだ」

 

 

「マドカも箒も辛辣じゃないか?」

 

 

箒とマドカにバッサリと切り捨てられ、肩を落としてしまう一夏。

その様子を見て苦笑いする雷光は教室が普段に比べてざわついている事に気が付いた。

 

 

「みんな、おはよう」

 

 

「あら、お父様! それに一夏さん、箒さん、マドカさんもおはようございます」

 

 

「おはよう、セシリア。それで皆どうしたんだ? 廊下からでも聞こえるくらいざわついていたけど……」

 

 

「何か緊急事態か?」

 

 

「なんでも転校生がやってくるそうですわ」

 

 

「転校生? こんな時期にか?」

 

 

一夏は転校生と聞いて首を傾げ、雷光とマドカと箒は少し顔を険しくして転校生に対する自分達の考えをそれぞれ口にする。

 

 

「普通の学校だったら親の転勤とかもあり得るがIS学園で転校生となると……」

 

 

「確かに、どうもキナ臭いな」

 

 

「どうせ、国家からの命令で編入して来たって感じだろうな」

 

 

「いやいや、流石にそれは無いだろ……」

 

 

「全くお前は……少しは自分が置かれている状況を思い出せ」

 

 

一夏の考えすぎではと言わんばかりのツッコミに呆れた様子のマドカは一夏の頭を軽く小突き雷光は自分の席にに向かっていく。

 

 

「あっ、織斑君!! 頑張ってよ?」

 

 

「頑張るって何を?」

 

 

「もう、忘れてる? あと少しでクラス対抗戦じゃん」

 

 

「勝ったら食堂のデザートフリーパスが手に入るんだよぉ~」

 

 

「へ~学校行事なのにそんな景品ついてんの?」

 

 

「そうだよ。だからみんなメラメラ燃え上ってるんだよ~」

 

 

聞かされていなかったクラス対抗戦の景品について驚く一夏を他所にクラスメイト達は今の段階で既に勝ったと思っているのかどんなデザートを頼むかという内容に話が変わっていた。

 

 

「あの練習試合を見た感じだと織斑君だったら優勝間違いなしだよぉ」

 

 

「それに今の所専用機を持っているクラス代表って1組を除くと4組だけだから余裕だよ!」

 

 

「――その情報、古いよ」

 

 

突然聞こえたその声を聴いて教室の会話はピタリと止み、全員が声の聞こえた方を見てみるとそこには腕を組みドアにもたれ掛かって片方の目を閉じた一人の少女が居た。

 

 

「2組も専用気持ちがクラス代表に変わったの。そう簡単に勝てるとは思わないでね?」

 

 

「鈴? お前、鈴か!?」

 

 

「えぇ、そうよ。中国代表候補生、凰鈴音(ファン・リンイン)よ。今日は貴方達に対して宣戦布告しに来たわ」

 

 

鈴と名乗ったその少女はそう言うと1組の面々を見渡し二カッと歯を見せながら不敵に笑って見せる。

その堂々とした姿に宣戦布告しに来たと言われた1組の生徒達はただ呆気に取られているだけだった。

 

 

「何やってんだよ、お前。全然似合って無いぞ」

 

 

「んな!?」

 

 

「全くだ、せめてもう少し背丈が有れば様になっていたんだがな……」

 

 

「そっちの奴! 五月蠅いわね、人が気にし…てる……」

 

 

一夏に続いてそう零した人物に憤怒の表情で噛みついた鈴だったがその人物の顔を見て、先程の怒りの勢いが急激に無くなって行った。

鈴の目の前には彼女の最も苦手とする人物である、織斑千冬と全く同じ顔をした人物が立っていたのだ。

 

 

「急に黙り込んでどうしたんだ?

