寝不足気味デス。
童心に返りすぎて、ビックリした日でした。
サクラを頭を抱えて、その場に蹲る。
(‥‥‥どうしよう。
信じていいのか?俺はどうしたらいいんだ?)
サクラは、もう一度キャロルを見る。
キャロルは、何かに耐えるようにじっとサクラを見ている。
(‥‥‥あんな顔を見たら、答えなんて最初から決まってるじゃないか。
立ち止まるわけにはいかない。ただひたすら、前へ進む!)
サクラは立ち上がり、
ポケットから取り出したスマホをキャロルに向ける。
「‥‥‥どういうつもりだ?」
「俺は、世界を犠牲にしてでも帰りたいとは思わない。
そして何より、戦友にそんな事させるわけにはいかない!」
「言っても分からぬ馬鹿ならば、力づくで連れて行く!」
「全力で抗って見せる!
こい!クロノス!俺はここにいるぞ!」
サクラが砂時計を呼び寄せようとするが何も起きない。
「ふん、無駄なことだ。既に封印は完成している。
貴様の声に反応すらしない!」
「それでも、諦める理由にはならない!」
サクラの行動に呆れたキャロルは、拘束するために近づこうとしたその時、
空間が割れて鎖で雁字搦めなった砂時計がサクラの前に現れる。
「馬鹿な!何故動く!?」
砂時計をサクラが握りしめると鎖が解け、スマホの中へ入っていく。
「いくぞ!俺の全部で!未来を変えて見せる!」
「使う時間すら与えるものか!」
術式を展開して、竜巻をサクラに向けて放つが、
「それはもう届かない!」
ネフシュタンの鎧、アガートラーム、イチイバルの
防御を全て出して、防ぎ切る。
「ありえん!操作する時間すら‥‥‥、
そこまで浸食が進んでいるのか!?」
キャロルは、サクラの姿を見て驚愕する。
左手には大きなスマホの盾と機械の片翼が出ており、
構えたスマホには、『UNLIMITED MODE』と表示されていた。
「思ったよりも行ける。意識もまだある。」
「時間をかけては、いられないということか!」
ファウストローブを纏い、弦で切り裂こうとするが
上から迫る殺気に思わず、後退する。
4本の剣が、誰もいない地面を貫く。
翼のヤントラ・サルヴァスパギアをサクラが、いつの間にか展開していた。
「攻め方を変えるのみ!」
氷柱をサクラの頭上と前と後ろに展開
「この狭い場所では、避けることなど出来ないだろう!」
「‥‥‥避ける必要はない。」
ソルブライトギアの槍を地面に突き立てると
爆発を起こし、氷柱は全て砕く。
INFINITY†GLANZ
「うまく回避するじゃないか?」
「まだ始まったばかりだしね。」
サクラは、場所を変えるために路地裏から出ると
避難が終わっているのか、人が誰もいなかった。
「好都合っていうのは、まさにこの事だね!」
後ろから迫ってきたキャロルの攻撃を逸らし、
ガングニールとイチイバルのヤントラ・サルヴァスパギアも展開して、
キャロルを追撃する。
「手数を増やしたところで!」
周囲に大量の術式を展開して、全て破壊する。
その隙にサクラが一気に接近して、天羽々斬で斬りかかるが
躱され、ドリルで吹き飛ばされる。
「‥‥‥防がれたか。」
「いや全然、防げなかったよ‥‥‥。」
サクラの体に大きな穴が空いていたが、すぐに塞がっていく。
「そんな体でも、相手に大丈夫と言えるのか?」
「言えるよ。むしろ、
入院ばっかりしてた時のことを考えると心配かけなくて済むからね。」
「‥‥‥呆れて物も言えんわ。」
術式の威力を上げて、炎でサクラを燃やそうとするが
「燃えるのは勘弁願いたいね!!!」
腕に水着ギアのガングニールを纏って、炎を殴りつける。
我流・激流飛翔拳
炎を消し去り、二人は睨み合う。
「決着はつかないか‥‥‥」
「‥‥‥そうだね。」
「ならば、奥の手を使ってーー」
「サクラ君、無事か!?」
弦十郎が、サクラのもとに駆けつける。
サクラの姿を見て肩を掴む。
「体は、大丈夫なのか!?」
「え!?えぇと、大丈夫です。」
「‥‥‥本当にか?」
「‥‥‥すごく微妙に大丈夫じゃないです。」
弦十郎の心配する目に罪悪感を感じて話してしまう。
サクラの話を聞いた弦十郎は、キャロルの方を向き、拳を構える。
「なら、早めに片付けないといけないな。」
「‥‥‥貴様と戦う気はない。俺は、ここで退かせて貰うとしよう。
忘れるな、霧崎サクラ。俺は絶対に諦めん!」
キャロルは結晶を投げて、この場から居なくなる。
「絶対止めて見せるよ。」
サクラは決意を新たに空を見ると夕日が出ていた。
(あ、これは暴走するかな?)
