FGO<妖艶なる百合花>獲得攻略   作:ほわいとぬう

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師走の初投稿です。


見えざる指揮官

前回のあらすじ。敵に包囲されそうなのでスパさんと崩しに行きます。

 

はい、今回はブーディカさんに防衛を任せているので使えるのはスパさんとスパさんを慕う剣奴部隊だけです。この段階でカエサルに絡まれることはほとんどないのでやることは敵の一団をスパさんと荒らして帰る。自陣で休んだらまた荒らして帰るの繰り返しです。

 

 

あ、スパさんが基本的にマスターの指示を聞かないから無理ゲーだと思ってる兄貴姉貴達、大丈夫です。スパさんは自身のテンションがMAXにならない限りバーサーカーの中では案外まともです。なのでテンションがMAXにならないように適度に自陣に帰って休憩をはさむ事が必要です。

そして指示を聞いてくれないなら提案を繰り返し続けてスパさんに行動してもらえばいいのです。狂化されているとはいえ彼は将ですからね。高性能なんですよ。というわけで、イクゾー!!

 

 

>北門からスパルタクスさんと私を含めた彼を慕う剣奴部隊が出撃する。

「スパルタクスさん。まずはあそこを襲撃しましょ。目的は敵を倒すこともだけど如何に派手に壊すかも重要だから」

重要なのは速度。この部隊の身軽さを如何に引き出せるかが勝ちにつながるんだ。しっかりとやらなければ。

「俺たちは作戦がよくわからねえからしっかりと頼むぜ参謀さんよぉ!」

声からして元から作戦も聞く気はないらしい。今更だけどこの人たち、実は暴れたいだけなのでは?

「じゃあ、全員突っ込むよ!敵兵との戦闘は基本的にスパルタクスさんに任せて他は陣地の破壊に専念して!」

笑いながらスパルタクスさんが敵陣へと突撃する。さて、この騒ぎに辺りの敵兵がどれだけ早く応援に駆けつけるかも見極めなければ。

「おい!飯とか奪えるものはどうするんだい?」

食料は確かに奪えるなら奪ってしまいたい。籠城に必要なのは確かだし食料が多い方が兵達の士気も上がるだろうが今回は.....

「無視してください。ブーディカさんの下に帰るときはなるべく身軽で居て欲しいから相手の物を奪うことは考えないで!」

下手に色々と略奪して撤退の時に動きが遅くて全滅なんてことは避けたい。それに今回の目的はそれじゃない。

 

>金属同士のぶつかり合う音が主にスパルタクスさんを中心に鳴り響く。

「ふはははは!愛!愛を受け取りたまえ!」

前方からスパルタクスさんのおかしな声が聞こえる。愛って....やっぱりバーサーカーは少し苦手かもしれない。スパルタクスさんの近くではないものの後ろにいるせいか頬に生暖かい何かがかかる。いや、考えれば分かるんだけど今は理解したくない。

辺りを見回して味方の状況を確認する。正面はスパルタクスが暴れており、彼の援護をするように何人かの兵士たちが手負いの者にとどめを刺している。左右には私が指示した通り打ちこわしに徹底する兵士達。周りには援軍らしき人たちも居ない。カエサルの名前から情報網を疎かにしているとは思えない。....罠に嵌められたかな?だとしたら砦か出てきた私たちのどちらを攻撃してくるか。まあ、なんにせよ何か起こる前に逃げた方が良さそうかな?いや、そもそもカエサルは多分サーヴァントだ。ならば普通の人間がサーヴァントに勝てないことは知っているはずだ。なのになんで軍隊を仕向けてきた?

 

>「さあ、圧制者共!この私に殺されるがいい!」

半分暴走しているような気がするがそこは一度置いとおく。そして考えられるのは2つ。1つはカエサルの存在自体が嘘。相手が名前を騙っているだけ。そして相手はサーヴァントの存在を知らないからこうして軍隊を仕向けている。2つ目はカエサル自体はいるが何らかの理由で軍を指揮していない。だからこそこういった綻びが生まれて私のような素人でもその隙をつくことが出来ている。でも、なんで指揮していないんだろう。

「ゴメン皆、暴れてりないとは思うけど、そろそろ帰らないと、最悪帰るところが無くなるから帰るよ!」

スパルタクスさんの説得は他の人に任せて、とりあえずは私の声に耳を傾ける人達に理解してもらう。稀代の軍師ならば何か策を思いつくんだけど、私のは最悪のケースを考えて動くしかない。

