カンピオーネ~生まれ変わって主人公~《完結》   作:山中 一

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六十話

 護堂が地上に戻って来たのは、ちょうど羅濠教主が巨猿を討伐し終えた直後であった。

 斉天大聖の石化の術が解けて、周囲の景観も元の緑溢れる日光山に戻った。

 羅濠教主は、戻ってきた護堂と従者二人を見て、愕然とした表情を見せた。

「草薙王。如何にして斉天大聖の術を破り、舞い戻ったのです?」

「それは、術破りの権能があるので、それを使って」

「なんと、あなたは術にも通じる力の持ち主なのですね」

 権能は努力して手に入れるものではないので、方術にも優れた才能を持っている羅濠教主に誉められるのは気後れを感じてしまう。

 そして、護堂は羅濠教主の後ろに視線を向けた。

 羅濠教主を中心に、放射状に更地が広がっている。林立していた木々は木っ端微塵に砕け散っており、残っているのは残骸だけだ。石化状態だったために、かなり細かく砕かれてしまったようだ。

 これは、おそらく羅濠教主が斉天大聖と小競り合いをした結果生まれたものなのだろう。

「羅濠さん。斉天大聖のヤツは?」

 そう尋ねると、羅濠教主は苦虫を噛み潰したかのような表情になった。

「不覚にも取り逃がしました。かの神が呼び出した手勢はすべて屠りましたが、さすがは音に聞こえし美猴王、容易く尻尾を掴ませてはくれません」

 羅濠教主が言ったことを総合すると、斉天大聖の部下と一悶着あった隙に斉天大聖本人を取り逃がしてしまった。そして、斉天大聖の行方はいまだに掴めていない、ということか。

「叶うことならば今すぐにでも追い詰めて掣肘してしまいたいところですが、わたくしも消耗しています。先ほどまでの斉天大聖ならばまだしも、時を置いて本性に返った斉天大聖を相手にするのは難しい。わたくしも暫し体を休める必要がありますね」

 そう呟くと、羅濠教主は、護堂を眺める。

「その様子では、あなたも力を使い果たしている様子。互いに今は雌伏の時というわけですね」

 羅濠教主は護堂ほどではないにしても本調子とは言いがたい状態だ。復活間もない斉天大聖ならばともかく、完全に力を取り戻した斉天大聖を相手にするには、自身もまた万全でなければならないとわかっている。百年前に、直に見た斉天大聖の武芸は、羅濠教主の背筋を震わせるほどだったのだから。

「わたくしは、来るべき戦に備えて一所で身体を休めます。あなたも今の内に英気を養っておきなさい。わたくしに貸しを作ったまま死ぬようなことがないようになさい。いいですね」

「わかりました。ですが、斉天大聖がこちらに向かってきた際は、倒してしまうことになりますが、構いませんね?」

 負ける気はさらさらないので、羅濠教主の悲願とも言える決闘に水を差す可能性がある。

「そのときは仕方がありません。それも天運と思い割り切りましょう」

 今の羅濠教主は、妙に物分りがいい様な気がする。

 護堂に敗れたことで、護堂を対等な相手と認めたのであろうか。

 羅濠教主はそれでも上から目線であることは変わらないまま、護堂たちと別れてどこかへ消えてしまった。彼女にとって都合のいい場所で、疲れを癒すのだろう。それがどこかはわからないが、少なくとも、真っ当な旅館などではない。

「どこでお休みになられるんでしょうね」

「さあな……どっかの岩山とかじゃねえか」

 晶の疑問に、護堂は、おざなりに答えた。

 羅濠教主がホテルに宿泊する光景は想像できないし、現代社会に適応できない彼女のことだから、この近辺の山の中に草庵でも作っていそうだ。

「とりあえず、下山しよう」

 心身に疲れが溜まっているのは、もはや隠しようがない。羅濠教主が言うとおり、休息が必要なのだ。

 

 

 

