おのれ勢い恨めしや。
響が、言葉での説得を始める。
「初めて会う私たちが争う理由はないんだよ!話し合おうよ!
サクラさんも抱えていることがあるなら教えてください!
言ってくれないとわかりません!」
「響ちゃん、落ち着いてごか」
「そんな綺麗事を!」
「綺麗事で戦う奴の言うことなんか、信じられるものデスか!」
(何故割り込まれちゃうんだろうか?)
「そんな‥‥‥、話し合えば分かり合えるよ!
戦う必要なんか!?」
「‥‥‥偽善者。
この世界には、あなたのような偽善者が多すぎる!」
「‥‥‥え?」
響に大量のノコギリが、降り注ぐ。
さっきの言葉にショックを受けているのか避けようとしない
響を守るように翼がすべて切り落とし、クリスがガトリング砲で
撃ってくる。
「何をしている立花!」
「オラァ!十倍返しダァ!!!」
「調は、やらせないデス!」
ガトリング砲を鎌で弾くが、跳弾してセレナへ向かってくる。
「ッ!危ない!」
セレナを抱きしめ引き寄せる。
アガートラームで、防御にする。
「え?」
「大丈夫?怪我はない?」
「はい!」
いつまでも抱きついて離れないセレナへ声をかける。
「‥‥‥え〜とそろそろ離れて欲しいんだけど?」
「いえ、まだ怖いのでこのままがいいです。」
「イチャイチャしてんじゃねぇ!!!!!!」
クリスが、サクラとセレナに向けて乱射する。
セレナは回避をするとマリアと翼の戦闘に巻き込まれる。
「悪いが、ここで足止めをさせてもらう!」
「セレナ、いまは力を貸して」
「‥‥‥うん分かった。マリア姉さん」
(サクラさん、後で助けに行きます!
それまでは無事でいてください!)
セレナと離れたサクラは同じように防御して
いるとクリスが接近
サクラはぶつかると思い、防御を解除すると
襟を両手で思いっきり掴まれる。
「ぐぅ!?」
「なんでだよ!なんであんたがそんなことしてんだよ!
パパとママへの想いに気づかせてくれたあんたが、
テロなんかに手を貸してんだよ!」
「ま、まってくるし、ぐぇ」
クリスの手の力がさらに強くなり首がさらに絞まる。
感情が高まってるのか力が入っていることにクリスは気付いていない。
「あたしじゃあ、あんたの力になれないと思ってたのか!?
それともあんたの中じゃ、あたしはそんなに信用できないのかよ!
舐めるんじゃねぇ!あんたがどんなに重い事情を抱えてようと
あんたと繋いだ手を振りほどくわけがないだろ!」
「‥‥‥‥‥」
「傷つくことに我慢し慣れてると思ってたのに、あんたが敵に回ったら
胸が痛かった!心が痛かった!我慢出来なくなってた!
だから言ってくれよ‥‥‥!
