疑念は確信に変わった。ハリエット・ポッターにダドリー・ダーズリー、そしてハリエットは孤児?
「…?おい!何とか言ったらどうなんだ!」
「…ああ、すまない。少し考え事をね。ハリーが孤児という話だったね?
だがそんなことは
「…ぇ?」「はあ?なにいってんだ?」
「ハリーは君の言う通り孤児なのだろう。だが何故それがハリーを貶す理由になる?」
…どうやら予想外の回答のようだ。ハリーもダドリーも目を丸くしている。
「もう一度聞くがね、何故孤児だということが貶す理由になる?ハリー自身が何かしたわけではないのだろう?」
「…ぇ、だってこいつは…」
「特に理由があって貶していたわけではないのだろう?単にハリーが孤児、社会的に弱い立場にあるから、いじめても誰にも怒られないからというだけなのだろう?」
こういったが別に孤児が社会的に弱いわけではない。単に分かりやすいからだ。ダドリーがハリーをいじめているのはダーズリー家でのハリーへの虐待、そして逆に自分は甘やかされていることによる優越によるものと推測できる。少し突っつけば簡単にぼろが出る。
「弱い立場にあるものを貶し、いじめるとは。英国紳士とは口で言うだけかね?」
「ってめぇ!ぶん殴るぞ?!」
「おや、口でかなわないから暴力にはしるとは。また随分と短慮で愚かな人間だね、君は」
「なんだと!」
「まあ、殴っても構わないがね、それで困るのは君自身だぞ?」
「ああ?!」
「私を殴れば私は先生に告げ口をする」
「…はあ?なんだてめぇ、情けねぇ野郎だな」
そう言ってダドリーは私を嗤う。…まあ私も我ながら情けないことだとは思う。しかし私は精々140cmしかないし体重も40kg程度。どう見ても150cm、80kgはあるダドリーには殴り合いでは敵わない。だからこそ別の方法で戦うしかない。…子ども相手に頭脳戦とか、大人気ないにも程があるが。
「まあ確かに情けないがね、そんなことよりもだ。いいのかい?困るんじゃあないかい?私を殴ったことが先生に告げ口されたら」
「…あ?」
「まあ、君の御両親は君を庇ってくれるだろうが…私の両親は君のことをゆるしはしないだろう。それに殴られた私が怪我でもしたらそれはもう立派な傷害事件だ。君は晴れて犯罪者の仲間入りさ。ああ、それに君のような体格の子に殴られたらひょっとしたら死んでしまうかもしれないね?そうなれば君は殺人犯になってしうねぇ」
「…!」
「まあ君は子どもだからね。比較的に軽い罰ですむだろう…君が殺人を犯したという事実は消えないけれど、それでもまあ生きては行けるさ。ろくな仕事にありつけず路頭に迷うこともあるだろうがね」
「…お、俺の親父は会社の社長なんだ!そんなことになるはずがない!」
「身内に殺人犯がでた人間が経営する会社なんてすぐにつぶれるだろうさ。…さて、どうするんだい?私を殴ってみるかね?」
「…!畜生!」
…どうやら上手くいったらしい。ダドリーは足早に教室から出ていった。
「さて、ごめんねほったらかしにして」
「ううん、スカッとしたよ!ダドリーめ、ザマー見ろ!」
ハリーは心底嬉しそうにガッツポーズをした。…どうも性格は原作とそこまでかわりないらしい。…いや、多少の差異は出てくるだろうが、まあ構わないだろう。
「それはよかった」
「あ…でもどうしよう。家でこの事を言われたらまたご飯抜きになっちゃうよ」
「ん?ハリーは彼と一緒の家に住んでるのかい?」
まあ知っているが今私がそれを知っているのは変だろう。
「あ、うんそうなんだ。従兄弟だからね、そこでお世話になってるんだ。でも叔父さんたちはいつも僕に意地悪をするんだ。髪を無理矢理切ったり、なにもしてないのに叩いたりご飯を抜いたり」
やはりそうだ。ここでもハリーは虐待されてる。ダドリーの態度からそうだとは思っていたが…
「…大丈夫だよ、それならこう言ってみるといい。児童相談所にかけこむぞってね。」
「…え?」
「ハリーに対する扱いは完全に虐待だ。誰か大人の人に相談すればすぐに対処してくれる。それに彼の父親は社長なんだろう?虐待しているという噂がたったらとっても困ったことになるはずだよ」
バーノンだってバカじゃない。その不利益にはすぐに気付くだろう。
「…!そっか!やったぞ!バーノンめ、もう僕をいじめるなんてできないぞ!ザマー見ろ!」
「…よかったねハリー」
…女の子としては随分とお転婆だ。けどまあこれからのことを考えたらこっちの方がいいだろう。
「改めてよろしくね、ハリー」
「うん!よろしくレン!」
「ところでダドリーの時と口調ちがくない?」
「そりゃ敵と話すんならあんなもんだよ」
