ホグワーツへ向かう日がやって来た。ハリーとは9と4/3番線のホームで待ち合わせている。原作と違いマクゴナガルはちゃんと行き方を教えてくれていたので問題なく辿り着けた。
「じゃあ、早いとこ列車に乗っておこうか、コンパートメントも限られているだろうし」
「そうだね、レン…そういえばレンの親は?」
「今日も仕事でね、母さんもパートが入っているし、仕方ないさ」
肩をすくめながらそういうと、ハリーは苦笑して納得した。私の方はハリーに叔父さん達のことは聞かない。わかりきったことだからだ。
「それじゃ仕方ないね…よいっしょ」
「ああ、手伝うよハリー」
ハリーが荷物を詰め込むのを私も手伝う。私の荷物もハリーに手伝ってもらった。
「それじゃ…ああ、あそこが空いているね」
「うん、じゃあそこにしよっか」
すぐちかくのコンパートメントが空いていたのでそこに二人ではいる。荷物を上に置くのは二人で手伝いながらやった。ちなみにヘドウィグ(名前は原作通りになった)は窓際に置いてある。
「そういえばハリー、教科書の予習とかした?」
「うん、一通り読んだし呪文も簡単なのは試したよ。レパロとか。レンは?」
「うん、私もそんな感じかな…それよりハリー、寮制の学校なんだからもっと女の子らしい口調の方がいいと思うよ?」
…やはり
「えー、大丈夫だよいまのままで。流行りのボーイッシュってやつさ」
「ボーイッシュってわりにはハリーの見た目は女の子らしすぎるよ。いや、会ったときは最初男の子だと思ったけどあの時よりもずっと可愛らしくなってるしさ」
「か…!?い、いやそんなこと無いさ、でも…その…あ、ありがとう…」
「ん…フフ、ほら完全に女の子の反応だ」
「と、当然だろう?!僕は女の子なんだから!っていうか初めての頃はレディだったのになんで今はガール(女の子)なのさ!」
「ハリーが『恥ずかしいから止めてくれ』って言ったんじゃないか」
「そうだった!」
そんな風にじゃれあってると出発の時間になった。
「さらば、マグルの世界…」
「そしてこんにちは、魔法の世界…って、なにこれ?なんかの小説?」
「ううん、やってみたかっただけだよ。それっぽいだろう?」
「なにそれ…でもレンらしいよ」
「?どういう意味?」
「たまにワケわかんないことするってことだよ。日本人だからってだけじゃないでしょ、レンの奇行は」
…多分ハリーがいってるのは何とか原作前に魔法を習得しようとしていたときのことだと思う…っていうかそうであってほしい。
「そうかな?でも魔法使いなんだから変人で普通な位なんじゃない?」
「あはは、確かに」
「あの…ここ空いてるかな」
「「ん?」」
ハリーと話しているといつの間にかコンパートメントの前に燃えるような赤毛の少年がたっていた。…そういえばロンと出会うのは…いや原作なら9と4/3番線に入るときにちらっと会ってるけど…このタイミングだったな。ハリーとのじゃれあいが楽しくて忘れていた。
「うん、空いてるよ。私はレンタロー・キタハラ、日本人さ。レンって呼んでくれ」
「うん、ありがとう。僕はロナルド・ウィーズリー、ロンでいいよ…君は?」
…そういえばロンの本名はロナルドだったか。
「僕はハリエット、ハリエット・ポッター。ハリーでいいよ。レンとは一番の親友なんだ」
ロンはポカンとしている。ハリーの名前に驚いたのだろう。…決して一番の親友という言葉に驚いたわけではない。断じて。
「ハリエット・ポッター?じゃ、君が例の『生き残った女の子』?」
やはり呼び名は生き残った
「うん、そうだよ。ほら」
そう言ってハリーは自分の額にある稲妻型の傷跡を見せる。