 

 

「ち、ちち、ちちちち千冬さん!? な、ななななな何でIS学園の制服着てるの!?」

 

 

「……はぁ、私は織斑先生の親戚の織斑マドカだ」

 

 

「え? 千冬さんの親戚? ……なぁんだ。そうだったのね。改めて、中国代表候補生の鈴よ」

 

なぜ鈴が固まってしまったのか理解したマドカは少しだけ不機嫌そうに息を吐き、千冬の様に眉間に皺を寄せながら鈴に自己紹介をする。

マドカの自己紹介を受けてようやく理解したのか鈴も気を取り直してマドカに向き直って手を差し握手する。

 

 

「それで、何しに来たんだよ。鈴」

 

 

「さっきも言ったじゃない。クラス対抗戦の宣戦布告よ。2組代表としてアンタに対してね」

 

 

「俺に? ……つまり久し振りに会いに来たって感じか」

 

 

「何でそうなるのよ!? ……そりゃ確かに久しぶりに会いたいとは思っていたけど//

 

 

一夏の発言に思わず顔を赤らめて否定する鈴だったが発言の公判で本音が少しだけ漏れていた事に一夏以外が気が付いた。

そんな鈴の様子を見て、自身のライバルになると直感で悟った箒は少しだけ視線が鋭くなり、マドカはまた一夏の被害者の出現に思わず頭が痛くなったのか頭に手を当てていた。

 

 

「あっ、でもよ鈴。俺に挨拶するのも良いけど、あの人にもちゃんと挨拶しろよ? 俺達、凄いお世話になってたんだから」

 

 

「あの人? あの人って誰よ……私達の共通の知り合いでIS学園に来てる人なんて居たっけ?」

 

 

「いやいや、あそこに座ってるじゃん」

 

 

一夏はそう言って雷光の座っている方を指さし、鈴もその示す方を釣られて見てみるとそこに座っていた姿を見て動きが完璧に止まった。

まるで石化したのではないかと思えるくらいにビシリと止まった。

 

 

「ん? どうした鈴?」

 

 

「完璧に固まったな」

 

 

「アニメみたいに止まったね~」

 

 

「パントマイマーみたいに綺麗に止まりましたね」

 

 

「おい、大丈夫か?」

 

 

「さっきからどうかしたのか?」

 

 

雷光がその騒ぎを聞きつけ一夏達の元に歩み寄って来るのと同時にさっきまで石化していたのが嘘の様に物凄い速さで雷光に突撃する鈴。

 

 

「っとぉ。何だ何だ?」

 

 

「お、おじさん!? 雷光おじさんですよね!?」

 

 

「お前は……鈴か? 久し振りじゃないか!」

 

 

「はい! お久しぶりです!! でも何で雷光おじさんがIS学園に!?」

 

 

「知らなかったのか? 俺も一応はISを動かしていたんだよ」

 

 

「えぇ!? だってそんな情報は一切流れてなかったじゃ無いですか!?」

 

 

「いやいや、だってさ俺の仕事柄とか大っぴらには発表できないからな? それに国家としても莫大な利益を出すよりも俺をあまり怒らせる様な真似をしたくはないようだ」

 

 

「へ~流石はおじさんね!」

 

 

「おっと、鈴。そろそろ戻らないと不味いぞ」

 

 

「えぇ、何で?」

 

 

「ここの担任は千冬だ」

 

 

「すぐに戻ります!」

 

 

1組の担任を教えられた鈴はすぐに教室から逃げる様に出て行った。

そのあまりの速さに一夏達もポカンとした表情で見送っていた。

 

 

「あっ、お昼休みにまた来るから! 逃げるんじゃないわよ、一夏!!」

 

 

「え? あ、おう」

 

 

再び教室に出戻りしてそう宣言した鈴は今度こそ2組に帰って行った。

この一連の行動に最早苦笑いしか浮かべられなかった1組の面々はチャイムの音を聞き、千冬が来る前に席に着いたのだった。

 

 

――――――――――          ---------

 

 

午前中の授業が終わり一夏、箒、セシリア、マドカ、本音、雷光は食堂に向かって歩いていると前方から簪が歩いてきた。

 

 

「おっ、簪か」

 

 

「何だ、更識か」

 

 

「何だなんて酷いよ、マドカ」

 

 

「かんちゃんも食堂?」

 

 

「うん、みんなも?」

 

 

「あぁ、そうなんだよ。簪さんも一緒にどうだ?」

 

 

「ありがとう。ご一緒させてもらうね」

 

 

「うむ、簪なら歓迎だ」

 