「あんまり、離れると防衛部隊の負担が大きくなるからね。そうなれば困るのは私たちだけじゃないでしょ?」

これで大体の人たちは納得してくれる。だけど問題はこの部隊を指揮するあの人。目の前の敵を倒すことしか考えてないあのサーヴァント。強いのは確かなんだけどあの人をどうやって説得するかだ。

「旦那ぁ!俺たちの拠点が敵の攻撃を受けてるらしいからそっちに行こうぜ!」

まるで遊びに誘うかのような兵士の言葉に灰色の巨人は笑顔で振り返る。そんなんでいいのか。

 

>「ふむ、では次はそちらに行こうとしよう!」

乱暴に腕で体を掴まれそのまま片手で抱えられる。私の体力からしてお荷物なのはわかるが流石にガサツすぎる。彼の腕についた赤色が私の着ている服の一部に染み込む。鉄臭い臭いに喉の奥から何かがこみ上げそうになる。いや、ここは戦場なんだしガサツとかそういうのを気にしてる私の方がおかしいんだ。しっかりするんだ私。確かに彼の、いやサーヴァントの身体能力は非常に高い。風のような速さで駆けていくのだから。だけど丁度腹の部分が彼の腕に食い込んで痛い。

 

 

....いや、一応走りの練習はしましたけどここまでスパさんに振り回されるのは初めてなんですけど?なんなんですかねこのゲーム。本番は絶対に新パターンになるようなシステムでも組まれてるんですかね?まあ、なんだかんだスパさんのコントールが出来てるので良しとします。過程が違えど結果が同じなら多分大丈夫です。この後はちょっと休憩&ブーディカさんと話してほよちゃんのメンタルとフィジカルの回復に努めます。あんまり長く居るとスパさんが暴走して1人で敵に突っ込んでしまうので時間との戦いです。通常プレイなら戦闘面でも色々なパートで役に立つバーサーカーですが何か条件の入ったプレイになると途端に使いにくくなってしまうことが多いんですね。スパさんはこれでもマシな方なんですが最終的に狂化が低い方が扱いやすいと考えるのもまあ、無理ないですね。

あ、北門の敵ごとぶち破ってスパさんがゴールインしましたね。あーもう滅茶苦茶だよ。

 

 

>「随分ダイナミックに帰ってきたね。あちら側の敵を蹴散らしてくれたのは嬉しいけど....」

この先に続く言葉は私に言っても仕方がない。ブーディカさんもそれを解っているのだ。だけど、蹴散らされた敵兵。壊れた北門。笑顔の彼。頭を抱えたくなる。

「うん、ごめん。悪いけど少し休んだら、壊した北門からもう一回出て行くよ」

本当は北と南の交互に出て行ってスパルタクス率いる寡兵の恐ろしさを全体に知らしめたかったがこうなってしまったら話は別だ。サーヴァントは人間には負けない。これだけを根拠に北門に引き寄せた敵兵をスパルタクスさんの力で打ち倒していくしかない。

「そういえば聞きたいんだけど、相手の指揮官がサーヴァントの場合。そして敵であるこちらにもサーヴァントが居るのを知ってるとして、なんで敵の指揮官はこちらに戦力をぶつけてくるんだと思う?」

悪戯に戦力を消耗するだけじゃないのか?どうしても私自身はそう考えてしまう。

 

>「色々と理由はあるけど、自分の部下に相手は1人でこちらの部隊と同じ力があるって言われたらどうなるかな?後、相手の攻め方は実に綺麗だよ。なるべく犠牲者が出ないように、だけどこちらにプレッシャーを与えてくる。そんな攻め方をしてきているよ」

なるほど、確かに言われてみればそうだ。無駄に味方の士気は下げる必要はない。それにこちらは現状2騎のサーヴァントが居るのに守りに徹している。それが解り易い答えだ。

「ありがとう、ブーディカさん。じゃあ、もう一度、北門から行ってくるね」

歴戦の指揮官に素人がどこまで食らいつけるのか。あまり良いことではないが、心の奥からふつふつと湧き上がる感情が抑えきれない。

「カエサル。勝負よ」




急に寒くなりすぎじゃないですかね?

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