私の周りにいた神達はすでに避難していた
文夜とか言う穢れが莫大な量の妖力を振り撒きながら私に襲いかかってきているからね
あーあ酔いも覚めちゃったよ
「そんな理性の欠片も無い状態の太刀筋が私に通じるとでも思っているのかな?」
文夜は咆哮をあげながらただ闇雲に大剣を振り回している
私はそれをギリギリで避ける
無駄に体力を使うのは得策じゃ無いし
「早めに終わらせないとやばいかな。多分一撃でも貰うとアウトだし」
私は宙返りをしながら文夜と距離を離した後に、被っている中折れ帽を整えた
文夜が膨大な量の妖力を大剣へと込めている事に気がついた
何かゲームの主人公が必殺技を放つみたいだね
私はそれを振り回すと予想して避ける準備をしていた
そして文夜は…その大剣を私に向けて投げた
「危なっ!?」
私は投げつけられた剣を反射的に避ける事に成功した
ふぅ…予想外な事をしてくるなんて思わなかったよ
と、油断をしていると
「…やば」
文夜はすでに私の懐に潜り込んでいた
そして私は蹴り飛ばされた
「いててて…」
私は5回くらいバウンドしたけど何とか受け身を取ることができた
そして文夜を見ると…十本の尻尾を揺らしながら私を睨んでいた
「普通の妖怪が生きている筈が無い年限を生きてるから九尾を超えて十尾になっちゃったのかな…面白いね」
帽子についた土埃を払いながら私はニヤッと笑った
きっと私の目はさっきまでの文夜を見下ろした冷めた感じじゃなくてオモチャを与えられた子供の様に輝いているだろうね
……
「諏訪子…」
「なんだい神奈子」
私と神奈子は須佐男様と天照様と一緒に文夜と月夜見様の争いを見ていた
「知っていたのか?」
きっと神奈子が言っているのは文夜が半妖だってことだよね
「…あそこまですごいとは思わなかったけどね」
私は本気の文夜を見たこと無かったからね
「なぜ文夜の奴は月夜見様を襲っている!何故、諏訪子は止めない!」
神奈子は冷静そうにしている私に苛立ったのか怒鳴った
「私はどうしてあそこまで怒ってるか知っているからだよ」
月夜見様がしてきた事を知っているとこのまま殺されちゃえってすら思うからね。でもそれ以上に…
「怖いんだよ…今の文夜が…」
もしもあの殺気を私に向けられたらとか考えると…それに今の文夜は正気じゃないし…
「諏訪子…」
身体が震えている私を見た神奈子は心配そうにしていた
「神奈子とやら、あれに介入するのはやめておけ」
「何故ですか…?」
須佐男様は止めるべきか悩んでいる神奈子に話しかけた
「今、この場にいる神全員でかかれば抑えられるかもしれない。しかしかなりの犠牲が出るだろう。皆それが分かっているから手を出さないのだ」
多分、私も神奈子も一撃で殺されると思うからねあれは
みんな我が身は大事だしね
「私はどうする事もできないのか…!!」
神奈子は悔しそうに地面を殴った
地味に割れているからこれ以上はやめておくれ…
……
「みんな対処に困っちゃってるから遊びは終わりにしようかな」
私は文夜に向けて言うと、文夜は右腕に妖力を纏わせて私目掛けて振り下ろした
「よっと!」
私は軽々とジャンプで避け、空中で静止してみせた
「!?」
それを見た文夜はとても驚いている様だった
実際、この時代で羽が無いのに飛べる生き物なんかいないからね
この光景を見てる神達もすごく驚いているし
「お前は確かに努力を積んで技術をつけてきた。でも私達神に勝てる理由は努力の結晶だけじゃない。その普通ではありえない量の妖力だよ。でも…」
私は右腕を肩の高さまであげた
「八意の頭脳によって進化した私の能力の前じゃ無力だよ」
私が腕を振るうと文夜は何かで殴られたかのように腕を振った方へと飛んでいった
「結構威力があるね…」
実際私はこの能力を妖怪相手に初めて使うのだ
だから力加減がね
私は次に左手を前に差し出し握る動作をすると、文夜は何かに握られているかのような状態でそらに浮かんだ
「はぁ…はぁ…」
文夜は捥がこうとするけど私はそれすら許さない程に強く握った
文夜は苦しそうに顔を顰めていた
「辛い?辛いよね…でも、もう終わりにしてあげるよ!」
私が左手で真上に物を投げる挙動を取ると、文夜も同じく真上に飛んでいった
「力よ集まれ…」
私がそう呟くと右手に黒色の光が集まる。すると今まで見えなかった紫色の甲冑に覆われた巨大な二本の腕が姿を表した
「私が創造するのは一本の太刀…」
私が光った手で刀を鞘から抜く様な動作をすると、巨大な右腕も同じ動作をした
一つ違う点を上げるとすれば、その手に巨大な刀を持っている事である
「はっ!」
私は落ちてくる文夜の事を縦に一刀両断した
「あれ?確かに真っ二つにしたのに…」
そう…確かに何かを斬る感覚はあったのに文夜の身体は真っ二つになっていないのだ
先ほどと違う点を上げるとすると…妖力が全く感じられなく、尻尾が全て消えているくらいかな?一体私は何を斬ったんだろ?