 

「えぇ、みんなで食事した方が楽しそうですしね」

 

 

「決まりだな。それじゃあ行くか」

 

 

雷光達に簪が合流して再び歩き始めた一行は食堂の前の曲がり角に差し掛かった。

その時、反射的に動いたのはマドカと簪。そして雷光だった

 

 

曲がり角から伸びた拳を雷光が流れる様に受け流し、返す刀でマドカが襲撃者の右側を、簪が襲撃者の左側をそれぞれ抑え込み反撃が出来ない様に抑え込み、止めと言わんばかりに手刀を振り襲撃者の喉元にピタリと止める雷光。

三人のその動きに遅れるようにセシリアと箒、そして一夏も普段持っている獲物を構えようとしたが雷光達は完璧に封殺した襲撃者の顔を見て溜息をついてさっさと拘束を解いてしまう。

 

 

「全く、突然の殺気を感じて誰かと思えば……」

 

 

「相変わらず悪趣味な……」

 

 

「悪戯にしてもやり過ぎだよ」

 

 

「かんちゃんの言う通りですよ~お嬢様」

 

 

「ふふっ、ごめんなさいね? 久し振りに貴方達に会えるから少しだけ悪戯したくなっちゃった」

 

 

「そう言えば簪とは何度か会ったが貴様とはあまり会わなかったな」

 

 

「仕方ないでしょ? これでも一応は当主だからね」

 

 

「今の感じだと少しは真面目に仕事はしているんだな。お前」

 

 

「それはどういう意味かな? マドカ」

 

 

「言葉通りに決まってるだろう?」

 

 

「あ、あの~」

 

 

「ん?」

 

 

雷光達が話している中でおずおずと手を上げる一夏。

一夏達の顔にはこの人物は誰?と書かれている様だった。

そこでようやく雷光達は目の前の少女の事を紹介していなかった事を思い出した

 

 

「一夏、箒、セシリア。紹介するよ、彼女は更識楯無だ」

 

 

「更識……と言う事は」

 

 

「ふふっ、察しが良いわね。そう、私こそは簪ちゃんのお姉さんよ」

 

 

「そしてこの学校の生徒会長でも有るんだよ~」

 

 

「「「「せ、生徒会長!?」」」

 

 

本音からの衝撃カミングアウトを受け、入学式の時には顔を見ることが出来なかった意外な人物の登場に一夏達が驚きの声を上げる。

その反応に対し、物凄く嬉しそうにうんうんと頷いて手に持っていた扇子をバッと開く楯無。

扇子には「生徒会長」と達筆な字が書かれていた。

 

 

「その扇子、何時も思うがどんな理屈なんだ? 毎回毎回、違う文字が書いてあるよな?」

 

 

「それがお嬢様、誰にも教えてくれないんだよ~。私も気になってるから調べてるんだけどねぇ」

 

 

「私も……あればっかりは教えてくれない」

 

 

「あまり言いたくないが……1つ欲しい」

 

 

「古いのだったら有るけど欲しい?」

 

 

「欲しい!!」

 

 

「「「「「食い気味に言った!?」」」」」

 

 

楯無の提案に物凄い速さで回答したマドカに箒、一夏、セシリア、本音、簪が思わずツッコむ。

マドカのその反応に口元を扇子で隠して笑う楯無と笑みを隠そうともしない雷光。

 

 

「それじゃあ、みんな。またね」

 

 

「お姉ちゃんは食堂に行かないの?」

 

 

「行きたいんだけどね……そろそろ行かないと」

 

 

「その様子だと……お前、まさか」

 

 

「それじゃあね!」

 

 

マドカのジト目を躱して楯無はそそくさとその場から立ち去っていく。

突然いなくなった楯無の見送った一夏、箒、セシリアは呑気に手を振っていたが楯無の事を良く知っているメンバー達は溜息を吐いたり、苦笑いしていたり、頭に手を当てたりしている。

 

 

「アイツ……まさかな?」

 

 

「そのまさかだと思うよ……」

 

 

「お嬢様、お姉ちゃんが怒ってるよ。絶対に」

 

 

