現在静夜はある場所にいた。
白い制服に身を包み、ドアを開ける。
そこには自分と同じ服をきた子供がたくさんいる。
その子供達の前に立ち・・・
静夜「咲月静夜です。年齢は現在多分九才、好きな食べ物は唐揚げと卵焼きです。よろしく」
そんな自己紹介をした。
その通り地元の学校にはいりました。
こうなったのは鼻血出す事件から少しあとに遡る。
あんな事件があったがはやてと仲良くなり、生活は順調だった。
生活のなかでいくつか気がついたことがあった。
一つめ、なんか力が強くなってる。
電動式の車椅子持ち上げれた時点で気づいてはいたがやはりその通りだった。
二つ目、傷の治りが早すぎる。
包丁で手を切ってしまったのだが数秒で治った。
そして三つ目、これが重要なのだ
静夜は・・・ロリコンではなかった。
石田先生の着替えを見てしまったのだがその時も鼻血を吹いた。そりゃあもう盛大に
病院だったのでことなきを得たのだが人間としてどうなんだろう?と疑問が残った。
また、その際にまた血が吸いたいという欲求が渦巻いていた。
閲覧者が言っていた吸血鬼の力・・・
恐らくそこから血が吸いたい衝動が起きているのだろう。
そしてはやての時と石田先生の時・・・を見比べ分かったことは・・・
静夜「(性欲に反応するんだな)」
はやて「静夜君?どないしたん?」
静夜「なんでもないよ、それより次だよね」
はやて「うん、ちょっと待っててな」
この時ははやての病院に付き合っていた。
はやてを診察室に送って外で待つ。
その間自分の考察に戻る。
静夜「(えーと今のところ性欲を感じたら鼻血出して力が強くて傷の治りが早すぎる・・・くらいか)」
力が吸いたい衝動・・・吸血衝動は性欲が引き金となり静夜の体に強烈な欲求が生まれる。
ただそれは自分の鼻血が口に入ったとたんに治まる。
どうやら血ならなんでもいいらしいのだが・・・
静夜「(ここのところやたら体が疼く)」
体の中でなにかが早く出せ、と暴れている。
恐らく他人の血を吸ったらなにかは飛び出るのだろう。
静夜「(より恐くなるな血を吸うの)」
なんの説明もしてくれなかった閲覧者を恨みつつ、診察室からはやてが出てきた。
静夜「お疲れさま」
はやて「ありがとう、石田先生が静夜君にちょっとお話があんねんて」
静夜「話?」
はやて「なにかは知らんけど」
静夜「そっか・・・なら行ってみるね」
静夜は診察室に
静夜「失礼します。」
石田「来てくれたのね静夜君、ここに座って」
静夜「はい」
椅子に座らされた。
静夜「それで石田先生、話って?」
石田「えぇ落ち着いて聞いてね・・・」
ごくり・・・
喉を鳴らした。
石田「静夜君のご両親が見つかったの」
静夜「・・・え?」
石田先生の告白に一瞬フリーズ・・・から再起動した。
どんなリアクションをとればよいのか分からない、っていうか両親いたのか。というのが本心なわけで
石田「静夜君のお父さん、お母さんが見つかったの・・・だけど」
静夜「だけど?」
石田「お亡くなりになってるの」
静夜「!!本当ですか?」
石田「警察の方から聞いたんだけど、遺体が見つかって・・・その二人に子供がいることが分かってその子供が静夜君なの」
静夜「そうですか」
顔は真剣そうだが・・・
静夜「(僕親いたんだ!?てゆーか亡くなってるのか!?)」
内心は結構焦ってた、別の意味で
静夜「それで遺体は?」
石田「もう火葬しちゃったの」
静夜「僕に親戚とかは?」
石田「家庭の事情みたいで・・・静夜君は隠し子みたいなものだったの、だから静夜君に身内は・・・」
静夜「そうですか・・・(なかなかハードな人生を歩んでいたな僕)」
死因は自殺、それを聞いたときはなぜか心が痛んだ。
自分がなぜあんな所に倒れていたかは不明
石田「いきなりこんな話をしてごめんね」
