ジタン達はマダイン・サリに戻って来ていた
「モコに聞いたわ!どうなの!?」
エーコはモスリンにそう聞く
「とにかく来てくださいクポ!」
「俺達も行くぞ!」
ジタン達はマダイン・サリの一室に来た
「…無い…大事な…村にずっと伝わる大事な宝石が…無くなってるの…おじいさん達が…『自分達の生きる証だ』って大切にしてたのに…」
エーコはかなり辛そうにしている
「エーコ、とりあえず盗んだ人の手がかりを探そうよ。僕も手伝うから」
「ビビ…ありがとう…」
「それじゃあ手分けして探しましょう」
ビビとエーコはその場から離れ、ジタンとダガーは今居る場所に手がかりがないか探してみた
「エーコ…辛そうだったわね…」
「そりゃそうさ、大切な宝が盗まれたんだから。エーコの為にも必ず見つけてやろうぜ」
「ライフ…そうね」
「きゃああああ!!」
しかしその時、エーコの悲鳴が聞こえた
「今のエーコの声じゃない!?」
「しまった!盗んだ奴はまだここに居たんだ!」
そこにビビが部屋に入って来た
「ジタン!エーコが…フォッシル・ルーで会ったあいつがエーコを捕まえて!」
「フォッシル・ルー…あのラニとか言う女か!それでそいつは今どこに!?」
「召喚壁に居るよ!」
「急ぎましょう!」
ジタン達は召喚壁に来た、そこにはフォッシル・ルーでジタン達を襲ったが未遂に終わったラニと眠っているエーコが居た
「あ~ら、ようやくナイト様のご登場ね」
「やっぱりテメェか!」
「エーコに何をしたんだ!?」
「あんまりうるさいからスリプル草で眠ってもらっただけよ」
「くそ…」
「銀のペンダントが欲しいなら私を狙いなさい!」
「あら、あたしは効率よく事を進めたいだけよ、この子を返して欲しかったらその銀のペンダントを持って来る事ね」
「その前に教えろ、村の宝を盗んだのはお前か?」
「ブラネ女王陛下の求める銀のペンダントとよく似た宝石の飾りをこの村で見つけたわ!わざわざ追って来た甲斐があったと言うものよ!」
「なんだと?」
「話は終わり?さあ、早くペンダントを持ってこっちに……へぶっ!?」
その時何者かがラニを殴りつけ、エーコを救出した。ラニを殴った者は…
「お久しぶりです、皆様」
「「ロゼ!!」」
「ロゼお姉ちゃん!!」
そうロゼであった
「痛~い…ちょっと!いきなり何すんのよ!?」
「卑怯者に不意討ちをしただけです、それが何か?」
「きいいいいい!!」
「……見てらんねぇな」
その時、ラニと一緒にブラネに雇われたサラマンダーがやって来た
「ダンナ!見てたんなら助けてよ!」
「俺は人質を取るっていうやり方は大嫌いなんでね…」
「あれは…焔色のサラマンダー?」
「ビビ、知ってるの?」
「うん、前にトレノに行った時に10万ギルで手配されてたのを見たんだ。裏稼業No.1の男って書いてあったよ」
「ふわああ~…」
エーコは目を覚ました
「エーコ!良かった…立てる?」
「ビビ…ここは…!?あのオバサンは!?」
「誰がオバサンよ!?あたしはまだ19よ!」
「私より3つも上じゃないですか」
「え?ロゼって俺とダガーと同じ歳なの?」
「はい、私は16ですよ」
「こいつら!…」
「ラニ、後は俺がやる。お前は宝珠の欠片を置いて出てろ」
「ダンナ…あんた達!覚えてなさいよ!」
ラニはそう言ってサラマンダーに宝珠の欠片を渡すとその場から去った
「とにかくあんたのお陰で助かったぜ」
「…勘違いするな、俺はお前に用があって来ただけだ」
サラマンダーはジタンを指差しながらそう言った
「えっ?」
「俺と戦え!」
「はあ!?どういうことだよ!?」
「さっきのは助けた訳じゃない、純粋な戦いをする為にしたことだ」
「そうかよ。解った、受けてたつぜ」
「ジタン!?」
ダガーは思わずジタンの名前を叫ぶ
「大丈夫だって、たまには良いとこ見せなきゃって思ってたところさ!」
「大した自信だな、行くぜ!!」
ジタンとサラマンダーの勝負が始まった。
勝負の結果はジタンの勝ちに終わった
「くっ…俺の負けだ…さあ!殺せ!」
「あなたは何を言ってるのですか?」
「うるせぇ!」
「…盗んだ奴を返してくれないか?」
「……」
サラマンダーはジタンに宝を渡した
「エーコ、宝を取り返したぜ」
「良かった…」
「さあ!殺せ!」
「なんだよ、死にたいのか?せっかく拾った命を粗末にするもんじゃないぜ」
「…行けと言うのか?」
「ああ」
「何故だ?」
「何故って言われてもなぁ…勝負して命があったんだからそれで充分だろ?」
「殺しが怖いのか?」
