東方狐流記   作:ももんがぴょん

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26話 諸悪の根源?

「…一度静かにしていただけないだろうか?」

 

茶髪の女性がそう言うと騒がしかった全ての神は静かになった

たった一言で静かになるなんてやっぱりすごい…

 

「感謝する。私は皆の知っての通り月夜見だ」

 

見た目と違って結構固そうな話し方をするなーって僕は思った

 

「今宵は神有月だ。様々な債務によりゆっくりできないであろう。だが今宵だけは日々の債務を忘れ、皆で酒を片手にゆっくりしようではないか」

 

月夜見様はお酒が入った杯を上に上げた

 

「蓮子ちゃんは本当にお酒が好きね〜」

 

その光景を見ていた天照様は微笑みながら言った

と言うか何で月夜見様の事を蓮子って言ったんだろ?

 

「えーっとねあのお方は「月夜見 蓮子」って名前なんだ」

 

僕が不思議そうにしていると諏訪子が説明してくれた

 

「須佐男様や天照様も名前と苗字で分かれているのですか?」

 

同じ位のお二人にも苗字があるか気になるよねやっぱり

 

「俺たちに苗字はないな」

 

「神奈子ちゃんや諏訪子ちゃんには苗字があるけど私や須佐男みたいに名前だけの神様も多いのよ〜」

 

「そうなのか…」

 

「皆のものよ。酒を片手に持つと良い」

 

僕が頷いていると月夜見様の声が聞こえた

どうやら乾杯をするみたいだね

 

「それでは…乾杯…!」

 

月夜見様はその場で一気に杯に入ったお酒を飲み干した

まだみんな乾杯って言ってないよ…

 

「「「「「乾杯!」」」」」

 

月夜見様が飲み干す姿を見てから、他の神達もお酒を飲み始めた

もしかして結構恒例だったりするのかな?

 

「ちょっと私は用があるから文夜はそこら辺ぶらぶらしててね!」

 

僕がお酒を飲んでいる神を見ていると、諏訪子がそう言い残して神混みの中に消えていった

 

「どうだ文夜?飲む相手がいないのなら俺と酒でも…」

 

僕が何をしようか考えていると須佐男様から一緒に酒を飲まないかと誘われた

これから何をするか決めてないし…うーん…

 

「文夜ちゃんは私と飲むんだから須佐男は大国主とでも飲んでなさ〜い」

 

僕がどうしようか悩んでいると天照様が僕の腕に抱きついてそう言った

 

「ちっ…分かったよ」

 

須佐男様は舌打ちをしてから何処かに行ってしまった

何か可哀想だなーと思ってしまった

 

「少し須佐男様に対してキツすぎじゃありませんか?」

 

「あの子はあれくらいがちょうど良いのよ〜」

 

「お姉さんがそう言うならそうなんですね」

 

きっとこの位の抑制力が無いと暴れてそうだもんね須佐男様って

 

「文夜ちゃんはお酒いける口かしら〜?」

 

天照様はお酒が入った瓶を僕に差し出しながら言った

 

「実は私はあまり酔えないのですよ」

 

そう…酔えないんだ僕は

昔宴会をした時にどれだけ飲めるか、とかやった事あるけど結局酔えなかったしなー

 

「あらあら〜それは残念〜」

 

天照様は残念そうに話していなかったけど内心しょんぼりしているな、って感じた

 

「酔えないだけで飲むことはできますよ」

 

「じゃあお酒を飲みながら文夜ちゃんの事を聞かせてもらえないかしら〜」

 

お酒は飲める事が分かった天照様はとても嬉しそうにしていた

それにしても僕の事か…嬉しそうにしているのを見ていると断りずらい…

 

「むー…簡単になら説明いたしますよ」

 

「はいどーぞ〜」

 

天照様は杯にお酒をついで僕にそれを渡してくれた

 

「ついでもらってしまってすいません…」

 

「いいのよこれくらい。あと普段通りの話し方でいいわよ〜私と須佐男にはね〜」

 