静夜「いえ、気にしないでください。遅かれ早かれ知ることでしたから」
驚いたのは驚いたのだが、別の意味で
石田「辛くない?」
静夜「・・・」
目を伏せる。
周りから見たら泣いているように見えるのだが
静夜「(身に覚えがない!!どういうリアクションすればいいのか分からない!)」
色々考えてたら、
石田「もっと泣いてもいいよ・・・」
石田先生が抱き締めてくれた。
石田「記憶がなくたってお父さんお母さんだもんね・・・辛いよね」
強く抱き締められる。
静夜「石田先生・・・その・・・」
石田「遠慮しなくていいよ」
静夜「いや、遠慮っていうかそろそろ」
鼻の奥が鉄の匂いを感じる。
当然だ、包むように抱かれているので顔面に柔らかい感触が・・・
視界が赤に染まり始め、喉が渇きはじめた。
吸血衝動の合図だ
石田「辛くなったらいつでも言ってね」
そう言って離れたのだが・・・
静夜「もう・・・限界」
溜めていた分が一気に吹き出し、診察室が紅に染まった。
石田「だ、大丈夫?」
静夜「大丈夫れす。」
鼻ティッシュの状態だが、なんとか生きてる静夜
石田「それで話に戻るんだけど、ご両親は静夜君に遺産を残してるの・・・貴女が学校に行くためのお金が」
静夜「へ?」
石田「このあたりにある進学校、大学付属の聖祥学校そこに通うことになったわ」
静夜「だれが?」
石田「静夜君が」
静夜「・・・まじすか」
・・・というわけで学校に通うことになった。
はやてからは・・・
はやて「学校楽しんできーな」
ありがたいコメントをくれた。
そして時間は元に戻る。
自己紹介も終え、席に座る。
授業は始まっているので黒板を見るのだが簡単だった。
どうやら”記憶”は閲覧者が持っていったが”知識”は残っているようだ。
計算なんかはいつ習ったのかは分からないのだがどうやるのかという知識はある。
漢字はどんな勉強をして覚えたのか、ということは忘れたのだが、なんと読みでどんな意味があるのかということは分かる。
そしてそれが簡単と感じるので前世はもう少し年上だったのだろう。少なくとも中学生くらいだ
授業を流しながら聞いていたのだが隣の女子と目があった。
?「!」
すぐに視線を戻された。
静夜「(なんか傷つく)」
そして自分もまた黒板に視線を戻した。
「きりーつれい!」
「「「さようならー!」」」
静夜「やっと終わったか」
事なきを得て、少し寄ってみたかった図書室へ足を運んでみた。
図書室はやはり静かで本を読むにはぴったりな場所だった。
おすすめ、と書いてある本棚を眺め、その中の一冊に手を伸ばしたら・・・ガッ!
手と手がぶつかった。
静夜「ん?」
?「あっ・・・」
そこには自分と同い年・・・ってゆーか同じクラスの隣の席の女の子だった。
静夜「ごめんなさい、これどうぞ」
とりあえず本をとって、女の子に渡した。
?「いえ、私は一回読んだから!貴方がどうぞ!」
なんかテンパっている女の子、
静夜「僕も一回読んだことあるから、それよりこの作品好きなんですか?」
家ではやての本棚にあった本で読んだことがありかなり気に入ったものだった。
バンパイアとなった主人公がそのことに苦難しながらも戦って行くというもので、少し自分にダブらせていた部分があったりする。
シリーズもので漫画にも映画にもなっている。
?「はい、私も好きなんです・・・貴方も?」
静夜「はい、僕の名前は「咲月静夜君だよね?」覚えてくれてたんですか、確か隣の席でしたよね?」
すずか「うん、私は月村すずか。」
静夜「じゃあ月村さんですね。静夜でいいですし敬語とかもやめてください。」
すずか「うん、じゃあ静夜君も私のことすずかって呼んでね」
静夜「うん、敬語とかってちょっと苦手なんだ。」
すずか「そうなんだ、ねぇ静夜君はこの本好きなんだよね?」
静夜「好きだよ」