 ■ □ ■ □

 

 

 

 斉天大聖が羅濠教主の下から去ったのは、彼が語ったとおり羅濠教主が手負いの獅子となる可能性が否定できなかったこともあるが、より深刻な彼自身の問題が解決していないというのが大きい。この問題をどうにかしなければ、神殺しの魔王どもと正面から戦うのは危険すぎた。

「竜が消えてしまったから、調子が出ん。とっととこの『弼馬温』を破らねばならんの」

 男体山の山頂で、斉天大聖は忌々しげに呟いた。

 数百年前に自らの油断が招いた失策で、この地に封じられた苦い思い出が蘇る。

 《蛇》討伐のために使役される屈辱もあったが、そんな細かいことはもはやどうでもいい。

 外に出ることに成功したのであれば、後は自由気ままに遊ぶだけである。しかし、今の斉天大聖には、その自由がない。

 斉天大聖は、《蛇》の神の降臨に対処するために外に出た。

 つまり、正規の手段で現世に出てきたわけだが、そうなってくると、『弼馬温』の呪力は今でも健在ということになる。つまり《蛇》を討伐し終えた後は、再びあの社の中に戻らなくてはならないのである。

 それではつまらない。

 今回は、羅濠教主というイレギュラーが介入したおかげか、力は充溢している。《蛇》も死にかけだったために、力をそれほど消耗しなかった。数百年の間に、自身を縛る大秘法の弱所も見出した。

 その手に握るのは倶利伽羅剣。

 斉天大聖と同じ《鋼》の神である不動明王の法具である。

「ふん、後は義弟たちが駆けつけてくればすべて解決じゃ」

 男体山は火山である。《鋼》の斉天大聖にとってはもっとも相性のいい土地と言えた。この地ならば、十分に力を蓄えることができる。

 そして、今回は神殺しが二人も揃っているおかげか、義弟を喚ぶこともできた。彼らの協力を得れば、『弼馬温』を破るのみならず、あの忌々しい顕聖二郎真君を象った霊体を討ち果たすこともできるだろう。

『なむからたんおう、たらやーやー』

 そして、斉天大聖は、一心不乱に念仏を唱え始めた。

 より強い力を自身に宿すために、そして、来るべき戦いで、神殺しの魔王を打倒するために。

 

 

 

 □ ■ □ ■

 

 

  

 護堂は、ホテルのレストランから日光山を眺めていた。

 事態が事態なので、優雅な会食とはいかなかった。祐理とひかりは、身体に疲労が残っており、食が進まないといった様子だったのが、心配だった。聞けば祐理は護堂と精神を繋いだことから激しく消耗したという。それも半日近く身体を休ませなければならないくらいにだ。