さて、何故私が魔法使いかというとだ。私は日本で
「…まあ、友達になったし。それに
私の寿命はあの神いわく後72年と9ヶ月。これだけあれば十分だろう。
「やってやるさ、原作と同じになるはずがないんだ。もしかしたらハリーが死ぬかもしれない」
魂のエネルギーを操れるようになったときに気づいた別の弱いエネルギー、これこそが魔力なのだろう。比べるとよくわかる。魂のエネルギーは
「けどまあ使うなっていわれたわけじゃなし」
私はハリーを絶対に守る。それが世界を歪めた責任だ。
「…気になるのは予言だ。あれは
…それもまた歪みなのだろう。私がやることに変わりはない。
「ハリー、お前だけは絶対に…」
1年がたった。ハリーの待遇は原作よりも大幅に改善され部屋も与えられたようだ。(改めてめちゃくちゃ感謝された)ハリーの11才の誕生日も間近になった。*1ハリーは原作と同じくどこか遠くへいってしまったが、まあ大丈夫だろう。私にもホグワーツからの手紙が来た。両親は首を傾げていたが私にはこれが本物だとわかる。そして今日迎えが来ることになっている。
ーピンポーン
「失礼します。ホグワーツからお迎えに上がりました、教授のマクゴナガルといいます。Renntaro Kitahara氏はご在宅でしょうか」
来た。やはり迎えはマクゴナガルのようだ。母さんが対応しているらしい。少しもめている。
ーですから、そういったものは受け付けていないと…
ー詐欺ではありません。魔法は実際に存在しています。
…少しかかりそうだ。助け舟をだそう。
「まあ母さん、上がってもらいなよ。家の前でもめてたら近所迷惑だ」
「廉太郎…わかりました。どうぞ、上がってください」
「どうも。それでは上がらせてもらいます」
…マクゴナガルは原作通りのようだ。いかにも魔女という感じだ。
「今お茶を用意します」
「ああ、お構い無く。…さて、まずは感謝しますよミスター。ご母堂に魔法をかけずにすみました」
「…それはよかった」
…まあ、マグルの親が魔法を認めないのはいつものことなのだろう。その時のために魔法をかける許可を得ていても不思議じゃない。
「あの、すいませんミス…えーと」
「マクゴナガルです。それとミスではなくミセスですよミスターレン」
…私の愛称まで知っているのか。
「ああ、すいません…それでえーとホグウォーツというのは?」
「ホグワーツです。手紙にかいていた通り魔法学校…すなわち魔法を学ぶための学校です。貴方は魔法使いなのですよ、ミスターレン」
「あのうちには大したお金は有りませんから…」
どうやら母さんは完全に詐欺だと思っているようだ。まあ、当然の反応だが。
「詐欺ではありませんよミセス。証拠をお見せしましょう」
マクゴナガルはそういうと瞬く間に猫に変わってしまった。
「え?ええっ?!」「うわあっ!」
…私まで驚いてしまった。分かっていてもやはり人間がいきなり猫になるというのはインパクトが強い。だからこそマクゴナガルという人選なのだろうが。
「これで信じていただけましたかミセス?」
「えっ、ええはい…信じがたいですが…」
「ではミスターレン。貴方はどうしますか?ホグワーツで魔法を学びますか」
…返事はとうに決まっている。あの時は義務感だったが今は違う。私はなにがなんでもハリーを守りたい。
「…いきます。そのホグワーツに」
「素晴らしい判断ですよミスター」
マクゴナガルは嬉しそうにそう言った。
そして今私は学用品を揃えに漏れ鍋というパブにやってきた。そしてそこには大きな男と可愛らしい少女が先に来ていた。
「あれっ、レン!?何でここに!」
「ん?どうしたハリー、知り合いか?」
…え、ここで会うの?早くない?
主人公プロフィール
名前:北原 廉太郎 愛称はレン 前世は東野 洋介
能力:魂のエネルギー。強力かつ莫大なエネルギーだが使 うと寿命が縮む。魔法はノウハウがないのでまだ使えない。魂のエネルギーは身体強化や高熱のレーザー等に使え傷を癒すこともできる。ちなみに純粋なエネルギー量ならこの世界のダンブルドアの全盛期の魔力のおおよそ十倍。
経歴:日本からの転生者死んだときに魂を自覚してそのエ
ネルギーを操れるようになった。7才の頃に日本の 蛇神に遭遇して自分の寿命を知る。9才でイギリスにわたりそこでハリーと友達になる。はじめは義務感から守ろうとしていたが現在はどうも感情からくるもののようだ。
性格:冷静に見えて意外と感情に引っ張られるタイプ。悲
観主義に見せかけた楽観主義
家族:父母との三人家族
誕生日:11月6日
一万文字とか書ける人すごすぎない…?
祟り神から蛇神に変更しました