煽られるのは嫌いなので対人戦に特化したいと思います 作:グラキチ
啓蒙高そう(誉め言葉)
それでは投稿します
「明日は休みだし、泊まり込みでスキルを発掘してみせる!」
躍起になっているメイプルのインベントリには寝袋が入っている。素材を売ってコツコツ貯めた金でやっと買うことが出来たらしい
装備は豪華だが金欠なのはグラディオも同じで、自分のプレイスタイルに合わせるためにオーダーメイドで様々な武器を作ってもらうとしても金が足りない
ひとまずはなんとかやりくりするしかない
「メイプルちゃん、ここがその北の森?」
「うん、そうだよ」
ここで泊まり込みで狙う獲物のうち1匹は爆発テントウとかいう自爆攻撃をしてくるテントウムシらしい
自爆攻撃・・・原作2部作目の自爆しても死なずに何度でも起き上がって装備の耐久をゴリゴリ削りながら大ダメージを与えてきた自爆亡者が頭を過る
あんなのの相手をするのは御免被りたい
そしてもう1匹は様々なゲームでお馴染みのゴブリン
ゴブリンは流石にいなかったな、奴隷頭巾被った小人はいたが
まずはゴブリンを目標にするらしい
「いくよ・・・『挑発』!」
メイプルの身体から光が放射されてモンスターが寄ってくる
メイプルはその内のゴブリンだけを相手取る
ゴブリンの数は五体、その他のモンスターはグラディオとアマネで受け持つ
ゴブリンは粗悪な剣で楓に斬りかかってくるが、メイプルには1ダメージも通らない
当たり前のことだが、VIT極振りに加えて特殊なスキルを揃えたメイプルに正面から斬りかかっても無駄なだけだ
アマネは事前にそのことを聞かされていたから安心して任せているが、そうとは知らないグラディオはハラハラしていた
普通大盾を装備していたとしてもある程度はダメージが通ったりするものなのだ
しかしメイプルはしっかり受け止め、弾く
地味だがこれを繰り返す事が今回の目的の1つだという
「あ!出た出た!」
『大盾の心得Ⅰ』
なるほど、スキルを取得する為に敢えてずっと受けていたのか
ではこちらも雑魚処理をするとしよう
『変形』
火継ぎの螺旋剣を直剣から杖に変形させる
『ソウルの結晶塊』
自身の周りに浮遊する結晶を展開し、敵意を持つ相手に向かって自動的に射出してくれる固定砲台のようなスペルだ
ボス仕様ということもあってか1度射出されてもすぐには消えずに漂っている
威力も雑魚相手なら2発で倒せるので申し分ない、下手に派手なスペルを使って他を巻き込んでしまっては不味いからな
「わひゃあ!」
しまった、メイプルが相手していた方にも飛んでしまった
後ろにいても反応してくれるのは奇襲を防げるが、選ぶ選択肢を与えられないから流れ弾で誤射してしまうかもしれないな、気を付けよう
申し訳ない
暫くこれを繰り返していると、メイプルは目当てのスキルを手にいれたらしく、次の予定に進むことにした
「わ、私の仕事が無い・・・」
アマネは消化不良のようだ
「ご、ごめんね?私受けるのは得意だから次はよろしくね?」
ゴブリンを『シールドアタック』で叩き潰しながら会話していると
『極悪非道』
メイプルの予期していなかったスキルが手に入ってしまった
メイプルのプレイスタイルが他のプレイヤーとは全く違い、耐えて耐えて時間を使うという、既存のプレイスタイルでは簡単に発現しないようなスキルが手に入ってしまうらしい
「嬉しい誤算きた!」
極悪非道なんて酷い名前のスキルを入手しているのに本人は小躍りしているのだから笑える
そう思っているグラディオも呪いを受けて喜んでいるから人のことを言う資格はないが
次の目標は爆発テントウだ
その名の通り爆発するテントウムシで、サイズは普通のテントウムシの二倍くらい
