キャロルは、サクラの刺すような視線に悲しくなるが、
その気持ちを誤魔化すように不敵に笑う。
「話があってきた。時間はあるか?」
「いっぱい、あるよ。」
「なら結構、
今回貴様に接触したのは、協力してもらうためだ。」
「‥‥‥世界を分解する手伝いを?」
「成功すればお前を元の世界に帰すことができる。」
「それは嘘だ。アダムさんの話でキャロルさんは、
過去に行くことが目的だって聞いてる。」
キャロルが、サクラの言葉に呆れた様子で、深いため息を吐く。
「はぁ〜、過去に行く気など無い。
世界を壊し、ここにあるクロノスの砂時計の欠片を
完全に破壊することが、俺の目的だ。」
キャロルは、空間に収納していた砂時計の欠片を取り出す。
「アダムさんの話だと、
砂時計が完成しないと元の世界に帰れないって!」
「それは違う。
完成すれば、お前は一生、元の世界に戻れなくなる。」
「どうして、そんなことがわかるの?」
「‥‥‥知っているとしか言いようがない。」
キャロルの言葉にサクラは疑問をぶつける事にした。
「‥‥‥ずっと、気になってたんだけどさ。
どうして、俺の事を知っているの?
どうして、砂時計の事について知ってるの?」
キャロルは、砂時計の欠片を空間に収納して、
懐から2個の弾丸を取り出す。
「ここにメモリアルバレットとリフラックスバレットがある。
お前から貰ったものだ。」
「あげた覚えなんてないけど、」
「ああ、お前ではないお前から貰った。」
「俺じゃない俺?」
「俺は、この2個の弾丸のお陰で、未来の記憶を有している。
未来そして、別の時間では俺とお前は、戦友だった。」
キャロルは懐から2個の弾丸を取り出し、サクラに見せる。
「‥‥‥は?」
「そして、お前は気の遠くなるような時間を
戦い、苦しみ、最後は砂時計を壊し、元の世界に帰っていた。」
「ちょっと待って!話についていけない!」
サクラは、キャロルの話を遮る。
キャロルの語り始めた内容が、あまりにも突拍子もない話に混乱する。
「俺の未来とか別の時間とか何言ってるの!?」
「アダムから聞いたはずだ。砂時計は、時間に関する全てのことができると。」
「言ってたけど!え?でも俺は出来ないよ?」
「ああ、今のお前は出来ない。
だが、他の時間のお前は違う。完成された砂時計を使っていたんだよ。」
「‥‥‥仮に俺の砂時計が完全だったとして、
どうして砕けた砂時計がこの世界にあるの?」
「過程は省くが、過去に砂時計を砕く鍵があったのでな。
過去に行き、砂時計を砕くことに成功はしたが、」
「砂時計の欠片が残ってた?」
「その通りだ。そして欠片を集めて、
お前をこの世界に呼んだ奴がいる。」
「‥‥‥アダムさん?」
サクラの言葉にキャロルは頷く。
「あいつの目的は、砂時計に宿っている神クロノスの復活だ。」
「じゃあ、シェム・ハ討伐は嘘?」
「いや、目的の一つだ。」
「ええと、キャロルさんはこう言いたいわけ?
アダムさんが俺をこの世界に呼んだ原因で、
呼んだ目的は、シェム・ハ討伐とクロノスの復活?」
「そして、クロノスの復活には、お前の肉体も必要だがな。」
「俺の体?」
「思い当たる節はあるだろ?」
キャロルに言われ、つい最近あった出来事を思い出す。
「‥‥‥暴走した時?」
「暴走ではなく、クロノスの復活の兆候といえるだろう。
‥‥‥だからこそ、時間がないのだ。」
キャロルの顔が、不快感で一瞬だけ歪む。
すぐに真剣な表情になり、サクラに手を差し出す。
「だからこそだ!お前に、これ以上負担をかけさせるわけにはいかん!
俺の手を取れ!
お前を絶対に元の世界に帰してみせる!だから!」
「‥‥‥俺は」
迷いを見せるサクラを見て、
「この世界の人間に、罪悪感を覚えるか?」
「‥‥‥それもあるし、
それに今までの話が、本当か分からない。」
「‥‥‥信じてくれとしか言いようがない。」
キャロルの悲しそうな顔に
物凄く複雑そうな顔をしたサクラが質問をする。
「‥‥‥あといくつか聞いてもいい?」
「答えれる範囲でならな。」
「ならアダムさんは、クロノスを復活させて何がしたいの?」
「どんなに調べても、理由は分からなかった。」
キャロルが、悔しそうに言う。
「もし協力するとして、何をすればいいの?」
「ことが終わるまで、寝ているだけでいい。」
「寝るだけ?」
サクラが顔を顰めるのを見て、キャロルが補足説明する。
「お前が起きている間にクロノスが目覚めるかもしれないからな。
寝ていてもらうこと自体が、助けとなる。」
「‥‥‥戻ったときの時間のズレは?」
キャロルは、紙の束を出す。
「安心しろ以前、観測に観測を重ねた結果は、
お前が居なくなってから、たった5分しか経っていない。」
「肉体が成長してるんだけど?」
「リフラックスバレットで、肉体を巻き戻せば解決する。」
「分解したら、この世界はどうなるの?」
「安心しろ。元に戻す手段は、用意してある。
「‥‥‥少し考えさせて。」
「‥‥‥ゆっくり考えるといい。」
サクラを頭を抱えて、その場に蹲る。
(‥‥‥どうしよう。
信じていいのか?俺はどうしたらいいんだ?)
それからしばらくして、サクラはゆっくり立ち上がり、
キャロルの手を取る。
「‥‥‥俺は、情けない奴だと思うよ‥‥‥」
「俺は、そうは思わん。
逃げるにも勇気が必要だろうさ。」
キャロルが、サクラの顔の前に手の平をかざすと
サクラは、意識を失い倒れる。
「すまないな。一つ嘘を言った。
‥‥‥世界を元に戻す方法などない。」
サクラは、スマホを片手に立ち止まる。
(キャロルイベの開始‥‥だと‥‥!?生きて、プレイしなければ!!!)
謎の使命感を持ちながら、日課になっている買い食いをするために
商店街のお肉屋さんへ向かう。
(あそこのコロッケが美味しいから、毎日食べないと気が済まないんだよなぁ。)
後少しで、目的地に着く少し手前で、路上販売をしている
幸薄そうなおじさんがいた。
(珍しいな、路上販売なんて。)
そのまま素通りしようとしたら、
「なぁ、そこの少年、
冷やかしでも良いから、見ていかないかい?」
「え?」
運命は、止まることなく回り続ける。
シンフォギアの世界に転移・裏に続くエンドでした。
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