5月6日まで7円で購入できますので、興味を持った方はどうでしょうか
「ぐっ……」
一人の少女が暗がりの中で目を覚ます。
周囲を見渡し今どこにいるのか確認をする。
そこは開けているが長い通路となっており、僅かなライトの灯りがそれを証明してくれた。
「何処なのよここは……」
起き上がろうとしたその時
「えっ?」
自分がゴミ箱に尻から突っ込んでいた事に気づくが、それと同時にバランスを崩してしまい、ゴミ箱ごと自分が傾き出す。
「う、うわっ⁉」
どうすることも出来ず、彼女は床に落ちた。
「痛たた……」
ゴミ箱から脱出し、体の所々に付いたゴミを払いつつ立ち上がる。
彼女は、白のシャツにリボンという女学生の恰好に黒のパーカー、暗く長い茶髪をサイドテールに纏めており、金色の瞳の左には傷跡が残っていた。
「全く……ここは一体?」
周囲や足元を見渡し、一丁の銃を見つけた。
「ふぅ……良かった……」
愛銃であるUMP45を掴み持ち上げた瞬間、訝しげな顔になる。
「……軽い?」
「おーい!」
遠くから反響音を響かせる声が聞こえてきて45はその方向を顔を向ける。
そこへ三人の少女が歩いて来た。
声の張本人であろうツインテールに45と似た格好、45とは反対に金色の右目に傷跡を持つ少女が手を振っている。
「9!」
「45姉!」
9と呼ばれた少女の後ろには生真面目そうな少女と眠たげな少女がついてきている。
「三人共一応無事だったみたいね」
「良かったー。これで全員見つかったね!」
安堵の声を出す9に対して生真面目そうな少女は45の銃を見つめる。
「416?」
視線に気づいた45は彼女の名を言いつつ聞く。
「所で45は気づいた?」
「ええ」
45は手にしている銃を416の眉間に向ける。
416は銃口を突き付けられるという事態にでも顔色を変えず、向けている当人も躊躇いなく引き金を引いた。
カチッ……。
銃弾は出ずに引き金を引いた音だけが薄暗い空間で反響する。
「その様子だと三人の物も同じみたいね」
「ええ、9もG11も銃が玩具になっていたのよ」
416は自身と同じ名前の愛銃を振りつつ言う。
「うんうん、何て言うか体の一部を奪われた感覚がして落ち着かないというか……」
「ふぁー……」
9は自分の状態を必死に話しているの対して眠たげな少女、G11は欠伸をしていた。
「それより、ここから早く出ない? 眠ったG11をおぶって行くのは私は嫌よ」
「その前に通信が出来るか確認させて頂戴」
「……早くしてよ」
45は協力者である指揮官に連絡しようとした。
「……どうしたの?」
「……通信できない?」
「ええ⁉」
45の一言に9が驚いており、45もこの状況に難しい顔をする。
「圏外? いえありえないわ。それに、妨害電波が出ている感じもしない。だったら……」
「三人共ー」
独り言を呟く45とそれを見る416と9に声が聞こえてきてその方を向いた。
その先、上へと続く梯子の下で11が、手を振っていた。
「あの子勝手に……何!」
「ここから出られそうじゃない?」
11が上に指を指すと三人の視線も上へと向けていく。
梯子の頂点には、マンホールの蓋らしきものがあった。
「マンホールの蓋? だとするとここは地下道?」
「なあんだ。それじゃあ電波が届かなかっただけだったんだね」
416の言葉に自己完結をする9。
「……本当にそうかしら」
一方45は疑っていたが、ここにいても進展しないと思い、地上へと出る事を決めた。
「ぐっ……」
蓋を動かすと、外の景色が視界に飛び込み、外気が四人に向かって流れだす。
「よっと……」
45を先頭に地上に上がり、後から11、9、416が上がってくる。
「ここ……何処なの?」
四人が出てきたのは汚れた川の傍、直ぐ近くにはゴミ捨て場があり、45は少なくとも清潔な場所では無いと確信した。
「45姉! ここって一体何なの⁉」
「ど、どうするのよ! こんな知らない場所に放り込まれて……」
気が付けば地下道、外に出れば未知の世界、頼りの武器は無力化し、協力者とも連絡は取れず、あまりの情報量の多さについに二人は狼狽えだす。
「……取り敢えず動くわよ。車の音に人の声からして、少なくともここは、戦場じゃないみたいだし」
近くの梯子を掴み登りだす。
