「いい加減、マンホールの下を調べに行かない?」
イセサキロードを歩んでいた404小隊。416が口を開く。
町での調査は収穫は無し、更に見知らぬ人にスジモン探しを手伝う事になり、416はグダグダな現状にひどくうんざりしていた。
「それもそうね、博士の場所では大した情報も無かったし」
「あー……その前にさ」
45が乗り気になっていた所に9が横から入る。
「ご飯でも食べない? 私、美味しそうな場所知ってるんだ」
「いいね、行こう行こう」
「アンタらホントに調べたの?」
「まあ、いいんじゃない? その代わり、食べたらマンホールに行くよ」
吞気な9と11に416は完全に呆れかえっており、45は微笑みながら次のプランを考案していた。
「ここだよ」
「赤牛丸?」
9が指差す看板を音読する。
「うん、牛丼屋だよ」
「ふーん」
「安くて美味しいんだって」
「味は分からないけど、値段が低いのはありがたいわね」
色々言いながら、店内へと入った行った。
「いらっしゃいませ」
45は従業員の挨拶を聞いて、メニュー表に目を通す。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「まずは牛丼でしょ」
ウキウキな9は迷わず牛丼を頼むが45が横から聞く。
「大きさは? 大方、考えていないでしょう?」
「あー……」
「大と特にしてもらえる?」
「かしこまりました!」
45は振り返り、他の注文を聞き出す。
「二人も何か欲しい物はある?」
「それじゃあ、汁物も頼んで」
「野菜を取りなさい」
「はいはい」
11と416に言われ、みそ汁とおしんこも注文に入れていく。
その時、メニュー表に入っていた飲料に目が入り呟いた。
「ビールもいいわね」
「あの」
「何?」
「酒類を注文されるんでしたら、何か証明出来る物を出してもらわないと……」
「証明? 何を出せばいいの?」
「免許証や保険証ですね。お持ちですか?」
「……」
いくら戦術人形でも証を用意する事は出来ない。
45は諦めたので、首を横に振った。
「じゃあいいわ、今は持って無いもの」
勿論、怪しまれない嘘も混ぜつつ。
「それでは、ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
「はい」
数分後、頼んだものが無事に届いて着席している四人の前に商品が広げられる。
「いただきます!」
「「「いただきます!」」」
律儀に挨拶をして、注文して品々に手を付け始める。
「んー! 牛丼ってこんなに美味しいなんて!」
「確かに、案外いけるね」
「うん、案外悪くないかも」
「……」
9と11、45の食事を黙って睨む416。
「416どうしたの?」
「11、アンタ露骨に紅ショウガを除けてるんじゃないわよ」
「え? な、何のことだか……」
「その隅に溜まっている赤の塊を見ても白を切るの?」
「11もお子様ね」
「いい? 紅ショウガは薬味の効果もあるし、見た目をよくする効果もあるのよ」
「確かに、茶色一色じゃ見栄えは良くないものよね」
「こうやってマトモな食事にありつけるのは貴重なんだから、バランスよく食べなさい」
「……牛丼を食べに来たのに食べるなって言いたいの?」
「誰もそこまで言ってないわよ。大体、おしんこ食べてるの私だけじゃない!」
「え? 416が欲しがったんじゃないの?」
「牛丼とみそ汁じゃバランスが悪いと思ったからよ。11が紅ショウガを避けるのは予想していたけど、まさか45も9も手を付けないなんてね」
「45姉、野菜嫌いなの?」
「9には言われたくないわよ。そもそも戦術人形がそんな事に気を配る必要無いでしょ?」
「だよねー。416、完璧主義だからってここまでこだわらなくてもいいんじゃない?」
「いいから食べなさい」
「あ、水お願いします」
「無視するんじゃないわよ」
416を聞き流し水を頼みだした45に語尾が強くなっていく。
「じゃあ食べてよ」
「は?」
11の言葉に青筋を浮かべる。
「仲間いいでしょ?」
「良いわね、私の分もあげるわ」
「じゃ、私の分も!」
「食・べ・な・さ・い!」
「「「はい……」」」
416の圧に押され、三人は萎むのだった。
ちなみに、イイ感じの組み合わせを注文したからか、少しの間だけ強くなれた。
「「「「ごちそうさま!」」」」
「ありがとうございました!」
店を出てイセサキロードを歩きつつ、45が訝しげな顔をしていたので9が顔を覗き込む。
「45姉、どうしたの?」
「うーん、なんて言うかさっきから力が有り余って仕方がないような気がするんだよね」
「力が?」
45の体調の変化に416も推理を始める。
「確か食べたのは牛丼大と特、味噌汁におしんこだったわね」
「もしかして……」
11の台詞に三人が一斉に見つめる。
「こんな事を聞いた事があるんだけど、正しい食べ合わせをすると体に良いって聞いた事があるよ」
「食べ合わせで? 例えば?」
「45の言う通り、力が付いたり、体が硬くなったり、運が良くなったり、経験を積みやすくなったりするらしいよ」
「力はともかく、他はどんな原理なのよ……」
「だったら尚更、今行くべきね」
「場所は憶えている?」
「問題無いわ。行くわよ」
「……」
確かに四人は、マンホールから地下に入って行った。
濁った川の傍でみんな仲良く横になり空を見つめる。
最初に来たときは幸運だったのかもしれない、45はそんな事を考えていた。最初に言いだしたのは9だ。
「この地下の敵、強くない?」
「私が一ホームレスに負けた? こんな事……こんな事……」
「ほら、416が心神喪失しかけてるし」
「今思えばあたし達、ここの敵と戦った事が無かったよね」
「ええ、地上と同じ感覚で挑むべきでは無かったわ」
「そうだ45姉、財布は無事?」
「中身を半分スられたわ」
寝そべって空を流れる雲を見つめる四人。
「けれど、次にするべき事が分かった」
「何をするの?」
45は立ち上がり三人に向けて言った。
「鍛えるのよ」
「鍛える?」
「ええ、ここを踏破するにはそれだけしかない」
「うへー……」
「幸い鍛える方法はあるし、戻る場所も一応ある。今回ばかりはじっくり行きましょう」
「ま、それもそうだね」
45の考案に最初に立ち上がったのは11。
「はぁ……今回の作戦は長くなりそうだなぁ……」
「45姉がそう言うんだったらそうだね!」
次に立ったのは9。
「まだまだ気になるものが一杯あるし、手伝うよ!」
「9? 本来の目的は忘れない様にね」
「わ、分かってるよ!」
「416?」
「はぁ……」
最後に416がゆっくりと立つ。
「行けばいいんでしょ、行けば」
「それじゃ、行くわよ」
45を先頭に再び町へと歩んでいった。
「私は……ここに居たくないのに……」
416は静かにそう言うのだった。
突然ですが、アンケートで仲間になってもらいたい人形を選んでもらえると幸いです。
ちなみに選ばれなかった人形も何かしらの形で出す予定です。
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