 今は、普通に振舞っているものの、疲れているのがわかる。

「万里谷、先に部屋に戻ってもいいんだぞ」

 そう護堂が声をかけたが、祐理は首を横に振ってやんわりと拒否した。

「今は、火急の時。わたしも媛巫女として、黙って見ているわけにはいきません。できる限りのお手伝いはさせていただきたいのです」

 責任感に溢れた物言いには、護堂を頷かせる迫力があった。

「だけど、ひかりは寝なさい」

「えー! そんな! わたしも、お兄さまのお役に立ちたいです!」

 祐理の隣にいたひかりは、不平を漏らした。だが、これには護堂も譲らなかった。

「もう十時過ぎてるんだぞ。小学生は寝る時間だ。それに、体調も本調子じゃないんだ。今は無理をするところじゃない」

「でも……」

「ひかりには後で禍祓いの力を使ってもらわなくちゃいけないかもしれない。そのときに力が使えないとなったら困るから、きちんと休んでくれ」

 駄々っ子に言い聞かせるように護堂はひかりに言った。

 禍祓いは、今ではひかりしか使えない希少な霊力だ。いざ、必要となったときにひかりが本調子でなければ困ったことになる。

「うー、わかりました」

 ひかりも、祐理と同じく責任感の強い娘で、小学生にしては物分りもよく、気が回る。護堂の言っていることを正しく理解していた。

 不承不承ながらに頷いたひかりの頭を、護堂は撫でた。

「それじゃ、お兄さま、お姉ちゃん、お休みなさい」

 そう言って、ひかりは、宛がわれた部屋へ向かった。

「おや、草薙さん。ひかりはどうしました?」

 そこに馨がやってきた。恵那と晶を引き連れている。

「ひかりなら、ちょうど今寝室に戻しましたよ。小学生にとってはもう遅いので」

「なるほど、そういうことですか」

 馨はくすりと笑い、円卓の上に深緑色のボトルを置いた。

「これは?」

「ご覧の通り、ただのワインですよ。せっかくなので、持ってきました」

「へえ……沙耶宮さん、たしかまだ未成年」

「細かいことはいいんですよ」

「よくないですよ、馨さん」

 ウィンクしてボトルを開けようとする馨を嗜めるように祐理が注意をした。

 とはいえ、見たところ飲酒に否定的なのは祐理だけのようだ。恵那はすでに飲む気でいるし、晶は興味津々といった様子でボトルを眺めている。

「ま、これから賓客もいらっしゃるのでね。挨拶代わりのお酒がなければ会食にならないでしょう」

「賓客?」

「ええ、甘粕さんが偶然お会いしたらしいのです。もうじき、こちらにいらっしゃいますよ」

 このタイミングで現れるのは、誰か、護堂は記憶を掘り返して推測する。

 この場に連れて来てもよいと思わせるくらいの相手だというのなら、アニー・チャールトンかプリンセス・アリスのどちらかだろうか。

 二十分ほど待ってから、冬馬がレストランに現れた。

 その後ろから現れたのは、赤毛のショートヘアーに理知的な眼鏡をかけた女性と、プラチナブロンドの髪を持つ品のある女性の二人。

 そして、馨が二人と挨拶を交わし、護堂に向き直った。

「紹介します、こちら、賢人議会のアリス・ルイーズ・オブ・ナヴァールさんとロサンゼルスからいらしたアニー・チャールトンさんです」

 まさかの二人同時登場だった。

 

 

 

 ■ □ ■ □

 

 

 

「単刀直入に言うと、わたしはロスのチャンピオンに依頼されてこの地に来たの。アーシェラの生死を確認するためにね」

 自己紹介が済んだ後、アニーはそう言って周囲を驚かせた。表情を変えなかったのは、すでに事情を知っていた冬馬、馨、アリス、と元から知っていた護堂だけだった。

「ロスのチャンピオン。すると、あなたはジョン・プルートー・スミスさまの部下なのですか?」

 晶の問いに、アニーは小さく首を振った。

「部下ではなく、協力者と呼んで欲しいわ。自らの王国を築き、人々を従わせるのは彼のスタイルではないの」

 知的な物言いは、できる女という印象を抱かせた。祐理や恵那、晶にはない雰囲気の女性だ。

 そして、そこに陸鷹化が加わった。

 思いがけず、大所帯となってしまったことに驚きながらも、頼もしい面々だと素直に認める。

「日本、中国、アメリカの最大呪術結社の方々がお集まりになると聞いて、イギリスを代表する賢人議会の人間としても一枚噛ませていただきたいと思いまして」

 とは、アリスの言。しかし、それは彼女が来日した目的ではないはずだ。それは追々確認するとして、今は斉天大聖についてだ。

「斉天大聖さまは、男体山の頂上に陣取り、力を蓄えていらっしゃいます。周囲には結界が敷かれていて、踏み入った人間は強制的に猿に姿を変えられています」

 アリスがそう言うと、途端に護堂たちに緊張が走った。

「すでに調査に向かった正史編纂委員会の術者と、一般人数名が猿に姿を変えられてしまいました。ニホンザルから、ゴリラまで、『猿』に該当するのならなんでもアリといった感じでしたね」

