暴力と優しさと大切な人   作:天武天皇

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本編どうぞ!


第十話 僕と仲間と秘密の作戦

試験召喚戦争も終わり、新学期は始まったばかりなのにもう1年に1度の大イベントが終わったかのような感覚に襲われた。昨日の疲れからか軽い気怠さが感じられ、廊下で話す知らない人の声でさえ鬱陶しくもあった。

 

雄二「悪いが翔子に用があるんだ。ちょっと出てくるな。」

 

明久「おっけー。」

 

雄二がなにか思いついたのか立ち上がりFクラスの教室を出て行った。

 

彩美「雄二から霧島さんに会いに行くなんて、珍しいこともあるもんだね。」

 

雅輝「また何かの交渉だろ。あいつ一瞬ニヤついていたからな。」

 

さすが雅輝だ。よく見ている。

 

秀吉「また騒ぎを起こさなければいいんだがのう。」

 

・・・Aクラス教室・・・

 

雄二「失礼する。翔子はいるか?」

 

翔子「なに雄二?」

 

雄二「来週の学力試験のために勉強会を開きたいんだ。そこで頼みがあるんだが、翔子の家にみんな集めて、泊まりがけで徹底的に勉強したいと思う。」

 

翔子「私は構わない。むしろそのほうがいい。私もみんなの力になりたいから。」

 

雄二「決まりだな。じゃあ適当にAクラスのアイツらに伝えといてくれ。」

 

翔子「分かった。」

 

そういって雄二は帰っていった。

 

Fクラスでは、昨日の試合に出た雄二を抜く6人がちゃぶだいを囲んで、雑談していた。

 

雄二「(ガラッ)おいお前ら、今週の土日、泊まりがけで翔子の家で勉強会を開くがどうする?」

 

雄二がドアを開けた途端に話しかけてきた。

 

明久「いや、僕はその日は食料の買い出しに「ちなみに木下姉も来るぞ。」行く気なんてサラサラなかったから大丈夫だよ!」

 

康太「俺はその日は自主トレ「工藤も来るぞ。」にしようとしたけど、勉強は大切だ。」

 

雅輝「二人とも目的がバレバレだぞ。」

 

雄二「他4人はどうだ?」

 

秀吉「ワシは特に用もないから大丈夫じゃ。」

 

瑞希「私も行きます!今までのぶんもみなさんの力になりたいので!!」

 

雅輝「よし彩美、せっかくだし俺達も行こうぜ。」

 

彩美「もちろんだよ!楽しみ!」

 

この時の彩美の笑顔は、なぜかいつもより数倍可愛く見えた。

 

雄二「よし、決まりだな!詳しい話しはまた明日報告する。」

 

こうして大会に参加した7人全員が、勉強会に参加することとなった。そのころAクラスでは

 

翔子「今週の土日、Fクラスのみんなと私の家にみんなが集まって勉強会をするんだけどどうする?」

 

翔子が優子、愛子、俊祐、淳哉に向かって今週末の勉強会について話していた。

 

優子「みんなって具体的に誰?」

 

愛子「吉井くんが来るか来ないかが気になるのかな〜?来るに決まってるでしょ〜♪」

 

愛子がいつもの調子で優子をからかっていた。

 

優子「だっ///誰もそんなこと言ってないじゃない///」

 

翔子「優子は吉井が好きなの?」

 

優子「だから今は関係ないでしょ///」

 

優子が顔を真っ赤にしていた。それを見て愛子は追い討ちやかけるようにからかい倒していた。

 

翔子「そっちの二人はどうする?」

 

俊祐「楽しそうだし俺も行こっかなー。改めてアイツらとも話してみたいしね〜。」

 

淳哉「俺も。」

 

淳哉はともかくとして俊祐は参加したそうな様子だった。

 

翔子「優子達はどうするの?」

 

優子「いっ!行くわよ!!」

 

愛子「ボクも行くよ~♪」

 

翔子「じゃあ決まり。詳しいことは明日話す。」

 

こうして、AクラスとFクラスのメンバー計12人が集まることになった。

 

 

勉強会当日

 

明久「すごい豪邸だな。これが本当に霧島さんの家なのか?」

 

最後の一人である明久がやっと翔子の家についた。入り口からは翔子が出迎えてくれた。

 

翔子「おはよう吉井。」

 

明久「おはよう霧島さん。ひょっとして僕は最後かな?」

 

翔子「うん。もうみんな集まってる。大広間に案内するから。」

 

明久は翔子に連れられてみんなのいる大広間へと向かった。

 

