スパイディのヒーローアカデミア   作:クトウテン

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さっきお気に入り2000件突破しておりました。
正直100以上を超えると、実感すら消し飛びますよね。
2000て……いや2000て……、のほうが圧倒的に強いです。
ともあれ感謝です。感謝の連投です。 

皆様もコ…には気を付けておうちで面白い小説書いて投稿してください。
みんなも家にいて安心、私も面白い小説読めてwinwinです(暴論)


5話

「お、おはよ~…」

 

ドアを開けて、静かに中に入る。

徐々に視界に映る光景は、教卓が一つ、その前に学生用の授業机が並んでる……教室の風景だった。

 

今日は雄英校入学初日。

そしてぼくは指定された1−A組のクラスへと足を運んでいた。

 

正直、学校というのは億劫だ。

これまではかっちゃんの取り巻きなどにも良くいじめられ、個性のないことを馬鹿にされてきた。

そしてここは個性持ちの中でも、エリートのみが入学を許された学校。

 

下手をするともっと過激ないじめが……。

恐ろしいことを考えながら教室に入った瞬間、いくつもの視線が殺到した。

 

「ひっ!!!」

 

殺される!? そう思って身をすくめた瞬間、起きたのは歓声だった。

 

「お前があの時の奴か! あの時はマジ助かった! ありがとな! 俺ァ上鳴ってんだよろしく!」

「私もアンタに助けられた…。ありがと。私耳郎響香」

「あ、私も私も~! あんときサンキュね! 芦戸三奈!」

 

あまりのできことに脳みそが追い付かず、頭の中で用意していた自己紹介パターン108がすべて吹っ飛んだ。

 

しかしそんなタイミングでドアのそばでもちゃもちゃしてると背中に走る衝撃。

振り返ると、雄英制服ルックに変わった(かなり着崩してる)幼馴染の姿。

 

「どけデク! 邪魔だ!」

「かっちゃん! おはよう!」

「……ッチ!」

 

そのやり取りに、周りは「不良か?」「感じ悪…」などそれぞれの反応を返す。

 

そんなこんなで他にも面接会場で面識を持った飯田君や、あとはあの助け、助けられた女の子の麗日さんなどとも挨拶をしていれば、僕のスパイダーセンスに反応する影があった。

 

普通のものではない。まるでこちらに気配を殺す様に、忍び寄るその気配に思わずとっさの動きで振り返ると、そこには少なくとも教師には見えない無精ひげを生やした男が──寝袋に入って栄養剤を咥えていた。

 

「……えっ」

「ほう? 俺に気づくのか…。ただの増強系ではない、と。感応のほうも並ではない。こいつは面白い」

 

ぶつぶつとまるで品定めするような視線でこちらを見る男と、その声にようやく存在に気づきぎょっとそちらを見る生徒達。

 

「はい。というわけで君たちの中で私に気づいたのは彼だけです、と。お前ら俺がヴィランだったら10人はやられていたぞ。ちなみに私は君たちの担任教師――相澤消太だ。どうか合理的な判断をしてくれ」

 

まるで自分が知ってる教師のやり方ではない。

 

入学したのに、その挨拶も、自己紹介もなし。

だがそれがヒーロー学科。

まるで一刻の無駄もないぞと訴えかけられたような気持になった僕らは席につき、次の言葉を待った。

 

「悪くない。ではまず最初は――体力テストだ」

 

 

 

 

「オラ死ねぇええええ!!!」

 

とんでもない掛け声とともに、とんでもない速度で球が手のひらから打ち出されるのを見ていた。

 

記録は──700m超え。

 

「あいつやばいやつだけど、個性がすげぇ。やばいやつだけど」

「そうだな。あの個性は強力だ。……やばいやつだけど」

「聞こえてんぞクソ共! ブチ殺されてーか!?」

 

ひええ、と逃げ回る姿を見ながら先程のやり取りを思い出す。

 

「除籍処分、か……」

 

そう。この体力テストを行う上で、

最低成績者は除籍する、と皆の前で相澤先生はは発言した。

まだ入学して一時間と少ししか経過していない僕達に、だ。

 

考えていることを読み切れないが、

僕にはあれがウィットに富んだジョークの類とは思えなかった。

勘でしかないが、あの人は多分やるったらやる。

 

「死ねって……。あいつ本当にヒーローになるつもりあるの?」

 

そんなことを考えている僕の横で、耳郎さんが呆れた顔でつぶやくのに、僕も乾いた笑いを返す。

 

