『M-デイ(X-MENでの事件)みたいなことが起こったら?』   作:蜜柑ブタ

9 / 12
爆豪がやらかした、世界滅亡バージョン。


胸くそかも。



また出久が死んじゃってます。注意!!


IF 『爆豪がやらかして、世界滅亡ver』

 スーパーナチュラルパワー・デイ。通称、S-Dayと名付けられた、個性を持つ人間達が主流となっていた世界が死んだ日。

 文字通り、個性という特殊能力が死んだ。正確には、それを持っていた人間が、ただの人間になったのだ。

 ごく一部を抜いて……。全人口の数パーセント程度しか残らなかったとされている。

 それは、ヒーローやヴィラン、そして大人も子供同様だった。

 個性に誇りを持っていた者達は、突然の個性社会の死に絶望し、ある者は命を絶ち、自暴自棄の余りに犯罪に走ったりして周りを傷つけた。

 逆に個性を残した人間は、ヒーローであろうともヴィランと同一視されるように恐れられるようなっていった。

 

 S-Dayの真実。

 それを知る者達はいる。

 ある者は、S-Dayを越える悲劇を繰り返さないため、ある者は元の世界戻すために動く。

 

 貴重なS-Dayの当事者である爆豪勝己は、元の世界に戻すために動こうとしている側だった。

 

 爆発の個性という自他共に優れていると言われていた個性を失った彼であるが、最初こそ自暴自棄になったものの、間もなく真実を思い出した。

 思い出した彼は、自分と同じように個性を失って自暴自棄になっている者達の声をかけ、元の世界に戻そうとした。

 

 そう……、S-Dayを引き起こした、少女、緑谷玲香に。

 

 緑谷家を襲撃し、彼女を攫った爆豪達は、怯えて泣いてる彼女を暴行した。

 元の世界に戻せ。

 個性を返せ。

 それ以外にも様々な罵詈雑言を浴びせた。

 だが、どれほど殴っても蹴っても、玲香はなにもしない。いや、なにもできないのだ。彼女は今やただの無個性なのだから。

 苛立った爆豪は、一緒に攫っておいた兄の出久を引きずって来て、元の世界に戻さないとコイツがどうなるか分からないぞと脅した。

 出久は何も知らない。妹がS-Dayを起こした元凶であることも何も知らないのだ。そしてさらには爆豪のことすら覚えていない。

 爆豪達は、出久に武器なるような物を使って拷問した。玲香の目の前で。

 けれど、玲香は泣き叫ぶばかりで何も起こらない。

 

 やがて、二人を拉致監禁している場所にヒーローや警察機動隊、さらには軍まで到着し、緑谷兄妹を解放しろとメガホンで脅してきた。

 

 爆豪達は焦った。このままでは、元の世界戻すどころじゃなくなると。

 爆豪は焦る余りに、手にしていたナイフを逆手に持ち、意識を辛うじて残している出久の首に突きつけた。

 

「早くやれ! じゃないと、デクをぶっ殺すぞ! 死ぬぞ! 死ぬんだぞ!? 分かってんのか!?」

 

 しかし、お兄ちゃん…お兄ちゃん…っと泣いているばかりで玲香はなにもしない。何も起こらない。

 ズガンッと壁が破壊され、オールマイトが飛び込んできた。

 それにビックリした爆豪の手が……、滑った。そして、ナイフが出久の首を切った。

「なんてことを!」

 オールマイトが声を上げた。

「おにい…ちゃ……。」

 ぼう然と出久の死を見つめていた玲香に変化がついに起こった。

 彼女を中心に、赤い光があふれ出す。

 ああ、ついにやったのだと、爆豪に導かれた者達は当てずっぽうに歓喜した。

 しかし、異変はすぐに彼らの身に……、いや、世界に起こった。

 指先が、光の粒子となって消え始めた。

「なんだよこれ?」

「元の世界戻るのか?」

「な、なんか、ヤバくないか!? なんか身体が…心が……!」

 少しずつ少しずつ粒子が漏れ出す身体。そして何かが失われていく感覚に気づいた。

 

「……ちゃえ…。」

 

 そんな中、玲香の声が冷たく響いた。

 

 

「消えちゃえ…、消えちゃえ…、みんなみんな! 消えちゃえばいいんだ!!」

 

 

 その絶叫と共に赤い光が輝きを増した。

「爆豪!? どうなってんだ! このままじゃ…。」

 爆豪に導かれた者達が、口々に爆豪に縋るように叫ぶ。

「こんなはずじゃ…。やめろーーー! 頼むからやめてくれーーー!!」

 爆豪は青ざめ必死に止めるよう叫ぶ。

 しかし、そんなことでもう止まる状況じゃなかった。

 

 

「消えろ、消えてしまえ! 永遠に!!」

 

 

 その叫びは、赤い光と共に、世界中の人間が聞いた。

 爆豪達、S-Dayの当事者達は、思い出した。

 そうだ…。あの時も…、個性なんて消えてしまえと叫んでいたのだ。彼女は。

 そして今度は、全てが消えろと叫んでいる。S-Dayの時を考えれば、その結末がどうなるかなど、考えるまでもない。

 最悪の…トリガーが引かれてしまった。

 そのトリガーを引いたのは…、自分達なのだと、理解した。いや、現実逃避しても現実改変能力により理解させられた。

 消えゆこうとしている身体で、玲香を止めようと近づけば、触ろうとしても身体がすり抜けてしまう。

 ジワジワと消えていく絶望に、全ての人間達が泣き叫んだ。

 

「愚かなことを……。現実をただ受け入れ、それでも生きる意志さえあれば……。こんなことには…。」

 

 粒子となって消えていくオールマイトが、絶望している爆豪達に静かな声で言った。

 

 赤い光は、やがてすべてを消し去った。

 地球という物があった事実すら、宇宙から消し去って。

 そして地球は、二度と誰にも知られないまま消えたままになった。

 

 

 

 




消えた後の人間達や、地球の全てがどうなったかはご想像にお任せします。

ただ少なくとも救いはありません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。