「うわーお…本当にハリーだ…」
「…ハリー、女の子なんだから顔の傷はみだらに見せちゃいけないってあれほど…」
「?でもレンは『顔の傷は萌え要素』って言ってたじゃん」
「言ったけどそれは顔に傷のある娘がそれを気にするのが可愛いのであって…ってなに言わせんのさ!」
「なに聞かせんのさ」
「ハリーが言わせたんだろう?!」
「…このやり取りもう飽きない?」
「ハリーが始めたんじゃないか!」
「あの…」
「「あ」」
しまった、ロンのことをすっかり忘れていた。
「あの…だ、大丈夫だよ!性癖は人それぞれだし!」
「ちょっ…!違う違う!今のやり取りは私達のお約束みたいなもので…!」
「でもレンがそう言ってたのは事実だろう?」
「ハリーは黙ってて!」
「いや、ほんと気にすること無いって!」
「だから違うんだってー!日本人なら割りとフツーの嗜好だからぁ!私が変態な訳じゃないからぁ!信じてよー!」
「…いや、それが事実の方が不味くない?それ…」
「…僕日本に行かない方がいいのかな…」
「あっ、い、いや今のは言葉の綾というかその…!」
不味い!このままだと私が変態のようになってしまう!
「車内販売はいかがー?」
「救世主!!甘いのをお願いします!」
助かったー!
「ほとんど甘いものだったねー…ムグムグ」
「ほんとにいいの?僕までもらっちゃって…」
「いいのいいの、レンの性癖を黙っててあげる対価なんだから…あ、これ美味しい」
「…はい、もうそれでいいです…」
…こうなったらこれ以上この話を広めないようにしなくては…!主に私の名誉とハリーと一緒にいるために!
「?なんだろうこれ?
!よっし結果オーライ!キーアイテムだ!
「えーっと…うわ!?チョコが飛び出した!?」
ハリーが開けた蛙チョコは窓から飛び出して行ってしまった。
「あーあ、逃げちゃった…あいつら早く食べないとすぐ逃げちゃうんだ」
「へ、へーそうなんだ…あ、なんかカードも入ってる…[ダンブルドア]?どっかで…」
「ハリー…ホグワーツの校長だよ、手紙に書いてあっただろう?」
「あーそうだそうだ、あの長ったらしい称号がついてた人だ!正直名前よりも称号に目がいって覚えにくいよ」
酷い言い草だ。単に驚くことが他にあって忘れてた、ってほうがまだましな理由だったのに…
「あ、すごいこのカード!絵が動いてる!」
「そりゃあ動くさ」
「あ、消えちゃった!」
「そりゃあずっとそこにいるわけ無いさ、当たり前だろう?」
「へー、すごいなぁ魔法界のカード…」
ハリーが関心しているとコンパートメントのドアがノックされた。
「失礼、ヒキガエルを見なかった?ネビルの飼っているトレバーが逃げ出したの。…あら、貴女ハリエット・ポッターね?私はハーマイオニー・グレンジャー、ハーマイオニーでいいわ」
「よろしくハーマイオニー、僕はハリーでいいよ…ところで今
「ええ…正直ヒキガエルをペットにするなんて正気を疑うけど、魔法使いなら普通なのかしらね、ああ、私はもともとマグルなの、両親は歯医者をやっているわ」
「魔法使いのなかでもヒキガエルは少数派さ、一番人気は梟だよ…僕のネズミ…スキャバーだって本当は梟に変えたいくらいさ」
「あらそうなの?ところでヒキガエルは?」
「ごめん見てない」「僕も」「私もだ」
「そう…じゃ、また学校でね。貴女達もそろそろ制服に着替えた方がいいわよ」
「うん、ありがとうハーマイオニー」
ハーマイオニーはさっさと出ていってしまった。
「なんだあいつ、感じ悪い」
「まあそう言わないのロン、単に口下手なだけだよきっと…さて、着替えようか」