明久「おはようみんな!」

 

雄二「よーしみんな集まったな。これから部屋割りをする。抽選だからだれになっても、恨みっこなしだぞ。」

 

雄二が棒の入った抽選箱を出した。

 

雅輝「ちょ、ちょっと待てよ!男女で同じ部屋になったらどうするんだよ!」

 

康太「相部屋...」

 

プシュー

 

康太が鼻血を流しながら倒れていた。

 

明久「ムッツリーニもこんなだし、さすがにまずいんじゃないかな?」

 

木下さんを他の男子と同じ部屋で寝させるわけにはいかない。

 

俊祐「なんでよ面白そうじゃん!早く引こうぜ!」

 

淳哉「お前はちょっと黙れ。」

 

雅輝「雄二、これは何のマネだ。」

 

雅輝は小さな声で雄二に耳打ちした。

 

雄二「翔子に同じ部屋で寝ると脅迫された。この際だから全員を巻き込んでやろうと思ってな。運で決まれば文句は言われんだろ。」

 

雅輝「いつものやつか。でも今回ばかりは...」

 

雄二「大丈夫だ。お前が思ってることにはならない。今はとりあえずこのまま流せ。」

 

雄二と雅輝は何を話しているんだ?

 

雄二「じゃあひくぞ!せーの!!!」

 

みんなが一斉に棒を引き、部屋割りは次の通りになった。

 

A 明久 愛子

B 雄二 彩美

C 淳哉 優子

D 秀吉 翔子

E 俊祐 瑞希

F 康太 雅輝

 

かなり珍しい分かれ方になった。

 

愛子「ねぇ吉井くん♪今日の夜はなにする~?」

 

優子「あーいーこー!吉井くんに変なことしちゃダメよ!!」

 

愛子「極力頑張るよ!」

 

いや、今の返答は絶対おかしいよ...

 

雄二「翔子に手を出すなよ。」

 

秀吉「ワ、ワシがそんなことをするように見えるかのう!?」

 

雅輝「雄二こそ、彩美に手出したら殺すぞ!!」

 

雄二「安心しろ。俺はなにもしない。それより女子は先に部屋に荷物を置いてきてくれ。男子はちょっと話があるからここに残ってくれ。」

 

翔子「分かった。部屋はこっち。」

 

翔子がみんなを部屋に案内するため、大広間を後にした。

 

明久「それで雄二、なんの用?」

 

さっき雄二が行った通り、男子全員は大広間に集まっていた。

 

雄二「実は俺たち男子である作戦を実行させたいと思う。」

 

淳哉「やっぱりな。」

 

淳哉が、まるで予想していたかのような顔をしていた。

 

雄二「なんだ淳哉?把握してたのか?」

 

淳哉「さすがにこんな部屋の分け方をしてそのままってことはないだろ。」

 

さすがだな...雄二の考えをここまで読めるのは、霧島さんとコイツくらいだ。

 

雄二「まあいい。それと作戦は・・・・・・・・・・・・・・・・だ。実行する時間は、俺たちが入浴したあとだ。」

 

明久「なっ、なんだよそれ!」

 

雅輝「お前なにを期待してるんだ?ムッツリーニにスクープ写真でも撮らせて揺するつもりか!?」

 

雄二「俺はお前たちの気持ちを尊重したまでだ。」

 

淳哉「なるほどね。」

 

明・雅「・・・」

 

図星をつかれて2人とも言葉が出なかった。

 

俊祐「でもよー、こんな図々しいことしていいのかー?その人にはその人のタイミングってもんがあるだろうよ〜。」

 

秀吉「それも一理あるのう。」

 

雄二「安心しろ。こいつらはへたれだ。こうでもしなきゃ前に進まん。」

 

雅輝「言い返す言葉がない...」

 

明久「雅輝の言う通りだ...」

 

最初は抵抗していたが2人も懲りたようだった。

 

雄二「それじゃあ勉強を始めるから、お前らも部屋に荷物置いて、すぐに集合してくれ。」

 

雄二の言葉を聞くと、みんなは大広間を出ていった。

 

淳哉「本当にこれでよかったのか?」

 

雄二「アイツらは報われるべき人間だからな。」

 

淳哉「そうか。」

 

淳哉はそう言い残して部屋を出て行った。

 

雄二「頑張ってくれよ。」

 

誰もいなくなった部屋で独り言のように呟いた。この行動が正解かどうかはわからないが、明久には幸せになって欲しいというのが雄二の願いだった。雅輝をとっても心持ちは同じである。




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