ダイジェストで、2年後
「サクラさん、ちょっと右に行ってください!」
「右だな、よいしょっと!これぐらいか?」
「はい、そのままでお願いします。
猫ちゃんこっちだよ〜」
今俺は、響ちゃんを肩車して、木に登って
降りれなくなった猫を助けていた。
警戒心が強いのか、近づけば離れ、追いかければ、
元の位置に戻る。
かれこれ5分は、この調子である。
猫の説得に時間がかかりそうなので、
ここ2年の記憶を思い出すことにしよう。
奏の葬式が執り行われた後、
夢にドットが出てきて、断片再現しているときに完全再現を行える人数が
2人になるとの事。
変身と完全再現の対象から奏が無くなった事
(ドットの所は、あんまり楽しい思い出じゃないな。)
その後、翼さんは芸能界復帰ソロ活動が始まる。
奏としっかり話をした上で、お別れできたお陰か、
一人でどうにかしようとする気持ちはあまり持っていないようだ。
「翼さん、仕事復帰してから調子はどうですか?」
「サクラ、大丈夫よ。緒川さんが調整してくれてるおかげで、
無理なくこなせてるわ。仕事が忙しくて、
ノイズのとの戦いが殆ど手伝えてないから、
サクラの方が心配だけどね。」
「そっちはあれです。緒川さんと弦十郎さんが戦ってますから
楽ですよ?」
「本当なら防人として戦いたいんだけど。」
「今は、歌女なのでそっちに集中してくださいね。」
「そうね、落ち着いたら必ず戦場に戻ることを誓うわ!」
ちなみに翼さんが、俺のことを名前で読んでるのは、
奏が、この際、名前で読んでやったらどうだ?っと
言われてからは、名前で呼ばれるようになった。
(翼さんとは、一気に距離が縮まった気がしたなぁ)
その何ヶ月後に、男子学生5人が、響ちゃんと未来ちゃんをいじめている所に遭遇
その光景をみんな見て見ぬフリして通りすぎていくか、
立ち止まって響ちゃんに軽蔑の目を向ける人達も見つけた。
「け、警察を呼ばないと」
と携帯を出したときに
「この人殺しが!笑ってよく歩けるよな。
自分だけ幸せになってさぞ楽しんだろうよ!」
「最低だよなぁ。人殺してまで生き延びるってさ」
「俺ならみっともなくて自殺するな
どんな神経してたら、学校に来れるんだよお前」
「わ‥‥‥わたしは、そん、なことしてない。」
「嘘つけよ!この人殺し!」
「響はそんなこ」
未来ちゃんの前に響きちゃんが立つ
「未来、わたしはへいき、へっちゃらだからね」
と未来ちゃんに笑いかけると
学生の一人が響ちゃんの胸ぐらを掴み、
「てめー、人殺しの分際で舐めてんじゃないぞ!」
拳を振り上げた学生に俺は思わず、飛び蹴りをかましてしまった。
「女の子を集団でいじめてんじゃねぇ!」
「グホッ」
蹴られた衝撃で手を離す。
「テメェ、人殺しを庇うのかよ!」
「ああ、庇うね。俺もあのコンサートを生き残った、
お前たちの言う人殺しだ。
だから、俺に殺されたくなかったら、さっさと失せろ。」
(ここまで、脅せば逃げていくはず。さぁ怯えて逃げ帰れ!)
「なんだ、人殺しが増えただけかよ!」
「なら、二度と人前に出れないようにしてやるよ!」
現実は無情でした。
5人には勝てなかったよ。ボコボコにされ、地面に転がる。
(でも二人は怪我がなかったからいいかな)
「情けねぇ。ほらほら、俺たちを殺すんじゃなかったのか〜」
「「「アッハッハ」」」
周りから
「ザマァみろ、人殺し」
「あの情けない姿をSNSに上げてやろう」
「さっきまで、カッコつけてたのに情けない」
「関わらなきゃいいのに」
2人が俺に駆け寄ってくる。
「霧崎さん、大丈夫ですか⁉︎」
「サクラさん、ごめんなさい、わたし‥‥のせいで」
「ああ、うんだいじょ」
「そうだぜ、お前のせいで怪我したんだぜ?この人殺し」
イラッときた俺はまた殴りかかる。
ボコボコにされる。殴りかかる。ボコボコにされる。
これを繰り返す。
名付けて「ドラえもんが安心して帰れないんだ」作戦(ヤケクソ)
意識が戻ったときには、いつの間にか公園におり、
2人が泣きながら俺の傷の手当てをしてくれた。
「あいつらは?」
「サクラさんが殴られても立ち上がるので最後の方は逃げて行きました。」
ジャイアンを倒した作戦だからな、有効に決まってる。
響ちゃんが、泣きながら聞いてくる。
「なんで、ここまでして助けてくれたんですか?」
「そりゃあ、俺がそうしたかっただけだよ。」
「でも、こんなに傷だらけになってまでする必要はないですよね?」
「友だちを守るために体を張っただけだよ。」
「友‥‥だちですか?」
「そう、一緒にコンサートに行って、観て。
命懸けで、生き延びた仲じゃないか。
共通の友人もいるしね。あ、え〜と未来ちゃんと言うお友だちが。」
未来さんが、驚いた顔でこちらを見てくるがあえて無視
今は響ちゃんだ。
「お節介の人助けしただけだよ。
だから、罪悪感を感じる必要はないんだけど。」
「そう言うわれても難しいです。
な‥‥何か私にできる事はないですか?」
「え、あーそうだ。
本当は見返りを求めちゃいけないけど、お礼に感謝の言葉を送って欲しいな。
俺はそっちの方が嬉しいから」
「そんなので、いいんですか?」
「それが良いんだよ。」
「わ、分かりました。その、助けてくれて、
ありがとうございます。」
「私からもお礼を言わせてください!
