一夜を明かしたジタンとダガーは魔の森の中を進み続けていた
「この森の何処かに誰かプリマビスタから落ちた人が居る筈だ、くまなく探して見つけよう」
「そうね…ライフ!前!」
ダガーの言葉にジタンが前を向くと、小さなコウモリのようなモンスターが居た
「こいつはドラキーだな、夜にしか出ない筈なんだが。まあこんな暗い森の中じゃ昼も夜も解んない感じか」
ジタンとダガーは戦闘の構えに入った。
だが、それより先にドラキーがジタンの腕に噛みついてきた
「痛ぇ!この野郎!!」
ジタンはドラキーを短剣で斬りつけた、
ドラキーはその一撃で跡形もなく消滅した
「ライフ!大丈夫!?」
「ああ、なんとかな」
そうは言うが、噛みつかれたジタンの腕からは血が流れていた
「ちょっと待ってて、ケアル!」
ダガーは魔法を唱えると、ジタンの出血が収まり、また傷口も無くなった
「凄いなセーラ、白魔法が使えるのか」
「ええ、まだケアルくらいしか使える魔法はないけど」
「それでも助かったよ、先に進もう」
ジタンとダガーは森の深い場所までたどり着いた。
そこには壺を持ったデップリと太ったドラゴンのような魔物と影が実体化したような魔物が数匹居た
「テメェらはなぁ…ごめんなさいじゃ済まねぇんだよ!!」
「「ひいぃぃぃぃ!!デンダ親分~!ご勘弁を~!」」
太ったドラゴンはデンダと言う名前のようだ
「何やらもめてるみたいだな」
「何かあったのかしら?」
「良いかテメェら!俺様はな、まだまだ力を加えていかねぇといけないんだよ、でも真面目に鍛えるのはめんどくせぇ。
だから俺様は人間共から力を奪うことにした、テメェらには人間共を連れてくるように命令した、だがな…
たったこんだけじゃ足りる訳ねぇだろうがよぉ!!」
デンダは自分の後ろを指差した、
そこには気絶しているビビ、スタイナー、ブランクの3人が居た
「あれは!?ビビとブランク!」
「スタイナーも居るわ!でもどうしてあんな場所に?」
「済いません親分!」
「何せこの森の中の人間はそいつらしか居なかったもんでして…」
「だったら森の外に行って探してこい!」
「話しを聞く限り、どうやらあのモンスター達がブランク達を拐ったみたいだな」
「じゃあ早速助けに…」
ダガーがそう言いかけたが、後ろに気配を感じて後ろを向いた、そこにはデンダの子分の1体が居てダガーと目が合ってしまった
「きゃああああああああ!!!!」
「ぎゃああああああああ!!!!」
ダガーとデンダの子分は同時に叫んだ
「なんだ!?」
「親分~!人間が~!」
「何!?人間だと!?」
デンダが反応したのとほぼ同時にジタンとダガーがデンダ達の前に出て来た
「このメタボ野郎!ブランク達を返せ!」
「返せと言われて素直に返す馬鹿が居るか!ちょうど良い、テメェらも俺様の力の一部になって貰うぜ!行くぜ野郎共!!」
「「「へい!親分!!」」」
デンダ一味と戦闘になった
「凍りつけ~!ブリザド!」
デンダの子分はジタンにブリザドを放った
「冷た!」
「ジタン!」
「こんどは俺様だ!喰らえ!」
デンダは壺の中身を口に含んだ後氷の息を吐き出した
「うわぁぁ!寒いぃぃ!!」
「これは結構キツイわね……?」
「どうした?ダガー?」
「……何かが私に語りかけてくる…そんな感じがする…」
「何をごちゃごちゃ言ってやがる!纏めてくたばれぇ!!」
デンダは次の攻撃に移ろうとしている
「……我の元に集いし者よ…我の元に来たまえ…イフリート!」
ダガーが詠唱し終えると、炎を纏った巨大な赤い魔獣が現れた
「なんだぁ!?こりゃあ!?」
デンダと子分達はイフリートの存在に困惑している
「あれは!?召喚獣イフリート!まさかあれは…召喚魔法か!?」
ジタンはダガーの魔法について知っている様子
「お願いイフリート!地獄の業火!!」
イフリートは巨大な炎をデンダ一味に投げつけた
「「「「ぎゃあああああああああああ!!!!」」」」
イフリートの地獄の業火により子分達は完全に消滅し、デンダも戦える状態ではなくなった
「おのれぇ…テメェらさえ…来なかったら…いずれ現れる…魔王様の側近になれたかも…しれなかったのによぉ!……ぐふっ!………」
デンダは子分同様跡形もなく消滅した