「お前を殺しても俺にはなんの得もないからな、だから行けよ」
「……」
サラマンダーはその場から去った
「エーコ、良かったわね」
「……」
「どうしたんだ?」
「みんな、聞いて欲しいの。おじいさん達はエーコが16歳になるまで村を離れないようにって…でも、エーコはみんなが行くところに行きたいの!真剣に考えたの!村を出ることに賛成してくれる?」
「そうだな、ビビからエーコに言えることがあるんじゃないか?」
「うん、エーコ。イーファの樹で僕に言ってくれたよね。『自分の気持ちに嘘をついちゃ駄目』って、僕も自分の気持ちに嘘をつかないように頑張るから…エーコも…」
「ビビ…そうよね!あたし、みんなについて行く!駄目って言われても絶対ついて行くからね!」
「決まりだな、これでエーコは晴れて俺達の仲間だ」
「ねぇ、エーコ。モグが話したそうにしてるわよ」
「クポ…」
「ううん、怒ってないわ…なんて言う訳ないでしょ!またエーコを残して1人で行って!約束したじゃない!もしエーコの目の届かない場所で危ない目にあったらどうするの!?」
「クポ…」
「でもまあ、お互い無事だったんだから良かったわ!」
「エーコさんはモグさんに優しいんですね」
「だってエーコ達親友だもの!同じ日に生まれてず~っと一緒だったのよ!このリボンは親友の証!モグがプレゼントしてくれたの!モグ、あたしのリボンはちゃんと持ってる?」
「クポ!」
「よし!ちゃんと持ってるわね!モグにはまだ大きいけど、2人が素敵なレディになった時に一緒につけるのよね~!」
「クポ~!」
「その時はビビ…ダンスとかしてくれるかな?…ビビ?」
(モグって女の子だったんだ…)
「そう言えばロゼ、クイナは一緒じゃないの?」
ダガーはロゼにクイナのことを訪ねる
「あの人なら先にリンドブルムに帰ってもらいました。居ても邪魔になると思いまして」
「…そう」
「そう言えばロゼにも角があるのね、でもロゼにはジタンみたいな尻尾も生えてる…」
エーコはロゼを見ながらそう言った
「両親の遺伝なんだってよ」
「!?ってことは…ロゼのお父さんかお母さんは召喚士なの!?」
「はい、母が召喚士の一族の者です」
「あたしの他にも生きてる召喚士が居るのね!?ロゼのお母さんは今どこに居るの?」
「……父と母は…私が6歳の時に亡くなりました…」
「そんな…じゃあやっぱり召喚士はもうあたししかいないのね…」
「……すみません…」
「ロゼが謝ることは無いさ」
「ジタン様…」
「まあ、とりあえずイーファの樹に行くのは明日にして、今日は休むか」
ジタン達は休むことにした。
数分後
「歌が聞こえる…セーラが近くに居るのか?」
ジタンはダガーが時おり歌っていた歌を耳にした。
ジタンは下の洞窟を通ると、そこは船着き場でその船にダガーが乗っていた
「ここにいたのか」
「ライフ…」
「歌ってて良いんだぜ、俺とセーラだけの歌なんだから。それにしてもよくこんな場所見つけたな、盗賊の素質があるんじゃないか?セーラさえ良かったら俺とチーム組むか?名付けて『めおと団』!」
「素質はともかく、その名前はどうかと思う…」
「やっぱり?じゃあ俺とセーラの名前から取って『セーライフ団』はどうだい?」
「それも凄く安上がりな名前で嫌だわ…」
「まあ、とにかく俺が言いたいのはさ、最近のセーラはイイ感じだなってことだよ」
「だとしたらあなたのおかげね」
「そうじゃないさ、君がなろうとしたからさ」
「ううん、ライフが居てくれたからよ。私だけじゃ城を出ることなんて出来なかった…いつも空回りしていた…くじけそうな時もあった…でも、ライフが居たから…ううん、ライフだけじゃない」
「ああ、仲間達みんなのおかげだな」
ジタンとダガーが乗った船は船着き場から少し離れた場所まで行った
「ライフ…私…」
「セーラ?」
ダガーは何か言いかけようとしたが、2人の耳に何かが聞こえて来た
「!?…歌が聞こえない!?」
「ああ…あの歌じゃないか!?」
「どうして…!?この景色!!」
「景色…!?」
2人が見た景色とは夕日を浴びて燃えるように見える召喚壁だった
「ええ…見覚えがあるわ…多分…あなたも…」
「どういうことだ?…俺はこの前初めて来た筈なのに…?初めて?」
「初めてじゃない…私は…ここで…?」
「「!?」」
その時、2人の脳裏に何かがよぎった
船に乗った少年と少女と女性…巨大な竜巻…燃え行くマダイン・サリ…空に浮かぶ巨大な赤い目…さまざまな光景が2人の脳裏によぎる
(誰なの!?この人達は!?…私?)