須佐男様にいきなりタメ口で話したら喧嘩になりそうな気がするから自重しておこうかな

 

「じゃあいつも通りの口調で行くね」

 

「文夜ちゃんは半妖で良いのかしら〜?」

 

天照様はお酒を飲みながら質問した

まあもう暴露てるし、半妖の事は隠さないで良いよね

 

「うんそうだよ」

 

「今の時代で半妖って珍しいわね〜一度地上から人類がいなくなる前にもあまりいなかったわよ〜」

 

地上からいなくなった…つまりあの時か…

そう言えば何でまた人は産まれたんだろ?全然気にならなかった…

 

「いなくなったのにどうしてまた人は地上に?」

 

「私の父、伊弉諾がまた人を創造したのよ〜」

 

「人すら作れちゃうのか…」

 

多分伊奘諾って神様が一番偉いんだよね…

一度会って戦ってみたいって思った僕はきっと馬鹿なんだろうね…

 

「文夜ちゃんの神力の量って…とてもここ数千年で貯められる量じゃないわよね…」

 

天照様はどうやら僕の神力に興味を持ったみたい

 

「ごめん…その話はあまりしたくないんだ」

 

「…ささ!お酒を飲んで明るいお話しをしましょ〜」

 

「気を使わせてごめん…」

 

天照様も過去を無理やり掘り返す神様じゃ無くて良かった…

僕はそう思いながらお酒を口にした

 

……

 

「お久しぶりです月夜見様」

 

私は何とか座りながら酒を飲んでいる月夜見様を見つけて挨拶をした

 

「諏訪子ではないか。とても久しいな」

 

本当いつも酒を飲んでいるよこの人は…

 

「久しぶりに来たのでご挨拶に参りました」

 

「そう堅苦しくするではない。

それに挨拶だけでなく私と酒でもどうだ?」

 

よしっ!私はこの状況を作りたかったんだ!

 

「お言葉に甘えさせてもらいます」

 

私は心の中でガッツポーズをしながら月夜見様の横に座った

 

「ついでくれないか?」

 

月夜見様は空の杯を私に差し出した

 

「はいどうぞ」

 

私は近くに置いてあった瓶を手に取り、酒をついだ

 

「すまないのう」

 

月夜見様はその酒を一気に飲んだ

月夜見様は酔うまでに時間がかかるから大変だよ…

 

「諏訪子がついでくれる酒はうまいな」

 

「褒めてもらっても何も出ませんよ」

 

私はまた月夜見様に酒をついだ

 

……

 

「ひっぐ…なんで俺が姉さんの尻に敷かれてなけりゃいけないんだ…」

 

俺は酒を飲みながら友である大国主に絡んでいた

 

「落ち着け須佐男…現にお前天照様より弱いじゃないか」

 

「ぐっ…確かに俺は姉さんより弱い…」

 

こいつは何て痛いところを突いてくるんだ!

 

「それにしても何時もお前と飲んでる天照様が…一体何があったんだ?偉そうなことを言ったのか?」

 

大国主は何故姉さんが俺と飲んでいないのか気になったらしい

こいつは俺をどんな風に見ているんだ…

 

「諏訪子っていただろ?あの最近名前を守矢に変えたって言う」

 

「ああーはいはい。あの子がどうした?」

 

「あいつが奇妙な奴を連れてきてな」

 

「奇妙?どの辺がだ?」

 

どうやら大国主も興味を持った

みたいだな

 

「会ってみたら分かるぞ。何せ神であり人間であり妖怪でもあるからな」

 

あれは説明しにくいな…実際会った方が分かりやすいしな

大国主ですらどういうものか想像できていないみたいだしな

 

「で、それに興味が湧いた天照様にどっかいけって言われたのか」

 

「正確には大国主のところに行けってな」

 

「よりにもよって俺なのか…」

 

大国主は迷惑だ、と言いたげな顔をしていた

 

