カンピオーネ~生まれ変わって主人公~《完結》   作:山中 一

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七十六話

 ――――命拾いした。

 明日香は、自室のベッドにうつ伏せになって脱力していた。

 アレクサンドルの顔と名前は、明日香も知っている。これでも、蘆屋道満から最低限の呪術の知識をインプットされている身である。カンピオーネに関することは常識の範囲内で知識がある。

 だからこそ、明日香はアレクサンドルに自分が呪術に関わりがある人間だと気付かれないか不安で仕方なかったのだ。

 アレクサンドルと護堂は比較的合理的という点で似通っている。本能を優先する行動をしているのに、その直前では、様々な可能性を考慮している。行き当たりばったりに見えて、その実、何かしらの根拠を以て行動するタイプと言えよう。

 そして、その二人の最大の違いは、呪術が使えるか否かという点である。

 護堂は呪術が使えない。その知識がないから、明日香が油断して呪術の気配を垂れ流してしまったとしても、不審には思うかもしれないが、それ以上を追及することはない。勘違いで済ませることができる。だが、アレクサンドルは別だ。呪術に見識を持つ彼は、こちらが油断すれば呪術の気配を感じ取ってしまうだろう。

 それが杞憂であったとしても、不安にならざるを得ないのは、彼女が自分の出生に負い目を感じているからだ。

 生きているのだから、幸運だ。

 その幸運を噛み締めて、普通に生きていればいい。

 護堂がカンピオーネになるまでは、それだけで十分だった。

 

 けれど、自分の作り手が、護堂の宿敵である蘆屋道満であるからには、ただ傍観しているだけでいいのかと常に考えてしまう。

 

 告げることは簡単なのだ。

 告げた後、どうなってしまうのかが分からない。

 だから、恐ろしい。

「それもこれも、あんたの所為だわ」

 うつ伏せのまま、顔を横に向ける。

 視線の先で、影が蠢き、俄かに一人の老人となった。

「言い掛かりも甚だしいの。告げる告げないは主の一存じゃろう」

 蘆屋道満。

 その名はかの有名な大陰陽師・安倍晴明のライバルとして一般に知られている。彼もまた一流の陰陽師であったとされている。この神もどきは、蘆屋道満の名に恥じない呪術の才を持っている。

 実際のところ、蘆屋道満という名は、彼の神格を縛るために与えられた『敗者の証』であり、それを打破し、『まつろわぬ神』へ返り咲くとなれば、必然的に本来の名を取り戻すのだろう。

「で、あたしに何の用?」

「最後の確認に来たのよ。主、わしと共に来ぬか? 深遠なる呪の道を示してしんぜるぞ」

「はあ? 今さら何言ってんのよ。あたしは、あんたの仲間じゃないんだから余計な関わりを持つな」

「確かにの……主はわしの仲間ではない。娘じゃ」

「減らず口を言わないで」

「娘に邪険にされるのも、堪えるものじゃ。まあ、よい。主はこの十六年、十分に働いてくれた。草薙護堂が泰山府君祭で蘇った晴明の忘れ形見と睨んだときからずっとの」

「何……?」

 十分に、働いた? 

 草薙護堂が、晴明の忘れ形見と睨んだときからずっと……?

「どういう、ことよ。あんた、まさかあたしを使って」

「自身最大の敵を監視するのは当然の策じゃろう。わしが完全に力を取り戻すまでは、迂闊に手を出せば痛い目を見るかもしれぬ。なにせ、晴明と幽界の神々が出生に関わっておるのじゃから。そこで、わしは、呪術を介さずにその動向に注意を払うことにしたのよ」

「それが、あたしがここにいた理由」

「ふぇふぇ、安心せい。すべてを見ていたわけではないぞ。ヤツが何かしら呪術に関わりを持てばすぐに分かるようにしていただけのこと。将来的に危険になるかもしれないというだけで、わしが衆目に姿を曝すは愚かな判断よ。わしには、それ以上に手をかけることがあったのでな」

