東方狐流記   作:ももんがぴょん

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24話 神有月って何なの?

神奈子が僕達と住み始めてからもう一年がたった

最初は諏訪子と口喧嘩をちょくちょくしていた神奈子だけど、少しずつ回数も減っていって今では仲良く暮らしている

 

「ねえ諏訪子」

 

「どうしたの文夜?」

 

この日、僕は何時もやっている沙奈枝ちゃんとの修行をしていなかった。代わりに3人と居間でゴロゴロしていた

 

「そういえば僕たちが住んでる神社って何て名前なの?」

 

僕がふと思った事を言うとその場にいた全員が僕を冷たい目で見ていた

…何かおかしい事言ったかな?

 

「…2年くらい住んでいるのに知らなかったのですか?」

 

「気にしてなかったからねー」

 

沙奈枝ちゃんは何か呆れた様な顔をし始めてしまった

実際一度も気にならなかったんだから仕方ないじゃん…

 

「はぁ…この神社は洩矢神社と呼ばれていたよ」

 

諏訪子は一度ため息をついてから説明を始めてくれた

それにしても何で過去形なんだろ?

 

「呼ばれていた?」

 

「ほら、文夜の提案で守矢って神ができたでしょ?だから新しく守矢神社って人々は言うようになったね」

 

「信仰してる神様の名前によって神社の名前って変わるものなの?」

 

「私が今まで見てきた中には、信仰が奪われてしまった神の神社の名前がその奪った神の名前になる、と言うのもあったぞ」

 

僕が諏訪子に質問すると神奈子が代わりに答えてくれた

 

「そう言えば神奈子は侵略して信仰を得てきたんだよね?じゃあ八坂神社とかあるの?」

 

ゴロゴロしていた僕は畳の上に座ってから神奈子に質問した

沙奈枝ちゃんもすごく興味がありそうな顔をしていた

 

「確かに私は他の国を侵略して信仰を得てきたが、私の名前がついた神社は無かったな。それに、こうして神社に住み着く事が初めてなのだ。だから実質ここが私の初めての神社だったりするのだ」

 

「ふーん」

 

神奈子が答え終わると諏訪子が興味無さそうに返事をした

僕は知らない事を知れて嬉しいんだけどね…

 

「そういえば、諏訪子は出雲に行かないのか?来週は神有月だぞ」

 

神奈子は思い出した様に言った

僕は聞きなれない単語があったので、沙奈枝ちゃんに聞こうと沙奈枝ちゃんの方を見たけどよく分かっていない様だった

 

「あーそんなのあったねー」

 

どうやら諏訪子は何のことか分かっているみたいだった

もう聞いちゃった方が早いねこれは

 

「神有月って何なの?」

 

「1年に一度、全国の神が一箇所に集まる時期があるのだ」

 

「諏訪子様が行かれているところは私見たことがありませんね…」

 

沙奈枝ちゃんでも見たこと無いって…諏訪子は何で行かないんだろ…

 

「だってあれ行ったって月夜見様が酔っ払って私に絡んで自慢話しか…あー!」

 

昔された事を思い出しながら話していた諏訪子は突然大きな声を出した

その声で僕たちはビクってしてしまった

だっていきなりすぎるから驚いたんだよ…

 

「どうしたの諏訪子?」

 

僕は諏訪子に何があったのか聞こうとしたけど…諏訪子の顔は先程みたいに嫌そうな顔をしているのでは無くてとても真剣な顔をしていた

 

「…今回は行かせてもらうよ神奈子」

 

「ん?どうゆう吹きまわしかは知らないが分かったぞ」

 

神奈子も何故いきなり行きたいって言い出したかわからない感じであった

 

「私は文夜にも付いてきてほしいんだ」

 

「別にいいけど…本当にどうしたの?」

 

一応僕も神様だし、行くのは良いんだけど諏訪子のこの変わり様がすごく気になる…

 

「私もまだ確証はないけど…多分文夜にはとっては重要なことがあるのかもしれないの」

 

「とりあえず文夜も行くで良いのだな?」

 

「はい!私も行きたいです神奈子様!」

 

神奈子が僕に確認を取ろうとすると沙奈枝ちゃんも行きたいと言い始めた

 

「すまないな沙奈枝…これは神様用のイベントなのだ」

 

「そんな…」

 

沙奈枝ちゃんは行けないと分かった瞬間にすごく悔しそうにその場に座り込んでしまった

一人だけ置いてけぼりにされるのは辛いよね…ちょっと元気付けてあげようかな

 

「沙奈枝ちゃん!君に重大な使命を与える!」

 

「は、はい!」

 

僕が立ち上がって言うと沙奈枝ちゃんも立ち上がって綺麗に気をつけをした

 

「僕たちがいない間、沙奈枝ちゃんがこの神社の守護神になってもらいたい!」

 

「私が…ですか…?」

 

「そう!沙奈枝ちゃんが!」

 

僕は沙奈枝ちゃんの肩を掴んで言った

 

「私に…務まるのでしょうか…?」

 

沙奈枝ちゃんは自信なさげにそう言った

なら…

 

「沙奈枝ちゃんはいっぱい修行をしたじゃないか!今の沙奈枝ちゃんならきっと神奈子にだって勝てるよ!」

 

僕がそう言うと神奈子がいる方からプレッシャーを感じた気がするけど気のせいだと信じたい

 

「私が神奈子様に…ありがとうございます!自信が湧きました!この沙奈枝が皆さんがいない間にここを守りきってみせます!」

 

「うん!そのいきだよ!」

 

僕は沙奈枝ちゃんの肩を叩いた

 

「…そろそろ良いか?」

 

神奈子が不機嫌そうに僕に声をかけた

 