「俺が気軽に話せるのは姉さんとお前しかいないんだよ」

 

「そうだよな…須佐男は尊敬や憧れの対象としては見られるけど…」

 

実際俺に友達は大国主を除いていないのだ

そして時にはその尊敬や憧れですらプレッシャーになる

姉さんの尻に敷かれている俺が何故そんな風に見られるのだ…

 

「俺に地位が無ければどれだけ楽だった事やら…」

 

「お前は伊弉諾の子として生まれてしまったんだ。その運命を受け入れるしかない。それにお前も知っているだろ?どれだけ努力しても信仰を得ることができずに消えてしまった名もなき神の事を」

 

俺が零した弱音を聞いた大国主は語り始めた

 

「お前がその地位は様々な神の夢であり目標なんだ。その地位を生まれながら持っていた事を呪うのではなく誇りに思うのだ」

 

「誇りか…」

 

「消えてしまった神の事も考えれば地位が無ければなんて思えないはずだぞ?」

 

確かにな…俺は何故弱気になっていたんだろうな…大国主に気付かされるとは思わなかったな…

 

「お前が俺の友人で本当に良かった」

 

俺は親愛なる親友を抱きしめた

感謝してもし切れないからな

 

「…抱きつくのは流石にやめてくれ」

 

大国主は本気で嫌な顔をしているので俺は大国主を解放した

 

「す、すまなかったな…」

 

「ほら…酒を飲んで元気を出せ」

 

そう言って大国主は酒瓶を渡してくれた

 

「お前って本当良い奴だな」

 

「なんだ?今頃気づいたのか?」

 

「なーに昔から知っていたさ」

 

「はぁ…ほら早く酒でも飲んでろ」

 

「今日は一段とうまい酒が飲めそうだな」

 

俺と大国主は乾杯をした

 

……

 

「へぇ〜文夜ちゃんって奥さんと娘さんがいるんだ〜」

 

僕は自分の過去を少し偽りながらも天照様に話していた

 

「今は会えないけど、絶対にまた会えるって僕は信じているよ」

 

「その強い思いがあれば絶対に大丈夫よ〜」

 

「そう言ってくれると嬉しいよ」

 

天照様は僕の話を楽しそうに聞いてくれるから話していてとても楽しいんだよねー

 

「ん〜文夜ちゃんの話しって蓮子ちゃんが私に話してた内容と被るところがあるのよね〜」

 

「月夜見様が話した事と?」

 

なんだろ?どんな話しをしていたんだろ?気になる…

 

「直接聞いてみたらどうかしら〜」

 

「そうさせてもらおうかな。ではまたあとでお会いしましょう」

 

「またね〜」

 

僕は会釈をしてから月夜見様を探しに行った

 

「えーっと月夜見様月夜見様は…あれ?諏訪子と話してるね…何を話しているんだろう?」

 

僕は悪いとは思ったけど二人の会話を能力を使って聞くことにした

 

……

 

「うふふふ…気分が良いな」

 

月夜見様は酒を相当飲んだせいか身体がふらふらしていた

そろそろ聞き出せるかな…

 

「あのー月夜見様」

 

「どうしたの諏訪子?」

 

相変わらず酔っ払うと口調が変わるねこの人は…

 

「随分前に話して下さった…」

 

「ん?穢れの話?」

 

「もう一度聞いてみたいなと思いまして」

 

「今はお酒も入って良い気分だから聞かせてあげるよ!」

 

月夜見様は立ち上がって話始めてくれた

 

「私はとある目的のためにとある女性の頭脳が欲しかったの」

 

「とある女性?」

 

「言ってもわからないと思うけど、八意永琳って人」

 

「永琳…」

 

永琳って…文夜の奥さんの名前だよね…?