「ダガー、驚いたよ、まさか伝説の魔法だと言われている召喚魔法まで使えるなんてな」
「どうして使えたのか自分でもよく解ってないの、ただ無我夢中で…」
「なんにせよダガーのお陰で勝てたんだ、ありがとう」
「ジタン…」
その時、ビビ達は目を覚ましたようだ
「あれ?ここは?僕達は確か…」
「ジタン!?ジタンじゃねぇか!」
「よ!目が覚めたようだな、ブランク」
「姫様~!よくご無事で~!」
「スタイナーも無事で良かったわ」
ジタンとダガーはビビ達にこれまでのことを話した
「なるほど、色々あったんだな」
「まあな」
「おい!ジタンとやら!」
「なんだよ?おっさん」
「貴様…姫様に偽名を名乗るように言ったうえに一夜を共にしただと~!?許せん!この場で斬り捨ててくれる!!」
「止めなさい!スタイナー!ジタンは私の恩人なのよ!」
「ぐ…しかし…」
「おじちゃん、ジタンさんは悪い人じゃないよ、僕も保証する」
「ビビ殿…解りました」
「ありがとな、ビビ。あと俺のことはジタンで良いぜ」
「うん、解った。ジタン」
「ところでブランクは一体どうしていたんだ?」
「ああ、俺はあの後プリマビスタから脱出したんだが、この森に不時着してしまってよ、暫く辺りをうろついてたらこいつらに逢ったんだ」
「スタイナーとビビはどうしてたの?」
「自分はビビ殿と共にこの森の池の近くに倒れておりましてな、暫く森の中を滞在している内にこのブランクとか言う不届き者と出逢いましてな」
「不届き者はねぇだろ…」
「僕達は3人で森から脱出することにしたんだけど、デンダって言う奴の子分だって名乗るモンスター達に頭を殴られて気絶しちゃって…」
「そして目が覚めて現在に至るのであります」
「そうなんだ、ともかくみんな無事で本当に良かったわ」
「姫様こそ、本当にご無事で良かったであります~!」
「まあとりあえずいつまでもこんな場所に居る訳にもいかないから早く脱出し……」
ジタンがそう言おうとした瞬間、突然地震が起こり穴が空き、穴から大量のスライムとクリボーとドラキーの群れが出て来た
「わっ!一体何が起こってるの!?」
「考えてる暇はない!とにかく逃げるぞ!」
ブランク、ビビ、スタイナーは先に逃げだした
「セーラ、走れるか?」
「ごめんなさい…さっきの戦いで足を挫いちゃったみたい…」
「しょうがない…ちょっと失礼するよ」
「え?…きゃあ!?」
ジタンはダガーをほぼ強引にお姫様抱っこをしてその場から走り去った
「ああああ!!しまったああ!!」
「どうしたのおじちゃん!?」
「姫様を忘れておったああ!!」
「何やってんだよ!?それでも兵士かお前!」
「お前ら!ぐだぐだ言ってないで走れ!」
「ジタン!お姉ちゃん!」
「貴様ああああ!!姫様になんてことをおおおお!!」
「その姫様を忘れた奴が何言ってやがる!いいから走れ!!」
「ジタン!後ろ!」
ダガーが後ろを指差し、ジタンは後ろを見ると、森がどんどん石化していっていた
「どうなってやがるんだ!?とにかく逃げないとあいつらの仲間入りだな…」
ジタンはダガーを抱き抱えたまま全力で走る、だがジタンにモンスター達が襲いかかろうとしたが
「やらせねぇ!」
「ブランク!?なんで戻ってきたんだ!?」
「説明は後だ!お前は早く姫さん連れて逃げ!?」
ブランクはモンスターの群れに捕まってしまった
「ブランク!!」
「こいつら!…放しやがれ!!ジタン!俺はもう駄目そうだ!これを持っていけ!」
ブランクはジタンに地図を投げた。
ジタンは両腕が塞がっている為ダガーがキャッチした
「お前らは早く逃げろ!急げ!!」
「ブランク…ごめん!あとで必ず助けるから!!」
ジタンはそう言うとダガーを抱き抱えたまま森を後にした。
脱出の間際、ブランクはモンスター達と共に石になってしまったのをジタンとダガーは見てしまった
「ブランク…ごめんよ…俺のせいで…」
「ライフ…自分を責めないで、ブランクは貴方の為を思ってこの地図を託してくれた、今はブランクの思いにこたえてあげましょう」
「セーラ…ありがとう。ひとまず先に進もうか」
「ええ」
(ブランク…待っててくれ、必ず助けるから)
ジタンとダガーは石化した魔の森を後にした
作者のMPです。
後書き?そんなこと知るか(シャモ並感)