 馨の報告に、焦ったように晶が尋ねる。

「それで、元に戻せるんですか?」

「可能性がないわけではないけれど、確実に戻せるとは言えないわ」

 それに答えたのはアニーだ。

「知っている人もいると思うけど、スミスはかつてロスの自然公園に顕現した月と狩猟の女神アルテミスと戦ったわ。女神そのものはスミスによって討ち果たされたけれど、女神の顕現に際して動物に変身させられた人々は、元に戻らなかった……今回も、その可能性があることは否定できないわ」

 レストランに沈黙の帳が下りる。

 その可能性を、考えなかったわけではない。この場に集うのは、呪術に深く関わってきた者たち。護堂以外の全員が、ロサンゼルスで発生したアルテミスとジョン・プルートー・スミスの戦いを知っていた。

「いや、元には戻せる」

 そんな中で、護堂は明確な確信を持って告げた。

「何か、方法があるの。ゴドー」

「ええ。猿に姿を変えられた人を元に戻す方法は二通りあります。一つは、ひかりの――――特別な力を持っている媛巫女に協力してもらうこと。もう一つは、俺の術破りの権能を使うことです」

「ゴドー。あなたには、神がかけた呪詛を取り除く力があるということなのね?」

「はい。そして、斉天大聖の術に効果があることは、昼間の戦いで証明済みです」

 石牢を破った破魔の剣ならば、傷を付けることなく猿化の呪いを解くことができるはずだ。すでに最初の自己紹介で護堂の正体を知らされていたアニーは、必要以上に驚くことなく、淡々とその事実を受け入れた。

「それなら、問題の一つは解決ですね。後はもう、斉天大聖さまを打破するだけなのでは?」

「ええ、そうです。それで、羅濠教主の動きが気になるんだけど」

 アリスに対して、護堂は頷き、鷹化に視線を向ける。

「師父はきっかけさえあれば、いつでも動けますよ。ただ、あの人は見栄っ張りなので、ここぞという時に格好よく出てこようとすると思いますよ」

「きっかけ作りは俺任せか。あの人が動かないのなら、俺が猿野郎をつついてやるしかないわけだ」

 それならそれでいい。

 斉天大聖には、煮え湯を飲まされているわけだし、再封印できないのであれば、討伐して後顧の憂いをなくすだけだ。

 それに、人任せにするというのは、なんとなく格好が付かない。

「ですが、一つ気にかかることがあります」

「アリスさん。気にかかることというのは?」

「斉天大聖さまですが、どうやら同盟神を召喚したようです。おそらくは、猪八戒さまに沙悟浄さまでしょう。もしも、この三柱と同時に戦うことになれば、草薙さんも苦戦を強いられることになるのでは?」

「まあ、それに関してはなんとでもなりますよ」

 幸いにして、この地には三人のカンピオーネ。おそらくどこかにもう一人潜んでいるだろうが、それは戦力には数えない。単純な数は互角なのだ。アニーの正体がジョン・プルートー・スミスであることを知っているのは、おそらく護堂だけだろう。目の前の令嬢がどこまで、事情に精通しているかまったく読めないのが恐ろしいが。

「明日にでも、男体山に乗り込みますか。策を弄して優位に立てる相手ではないし、さっさと行くのが吉でしょう」

 護堂のあっけらかんとした様子には、さすがに皆が唖然とした。

「先輩って、もともとこういう方でしたっけ?」

「ずいぶんと戦いに前向きになられたようですけど」

「王さま、さっすが。迷いない!」

 背後の少女たちの言葉は適当に聞き流す。

「では、とりあえず僕たちは現状維持でいきますか。斉天大聖の力が及ぶ範囲はすでに割れてますし、その近辺の立ち入りを新たに規制しましょう」

 馨が派遣した呪術師が猿になったあたりのことを言っているのだろう。もしかしたら、彼らのことを有意義な犠牲と割り切っているかもしれない。

「なら、そういう方向でやりましょうか」

 方針は決まった。日が昇り、護堂の仕度が整い次第、敵地に乗り込んでいくことになりそうだ。

 