あたしは、いや‥‥‥あたし達が力になるからさ!」
クリスは顔を伏せ、サクラが何かを言ってくれることを待つだが、
「‥‥‥‥‥‥‥」
返事がない
「‥‥‥なんでなんも言ってくれないんだよ。
なぁ!!」
クリスが目尻に涙を溜めて、見ると
顔色が真っ青になって口から泡が出ているサクラが見えた。
クリスは慌てて手を離すとそのまま地面へ倒れる。
「ゴホッ!ゴホッ!じぬがどおもっだ。」
なんとか息を吹き返し、座り込むサクラにクリスが慌てて近寄り、
サクラの背中をさする。
「わ、悪いつい力がはいちまって‥‥‥」
「大丈夫だよ。気にしてないから
それだけ、心配かけたってことだもんね。」
「本当に悪かった。‥‥‥なぁ教えてくれないか?」
「ああ、それなんだけど、ごか」
響と戦っていた切歌と調が、サクラの間に入る。
「サクラさんから離れるデース!」
「離れて!」
「クソ!いま話を聞けそうだってのに!」
クリスは急な攻撃に膝をついている響のところまで吹き飛ばされる。
それと同時に会場の真ん中に緑色の大きなノイズが現れた。
「って、あんなの使うなんて聞いてないデスよ!」
「‥‥‥増殖分裂タイプ」
マリアとセレナが合流する。
「マムからの命令よ。撤退しましょう。」
「‥‥‥ん」
「はいデス」
「分かったよ、マリア姉さん。
サクラさん動けますか?」
「え?いや足に力が入らないけど、
俺のことは置いて行ってもいいよ?」
「それはダメよ。仲間を置いてはいけないわ!」
「そうですよ!せっかく会えたのに
動けないのならあの時みたいに抱えますね。」
セレナは、体に一切力の入らないサクラを嬉しそうに
お姫様抱っこするとマリアは、ノイズへ攻撃する。
「アームドギアを温存していただと!」
「自分たちが出したノイズだろ!?」
「‥‥‥このまま撤退するわ」
ノイズがそこら一帯に散らばり、集まっていく
それに乗じて、全員でコンサート会場の天井から逃げる。
抱えられながら、セレナが聞いてくる。
「サクラさん気持ち悪くないですか?」
「いや、快適だよ。うん」
「ふふ、あの時よりも上手に扱えるように頑張りましたから。」
「‥‥‥そうなんだ。なんかありがとう。」
そしてビルの上に立つと
虹色の竜巻が会場から上がる。
「なんデスか!あのトンデモはッ!」
「‥‥‥綺麗」
「‥‥‥あれが私たちの戦う相手」
「マリア姉さん‥‥‥」
「大丈夫よ。セレナ絶対世界も‥‥‥あなたも救ってみせる。
そのための希望も私たちに手を貸してくれたんだもの」
「うん」
その希望であるサクラは、絶望していた。
(やべぇよ、どうしよう。世界救う前に俺は死にそうです。
仮に手を貸すとしよう。
2課を敵に回す。この時点で無理ゲー
ウェル博士がいる。既に無理ゲー)
サクラは現実から背けるようにS2CAの衝撃波を見て、
「本当に綺麗だね。」
そのあと、隠れ家にしている廃病院に連れて行かれる。
体の調子が戻るまで、ベッドで寝ていいと言われ、
寝ているとウェル博士が入ってきた。
「Zzz」
「おや?寝ているのですか?
ふむ、英雄の手伝いをしてくれる少年と
挨拶したかったのですが、
ここまで豪胆に寝れるのですから期待できますね。
起こしてはいけませんし、出るとしましょう。」
そのまま出て行く。
そのあと大きな音が聞こえ、慌てて起きると
切歌と調がこちらを見ていた。
「あ、起きたデス!」
「良かった。1週間も寝ていたから心配しました。」
「え?あ、うん心配してくれてありがとう
え?1週間?
って、それよりも今の音は!」
「ああ、ネフィリムが暴れたんデスね」
「大丈夫セレナが静かにさせてるころだと思う」
「セレナが?」
二人が暗い顔になる。
「セレナにネフィリムの因子が入ってることは話しましたよね?」
「うん、聞いたけどそれがどう関係するの?」
「その因子を入れることで、
ネフィリムの制御できるようになるそうデスよ。」
「でも、制御する回数が多ければ多いほど
その因子が広まって行くそうなんです。」
(ちょっと知らない展開すぎてついていけないんだが!?
ウェル博士が使うならわかる。まさかのセレナちゃん!?)
俺が驚いている間も説明が進んでいく
「その因子は、融合症例と同じように心臓に入れたらいいと
入れられてるんです。」
「そのせいか、セレナが時々胸を押さえて痛みを堪えることが増えたんデス」
「でも、よく言ってたんです。
サクラさんに会えるなら我慢できるって」
「‥‥‥セレナちゃん」
(覚悟を決めろ。霧崎サクラ!