経験値もまずく、森の奥のため入るのが手間で、さらにサイズのせいで回避し辛く受けるダメージも大きい
故に狩場として使われることも無い故にメイプルが独占出来たのだが
メイプルは生息地までくると『挑発』を使い、爆発テントウを呼び寄せる
今まで全然狩られていなかったためか、大量に飛んできた
「アマネちゃん、お願い!」
「多すぎるよぉ!『アイスボール』!『アイスボール』!」
アマネはメイプルの後ろに隠れながら半泣きで魔法を乱射する
倒し切れはしないが、氷付けになった爆発テントウはその場にボトボトと落ちていく
後ろにまわってきた爆発テントウをパニック状態になったアマネが杖でボコボコ殴っていたところで、スキル取得のウィンドウが現れた
「アマネちゃん、スキル手に入ったんじゃない?」
「それどころじゃないぃぃ!気持ち悪いぃぃ!」
一方グラディオもメイプルが引き受けきれずに流れてきた爆発テントウの体当たりを食らうが、言うほどダメージは通らない
しかしメイプルとは違って少しずつではあるが減ってきている
味方を巻き込まずにこれだけの数を落とすとなると、スペルも限られてくる
このままではアマネが危険なので一掃しようとメイプル達の一歩前へ出る
「あ、グラさん!いくつか残しておいて!試したいことがあるから!」
適当に相づちを打ちながら左手に力を集める感覚で集中させる。左手に現れた火の玉は燃え盛り、見る者全てを引き込むようだ
その火は特別な物で、呪術師としては半身にも等しいものとなる。またそれは呪術の触媒となり、様々な火の業を扱えるようになる
今ここに原初の呪術の一端を再現するとしよう
『なぎ払う炎』
火炎の鞭で薙ぎ払う
炎を自在に操るという意味において極めて難度の高い呪術と言われる
炎の制御を知り、また制御できぬを知る
呪術とはそういうものなのだ
爆発テントウが消し炭となり、一部手加減して生き残ったものが地面に落ちていくのを満足気に見つめるメイプル
メイプルはしゃがみ込み、目を瞑ると
「いただきます」
爆発テントウを片っ端から食べ始めた
いくら俺でも怖気が走った
ダークファンタジーでも苔等を口にすることはあったが、これは流石に正気ではないと思う
「ひぃぃ・・・」
アマネも青い顔をして後退りしている
「あっ・・・あのパチパチ弾けるお菓子みたいな感じ!目を閉じればどうってことないね!っていうか、もう毒竜食べてるし、今更これくらい・・・」
今なんて言った?毒竜を食った?
コイツやべーやつだ
「んむ?」
『悪食』
『爆弾喰らい』
まぁそうだよなって感じのスキルを取得している
「じゃあもう食べなくてもいいね」
メイプルはスキルの内容を確認すると、嬉しそうにはしゃぎ始めた
「うん、いいスキル!はぁ〜頑張って食べた甲斐があったよ〜、アマネちゃんも食べる?結構美味しいよ?」
「絶 対 イ ヤ」
強く拒否をし、残ったものはアマネに倒してもらった
死んだ目をしていたのは気のせいだろう
「本当は爆発系の魔法を探しに来たんだけど結果オーライだね!」
せやろか
まぁいい、あとは時間ギリギリまで己を強化するまでだ
日も落ちてきたことだし、1度拠点に戻ろうとする2人を引き留める
『篝火』
篝火を設置し、周辺の安全を確保する
呼び寄せたエネミーは寄ってくるが、自分からは篝火の側によってこないようなのでここを一時的なキャンプ地とする
「ふぁぁ暖か~い」
「ソウダネ」
「でも不思議な火だね、なんだか安心するというか、我が家に帰ってきたって感じ?」
「ソウダネ」
相当きてるらしい、少し休憩して気持ちを切り替えて挑むとしよう
しかしスペルの威力が思っていたものよりも随分高いようだ
『なぎ払う炎』であの威力とは・・・