(なんなんだよこれは!?なんで小さい頃の俺が…小さい頃の…俺!?)
2人の脳裏には途切れ途切れに何かの光景がよぎっていた。そしてそれが終わった時
「あ…」
「く…」
突然2人は倒れた
その頃。
建物の中にビビとエーコが居た
「エーコ、荷物はそれで全部?」
「うん、それよりここともしばらくお別れか…」
「エーコ、旅に出るのに不安はある?」
「…不安はちょっとあるわ、でも…それ以上にみんなの一緒に世界のいろんな場所を見たいって気持ちと、ビビ、あなたと一緒に居たいって気持ちの方が強くてね。だから平気よ」
「エーコ、強いんだね。僕も頑張らないと…」
「ビビ…あなたは充分すぎる程頑張ってるわ。あたしが保証する」
「エーコ…」
「ビビ…」
2人はかなり良い感じになっている、しかし
「ビビさん!エーコさん!」
「「!!!??」」
突然ロゼが部屋に入って来たことによっていっきに距離を外した
「どうしたの!?ロゼお姉ちゃん!?」
「そうよ!何かあったの!?」
「大変なんです!ジタン様とダガー様が小船の上で倒れてるんです!!」
「「!!?」」
「しかも普通じゃ届かない場所まで流れてしまって…私だけではどうしようも出来ないんです!!」
「エーコ!船着き場ってある!?」
「下にあるわ!」
その後、2人はなんとか救助されたが意識は無かった。そのまま夜を迎えた
翌朝
「…ううん……あれ?俺は?…」
「……私…確かあの時…」
「良かった、2人共気がついたんだね」
「……エーコ、あなたに話したいことがあるわ」
「あたしに?」
「ええ…私は6歳まで…ここで育ったの…」
「!?本当なの!?」
「ええ…だから私も召喚魔法が使えるのよ…」
「てことは、お姉ちゃんは召喚士の一族?」
「ええ…そうよ…」
「それと…俺は2歳から6歳までの間…ここでダガーと一緒に育ったんだ…」
「ええええ!?てことはジタンも…」
「いや、俺は違うぜ。近くの森で倒れてたのをダガーに手当てをして貰って、そのままマダイン・サリで暮らすことになったんだ…」
「そうなんだ…」
「ああ、しばらくずっと一緒に居た。でも…天変地異が襲って来た…俺はダガーとダガーの本当のお母さんと一緒に船に乗った…」
「あの…ダガー様の本当のお母様はどうなったのですか?」
「…船で私を庇って…」
「…すみません…」
「良いわ、それと私とジタンも召喚壁にいつも祈りを捧げてたわ」
「ダガーとジタンも!?」
「ああ」
「ダガー!おかえりなさい!」
「ただいま、エーコ」
「あたし、1人じゃなかった!だから嬉しいの!」
「それじゃあ、そろそろイーファの樹に向かうか。と、その前にダガーと2人で話したいことがあるから先に入口で待っててくれないか?」
「解りました」
ロゼ、ビビ、エーコは先に入口へ向かった
「ライフ…ずっと前から一緒に居てくれたのね…ありがとう…」
「セーラ…俺はこれからも変わらずに何があろうと必ず君を守る。それが君の本当のお母さん…ジェーンさんにしてやれることでもあるから…」
「ライフ…ありがとう…ジェーンお母様もきっとそれを願ってくださっていると思うわ…」
マダイン・サリ入口
「よ、お待たせ」
「では行きましょう」
その時、ラニが現れた
「な!?あんたは村の宝を奪ったオバサン!!」
「まだ19の未成年なんだけど…前は酷いことしてごめん…許せとは言わないわ、でも…あたしも連れてって」
「…おおかた、ブラネのところに戻っても褒美は貰えないし、下手すりゃ消されるかもしれないからか?」
「ええ…」
「まあ良いぜ、着いてきな」
「ありがとう…足引っ張らないように頑張るから!」
その時、サラマンダーがやって来た
「ダンナ!帰ったんじゃなかったの?」
「…昨日のことが納得いかなくてな」
「またか?だったら俺達と来れば?」
「やはりか…」
「俺達はもうすぐ大きな戦いをする。お前の力があればなんとかなるだろうからな」
「…良いだろう、お前の考え方を見させて貰うぜ」
「これなら安心だな」
「うん、ダンナは凄く頼りになるからね。あたしが保証する」
「そうか、じゃあそろそろ行くか」
「ええ」
「解りました」
サラマンダーとラニを加えた一行はイーファの樹へ向かうことにした
作者のMPです。
今回はジタンとダガーが記憶を取り戻しましたよ~