 道満が、明日香を作った。正確には、明日香の母が身篭った子に、明日香の魂を定着させたというべきか。

 『まつろわぬ神』ではない道満に完全な死者蘇生は不可能だ。

 明日香の魂は、生きている素体から抜いた上で転生させる必要があった。そういう意味では、明日香は道満に殺された上に別人として生まれ変わらせられたということになる。

「ああ、そういえば。あんた、『まつろわぬ神』に戻ろうとしてるんだったわね。どう、準備。進んでる?」

「うむ。この国から《鋼》が消えてくれれば、よし。後は星と姫じゃな。星は時がなんとかしよう。姫は、すっかり熟しておる。そろそろ収穫せんとの」

「姫、ね。確か、高橋晶だったわね。あんたが姫って言ってるの。あの娘、何者?」

 護堂の傍に突然現れた媛巫女の少女。

 尋常ならざる力の持ち主であるが、それが道満の計画にどのように関わっているのだろうか。

 

「おう。あれはの」

 

 愉しそうに。

 

 心底、愉快だと言わんばかりに。

 

 ゾッとするほど、落ち窪んだ眼窩は愉悦に染まり。

 

 道満は口元を歪める。

 

 

 

 

 

「わしが儀式のためだけに用意した蛇巫じゃよ」

 

 

 

 

 

 □ ■ □ ■

 

 

 

 

 グィネヴィアが現れた直後、正史編纂委員会は即座に護堂に連絡を入れた。

 周辺を航行する船舶は、そもそも存在しない。

 海上は神々が戦う上で最高のフィールドと化している。

 どれだけ権能を使ったところで、陸上に被害は出ない。

 少なくとも、多くの関係者はそのように楽観視していた。神々やカンピオーネの権能が途方もないものだということは、世情に疎かった日本呪術界も、この半年ほどで痛いほど理解できている。

 とはいえ、海の上で生じた戦いが日光や茨城での戦いに比べて事後処理が楽なのは言うまでもないことで、その点に関しては、よい戦場を選んでくれたとアレクサンドルに感謝しそうになるほどである。

 連絡を受け取った護堂は、とにもかくにも海岸へ急行した。

 神速を使えば一瞬のことである。

 海上での戦いであり、敵は使い魔を呼び出すこともない。今回は頼れる媛巫女の出番はないと考えるべきか。

「まあ、俺はあくまでも遊撃隊。先鋒はアレクサンドルだ」

 グィネヴィアとランスロットを引き離すまでは、この策の首謀者である黒王子ことアレクサンドル・ガスコインの仕事である。

 彼の権能はとにかく罠として用いることに特化している。

 今、勢い勇んで護堂が海へ繰り出せば、彼の罠に嵌ってしまう可能性もある。

 護堂が手を出すのは、もう少し後。

 戦いが佳境に突入してからであろう。

 他人の戦いを見物するのも、いい経験になるだろう。

 百聞は一見に如かずとも言う。

 今回はアレクサンドルと戦わなくて済んだが、これからどうなるか分からないのだ。その戦い方、権能、そういったことを、できるだけ見ておくのも悪くはない。

「先輩! 準備できましたよー!」

 砂浜から晶が護堂を呼ぶ。

 祐理と恵那、冬馬もいて、円を描くように並び、中心に視線を落としている。

 護堂もその輪に加わる。

「へえ、確かにこれは便利だ」

 そして、思わず慨嘆する。

 砂浜には、直径一メートルほどの円形のくぼみが作られている。その中は、海水によって満たされていて、水面はここではないどこかを映し出している。

「魔女が使う術です。遠見の術を、水を介して他者に見せるんですね」

「万里谷先輩が、習得されたというので、せっかくだから使っていただきました」

 冬馬の説明に、晶が補足する。

「万里谷が、魔女術?」

 およそ、魔女という印象とはかけ離れた祐理に、違和感を禁じえないのだが。

「巫女と魔女は、もともと祖を同じくするものです。欧州と日本で呼び名と役割が異なるだけですので、その気になれば術を習得することは不可能ではありません。尤も、我々としては、魔女術よりも巫女としての力の研鑽に励んでいただきたいのですが、祐理さんほどになると、簡単な魔女術であれば片手間で習得できるようで」