「そうだね、それじゃロン、私達は出ていよう」
「?なんで?一緒に着替えればいいじゃん」
…マジかロン。いや原作でもデリカシー無かったけど…ハリーもマジかコイツって目で見てるぞ。つか初めて見たぞハリーのあんな軽蔑した目…
「ロン…ハリーは
「なに?ロンは変態さんなのかな?」
「…!あ、ごめん!」
ロンは慌ててコンパートメントの外に出ていった。
「全く…ロンにはデリカシーがないよ、もう」
「あはは…ま、まだ子供なんだよ」
「レンだって同い年でしょ?さ、でてったでてった」
「はいはい」
コンパートメントの外で待っていると前から金髪の偉そうな男の子が屈強な男の子を引き連れてきた。
「やあ、こんなところでなにをしているんだい?」
「…その髪に偉そうな口調、お前マルフォイだな?お前には関係無いだろう」
「…その赤毛はウィーズリーの家だな?口を挟むな、血を裏切る家系の癖に」
「なんだと?!」
いきなり一触即発だ。原作でも思ったがかなり険悪だ。
「まあ落ち着きなよ、すぐカッカするなんて英国人らしくない。今、中でレディー…いや、ガールが着替え中でね、それをまってるのさ」
「わざわざガールに言い直すなー!」
「…随分お転婆なガールだね…聞き覚えのある
声だな…まあ確かに君の言う通り、英国紳士らしくなかった。名乗りが遅れて済まない、僕はドラコ・マルフォイ、後ろのはクラップとゴイル…君は?」
「私はレンタロー・キタハラ、日本人さ。レンと呼んでくれ」
「日本人?日本にはマホウトコロという学校があると聞いたが…」
「父の仕事の都合でね」
「ああ、なるほど…しかし日本人の君に英国人とはなんたるかを説かれるとは、情けない」
…原作で思ったよりも聞き分けがいいな…いや、こちらが紳士的に接すればそう返す、ということか。やはり育ちがいいのだろう。
「…ロン、君も紳士的に接したまえ」
「?なんであんなやつに…!」
「紳士的に接すれば紳士的な返答が返ってくるさ。そういう子だよ、彼は」
「…マルフォイ、すまなかった。僕はロナルド・ウィーズリー、ロンでいい」
「…驚いた、ウィーズリー家も紳士的な態度ができるのか。…いや、すまない、こちらこそ失礼なことを言ってしまった」
「…驚いた、本当だよ…」
「だろう?」
「終わったよー、次どーぞー」
「む、彼女がそうか…ん?君は確か…」
「え?あーマダムマルキンの店にいたひとだ!」
ああ、やはり二人は原作通り会っていたらしい。
「あの時は名乗れずにすまない、僕はドラコ・マルフォイ、きみは?」
「僕はハリエット・ポッター、ハリーでいいよ」
「…なに?では君があの…?」
「うん、そうだよ」
「では、あの額の傷は…」
「女の子に顔の傷のことを聞くのは紳士としてどうかと、私は思うのだけれど?」
「う、いやすまない、不躾だった…これで失礼するとするよ」
「あ、うんまたね」
「ああ、また」
…すわりが悪くなったのか、あっさりと帰っていった。
「おったまげー…あのマルフォイがあっさり引き下がったよ…」
「紳士としての振る舞いを叩き込まれているのだろうね、引き際を弁えている…さ、私たちも着替えるとしよう」
「あ、うん」
「じゃ、次は僕が出てるね」
「ああ…何かあったらすぐに呼んでくれよ、ハリー」
「大丈夫だよ、レン」
過保護だったか、苦笑されてしまった…まあ取り敢えずこれで列車内でのイベントは終わりだ、次は組分けか…ああ、気が滅入るよ。
すいません、一度書いたものを全没にしてしまって遅くなってしまいました。後ちょっとしたエッセイを書いていたので…本当にすいません