すずか「そうなんだ・・・この本が好きってひとあんまりいないから嬉しいな」
静夜「小学生向けじゃないからねこの本」
すずか「そうだよね、でも・・・」
そのまま静夜とすずかは本について話し合った。
静夜「っとそろそろ時間か」
日が沈みはじめていた。
すずか「ほんとだ、でももっとお話したかったなぁ」
静夜「明日もできるよ、そうだ一緒に帰ろう」
すずか「そうだね・・・ねぇ静夜君?」
本を片付ける静夜に話しかけるすずか
静夜「なに?すずか」
すずか「この本みたいに・・・吸血鬼になっちゃったらどうする?」
静夜「吸血鬼に?どうするかな~」
今現在が吸血鬼なので返答に困るのだが、歩きながら考える。
静夜「周りがどんどん大人になっていって、自分は人じゃなくなっていくんだよね」
その本のバンパイアは人より歳をとるのが遅くなるのだ。
周りの友達、家族は大人になるなか自分は体が成長するのが遅くなり、そしてバンパイアの力は強くなっていき人じゃなくなっていく。
これ読んで内心焦ったのは内緒
静夜「とりあえず泣くかもね」
すずか「泣いちゃうの?」
静夜「うん、眠くなるまで泣く」
すずか「それで?」
静夜「寝る」
すずか「ええっ?」
静夜「起きたらどうするか考えて・・・多分今までどおりとはいかないけど生きていくと思うなぁ」
この本でバンパイアは血を吸わないと死んでしまうのだ。
自分とはまた違うのだが多分辛い、いや絶対辛い。
すずか「こわくない?」
静夜「まぁ恐いかな」
学校の門をでた。
すずか「じゃあもしも・・・だよ?私が吸血鬼だったらどうする?」
静夜「すずかはすずかだろう?」
すずか「もっ、もしものはなしだよ」
静夜「・・・なにも変わらないよ」
すずか「えっ?」
静夜「今日あったばっかりだけどすずかはもう友達だよね?だったら変わらない、俺が大人になっていったってすずかとの関係は変わったりしない」
すずか「ほんとに?怖がったりとかしない?」
静夜「するわけないよ、むしろすずかにだったら血あげてもいいかも」
軽く笑う静夜、少し歩いてすずかが立ち止まっていることに気づいた。
静夜「どうしたのすず・・・か!?」
すずか「ヒック・・・うわぁぁぁん!」
なぜか泣き出したすずか、パニクる静夜
静夜「ごめん!俺なんか変なこと言った?」
すずか「ち、違うの・・・静夜君のせいじゃないの」
まだ涙は止まらない
静夜「とりあえずそこの公園で休もう?」
すずか「うん、ごめんね」
公園にはいり、ベンチへ
静夜「大丈夫?落ち着いた?」
すずか「うん」
静夜「そっか、よかったよかった」
笑顔の静夜そこに
「ニャー」
静夜「あっ猫だ」
白い猫がやってきた。
すずか「かわいいね」
猫を抱きなでるすずか
静夜「猫好きなの?」
すずか「うん、家にいっぱいいて猫屋敷って友達に言われちゃって」
静夜「へぇそれは見てみたいかな」
すずか「・・・こっ、今度遊びにくる?」
静夜「いいの?」
すずか「とっ友達だから」
静夜「じゃあ今度遊びに行かせてもらおうかな?」
すずか「約束だよ?」
静夜「うん、約束。じゃあそろそろ帰ろうか、その子どうする?」
すずか「私の家に連れて帰るね・・・あっ待って!」
猫が逃げたすずかが追いかける。
しかし猫は・・・
すずか「!!だめぇ!」
道路に飛び出してしまった。
そこにトラックが通りがかる・・・
飛び出しそうなすずか、しかし手を引かれ後ろに尻餅を付いた、手を引いたのは静夜だが・・・
すずか「静夜君!!」
静夜は飛び出し、猫を抱いた・・・そして
ドガァ!!!!!
トラックにぶち当たり、ぶっ飛んで倒れた。
横になった視界に自分の血が広がる。胸には猫がいた、手を放したら逃げていった
遠くからすずかの声が聞こえたが意識が遠退くのを感じ・・・
声にならない声で
「すくに治るから、大丈夫だよ」
そう言い残して瞳を閉じた。