 

「しかし私がいっくら声を掛けても一向に首を縦に振ってくれなかった!挙句の果てには英雄気取りの半妖と恋に落ちるなんて!」

 

月夜見様はイライラしながら話していた

多分この半妖が文夜だよね…

 

「その二人の結婚式の時にねー半妖がこの私に永遠の愛を誓うとか言い始めたからね?あまりにもイライラしすぎて膨大な量の神力をぶつけてやったの!そうしたらその半妖は倒れたんだよ」

 

「そうなのですか…」

 

「だけどここで嬉しい誤算があった!」

 

「なんですか?」

 

「八意永琳がその半妖に依存していたの。そこで私は考えた。八意永琳の精神を一度壊し、記憶を封印して私の都合の良い八意を作ってしまおうってね」

 

初めて聞いた時はよくわからなかったけど今なら分かる…この人は危険だって…

 

「…一体どの様な事をしたのですか?」

 

「二人の娘の咲夜を消してやったの」

 

「っ!」

 

今この人何て言った…?何で人を殺した事を得意気に話しているの!?

 

「だけどそれだけじゃ精神は壊れてくれなかったの…それで次に私はその半妖を…」

 

月夜見様は突然話すのをやめた

何故なら泣いている文夜が月夜見様の背中に剣を突き付けていたからだ

 

「なんでお前がここにいるの?あの時お前は死んだ筈だよ?」

 

……

 

二人は一体何を話しているのかなー

 

「…琳の精神を一度壊し、記憶を封印して私の都合の良い八意を作ってしまおうってね」

 

八意?何でそんな話をしているんだろ?

 

「…一体どの様な事をしたのですか?」

 

「二人の娘の咲夜を消してやったの」

 

…え?咲夜を…消した…?

まさか事故じゃ無かった…?

この女が咲夜を…?

僕はふらふらと月夜見に近づいた

こいつのせいで永琳は…永琳は!

僕は剣を月夜見の背中に突き付けた

 

「なんでお前がここにいるの?あの時お前は死んだ筈だよ?」

 

「お前なのか…?お前が咲夜を…?」

 

僕が剣を突き付けているにも関わらず月夜見はヘラヘラしている

 

「お前が私の思惑通りに動いてくれたお陰で八意の頭脳は私の物になったよーありがとねー」

 

「永琳にまで何かしたのか!?」

 

「お前が知っている八意はもうこの世にはいないよ?」

 

月夜見は僕を煽り続ける

 

「ふざけるな!」

 

あまりにもイライラしすぎた僕は剣を振りかざしたけど月夜見はそれを軽々と躱した

 

「まさか神になっているとは思わなかったよ」

 

「許さない…許さない許さない許さない!!」

 

僕は抑えていた妖力を全て解放したので9本の尻尾が現れた

もう良い…こいつは殺す!

 

「お、落ち着いて文夜!」

 

諏訪子が何か言ってるけどもう気にしない

 

「自ら穢れになるなんて…愚かだね」

 

「お前を…殺す!!」

 

僕は人間としての自分と神としての自分を封印した瞬間、意識が途切れた

もう妖怪としてでも良い…怒りに囚われているだけでも良い…

永琳と咲夜手を出した事を後悔させてやる…!

 

 

〜蓮子の部屋〜

 

「なんか月夜見と私の共通点が多過ぎると思うんだけど…」

 

「気にしたら負けよきっと」

 

「それもそうね」

 

「そう言えば蓮子はサッカー見た?」

 

「私は全部見てるよ」

 

「私は興味ないから見てないのよね」

 

「案外面白いよ?見てみると」

 

「ただどっちが勝つか賭けをしているのに参加してぼろ儲けしているけどね」

 

「見てないのに何で当てられるの!?」

 

「勘よただの」

 

「すごいわねメリーって…」

 

「ぼろ儲けしたから蓮子にお酒くらい奢ってあげるわよ」

 

「本当!?ありがとうメリー!」

 




こんばんは!
黒幕(?)の登場回でした!
今回思ったのは激怒って表現しにくいですね…なかなか良い表現が思いつきません…
あと大国主ですが…知り合いにとにかく出せ!と言われたので無理やり登場させました…
では…次回も見てください!
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