「なぁ、親父さん。結局あの人の用事って何だったんだ?」

 

 

「一夏、気にするな。アイツがこうやって場をひっかき回すのはいつもの事だからな」

 

 

「それにあの感じだと仕事を……」

 

 

一夏達の疑問に少し疲れた様にマドカが、そして少しだけ目を細めて楯無が走って行った方を見つめる雷光。その瞳の眼光は少しだけ怒っている様に見えた。

 

 

「それよりも急ごう。食べなければ授業中に頭が回らなくなってしまう」

 

 

「あ、あぁ! 急ぐか」

 

 

――――――――――        ――――――――――

 

 

「待っていたわよ! 一夏、おじさん!!」

 

 

「鈴、取りあえず席で待っててくれ」

 

 

「食券機の前に仁王立ちされてると注文出来な」

 

 

「うっ……ごめんなさい」

 

 

雷光とマドカに指摘されてシュンとした顔になってすごすごと席の方に歩いて行く鈴。

哀愁漂うその様子を見て居た堪れなくなってすぐに注文した品を受け取り、鈴が確保していた大人数で座れるテーブルに向かう一行。

 

 

「じゃあ、改めて……久しぶりね! 一夏、おじさん!!」

 

 

「あぁ、確か1年振りだったか?」

 

 

「鈴のお父さんの仕事の都合で中国に帰っちまったんだもんな。二人は元気か?」

 

 

「はい! おじさんが相談に乗ってくれたから喧嘩ばかりしてたあの時よりも凄く仲良くなってますよ!」

 

 

「そうか……久しぶりに思いっきり叱りつけたから少しだけ不安だったが、良かったよ」

 

 

満面の笑みで近況報告する鈴とその報告を聞いて微笑む雷光。

その様子はさながら、久しぶりに会った親戚の子の話を聞くおじいさんだった。

 

 

「雷光さん。そろそろ紹介してください」

 

 

「そうですわ! お父様!! いつまでも蚊帳の外は寂しいです!!」

 

 

「おりむ~も知り合いみたいだけどどんな関係~?」

 

 

「何となく察しては居るがな……」

 

 

「うん、多分アレだよね」

 

 

2人の様子に少し面白くなさそうにへそを曲げた子供のような言い方で箒とセシリアが問い、本音が普段と変わらない様子で、マドカと簪は何となく察した様子で聞いている。

 

 

「あぁ、すまんな。箒、彼女は箒が離れた後に中国から引っ越して来た凰鈴音だ」

 

 

「箒はファースト幼馴染だとしたら、鈴はセカンド幼馴染って奴だな」

 

 

「わ、私が離れた後の……」

 

 

「ふ~ん、アンタが一夏やおじさんが良く話していた箒って子なのね?」

 

 

「あ、あぁ。篠ノ之箒だ。よろしく頼む」

 

 

「凰鈴音よ。よろしくね? ……負けないからボソッ

 

 

箒から差し出された手を握って握手した鈴は他の面々には聞こえない様に宣戦布告し、箒もその布告を受けて先程とは違う意味で目を細める。

 

 

「では、次は私ですわね。私はイギリスの代表候補生、セシリア・オルコットですわ」

 

 

「日本の代表候補生の更識簪。雷光さんとは子供の頃からの付き合い」

 

 

「私はかんちゃんの侍女をしてる布仏本音だよ~」

 

 

箒の挨拶が終わるのを確認して残っている面々が自己紹介をする。

鈴はそんな面々の一瞥すると箒と同じように握手して頭を下げる。

 

 

「イギリスと日本の代表候補生か……」

 

 

「はい、鈴さんも代表候補生ですわよね?」

 

 

「あ~そうなんだけど、私はあんまりそういう拘り無いのよねぇ」

 

 

「意外……代表候補生はみんななろうとする位なのに」

 

 

「私の場合は、ただただ我武者羅に頑張っていたらいつの間にかなっていたのよ」

 

 

「凄いね~ちなみにISに乗って何年目なの?」

 

 

「確か……1年だったかしら」

 

 

「「「「「1、1年で!?」」」」」

 

 