頼られたのならなんとかしなきゃ!
例え2課を敵に回しても
やらなきゃいけないことができた。)
覚悟を決めたサクラはベットから起き上がり、
「二人共、挨拶に行きたいから案内してくれるかな?」
「分かった」
「こっちデスよ!」
何故か二人はそれぞれサクラの手を取り
暗い廊下を歩いて行く。
ある程度進んだところで扉を開けて入ると
モニターがたくさんある部屋だった。
その中心には、車椅子の女性
「‥‥‥久しぶりですね。ナスターシャさん」
「ええ、お久しぶりですね。
サクラさん。約6年ぶりになりますね。」
「はい、いきなりですみませんが
聞きたいことがあります。
世界を救うって何があったんですか?」
「はい、実はーーー」
説明をざっくりまとめると
ルナアタックの時にバラルの呪詛に不具合発生
不具合で月が落下する
それを知った各国のお偉いさんが、どうにかしようとせず
逃げるための準備を始めたことに疑問を抱き
可能な限り守る命を増やすために行動を移す。
フィーネの魂が宿るマリアを中心に
武装組織『フィーネ』を立ち上げる。
そして、適合者がギアを纏うための『LiNKER』
を作ることのできるウェル博士を引き入る。
ネフィリムを起動した時に暴走しては意味がないので
制御できるように因子に適合出来るセレナに注入
フィーネ(櫻井了子)が残したデータにあった、フロンティアの
封印を神獣鏡で解きそれで世界を救うとのこと
後々の計画も色々あるが、
目下の目標はフロンティア解放とのこと
「それで、今必要なのがネフィリムの成長と
神獣鏡の適合者ってことですね?」
「ええ、時間がないので計画はかなり稚拙ですが、
それでもしなくてはいけないのです。
「その通り!英雄たるものどんな絶望的な状況であろうと
諦めてはいけない!
世界は英雄を!求めているのです!」
「でたデスよ」
「切ちゃん思ってても言っちゃダメ」
後ろから大声が聞こえ思わず耳を塞ぐ。
「びっくりするので、急に後ろから話しかけるのはやめてください。」
「おっと、申し訳ない
はじめまして。ギャラルホルンの適合者
霧崎サクラ君
私はジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス。
好きに呼んでもらって構いませんよ。」
ウェル博士が手を出して握手を求めてくる。
「じゃあ、ウェル博士で」
「ええ、ええ、構いませんとも」
握手を交わすと嬉しそうに笑顔を浮かべる。
すると警報が鳴り始める。
「ふむ、餌がかかったようですね。」
「餌?」
「ええ、ネフィリムの餌を呼んだんですよ。」
ウェル破壊はモニターの表示を変えて俺に見せる。
「みんな!」
「そう、2課の奏者を呼んだんですよ!」
モニターには、クリス、翼、響、弦十郎が写っていた。
(うん?弦十郎さん!?何故に??????)
俺は真っ先に名乗りあげる。
「と、とりあえず皆さんが逃げる時間は稼ぐために
対処してきますね。」
「分かりました。では必要な機材だけ持って移動をしましょう。」
「ふふ、英雄の手伝いを率先して行うとは
なんて優秀な子なんでしょう!
安心してください僕もノイズを出して手伝いましょう。」
「私たちも行くデス!」
「うん、私も行く」
マリアとセレナが入ってくる。
「今の警報は!?」
「何があったんですか?」
「二人共丁度良かった。逃げる準備をします。
その他は、侵入者の迎撃をお願いします。」
それぞれ与えられた役目を果たすために動く
「了解、マム!」
「分かった。急いで動くね。」
「やったるデス!」
「いってきます」
「では行きましょう!世界を救うために!」
「うん、頑張ろう」
(いきなりラスボスが乗り込んで来てるんですが)
俺はただでさえ、重い足取りが更に重くなるのだった。
誤字•脱字有れば、宜しくお願いします。