「甘粕さん。片手間ではありませんよ。きちんと師を仰いで学んでいるのですから」

 冬馬を、祐理が嗜める。

 自分が学んでいることを、簡単なものとして欲しくないのだろう。

「師?」

 護堂は疑問を投げかけた。祐理に魔女の師がいるとは初耳だ。

「リリアナさんです」

「なるほど。そういえば、個人的な繋がりがあるんだったな」

 護堂はリリアナと祐理の関係を思い出した。

 護堂が出会うよりも前に、二人は顔を合わせていた。四年前にヴォバン侯爵が集めた巫女と魔女の一員だったのだ。

 夏前にヴォバン侯爵が攻め込んできたとき、二人は再会し、そして夏休みにイタリアで行動を共にした。

 それ以降、意気投合し、個人的な交友を続けている。

 その過程で魔女術を学んでしまうとは、祐理も進化を続けているということだろうか。

 映し出される映像は、非常に鮮明である。

 グィネヴィアは帆船の甲板で険しい表情をしている。

「アレクサンドル様の権能でアヴァロンには近づけないみたいですね。どうするつもりでしょうか」

 晶が言うとおり、迷宮の権能は神祖や『まつろわぬ神』であろうと容易く突破できるものではない。おそらく、迷宮をどうにかするには、権能破りのような概念による干渉でなければならないだろう。

「そんな……!」

「そりゃ、チートだなあ」

 グィネヴィアの行為に、護堂を除く四人は唖然とした。

 帆船の前方に現れたのは、巨大な牛。その威容は神獣と呼ぶにはあまりに強大。

「『まつろわぬ神』の擬似召喚か。オリジナルには程遠いようだけど、ミノスの権能にミノスをぶつけようって腹だな」

 護堂は何が起こっているのか説明した。

 オリジナルに劣るミノスでは、完璧に迷宮を突破することはできない。しかし、ランスロットには狂奔の権能がある。一時的に、力、感情を暴走させ、能力を強化するものである。

 それを使えば、ただの一度だけ、偽りのミノスは本物のミノスを上回る力を発揮する。

「ここまで来たら、そろそろ俺も出ないといけないか」

 護堂の眺める銀盤の中で、グィネヴィアとランスロットは見事、迷宮の権能を突破していた。

 

 

 

 ■ □ ■ □

 

 

 

 罠というのは段階的に発動させるべきだ。

 その罠も、相手の命を奪うようなものではない。

 ミノスの権能も、それが破られると同時に発動するように仕掛けておいたベヘモットの吸引の権能も、あくまでもグィネヴィアとランスロットを分断するためのものである。

 ランスロットは、ただでさえ強大な敵だ。それが、今は聖杯のバックアップを受けてエクスカリバーという世界最高峰の知名度を持つ武器を携えている。さらに彼が守護するグィネヴィアは一度だけ『まつろわぬ神』に匹敵する『竜』に変化することができる。

 一人で二柱の神を相手にするようなものである。賢明なアレクサンドルがそのような手間をかけるはずがない。

 各個撃破が望ましい。

 その面では草薙護堂にランスロットを押し付けることができたのは僥倖であった。

 ミノスの権能は後一ヶ月は使えないし、奥の手の復讐の権能もグィネヴィアに使えばしばらくは打ち止めだ。神速を見切るランスロットに神速を駆使して勝負を挑むのも馬鹿らしい。