本音の何気ない一言に対する返事は一夏の予想をはるかに超えるとんでもない内容だった。

鈴は何でもないと言わんばかりだが、その厳しさを知る代表候補生2人とその従者、そして実際に戦った事のある一夏と箒は目を見開き驚く。

そんな一夏達とは対照的に対して驚いていないのは雷光とマドカだけだった。

 

 

「成程……麒麟児と称されるだけの腕は有るようだな」

 

 

「いや、マドカ。何でそんなに冷静なんだよ」

 

 

「驚くような内容じゃないからな。世界にはこういう奴等がごまんといるからな」

 

 

「そ、そういう物か?」

 

 

「そういう物さ。……で、当の本人は何でそんなに私に熱い視線を向けている?」

 

 

「え!? あっ、いや、べ、別に……」

 

 

「言いたいことはハッキリと言え。気になるだろう」

 

 

「え、えっと……じゃ、じゃあ」

 

 

鈴は意を決した様に頷くと真剣な目でマドカを見る。

マドカの方は何となく鈴のしたいであろう質問を予想して心の中で溜息をついた。

 

 

「マドカって……おじさんの何なの?」

 

 

「…………は?」

 

 

予想していた物とは全く違う質問をされて思わず目が点になってしまうマドカとそんな普段は見れないような珍しい光景を見た簪は眼鏡型ディスプレイでバレない様に消音モードで高速撮影し、本音は携帯のカメラで撮影を決行した。

 

 

「な、なによ……そんな驚いた顔して」

 

 

「あ、す、すまん。予想していた質問と違っていたからな。で、質問の答えだが……私も親父殿と同じ真木組の1人だ」

 

 

「アンタも!? じゃあ、カイおじさんとかとも顔見知り?」

 

 

「カイさんか。あの人には良く世話になっていたよ」

 

 

「懐かしいな。よく弾達も連れておじさんの家に行った時に色々して貰ったなぁ」

 

 

「私も姉さんと一緒に会いに行って居たな」

 

 

「わたしは~かんちゃん達と一緒に行ったらお菓子とか一杯貰ったよ~」

 

 

「カイは何だかんだで子供が好きだからな。お前達をついつい甘やかしてしまうって言って居たぞ」

 

 

「そうなんですのね……私もお会いしてみたい物ですわ」

 

 

「だったら夏休みとかに一回来てみるか? 俺も顔を出しに行かないといけないからな」

 

 

「お父様!! その時は是非!!」

 

 

「お、俺もお願いします! 久し振りに真木組のみんなに会いたいんです!!」

 

 

「私も私も!!」

 

 

「わ、私も良いでしょうか?」

 

 

「はいは~い! かんちゃんと私も行きたいで~す!」

 

 

「ほ、本音! もぅ……」

 

 

「お前ら……一応、極道の家だって忘れるなよ?」

 

 

「まぁまぁ、良いじゃないか。マドカ」

 

 

呆れたように言うマドカに嬉しそうにはしゃぐ一夏達を微笑ましく眺める雷光。

その様子はまさしく子供を見守る大人の視線だった。

 

 

「あっ、そうだ。ねぇ一夏、アンタ1組の代表なんでしょ?」

 

 

「ん? あぁ、一応そうなった」

 

 

「だったら今度のクラス代表対抗戦にアンタが出張って来るんでしょ?」

 

 

「そうなるな。……確か2組は鈴で4組の代表は簪さんだったよな?」

 

 

「簪で良い……もしぶつかったら負けない」

 

 

「ふふん、あんた達のどっちとぶつかっても私が全力で叩きのめすけど恨まないでね?」

 

 

「面白い事を言うね、鈴……」

 

 

挑発する様な物言いの鈴に対して少しだけ目を細めて笑う簪。

その様子を見て口元をニヤリとさせるマドカと鈴。

こう見えても簪は結構な負けず嫌いなのだ。

 

 

「当日が楽しみね? 2人とも……」

 

 

「絶対に負けないから」

 

 

「俺だって負けねぇから」

 

 

「青春してんなぁ……」

 

 

「親父殿、爺さんみたいな事言ってるぞ」

 

 

こうして少し騒がしい位にお昼は過ぎて行った……

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