暴力と優しさと大切な人   作:天武天皇

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修学旅行やなにやらで忙しくて、連載遅れました。

すいませんでした。


第十二話 恋と勇気と本当の気持ち

豪邸すぎることもあり、廊下をあるいているだけでまるで宝探しをしているかのような感覚になる。家中を探検したい衝動に駆られるが、ご家族の方々に迷惑をかけるわけにもいかないので各々が部屋に入りベッドの上でゆっくりしていた。ある2部屋を除いたら...

 

 

B室

 

雄二「悪いな俺なんかと一緒の部屋で。」

 

彩美「え?私は別に大丈夫だけど。」

 

雄二「雅輝のほうが良かったろ?」

 

彩美は突然雅輝の名前が出てきて目を見開いた。

 

彩美「い、いや別に私は「嘘はよくないぞ」って早いよ!」

 

雄二「告白はしないのか?お前らはお似合いだと思うけどな。」

 

彩美「もちろん好きな人だもん。気持ちは伝えたいよ。だけど雅輝とは幼馴染みだからさ...多分アイツは私のこと、そういう目で見てないと思うの。だから今はまだ自分の気持ちをしまっておきたいなって。」

 

彩美がいきなり深刻な表情になった。

 

雄二「なるほど。確かに振られて気まずくなるのは1番避けたいもんな。ただ雅輝は、お前の気持ちに気づいていると思うぞ。」

 

彩美「えっ!なんでよ!私は一度もそんな素振りを見せてないじゃない!」

 

雄二「幼馴染みなのに分かんないのか?あいつの他人を見抜く力は一級品だ。」

 

彩美「うっ...確かに...」

 

言われてみればそうだ。雅輝は、昔から物事を見抜く力は人間離れしていた。

 

彩美「でも、気づかれているなら余計に恥ずかしくて告白なんてできないよ...」

 

彩美が感情が溢れて涙目になっていた。

 

雄二「でもアイツも興味がない女の心を見抜いたりはしないだろ。つまりはずっとお前を見てきたってことだ。」

 

彩美「そっ、そうなのかな...」

 

不安だらけだった表情の隙間から、少しだけ嬉しさが垣間見えた。

 

雄二「雅輝は恥ずかしがり屋だからな。あまり積極的にアプローチするような奴じゃないが、お前といるときいつも笑顔だったのは間違いない。」

 

彩美「ってことは雅輝も私のこと...」

 

雄二は、わざと逃げるかのようにして、立ち上がってドアのとってに手をかけた。

 

雄二「まあそれは自分で確かめてみるといい。ああ見えて、攻められると案外脆いかもしれないしな。」

 

雄二はこの言葉と一緒に部屋を出ていった。

 

彩美「私、少し勇気を出してみようかな...」

 

雄二「これで大丈夫そうだな。」

 

雄二はドア越しに鼻で笑い、一人で食堂へと向かった。

 

 

C室

 

淳哉「こうして2人になるのは初めてかな。」

 

優子「佐藤くんから話すなんて珍しいわね。てっきり一晩無言で過ごすのかと心配していたから安心したわ。」

 

淳哉「まあ特に話す話題もないしな。共通の話題といえば明久ぐらいかな。」

 

優子「な!なによいきなり!」

 

突然のことで優子も大声を上げてしまった。その声の余韻が終わり沈黙が続く。近くにある時計の秒針の音がやけに大きい音に感じられた。

 

淳哉「明久に想いは伝えないのか。」

 

優子「うっ...」

 

想いを伝えたいという気持ちともしダメだったらという不安が絡み合い、思い通りの返答が見つからなかった。

 

淳哉「明久が好きなんだろ?なら「うるさい」ん?」

 

優子「こっちの気もしらないくせに勝手なこと言わないでよ!」

 

優子が今までにないくらい強い口調で言い放った。

 

淳哉「俺の勘違いみたいだな。悪かった。」

 

違う、そういうことじゃない

 

優子「好きなのは本当だよ...ただ吉井くんと2人になれるタイミングなんてないし...それに吉井くんは多分姫路さんのほうが...」

 

淳哉「ならいいんじゃない?告白しなくても。」

 

優子「えっ?」

 

まさかの返答で思わず聞き返してしまった。

 

淳哉「自分がどうするか決める権利なんてその人にしかないからな。それでいいなら俺は構わない。」

 

優子「......」

 

淳哉「結局人間なんてないものねだりだからな。選ばなかったほうを後悔する生き物だ。告白したらしたで後悔する結果になるかもしれないしな。」

 

確かにその意見は正しい。どっちに転んだとしてもゼロリスクではないことなら私も分かっている。

 

淳哉「でもいくら強がっても、自分の感情は、自分が一番よく知ってるだろ?」

 

まるで私の心を読んでいるかのような口ぶりだった。

 

優子「私だって告白したいわよ!だけどやっぱり自信がなくて...」

 

淳哉「じゃあもし自分の気持ちを伝える前に明久が瑞希ちゃんと付き合ったとしたら?」

 

優子「そんなの絶対嫌に決まってる!」

 

想像するだけで涙が出てきそうだ。

 

淳哉「ならもう答えは出てるだろう。あのときああしとけばよかったなんて言っても時間は戻らないし、そんな議論に意味はない。」

 

淳哉の言葉がグサグサと胸を切り裂いていく。

 

淳哉「こんなテンプレみたいなこと言いたくないけど、やらずに後悔よりはやって後悔かな。」

 

優子「後悔か...」

 

優子がこの言葉にやけに反応した。

 

淳哉「好きになれば、切なくなることもあるし、行動すれば時には失敗もするだろう。付き合ってからも信じていれば、裏切られることもあるだろうしな。だけど、その困難があるからこそ人は強くなれると思う。」

 

淳哉の発言を聞いて、優子の顔が一気に明るくなった。

 

優子「佐藤くん。あなたの言っていることは全て正しいわ。本当にありがとう。少し気持ちが楽になったわ。」

 

淳哉「礼はいらないよ。」

 

優子「私頑張ってみるわ。」

 

淳哉「応援してる。」

 

優子「うん!」

 

優子が満面な笑みを浮かべていた。

 

優子「ってか佐藤くん、今日はやけに喋るね。ほんとはお喋り結構好きなんじゃない?」

 

淳哉「からかうなよ。今の小一時間で1ヶ月分は話した。もう疲れたから寝たい。」

 

優子「クスッ。」

 

さっきとのギャップに思わず笑ってしまった。

 

優子「これから夕食よ。早くいきましょう。」

 

淳哉「もうそんな時間か。」

 

淳哉と優子は自分達の部屋を後にした。




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