PK戦記   作:汚いメタグロス

1 / 1
平和な日常

ただ俺は平凡に殺し合いたいだけ。

 

そんな願いを抱きながら過ごす日常は、いつも濁っていた。

 

「人を殺すのは犯罪」

 

そんなガキでも知っていることが、俺の人生を苦しめる。

 

人を殺したい人間は抑圧されなければならないのか。そこに自由における平等は無いのか。

 

ああ、無いとも。有史以来、人間が平等だったことなど一度もないのだから。

 

古の権力者が、同族を狩ることを罪とした時から私の人生は罪なのだ。

 

だからといって、私は今の日常を壊したい訳では無いのだ。日常の中に殺し合いがあればいいのだ。平和な殺人を行いたいのだ。

 

そんなこんなで街を歩いていると、あるゲームのパッケージが目に止まった。VRMMOでリアルな戦いができるという…

 

なんと素晴らしいことか!この手のゲームは人を殺すこと、つまりはPKができるのが基本だ。リアルなPKはそれはもう擬似的な殺し合い、殺人なのではないか?これなら私の欲求は満たされるのではないか?

 

勢いでソフトとVR機器を買ってしまった…まぁいいか、金ならいくらでもある。仕事は辞めてるから時間もあるし、買ったからにはとことんやりこんで殺し合い《エンジョイ》していこうでないか。

 

俺は家に帰ると、ベットに寝そべりゲームを起動する。

キャラクターメイクをするらしいのだが…

 

「ふむ、見た目か…そのままでいいだろう」

 

やはりこの身で殺し合いをしたいしな

 

「名前…」

 

ネームはさすがに実名とは行かない、自身の安全を考慮してな。日常が崩れるのは良くない。

 

「シュラ…シュラでいこう」

 

シュラ…修羅から取った名前で行こうと思う。修羅の如く殺し合いが出来ればいいと願ってな。

 

ふむ…武器も選ぶのか…

とりあえず武器を一通り確認し…

 

「これにしよう」

 

大剣を手に取った。

 

戦いの中では力が全てを解決する。あの呂布奉先もその腕力で三国最強の武将となったのだ。ステータスもSTRを高めに…

 

 

シュラ

Lv1

HP32

MP25

【STR 65〈+20〉】

【VIT 20】

【AIG 15〈+5〉】

【DEX 0】

【INT 0】

 

装備

頭 【空欄】

体 【空欄】

右手 【初心者の大剣】

左手 【スロット不可】

足 【空欄】

靴 【初心者の魔法靴】

装飾品 【空欄】

【空欄】

【空欄】

スキル なし

 

 

よしこれでOK、ログインと…

 

ゲームを開始すると、噴水のある広場に転送された。

 

(おお…匂いまである、なんてリアルなんだ)

 

未知なる世界に胸をときめかせながら、近くにいる赤い鎧を着た御仁に話をかける。

 

「すみません、ここらで初心者におすすめの狩場ってありますか?」

 

「初心者か、この先言ったところに森があるから、そこがちょうどいいぞ」

 

「ありがとうございます」

 

俺はすぐさま森に向かい、他のプレイヤーを探した。途中でモンスターなどがでてきたが全て無視した。

 

でもモンスターも狩らないと高レベルのプレイヤーは殺せないのか…考慮しよう。

 

しばらく探していると、茂みの向こう側から声が聞こえてきた。

 

「はぁー、何とか勝ったぁ…」

 

おそらく自分と同じ初心者のプレイヤーだろう、モンスターを狩るのにてこずったのか、勝ったはいいが満身創痍になっていた。

 

俺はそれを見て思わず飛び出して、そのプレイヤーを押し倒した。

 

「うわ!なんだお前!や、やめろ!」

 

抵抗するそのプレイヤーを押さえつけ何度も何度も大剣を突き刺した。

 

「や、やめてくれ!死ぬ!死ぬぅ!」

 

死ぬまで何度も、何度も、何度も…

 

気がつくと相手プレイヤーは消えていた。

 

その時、自分の世界に色ついたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『スキル【サイコキラー】を獲得しました。』

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。