 アレクサンドルはグィネヴィアの命に固執しているが、ランスロットは後でどうとでもできると考えている。

 厄介なエクスカリバーもグィネヴィアの補助がなくては満足に振るえまい。

 第一目標は、グィネヴィア。

 ランスロットは余力があればという程度でいい。

 グィネヴィアを倒すために選んだ戦場は、富津市に属する無人島、第二海堡。明治時代に、東京を外国から守るために建造された要塞の一つであり、今は海上保安庁に管理されながら灯台と消防演習場として機能している。

「来たか」

 アレクサンドルは空を見つめる。

 見つめる先に黒い点が浮かんでおり、それが徐々に近づいてくる。

 巨大な、怪物である。

 下半身が蛇、上半身が人間の女性という姿。

 アレクサンドルが召喚する従僕だ。

 『無貌の女王(クイーン・ザ・フェイスレス)』と名付けられた、メリュジーヌから簒奪した権能である。

 顔を見られてはならないという条件があるものの、水中戦から空中戦までこなすことができる上に、サイズまで自由自在と万能性に富む権能である。

 従僕の腕に抱きかかえられているグィネヴィアを見て、アレクサンドルはほくそ笑む。

 ランスロットは今頃、ベヘモットの重力に囚われて身動きが取れないはず。

 この隙に、グィネヴィアを始末する。

「待ち侘びたぞ、グィネヴィア」

「く……そういう割には、ずいぶんと手荒な歓迎ですわね」

 海岸に降ろされたグィネヴィアは、忌々しそうに顔を歪めた。

「仕方あるまい。今さら貴様を丁寧に扱ってやろうなどと誰が思う? 魔女の王だからといって、負債が消えてなくなることはない」

 アレクサンドルの目的が聖杯伝説である以上は、グィネヴィアと激突するのは至極当然である。これまで、幾度も幾度も、グィネヴィアに計画を引っ掻き回されて、さすがに腹に据えかねている。

 こうして向かい合っているだけで、グィネヴィアとの抗争が脳裏に蘇る。

「貴様のおかげで死を得た知己も多い。貴様の命一つでそれらのツケが返済できるわけではないが、貴様が差し出せるのはそれくらいのものだろう。ああ、そういえば壊れかけの身体をさらに壊した女もいたか。せっかくだ。纏めて取り立ててやることにしよう」

「そのためにアヴァロンを浮上させたのですか!」

「貴様をおびき出すには最高のエサだろう。逃げられるものなら逃げても構わんぞ。その場合、アヴァロンには二度と辿り着けんがな。どうする。別のアプローチを探るか?」

「く……」

 グィネヴィアは歯噛みする。

 ランスロットと引き離されたグィネヴィアは丸裸も同然。この状況でアレクサンドルと戦って勝てるはずがない。

 かといって、逃亡が可能かと言えばそうでもない。

 相手は神出鬼没の魔王。

 その第一の権能は、神速である。

 まずもって神祖では神速から逃げ切ることはできない。

 さあ、どうする。

 アレクサンドルの目の前で、可憐な少女の身体が急速に膨張する。

「なるほど、やはりそうくるか」

 神祖の奥の手。

 彼女たちは、竜神となることで、一時的に『まつろわぬ神』に匹敵する力を得る。

 ただし、その代償として残りの寿命のすべてを失ってしまう。

 グィネヴィアは賭けに出たのだ。

 アレクサンドルをここで倒し、残りの僅かな時間で『最後の王』を復活させようと。

 

 憐れだな。

 

 アレクサンドルは思う。

 たとえ、ここで彼を倒せたところで、辿り着けるのは偽りのアヴァロン。

 グィネヴィアの悲痛な覚悟は、文字通り徒労でしかない。

「貴様との因縁もここまでだな。死に花を咲かせてやる!」

「アレクサンドル様。お覚悟!」

 紫電を纏うアレクサンドルに、竜蛇となったグィネヴィアが踊りかかった。

 

 

 

 ■ □ ■ □

 

 

 

 