「どうしたの?」

 

「そろそろ出発したいから準備をして欲しいんだ」

 

「まだ早いと思うよ?」

 

神奈子がそう言うと諏訪子が反応した

 

「歩いて一週間はかかるぞ?そろそろ出発しなければ間に合わないのだ」

 

「げっ歩いて行くの?」

 

「私は何時も歩いて行ってるぞ」

 

神奈子の提案に諏訪子はすごく嫌そうだった

 

「んー僕ってこの地から出た事が無いからゆっくり外を見てみたいな」

 

「うー…文夜がそう言うなら私も歩く…」

 

僕が歩きたいと言うと諏訪子は渋々と了解をした

それを見た神奈子はニヤニヤしていた

 

「諏訪子は文夜の言うことは素直に聞くのだな?」

 

「う、うるさい!あとニヤニヤしないで!」

 

「は、ははははは」

 

この時の僕と沙奈枝ちゃんは苦笑いをする事しかできなかった

 

……

 

1時間後、神社の玄関には準備を終えた僕と諏訪子と神奈子と見送りをする為に沙奈枝ちゃんがいた

僕と諏訪子はあまり荷物を持っていないのに対し、神奈子の荷物は多いようだった

 

「用意は済んだかい?」

 

「…何その荷物の量」

 

やっぱり諏訪子は神奈子の荷物の量を突っ込んだ

 

「はぁ…出雲には天照様や須佐男様といった私達とは比べ物にならないほど偉い神もいるのだぞ?みすぼらしい服ではなくしっかりおめかししてお会いすべきだ」

 

どうやら神奈子はおめかしの為の道具を多く持っていくようだ

 

「天照様はそうゆうの気にしてるとは思わないけどね…」

 

「偉い神様…是非とも会ってみたいなー」

 

僕は神奈子の口からでた偉い神様と言うものに僕は心踊らせて

いた

 

「あの…ここでお話しても時間の無駄なので歩きながら話してはどうですか?」

 

僕達がなかなか出発しないことに心配した沙奈枝ちゃんが声をかけてきた

 

「それもそうだな…では行くとするか!」

 

「行ってくるね沙奈枝!」

 

「神社の事は任せたよ沙奈枝ちゃん!」

 

「気をつけてくださいね!そしていっぱい楽しんでくださいね!」

 

僕たちは沙奈枝ちゃんに見送られて神社を後にした

 

……

 

「諏訪子はいつもどうやって出雲へと行ってたの?」

 

僕は歩きながら諏訪子に質問した

歩くのが嫌って事はそれ以外にも行く手段があるって事でしょ?

 

「自分で行くのは大変だからまずミシャグジ様にこの小さなお社を持たせて先に行かせるの」

 

諏訪子はそう言って小さなお社を懐から出した

 

「神様って自分のお社がある場所に一瞬で移動できるって特性を利用して…」

 

「確かにそれは楽だね」

 

「みんなこの方法で来ているから歩いて行くなんてすごく珍しい事なんだよ」

 

「身体が訛ってしまうではないか」

 

諏訪子がそこまで説明すると神奈子も会話に参加した

 

「僕だったら歩くかな…」

 

僕はやっぱり身体を動かすことが好きだからねー

 

「二人とも思考回路が似てるね」

 

諏訪子は僕と神奈子を交互に見ながら言った

そんなに似ているかな?

 

「戦う者なら当然の行動だと思うぞ?」

 

「私にはわからないよ…」

 

諏訪子はあまり戦いとか好きそうじゃないしね

うーん…話が途切れちゃった…そうだ!月夜見って神様の事を聞いてみようかな

 

「そういえば月夜見ってどんな人なの?」

 

「うーん…酒癖の悪い女性?」

 

「一応天照様並に地位が高い神だぞ」

 

酒癖が悪い…二人の反応を見るとそれは確実みたいだね

 

「ついでに何の神様なの?」

 

「月の神と言われてたはずだ」

 

「あっやっぱり?」

 

昔何度か聞いたこと聞いたことがあったからね…だから何と無く予想がついただけなんだけどね

 

「なんだ文夜?知っていたのか?」

 

「うん。実は…」

 

「あー神奈子!お団子食べよ!」

 

僕が知っている事を言おうとしたら諏訪子が近くにある団子屋を指差しながら言った

 

「ん?私はみたらしが好きだから是非食べたいな!」

 

神奈子は団子屋を目指して小走りで行った。諏訪子は後に続く様に神奈子を追いかけた

この時の諏訪子は神奈子に何か聞かれたくなかったのでは?と、僕は思った

 

 

〜蓮子の部屋〜

 

「ねえ入試休みって覚えてる?」

 

「高校生の時はあったわね…急にどうしたの蓮子?」

 

「いやー私の弟もそろそろ受験でねーふと思い出しただけだよ」

 

「大学はあまり講義ないからね」

 

「なんかあの特別休み!ってワクワク感はもう無いんだね…」

 

「私達は少しづつだけど大人になって行ってるのよ」

 

「はぁ…なんか憂鬱ね」

 

「こんな暗い話しは終わりにしましょう」

 

「そうだねー」

 

「それにしても…」

 

「どうしたの?」

 

「月夜見が酒癖悪いとはね」

 

「それは私も驚いたわね」

 

「じー」

 

「どうしたのメリー?私の顔に何かついてるの?」

 

「蓮子に似てるわね」

 

「どこが!?」

 




こんばんは!実は文夜君は自分の住んでいる神社の名前は分かっていませんでした!
実は本当に一回も神社の名前を聞いても言った事も無いのですよ…毎回諏訪子の神社って言い方をしてました!
諏訪編はもう少し続きます!
では…次回も見てください!
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