『M-デイ(X-MENでの事件)みたいなことが起こったら?』 作:蜜柑ブタ
ヒーロー達side。
でも登場するヒーローは、オールマイトと、エンデヴァーのみです。
名前だけ、焦凍が出ていますが…?
スーパーナチュラルパワー・デイ。通称、S-Day(エスデイ)と呼ばれるようになった、個性社会の死の事件。
赤い光と共に、世界からごく一部を除いて個性という特殊能力が消えた。
一般人のみならず、それは、ヒーローとヴィランも同様であり、彼らのほとんども個性を失った。
無個性が占めることとなった社会で、もはやヒーローもヴィランも関係なく、一括りにヴィランと恐れられるようになってしまった。
個性の恐ろしさを無個性となったからこそ知り、感じ、体験し、かつて守ってきた者達に、残った個性持ちのヒーロー達はヴィランと同様に迫害される対象となっていった。
それは……、平和の象徴として誰よりもヒーローとしてあり続けたオールマイトも同様であった。
しかし、オールマイトは悲観しなかった。むしろ、変化していく世界を静観し、あくまでも自らの信念を貫こうとした。
かつて個性に誇りを持ち、その力を持ってヒーローとして戦い守ってきた他のプロヒーロー達は、新しい世界について酷い裏切りだと嘆いた。ある者は、絶望のあまりに死を選び、ある者はヴィランに身を堕とすほどに。
ヴィランに身を堕とした者は、当然だが処罰される。オールマイトはそんなかつての同胞を逮捕するため戦う。
ヒーローが自ら死を選んだり、最悪ヴィランに身を堕とせば堕とすほどに、オールマイトへの社会の風当たりも酷くなっていった。いつかオールマイトがヴィランになる可能性を恐れて……。
しかし、それでもオールマイトはあくまでもヒーローとしてあり続けることを選んだ。
それとも……、選ばざるを得なかった?っと、かつてヒーローのナンバー2として君臨していたエンデヴァーが問う。エンデヴァーもまた、自らの個性を失っていた。あれほど誇りにし、自身の子にオールマイトを超えるほどのヒーローになるよう託すほど誇りにしてきた個性を、S-Dayの日に一瞬のうちに失ったのだ。その喪失感からヴィランに堕ちる可能性をものすごく危惧されたが、そんなことはなかった。
息子であり、彼にとって最高傑作と言える、母親の氷の個性と、エンデヴァーの炎の個性を受け継いだ焦凍もまた個性を失っていた。炎も氷も両方共である。
そうして残されたのは…、父親であるエンデヴァーに向けられる実子からの怒りと憎しみだけだった。
きっと……天の神なる存在が、バチを与えたのだろうな…っとエンデヴァーは自虐する。
「神の天罰だとしたら……、そうさせたのは、この世界の人間があまりにも罪深かったためだろう。」
エンデヴァーに、オールマイトがふと独り言のように語り出す。
「神は残酷だ……。人間の手で人間を葬らせるようにしたのだよ……。S-Dayを起こしたのは、たった一人の少女だったのだから。」
それを聞いたエンデヴァーは目を見開き、それは誰だ?っと問うた。
「今や彼女は無個性なだけの、少女でしかないのだ。無個性を迫害してきた個性主義の社会に殺された兄のために怒り、憎み、悲しみ、そして眠っていた力で、ついに世界を改変させてしまったのだ。彼女は、もう……その力の使い方は愚か…、その個性の存在すら我々は確認することすらできないのだ。それほどに巨大な力だったのだ。」
オールマイトが、夕日を眺めながら、地べたにドカリッと座り込む。
「前の世界を殺して壊したのは……、他でもない…、この世界のすべての人間なのだ。それには…私も含まれているのだよ。私は、彼女の兄に……、無個性はヒーローにはなれないと言ってしまったのだ。彼女の兄は翌日に自殺したそうだ。しかしそれが皮肉にもトリガーとなり、世界のほとんどすべての個性と引き換えに、兄の死を無かったことにして、兄と幸せに生きられる世界へと改変させたのだ。彼女の罪は、私の…罪も同然だ。」
夕日は、まるで消え行く運命しか残されていない個性とヒーローとヴィランを象徴するような黄昏を彷彿とさせる、美しい色をしていた。
なぜオールマイトが、出久の妹がS-Dayの元凶だということを知っているのか?
S-Dayについては、政府機関も調べており、個性を失ったヒーロー達もまた原因を突き止めようと奔走した結果、出久の双子妹にたどり着いたわけです。
でも、いくら調べてもその強大な力である、現実改変能力は解析できず、力の存在の有無も不明で、無個性という判断したできなかったのです。
あと、もし改変能力がまた暴走を起こしたときのことを危惧して、一応は出久の双子妹は世界政府から裏で監視されつつ守られる存在になっています。
いくら調べても無個性という診断しか出ないし、力の存在自体があるのかどうか分からないためオールマイトは語ることができたわけです。
あれ? なんか色々と矛盾してるなぁ……。