 ランスロットを拘束している見えない魔の手。

 重力という名の、誰もが普段気づかず接している自然界の不可視の力。

 それも、数百倍、数千倍のものとなれば、『まつろわぬ神』すらも捕らえる檻となる。

 ランスロットが不覚を取ったのは、ミノスの権能を突破したその瞬間を狙われたからである。

 今、ランスロットの真下に広がる海は黒々とした球体を孕んでいる。

 まるで、ブラックホール。

 小さな星は、自らを形作らんとするかのように万物を引き寄せ、取り込んでしまう。

 この権能の対処法は、まず重力の影響下に入らないことである。

 一度囚われたら、抜け出すことは難しい。

「実に見事、と言わざるをえんか」

 ランスロットは兜の下で笑みを作る。

 さすがに、仇敵の一人。姦計を弄するやり口は、彼の好みではないものの、してやられたという爽快感が、不快感に勝っている。

「友よ、力を振り絞るのだ。この楔、一息に断ち切ろうぞ!」

 ランスロットは愛馬の横腹を蹴って、叱咤する。

 一騎駆け。

 白き流星となって万軍を蹴散らすのは彼の秘儀。それなりに消耗してしまうし、この後に控えている戦いに万全で望めなくなるという懸念もあるが――――気にすることではない。

 《鋼》はくよくよと悩んだりはしない。

 即断即決。

 拙速を尊ぶのが剣の性だ。

「運命の島へ、行くぞ! 小癪な罠など、踏み潰すのだ!」

 愛馬の背で、ランスロットは身を伏せる。

 人馬一体となったその瞬間、ランスロットは白き光に包まれた。

 雷光を振り撒き、呪力が炸裂する。

 引力を断ち切って、ランスロットはついに自由を得た。

 そのまま、直進し、数キロの距離を一気に駆け抜けた。

 アレクサンドルが引き上げたという奇岩島。

 その真ん中に、陽光を反射する剣を見た。

「なるほど、そういうことか」

 着地してその剣を見ると、まさしくこれは主の骸である。彼が振るうエクスカリバーも、これと同じ骸から打ち直したものだ。

 だが、真に主がいるのなら、この剣の周囲から《鋼》の気配がなくてはならない。

 あの戦いを憂えているような、錆にも似た神気がどこからも感じない。

 つまり、この剣は――――

「アレクサンドル・ガスコインが用意したものか」

 主は復活と休眠を繰り返すたびに、その場に剣の骸を残す。

 おそらくこの剣は、アレクサンドルが世界中を飛び回っている間に見つけた、主の名残なのだろう。

 近くで、竜蛇の断末魔が聞こえた。

 かつて、幾度となく屠ってきた相手だ。聞き違うことはない。

「愛し子も志半ばで敗れたか」

 もはやこれまで。

 旧主を偲ぶ旅も、ここで打ち止めだ。

 グィネヴィアが倒れた以上、ランスロットに主を探す術はない。

 これから何をするべきだろう。

 まつろわぬ性に任せて流浪するのも悪くない。グィネヴィアの仇討ちをするということもあるが、どうにも心が躍らない。

 アレクサンドルとの戦いは、おそらくランスロットが望むような魂が振るえるぶつかり合いにはならないだろう。

 今までの、あの神殺しの戦い方を考えれば容易に予想できる。

「ならば――――ならば、余が選ぶのはこの道以外にあるまい!」

 己の一騎駆けを正面から打ち破って見せた神殺し。草薙護堂。アテナすらも誑しこむ伊達男振りに加えて、知恵が回り、そして正面からの戦闘もこなしてみせる。

 まずは、あの神殺しとの縁を頼み、今後のランスロットの神としての在り様を考えようではないか。

「では、戦おうではないか。草薙護堂よ!」

 ランスロットは聖槍の切先を掲げる。

 宣言するのは、奇岩島で彼を待ち構えていた神殺し。

 そして、静かに戦いの火蓋が切られたのだった。


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