暴力と優しさと大切な人   作:天武天皇

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本当に遅れてすいませんでした。
機種変更でヘマをしてデータをすべて消してしまったり、進学校に入学したことでテストが多かったりといろいろあり、一時は連載を諦めようかとも思いましたが、やはり連載をやめたくはないと思いかきました。

では、どうぞ


第十七話 バカと腕輪と教頭の野望

準備が始まってからは月日がたつのがあっという間に感じられた。最初は荒削りな部分もあったが、持ち前の知識と対応力で設備、装飾、販売戦略、どれをとってもレベルの高いものになった。そこはさすがAクラスとしか言いようがない。

 

雄二「明日の清涼祭では喫茶店を開くが、試験召喚大会も同時進行で行われる。出場しようと思っているやつはしっかりルールを確認しておくようにな。」

 

試験召喚大会 〜ルール〜

一、2人1組で出場する(2人が同じクラスでなくても可)

二、代理召喚をした場合には失格とする

三、科目はランダムで選択され、決勝のみ総合科目で行うものとする

四、5つの予選トーナメントを行い、勝ち進んだ5組10人の生徒が決勝を10人全員のオープン式で戦う

五、試合時間に遅れた場合、その組は理由を問わず棄権とする

六、戦うのは召喚獣のみとし、召喚獣に向かって物を投げつけたりぶつけたりする行為は即失格とする

 

雄二「それじゃあ出たいやつは誰か見つけて2人1組で受付に行って登録してこいよ。」

 

雅輝「5組10人で決勝をやるってことはこの場にいる12人のうち少なくとも2人は決勝には進出できないってわけだな。」

 

明久「決勝に行く前の予選トーナメントでぶつかっちゃうわけだね。」

 

秀吉「なるほど。なかなか険しい道のりじゃのう〜。」

 

雄二「だが強敵は今ここにいる俺らだけじゃないぞ。当然3年生からも出てくるからな。」

 

土屋「奴も出てくるはず...」

 

雄二「大丈夫だ。あんな奴今の俺らの敵じゃない。」

 

ん?誰の話をしてるんだろ?

 

愛子「それよりペアはどうするのー?ボクはムッツリー二くんがいいな〜♪」

 

翔子「じゃあ私は自慢の旦那で(みんなーたまには違う組み合わせにでもしないか...?)」

 

雄二が震えた声で割って入ってきた。

 

明久「雄二、いい加減自分に素直になって霧島さんと組みなよー。」

 

翔子「雄二はいつも素直じゃない…」

 

雄二「いやーお前らよく考えてみろよ。いつも同じ組み合わせじゃ新鮮さがなくておもしろくないだろうよ。それに俺たちには腕輪がある。1対1で戦うならまだしもペアで一つである以上お互いの腕輪の相性も考えてペアを選ぶべきだろう。」

 

随分と力説するな。どれだけ霧島さんと組みたくないんだよ。まあ筋は通ってるけど。

 

雅輝「確かにそれも分からんでもないな。」

 

俊祐「俺もその話のったぜ!」

 

話の流れがシフトした。今回は雄二の勝ちみたいだな。

 

優子「それより試験召喚大会の話もいいけど、喫茶店のほうはどうなるの?人員配置を綿密に考えておかないと当日に痛い目に合うわよ?」

 

彩美「私もそれがちょっと心配かな。いきなり厨房に人が足りないなんてなると大変だしね。できる人も限られてくるから。」

 

瑞希「じゃあ私が厨房をやり...(ちょっと待ったーー!!)」

 

男子全員が声をそろえて言い放った。

 

姫路さんに料理を作らせてそれを出品したりしたら救急車やAEDを前もって準備しておかなくちゃいけない!それにこんな命に関わるような危険なことを一般公開でやったりしたら最悪犯罪になりかねない!

 

雄二「おい明久...姫路をなんとかホールのほうに誘導してくれ...」

 

そんなこといきなり言われても...でもやるしかないか。

 

明久「姫路さんにはホールをやってもらおうかなと思ってたんだけどなー。」

 

瑞希「え?そんなどうしてですか?」

 

明久「えっとー...」

 

ヤバい!理由なんて考えてなかったよ!ここはなんとかして凌がないと。

 

明久「姫路さんは可愛いから、みんなにもそのその可愛さを知ってもらったほうがいいと思うんだ!だから奥の厨房よりも接客とかのほうがいいかなと思ってね。」

 

瑞希「そんな可愛いだなんて///わかりました!接客頑張りますね!」

 

ヤバイぞ...後ろから殺気が...

 

優子「明久くーんちょっと話があるをだけど〜いいかな〜?」

 

明久はいきなり腕を掴まれた。

 

明久「お願いします!その腕をそっちには曲げないでーー。」

 

秀吉「助けなくていいのかの〜。」

 

雄二「痴話喧嘩だ。気にするな。とにかく、厨房は俺ら男子でやるから女子は接客を頼む。」

 

優子「本当に?男子だけで大丈夫?一人ぐらい女子がいたほうがいいんじゃない?」

 

雄二「安心しろ。明久とムッツリー二は料理の腕は達人だ。あと俺も雅輝も淳哉も並よりはできると思うしな。」

 

優子「今時の男子は料理がステータスかなにかかしら?」

 

彩美「ほんと困っちゃうよね。私も頑張らないと...」

 

翔子「私は雄二に作ってもらうからいい。」

 