サクラはゆっくりと弦十郎と向き合う。
「む?サクラ君どうした?」
サクラは、弦十郎に完全再現を行い
RN式回天特機装束を纏って貰う。
「そろそろ暴走するかなぁと思って、ギアも解除できませんし」
「‥‥‥そうか、安心して欲しい。絶対に止めて見せる。」
「ありがとうございます。」
日が落ち、夜になるが、
「‥‥‥なんともないですね?」
「ああ、何か変化はあるか?」
「いえ、今のところは、むしろ調子がいいぐらいです。」
「だがギアが解除出来ないのが、気になるな。」
「そうでーー#@¥34。¥€£〆」
サクラがいきなりクロノスになり、弦十郎に向かって鎌を振るう。
弦十郎は指の力で、鎌を止める。
「€££€〆&※_++!?」
「ふん!!」
鎌を弾き、クロノスの胴体に拳を撃ち込み、吹き飛ばす。
「ふむ、手応えはあるが傷はすぐに癒えるか。」
クロノスが、鎌を再度構えて弦十郎に突撃する。
大振りの鎌を避けるが、弦十郎の頬に切り傷ができる。
(避けたはずだが?いや、時間を操るという事は、
当たる未来でも呼んだか?SF映画でそんな設定があったな。)
裏拳で、鎌を空へと打ち上げる。
「ーーーー?」
クロノスは、鎌を持っていた感触が急になくなったことに
疑問を感じ、手の平を見る。
その隙を弦十郎は見逃さない。
「悪いが、サクラ君を解放してもらおうか!」
俺式・剛衝打
拳が先程以上の威力で、胴体に突き刺さる。
体が、くの字になり飛んでいくクロノスに追撃する。
「うおぉぉぉぉおおおおお!!!」
俺式 断空裂破掌
サクラの顎に拳が突き刺さり、空へと打ち上げられる。
(‥‥‥星が綺麗だな‥‥‥)
最初の一撃で、意識の戻ったサクラに追撃が刺さる。
目が覚めた俺がいたのは、いつもの医務室だった。
「‥‥‥ですよねー。」
体を起こすが、顎とお腹から痛みが全身に走る
「あがぁ!?」
(時間巻き戻して怪我はなくなるのに拳の痛みだけ残るとか!?
どんな拳だよ!!!!)
痛みに悶えていると切歌と調が入ってくる。
「サクラさん、お見舞いに来たデ‥‥‥目が覚めたんデスね!」
「良かった。司令が抱えて帰ってきたから心配だった。」
「あ、ああ‥‥‥なんとかね。」
「なんでそんな姿勢?」
「辛くないデスか?」
顎とお腹を手で抑えて足が、天に向かっている状態だった。
「いや、この姿勢が一番楽なんだ‥‥‥」
二人が、サクラに背を向けて小声で話す。
「私たちも暴走したらあんな風に止められるデスか?」
「その可能性大」
「‥‥‥絶対成功させるデスよ。」
「うん‥‥‥意地でも成功させる。」
「何か用があったんじゃないのかな?」
サクラに声をかけられ、向き直る。
「サクラさんにお願いがあってきたデスよ!」
「イグナイトモジュールを使いこなすために
私たちと戦って欲しいんです。」
「え、なんで?」
「サクラさんなら、暴走しても止めてくれそうだから」
「デス!」
「‥‥‥俺も暴走したばかりなんだけど」
「司令が、見ててくれるらしいデス!」
「暴走しても大丈夫!」
弦十郎がいるという事を聞いたサクラは、すごく苦い顔をすると
二人の顔が、みるみる落ちこんでいくのが見えたので、
「‥‥‥まぁ、二人がそれで満足するなら、手伝うよ。」
「ありがとうございます。」
「後で迎えに来るデーース!!」
サクラが了承した事で、二人は笑顔で出て行く。
(また、ぶん殴られるのか‥‥‥)
サクラはスマホを取り出し、『UNLIMITED MODE』について調べる。
「なになに、『UNLIMITED MODE』は、
完全再現の対象が、3人から10人に変わり、
範囲は、100mから40km²になります。
さらにスマホ操作せずに変更もしくは追加が可能。
電力消費による時間制限も無くなります。
‥‥‥これだけでも十分強い。」
サクラは、下にスクロールすると
「後一個は、‥‥‥怪我の瞬時回復
傷も痛みもなくなります。
‥‥‥痛みに関しては、絶対嘘だ。」
別の画面を開き、
「40km²って、どれくらいなんだろう?」
ネットで調べてみると
「町一つぐらいかな?」
いまいち良く分からなかった。
「とりあえず、広いってのは分かった。うん」
スマホを閉じると未来とセレナが入ってくる。
「サクラさん!やっと目が覚めたんですね!」
セレナが、サクラの手を取り喜ぶ。
「もう動いてもいいんですか?」
「うん、痛みはあるけど、大丈夫だよ。未来ちゃん。」
未来が、少し遅れてベッドの近くにあった椅子に座る。
「私もすごく心配したんですよ!」
「うん、見ての通り大丈夫だよ!」
サクラは、元気の証に力瘤を作ってみせる。
「あまり無理はしないでくださいね?」
「うん、ありがとう。」
未来は、サクラが空元気なのに気づき、釘を刺す。
「サクラさん!消化の良いものを持ってきたので、食べてください。」
「え?ありがとう、丁度お腹が空いてたんだ。」
「私と未来さんで、選んだ物です。」
セレナが、紙袋からフルーツゼリーを取り出す。
「美味しそう‥‥‥え〜と、渡して欲しいなぁ〜」
「ダメです。少しでも楽にして貰うために
あ〜んしてあげます。」
セレナが、ゼリーの蓋を開けて、
スプーンで掬ったものをサクラに向ける。
「はい、あ〜ん」
「あ、あ〜ん」
サクラの口にゼリーが入ってくる。
「どうですか?美味しいですか?」
「んく、うん美味しい、良いやつじゃないのこれ?」
未来も嬉しそうに話を始める。
「はい、みんなで選んだので、お口にあって良かったです。
‥‥‥本当は、響にも食べて欲しかったですけど。」
未来が段々と落ち込んでいく。
「‥‥‥未来さん」
「‥‥‥響ちゃんのお父さんのことでかな?」
「‥‥‥はい、とても落ち込んでました。」
「‥‥‥そっか。でも、いつもの元気な響ちゃんに戻るよ。
きっとね。」
それからの会話は、当たり障りのない日常の話をして過ごした。
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