私が考えていると文夜はフラフラと立ち上がった
「ふーん?まだ立ち上がるんだ」
文夜はゆっくりと私に向かって歩いてきていた
「さっきは何故か殺せなかったけど次は確実に殺すよ」
私は次にどんな事を試そうかと考えていると、突如現れた銀髪の女性が文夜に抱きついた
「もう…もうやめてあなた…!」
「えい…りん…?」
文夜は抱き付いてきた女性を確認しようとしたが力尽きたかの様に気を失った
「…なぜあなたがいるの?」
そう…この女性の容姿は八意永琳と同じなのだ
「私はあなたが知る者ではありません。もちろんこの人の知る者でも…」
この女性は悲しそうな目で文夜の頭を撫でていた
「あなたが誰でも構わない。はやくその穢れからどいて」
私は早くこの穢れを消し去りたいのだ
だから威嚇するかの様に睨みながら言った
「それだけは絶対にさせませんよ」
銀髪の女性はニヤッと笑ったと思ったら一瞬でその場から消えた
…もう気配すら感じられないね
探すのは無謀かな
「月夜見様!お怪我は!?」
文夜達がいなくなった瞬間、神奈子と諏訪子が私の元にやってきた
とりあえず口調変えなきゃね
「…私は大丈夫だ。それよりも私は諏訪子と話がしたい。だがあまり他の者には聞かれたく無いのだが…」
「で、では少し離れたところに居ますね」
私がどっか行って欲しそうに言うと神奈子は少し離れたところに移動してくれた
これで諏訪子と二人っきりだね
「お主、あの穢れの存在を知っておったな?」
「…はい」
どうやら諏訪子は隠す気はもう無いらしい
これは楽だから助かるね
「そして私が話した内容で気掛かりな部分があった事を思い出した…だから普段神有月に来ないお主が来た」
「…全てお察しの通りでございます」
諏訪子は頭を下げた
別に怒っていないから謝らなくていいのに
「まあそんな事はどうでも良い」
「え?」
私がそう言うと諏訪子は顔を上げてきょとんとしていた
「お主、あの穢れに恋をしておるな?」
私はかまをかけてみた
「なっ何をいきなり!」
諏訪子は少し顔を赤くしながら焦っていた
これは図星って訳だね。なら…
「その感情を利用させてもらうだけだ」
「あっ…」
私は諏訪子の顔の目の前に手をかざしてとある呪文を唱えた
「あとは会ってからのお楽しみだ」
呪文を唱え終わると諏訪子はぼーっと神奈子の元へ歩いていった
「おい諏訪子!」
神奈子はぼーっとしている諏訪子の肩を揺すった
「はっ!どうしたの神奈子?」
「どうしたじゃない!早く文夜を連れ去った女を探すぞ!」
どうやら神奈子は文夜を連れ去った女性を見つけ出して文夜からいろいろ聞き出したい感じであった
「あー多分守矢神社にいるよ」
「…何故そう思う?」
諏訪子は何の疑いも無く即答していた
「勘…かな」
「ならば今回はその感を信じるとするよ。ほら行くぞ」
「待ってよ神奈子ー!」
先に行ってしまった神奈子を諏訪子は追いかけていた
私はその光景を見ていると須佐男様と天照様が私に話しかけてきた
「蓮子ちゃんって強かったのね〜私驚いちゃったわ〜」
「俺は始めて見たな月夜見が戦ってるところ。どうだ?俺と一発…」
ちっ…相変わらず脳筋だね…絶対俺と戦えーって言い始めると思ったから今まで一回も能力を使わなかったのに…
「須佐男?」
「ごめんなさい調子に乗りました姉さん」
天照様が須佐男様を黙らせてくれたので結構助かった…
でも褒められるのは結構嬉しいかも
「須佐男様も天照様も私の事を褒めすぎです。私が強いのではなくて能力が強いのですよ。この「月の力を察知し自分の力にする能力」…がね」
私は二人にウインクをしてやった
〜蓮子の部屋〜
「はぁ…喧嘩しちゃったよ隣に座ってた子と…」
「なんで蓮子は倒置法を使ってるわけ?」
「強調したかったからかな?」
「喧嘩は醜い物よ…そういえば質問ある?」
「なんで月夜見は口調をいちいち変えているの?」
「あれで分かるのは普段の口調を作ってるってこと。つまりやめときましょう」
「ネタバレになるのね…そういえば月夜見の能力って?あとどうして程度が入っていないの?今までは全部入ってたわよね?」
「月の力を察知し自分の力にする能力ね…まずなんで程度がないか。これは簡単に言ってしまうとレベルがMAXになった状態なのよ」
「レベル?」
「進化したって言ってたでしょ?それがヒントかしら」
「うーん…私には理解出来ない…」
「次は能力についてね。月の力を察知…この時点で分かる通り、普通の人、神、妖怪では認識できないのよ」
「そんな力ってあるわけ?」
「現にこうして能力があるわけでしょ?能力の存在自体がその力の存在の証明になるのよ」
「ふむふむ…」
「それでね、月夜見はその力を自分の物にしたらそれを元にあらゆる物が作れるのよ」
「文夜みたいな感じね」
「ただ作ってる物はえげつないわね」
「そういえば何で切ったのに文夜は死んでなかったの?」
「月夜見が作った刀で切ったでしょ?でも月の力って詳しく分からない力じゃない」
「月夜見自身も何が起こったのか分からなかったのね…今回はもう質問はないかな」
「蓮子はちゃんと仲直りしなさい」
「うっ…頑張ります」
「本当に困ったら私も対策を考えてあげるから」
「ありがとうメリー!」
こんばんは!
今回で文夜君はある力を失っちゃいました!
そして…月夜見蓮子の能力はどうでしょうか…?
名前、能力の進化の二つからある程度正体は分かりますかね…
戦闘描写がわかりにくい!などございましたらビシバシ御指摘ください!
では…次回も見てください!