愛子「ムッツリーニくんが料理できるなんて知らなかったよ〜。てっきり保健体育だけかと思ってたからね♪」

 

俊祐「ちょっと待てよ!今の話、俺だけ除外されてたんだけど!」

 

雄二「なんか聞こえたが空耳だな。よしじゃあ配置も決まったことだしあとはみんな二人組を決めて大会の登録が終わったら今日は解散だ!」

 

明日のために今日は早めに帰る者も少なくはなかった。そして次々と教室から人が出て行く中、鉄人が入れ替わりで教室に入ってきた。

 

西村先生「吉井と坂本はいるか?学園長がお呼びだ。」

 

雄二「ちっ、めんどくせーな。」

 

西村「そう言わずに行ってこい。」

 

明久「要件は聞いていないんですか?」

 

西村「学園長が自ら話すとのことだ。行けばわかるんじゃないか?」

 

雄二「へいへい。」

 

鉄人に言われるがままに僕と雄二は学園長室に向かった。

 

雄二「邪魔するぞー。」

 

学園長「相変わらず声がデカイガキだね。まあ今回は許しておこう。そんなことよりあんたらに用があるさね。」

 

明久「いったいこんな日になんなんですか?」

 

学園長「あんたたち清涼祭で行なわれる試験召喚大会を知ってるかい?」

 

明久「そりゃもちろん知ってますよ。この学校の大イベントの一つですから。」

 

学園長「じゃあその優勝したときの景品は知ってるのかい?」

 

明久「えっ?優勝景品?」

 

今まで一度も出たことがなかったからそこまでは知らなかった。なにがもらえるんだろ。この学園、お金だけはありそうだし海外旅行券とかかな?

 

雄二「まあトロフィーとなにか一つ年間食券とかそんなもんだろ。」

 

学園長「さすが的には当たってるね。いちよう優勝景品は『優勝トロフィー』と『白と黒の腕輪二つ』と『如月ハイランドパークのプレミアムペアチケット』を用意してあるのさね。」

 

思ったより普通だな。でも近所の遊園地のペアチケットか。優子さんと行ってみたいな〜。

 

学園長「チケットのほうは特になにも問題ないんだが腕輪のほうがちょいと問題でね。」

 

雄二「なにが問題なんだ?」

 

学園長「どうやら開発したあとに誰かが細工をした痕跡があってね。ついこないだ欠落部分が見つかったのさ。でも大会は明日、当然なおす時間はないってことさね。」

 

明久「それじゃあなんにも無理に腕輪を優勝景品にせず、景品から外せば解決するんじゃないんですか?」

 

雄二「いや、それができるのならとっくにしてるはずだ。それに仮にそれができるとしたら俺らをここに呼ぶ理由なんてないはず。だろっ?」

 

学園長「さすが過去に神童と呼ばれていただけのことはあるさね。こっちは腕輪の開発にかかりっきりだったんでそのへんのことは全部教頭の竹原に任せたんだよ。ここからは私の推測だが、おそらくこの一件は全部教頭の野望かもしれないね。」

 

明久「教頭の野望?それはどういうことですか?」

 

学園長「この大会でもし誰かが優勝して腕輪を景品としてもらいそれを使ったとしよう。そしてそれが欠陥品だと分かれば、開発者でありこの学校の最高責任者である学園長の私が全ての責任を負うしかなくなるさね。そうやって教頭は私の地位を下げて、自分が私よりも上に立とうとでも思っているんだろうね。まったくこまったやつさね。」

 

明久「それなら学園長!教頭を訴えるべきですよ!」

 

雄二「証拠もないのにどうやって訴えるつもりだ。まだ俺たちの推測にすぎない。」

 

雄二が真面目な顔をしてなにかを考えていた。

 

雄二「まあようは俺たちが優勝して、景品を受け取り、学園長に返せばいいってことだろ?」

 

学園祭「そういうことさね。もちろん優勝できたら私からもなにか褒美を与えるつもりさね。」

 

雄二「しゃねーな。やってやるか明久。」

 

明久「そうだね雄二!教頭の思惑通りになんてされるもんか!」

 

学園長「さすが威勢がいいじゃないか。それともう一つ。教頭の竹原が他にもなにかを企んでいる気がしてならないのさ。十分気をつけるんだよ。」

 

学園長はそう言って窓から外の風景を見ながら深刻な顔をしていた。そして学園長との話も終わり、僕と雄二は廊下を歩いていた。

 

雄二「おい明久。」

 

明久「なんだい雄二?」

 

雄二「この大会、俺とペアを組まないか?」

 

明久「もちろんさ!さっきの話を聞いて黙ってられないよ!なんせ僕は1度学園長に助けられてるしね。」

 

雄二「まあどちらにしろさっきの話を聞いているのは俺たち2人だけだろうからな。ならこの2人で組んで優勝を奪い取るのが一番最適なルートだろう。」

 

明久「それもそうだね。」

 

雄二「前々から俺も教頭は気に入らなかったんだ。アイツの思い通りになんかいかせねーよ。ぶっ潰してやる。」

 

試験召喚大会で優勝するのは容易ではない。なんと言っても、いつも一緒にいる心強いメンバーが今回に限っては敵になる。いわゆる全面戦争だ。でもなぜだろうか。コイツと一緒ならどんな壁でも乗り越えられるような、そんな気がした。




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