ありがとうございます。」
「どういたしまして。」
3人で顔を合わせた途端、笑みが溢れ、声を出して笑った。
その後は、2人とはよく会うようになり、親睦を深めていった。
(あの後も何度かいじめの現場遭遇、その都度突撃
「ドラえもんが安心して帰れないんだ」作戦(ヤケクソ)をしまくったら、
未来ちゃんの話だと何故かいじめが減ったらしい。)
※怪我まみれで、職場に来るサクラに心を痛めた、弦十郎が色々手を回してくれた。
(まぁ苦い思い出も、今思い返すと笑い話には‥‥‥まだならないな。)
「あの〜サクラさん」
「猫はどうなったの?」
「普通に木から降りて逃げちゃいました。あはは〜」
「そっか〜」
この時間はなんだったんだろうと言う結末だった。
響ちゃんを肩から下ろした。
「でもよかったですよ。猫ちゃん降りれなくなったわけじゃなくて、
もしかしたら、お腹捨てるかもとか思ってたんですけど、
あれだけ、元気に動けるって事は大丈夫だったんですね。」
「まぁ、響ちゃんが大丈夫じゃないけどね。」
「え?それってどういう事ですか?」
携帯の時間を見せる。
「時間?あ!あーーーーー!完全に遅刻だぁぁ!
サクラさんごめんなさい。この埋め合わせは絶対するので!」
「ああ、事故に合わないよう気を付けろよ〜」
「はーーーい」
と入っていく響ちゃんを見送り、2課に向かう。
2課についた俺は、中を除くと
藤堯さんしかいなかった。
「こんにちは、1人ですか?」
「ああ、司令はレンタル返しに、緒川さんはマネージャーの電話に
了子さんは研究室、あおいさんは遅番だよ。」
「そうなんですね。」
「それにしても、こんなに早く来なくても良いのに
司令からも遅くきて良いって言われてるだろ?」
「いつノイズがくるかもわからないですし、それになんか落ち着かないですよねぇ」
「‥‥‥ワーカーホリックじゃないよな?」
「そこまで、仕事人間になったつもりはないです。多分、きっと」
「なんか趣味とかないのか?」
「ゲームも最近しなくなりましたね。なんでか?」
「まぁ無理はしないでくれよ。」
「それに関しては楽出来てるので」
談話しているながら、夕方まで本部に待機していたが、
途中で帰ってきた司令に家に帰って良いと言われたので帰ることにした。
帰る途中警報が聞こえ、
通信が入る。
『サクラ君、聞こえる?』
「はい聞こえます。場所は?」
『場所は現在地から、工場地帯に向かって、ノイズが移動してるいるわ。』
「分かりました。すぐに向かいます!」
(とうとう来た。響ちゃんがいるはずだ!)
断片再現で、アガートラームを出し、工場を突き進んでいく。
ノイズが上から降ってきた。
「うお、危ねぇな!」
ノイズの集団を切り裂きながら進むと歌が、聞こえた。
Balwisyall nescell gungnir tron
歌が聞こえた方向を見ると女の子を抱え、
ギアを纏った響ちゃんが飛び降りてきた所だった。
「ど‥どいてぇーーーーー」
「きゃああぁぁぁ」
「嘘ぉぉぉぉぉぉ」
なんとか避けた俺は、響ちゃんの方を見る。
「すみません、って逃げ遅れた人ですか⁉︎
早くここから逃げましょう!」
「ああ、うん大丈夫だから落ち着いて」
「って、サクラさん⁉︎」
驚いている響ちゃんに迫るノイズを切り裂きながら、話す。
「まぁ色々思考が追いついていないだろうけど、今はその子を守ることに集中して」
「え?は、はいわかりました!」
するとバイクのエンジン音が聞こえた。
Imyuteus amenohabakiri tron
ギアを纏った翼がバイクから飛び降り、無人のバイクはそのまま
ノイズにぶつかって爆発した。
「サクラ、ガングニールの反応があったので急いできたが、
あなたの仕業では、ないようね。」
(この子のギア、形状一部違うものの、紛れもなく)
「先にノイズを叩く。サクラはその子の守りを任せたわ!
あなたは、その子を守ることに集中しないさい、良いわね。」
「ああ、任された。」
「は、はい」
蒼ノ一閃
千ノ落涙
無双しまくる翼さんを眺めるだけに、なってしまったわけではない。
こっちに向かってくるノイズを倒し、近づけさせないようにしていた。
「おねちゃん、お兄さん大きいのが!」
「っ、私だって」
「大丈夫だよ。翼さんがいるからね。」
巨人型ノイズが、迫ってくるが
天ノ逆鱗
巨大な剣が、突き刺さり倒される。
翼にサクラが近づいていく
「お疲れ、翼さん」
「うん、サクラもお疲れ様。
それよりも、あのギアは?」
「後で調べて貰えば分かるさ。」
「それも‥‥そうね。早く原因がわかれば、
あの子が、戦いに巻き込まれずに済むものね。」
そして響は翼の戦いを見て思い出していた。
(やっぱり、あの時見たツヴァイウィングは、
幻じゃなかったんだ!)
こうして、運命はまた動き始める。
誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。