404小隊が異人町で暮らすようです   作:作者アアアア

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サブストーリー1 戦術人形は人間力を求めるか?

「……」

「そこのお嬢さん!」

 櫻川通り北を歩んでいた45は突如、男性に声を掛けられる。

「……」

「そこの……」

 しかし、45は自分じゃないと思い気づいていない。

「人としても胸囲も薄っぺらい、顔に傷が入ったお嬢さん!」

「……」

 それを聞いた45は男性に足を向けて早歩きで迫る。

「アンタ……初対面ですらないのに失礼じゃない?」

 明らかに怒声混じりで静かに答える。

「こうでも言わないと、気付かないじゃないか」

「はぁ……で、用件は?」

「私の目的は、君の人となりを鍛える事だ」

「何で私なのよ……大体、そんな事するのに理由があるの?」

「私の目的は、未来ある若者の人間力を鍛え、今後の人生の手助けをするという使命がある。そして君を選んだのは、たまたまそこにいたからだ」

「はぁ……」

(はた迷惑な人……)

「さあ、私は君の成長を見たい! 首を縦に振ってくれ!」

「……分かったわよ」

 投げやりに答えるが、男性は嬉しそうに元気よく言った。

「そうだ! 素晴らしい心がけだ!」

「その前にアンタの名前を教えてくれない?」

「ああ、そうだった。私の名前は人也成長(ひとなりなりおさ)」

「私は優園美葉子よ」

「それじゃあ葉子君。早速君を鍛える方法を教えよう! ついて来てくれ!」

 

 

 

 場所は変わり、横浜大通りで二人は横に並んで歩いていた。

「人が持つべき大事な物は何かわかるかい?」

「全然、もったいぶらずに教えてくれない?」

「いいかい! 大事なのは誰かを思う『優しさ』、何事も屈しない『メンタル』、周りを楽しませる『陽気』、心を燃やし続ける『情熱』、自分をよく見せる『お洒落』、純粋な『知識』!」

「それじゃ、鍛える方法は?」

「意識して生活をする!」

「意識?」

「例えば……あれを」

 成長が指差す方を見ると、千鳥足のサラリーマンがうろついていた。

「昼間から酒盛りなんて暇な人ね」

「では、鍛えようか!」

「え?」

「今から声を掛けて、あの人を救うんだ!」

「断っても、食い下がるんでしょ?」

「もちろん!」

「……はぁ……」

 呆れかえった45は

「あの」

「なんだあ⁉」

「その……飲み過ぎじゃないですか?」

「ガキの癖に俺に説教してんじゃねえぞ!」

「ちょ……!」

「この俺を怒らせるとどうなるか教えてやる!」

 

 

 

 迷惑サラリーマンがあらわれた! 

「お、あたしの番」

 11はディスクを取り出すと迷惑サラリーマンに投げつけた。

「これ、受け取って」

「ぐあっ」

 416がポーチで45が鉄パイプで殴った。

「ぎゃあああああ!」

 迷惑サラリーマンを倒した! 

「全く……無駄な時間をとってしまったわ」

 

 

 

「何やってるの⁉ 殴り合いに発展するなんて!」

「私は悪くないわよ。向こうから襲ってきたんだから」

「し、仕方ない。この後の君の台詞で何かが起きる、そう思ってやるしかない」

「台詞って……」

 のびているサラリーマンを見下ろし考え込む。

(何て言おうかしら? 叱る? 手を貸す?)

 考えた末に45が出した答えは

「……全く」

 45は呆れながらサラリーマンを担いで、近くの店に入って行った。

 

 

 

「君の判断は良かったぞ!」

「静かに、この人寝ちゃったみたいだし」

 店で出された水を飲ませるとサラリーマンは泥の様に眠りについてしまっている。

「さっきの君は優しかったぞ、何か感じなかったかい?」

「全然」

(と言ってもコイツの言う通り、自分が少しだけ優しくなれた気がしたわ)

「これでやり方は分かったし、もう帰っていい?」

「ああ、わざわざ聞いてくれてありがとう、お礼といってはなんだが、これを受け取って欲しい」

 成長は懐から一冊の本を出すと45に渡した。

「これは?」

 表紙には『幸せとはお金がすべてじゃない』と書かれている。

「本だ、これを読めば人間力が上がるぞ!」

「だったら最初にこれ渡しなさいよ! おかげで無駄な戦いをする事になったじゃない!」

「まあまあ、あれも授業の一環という事で。それと……」

 戦い損をした45は憤り、成長がそれを止めつつ、何かを言ってきた。

「人間力を極めたと思ったら、私の元に来て欲しい。努力賞として何かいい物を渡そう!」

「それだけはいいわね、機会が考えておくわ」

「私は櫻川通り北にいるからぜひ覚えておいてくれ!」

「はいはい、それじゃ私はこれで」

 

 

 

 外に出た45が辺りを見渡すと陽が沈みかけて異人町全体がオレンジ色に染まっていた。

「これ、読んでみようかしら……」

 貰った本を見つめ、ページを開く。

「……」

 黙々と本を読み読破した45が持った感想は唯一つ。

(今度は陽気になれた気がしたわね……)

「さて……」

 45はオレンジ色の空を見て一人喋る。

「陽が沈みだしたし、今日はもう帰って明日に備えましょうか」

最初の仲間は?

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