「ははは……。あれでかなりしっかりしてるから、かっちゃんは」

 

実際、かなり頭もよければ大体そつなく何でもこなせる。天才肌と言うやつだ。それに努力家でもある。

料理ができることを言えば、何人かはぎょっとさせられるだろうか。

 

「次、緑谷」

「はい」

 

呼ばれ、手に球を持つ。

大きく振りかぶって、力を込めて投げる。

最後に指の後押しで球はそれなりに遠くまで飛んでいく。

 

「……356m。OKだ」

 

そんなこんなで体力測定は終わり、結果として合理的虚偽と一言呟いた相澤先生に、誰もが苦笑いを浮かべた。

 

 

 

 

それ以外の授業で言えば──実は普通だったりする。拘束時間も普通の学校と同じ。だから終わったあとは各々帰ったり、遊びに行ったり。

 

そんな中で僕は学校が終わったあと、そのまま帰るわけでもなく足を踏み入れたのは、雄英校にあるヒーロー科とは別の学科。

 

「し、失礼いたします! 本日見学の予定を入れらせて頂いていた、緑谷出久です!」

「おう、聞いてるぞ。お前があの入試でロボを壊した男か。くけけ……。入学初日から珍しい奴よ。態々サポート科に来たい、だなんてな」

 

掘削ヒーローであるパワーローダーが奥から現れた。

 

そう。ここはサポート科。わかりやすく言えばヒーローがヒーローとして活動を行う上でのヒーローアイテムを作る人になる為、技術者としての腕を磨く学部だ。

 

「元々僕も技術者側を目指してもいいと思えるくらい好きなんですが……変ですかね」

「いいや、お前はそっちで合ってるさ。お前はヒーロー科にいるべきだ。見ていた俺が保証するよ」

 

そう言って踵を返すパワーローダー。

 

「ま、好きに見ていきな。ただ先客がいる。ま、気にしないでくれ」

「……先客?」

 

入っていい、ということなのだろう。

僕はパワーローダーの言葉を反芻しながら工房へと足を踏み入れた、その時だった。

 

「!!」

 

スパイダーセンスが発動。

正面から高速な飛行物体が──くる!?

 

「あわわわ! きゃん!?」

「ぅわぶっ!?」

 

それは、大きな物体だった。人間台のサイズで、かなり速度を持って僕の方まで来たせいで、思わずそれを避けることもできず受け止めて地面に倒れた。

 

自分が下敷きになり、受け身も取ったので痛みは殆どなかったが、何やら不思議な感触だ。

 

そしてなんだこの2つの物体。随分柔らかいな。

そういえば合成シリコン製のプロテクターを改造すれば、この前の攻撃もかなり抑えることができた気がする。

 

「ふぁ、や……!」

 

柔らかいけど弾力が必要なのだ。

そう、ちょうどこれくらいの。

 

あれも硬すぎても駄目だし、柔らかすぎても衝撃を吸収しきれず内部から破裂してしまう。

比率もかなり重要だ。

この前確かなんかの論文で出た、衝撃を吸収できる素材と合わせれば……。

 

手元の無限ぷにぷにを触りながら思考していると、

はっと気付く。

 

ていうかなんでシリコンがあるの?

そこまで考えて、僕は自分の上に重なるぶつかってきたそれをしっかり目視した。

 

女の子がいた。

タンクトップの女の子だ。

顔が可愛らしくて、今の暴走の影響なのか、煤がそこかしこについていた。

ちゃんと身ぎれいにしたらもっと綺麗に見えることは間違いない。何よりそのタンクトップを押し上げる圧倒的なバス──ん?

 

僕が彼女のおっぱいを揉んでいた。

 

ふむ、ちょっと待とう。

意味がわからない。僕はサポート科の見学に来たんだぞ? 何故おっぱいを揉んでいるんだろうか。

 

まさかこれはサポート科の技術?

足を踏み入れたと思って幻覚に見えるほどの映像を網膜に移している?

いやでもそんなことする意味ないし……でも僕がおっぱいをもんでる事のほうがありえないし。

 

だめだ、自分だけじゃ全く状況がわからない!

意を決した僕は僕の上に跨がっている彼女に聞いた。

 

「これ今、どうなってますか?」

「んっ……今ですか? ワタシ、アナタに胸を揉まれていますね!」

 

この時ほど、土下座をした日はない。

 




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