「ここってもしかして……」
最後尾の11が呟いた。
「はぁー……」
「それで、これからどうするの?」
416の溜息に9の台詞に45は返す。
「まずは、雨風を凌げる場所を見つける事ね」
「それならここでもよくない? もう、眠くて、眠くて……」
「ええ⁉ それはやだよ! こんな薄暗い場所!」
「まあ、最悪それも考えておかないとね」
職安街の駐車場にまできた四人はしゃがみこんで今後の事を話していた。
「私は嫌よ。この辺り浮浪者が多いみたいだし、ほらそこにもいる」
416は、その辺りをうろついているホームレスを指差す。
そこへ一人の影が近づいてくる。
「君達、ここで何をしているの?」
男性が声を掛けてきて45はうまく会話を始める。
「ああ、すいません。私達、ここら辺の事知らなくて……ここ何て言うんですか?」
「ここは……異人町、横浜伊勢佐木異人町」
「横浜?」
「伊勢佐木?」
「異人?」
「町? って私だけ台詞少なくない?」
「……集まって」
45、416、11に続いていった台詞に続いた9だったが台詞の少なさに不満を持ちつつも45は皆を集めて小声で会議を始める。
「一応聞くけど、横浜って知ってる?」
「全然」
「初めて聞いたわ」
「私も」
「でしょうね」
「だったら聞くんじゃないわよ……それで、次はどうするの?」
「今は情報が少なすぎる、あの男から聞けるだけ聞くわよ」
「私達の事を知られたら?」
「最悪殺しましょう。だから三人共、ボロは出さない様にね、特に9」
「え、まって何で私だけ名指し?」
「あの~」
四人の小声会議は聞こえておらず、男は一行に声を掛けた。
それに対して45は振り返り、微笑みながらねだる。
「あの……私達、今日泊まる場所が無いんです。だから、一夜だけでもいいです。私達四人を泊めてもらえませんか?」
顔の傷を除けば美少女な45を筆頭に、9と11も甘えた顔を見せる。尚、416は真顔のままだった。
「……皆、困ってるみたいだし。いいよ、ここに車止めているし乗っていってよ」
「ありがとうございます」
男は車のキーを出して車を開錠、45を助手席に後の三人を後部座席に乗せると車は走り出した。
職安街を抜け、大通りに出る。夜道を駆けていく中で男が最初に会話を切り出す。
「所で君達名前は?」
「名乗るんだったら最初に貴方がするべきじゃない?」
「あはは、ゴメンね。この子、きつい所あるから」
416は敢えてつんけんした態度をとり、9のフォローも合わせてイニシアチブを取る。
「それもそうだね。僕は、一筆執速(いっぴつしっそく)小説家をしている」
「へぇ~、どんなものを書いてるんですか?」
9が会話に華を咲かしている中、45は思考を回していた。
(私が聞くべき事は現状三つ、まずは……)
「貴方はあそこで、何しに来たの?」
「帰るためだよ、そしたら君達がいたんだから。少し驚いちゃったよ」
(次は……これね)
「異人町のマンホールって知ってますか?」
「ああ何でも、一度入ると中々出られない迷宮になってるとか……とにかく都市伝説が絶えない場所だね」
「都市伝説……」
(最後は……)
「所で、君達の恰好って45姉だよね?」
「⁉」
「後ろの三人も404小隊の面々だよね」
「⁉」
自分達は名乗った試しは一度もないのに全てを知っている様に語る姿に、戦術人形全員が言葉を失うが、一筆は気にせず語る。
「異人町にコスプレイヤーって言うのも珍しいのに、ドルフロっていうのも益々珍しいよね。君って45姉が好きなの?」
(どこで私達の事を⁉ ドルフロって何⁉ ここで聞く? ……いや、逆に怪しまれる。仕方ない)
「ええ、好きよ」
聞きたい事は山ほどあったが、45は敢えて話を合わせる事にした。
「うんうん、可愛らしくてどこか危ない、それが魅力だからね」
「かわ……⁉」
「さ、着いたよ」
45が一瞬狼狽えると車が止まり、一筆は降りて、四人も続いて降りる。
「ここが僕の家だよ」
四人は見上げると二階付きの一戸建て、庭も小さいながらある。
「はぇ~、すっごい大きい……」
「ささ、入って入って」
11のつぶやきを聞きつつ四人は家へと入って行った。
最初の仲間は?
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