 

 

 □ ■ □ ■

 

 

 

 会談が終わった後、護堂はアリスと鷹化に話があると言って、レストランに残ってもらった。

「それで、話というのはなんでしょうか。草薙さま」

 鷹化とアリス、二人は何を問われるのか想像もできていないだろう。

「うん、ちょっと気になったことがあってな。今回の騒動で羅濠教主はアーシェラという神祖を生贄に使ったけれど、そのアーシェラを羅濠教主はどこから手に入れたんだ?」

 アーシェラはもともとロサンゼルスの邪術師たちの組織『蝿の王』の総裁だったという。そして、スミスに敗れて消滅したはずだった。

「ロサンゼルスで敗退したアーシェラが都合よく《蛇》を探している羅濠教主の下に転がり込んでくるとは思えない。羅濠教主は滅多に表に出ない人だというし、弱っていても神祖であるアーシェラがただの人間に捕獲されるはずがない。だとすると、かなり高位の術者がアーシェラを君たちと引き合わせたのではないかと考えたんだ」

 護堂の話を聞いた鷹化は感服したとばかりに頷いた。

「驚きました。まさに、草薙さまの仰るとおりです。アーシェラの姐さんを師父に引き合わせたのは、西洋の神祖です。名は、なんと言いましたかね……」

「グィネヴィアですね。アーサー王の傍仕えを自認する、最強の《鋼》の探索者」

 アリスが、鷹化の疑問に答える形で続けた。

「やはり、そうですか」

 グィネヴィアが暗躍しているのは、これで明確になった。蘆屋道満がどこにいるのかもわからないのに、グィネヴィアまで出てくるのは、厄介と言わざるを得ない。

「それで、アリスさん。グィネヴィアは、今日本に来ていますね?」

「……おそらくは。わたしもお姿を拝見したわけではありませんので、はっきりとは言えませんが」

「しかし、あなたは、今回の騒動にグィネヴィアの影を見たから日本に来た」

「ええ」

 アリスは、頷いた。

「それでは草薙さまは、そのグィネヴィアという神祖の存在を確認するために僕たちをここに呼んだわけですか?」

「ああ、すまないな。夜も遅いのに」

「それにしても、よくそこまでわかりましたね。羅濠教主と神祖のつながりまでは推察できても、その神祖とわたしとの関わりまではご存知なかったはず」

 アリスはそう疑問を口にする。しかし、そうでもないのだ。護堂には原作知識もあるが、アリスとグィネヴィアの繋がりは、それ以外からでも情報を得ることができた。

「俺は、この夏にルクレチアさんのところに宿泊しましたから。あの人が一時、《鋼》を探求する旅を神祖と一緒にしていたことは知っていますし、その神祖とあなたが知己だということも、聞きましたから」

「ああ、なるほど」

「まあ、正確には、アレクサンドル・ガスコインのことを尋ねたときにあなたの名前も出てきたのですが。……それで、今回《鋼》を蘇らせる事件を起こした神祖がいるという可能性に思い至ったとき、そのグィネヴィアのことを思い出したのです」

 アーシェラを確保し、羅濠教主に引き合わせることができる存在。それでいて、《鋼》の復活を望む者。それは、今現在護堂の持つ情報の中ではグィネヴィアしかいないのである。

 だが、羅濠教主との激闘から、知識だけに頼る危険性を嫌というほど学んだので、念には念を、関係者二人に確認をしたのである。

「とすると、フットワークが軽くて有名なカンピオーネも、どこかで見ているかもしれませんね」

 そう言うと、アリスはにこやかに破顔した。

「そうですね。ええ、きっとそうです」

 




二日連続投稿は遡ってみても三月までない。本当に久しぶりです。

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