【一部バグあり】鋼の錬金術師FA《真理の究明》RTA11:10:03【完結】   作:妖魔夜行@

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最近銀の匙を読みました。


Part3/6

 真っ白な景色に今誘われてRTA、はっじまるよー!

 

 前回はマスタングとコミュニティを築いたところで終わりましたので、今回はドバー!っと進めてイケグッ!(土方弁)

 

 日課のステータス上げをするのですが、【錬金術】と【器用】のレベルを10にするまではマスタングとのコミュニティを進めません。なぜかと言うとレベルMAXじゃない状態でコミュニティを進めても恋愛フラグしか立たないからです。【錬金術】がLv.10ならば固有技能を取得できるコミュニティイベントが発生します。ではなぜ【器用】もLv.10にするのかは、また後で話します。

 

 マスタングにはリザさんっていう女の子がもういるし、恋愛フラグは立てなくていいんだよなぁ……申し訳ナイス!

 

 そうなってくるといつ【敏捷】を上げるのか、気になりますよねぇお客様ぁ?その点はご心配なく。いつもと変わらず朝昼と走り込んでいればストーリーイベントまでにLv.6にたどり着きます。

 何故Lv.6なのかというのはその時が来たらお話します。後回しにしてばっかだなこいつ。

 

 では倍速。キング!クリムゾン!(カット)

 おっ、まてい(阻止)。(RTAなんだから)そんなことしちゃぁ…ダメだろ!(MZMKN)

 ええ……(不満)当たり前だよなぁ?(脅迫)

 やだこわいん……

 

 そろそろですかね。等速に戻しましょう。

 

「どわあ!?」

 

┌───────────────────┐

あなたが走っていると曲がり角から出てき

た金髪の少年にぶつかってしまった。かな

りの勢いだったため、少年とあなたは尻も

ちをついた。             │

└───────────────────┘

 

「兄さん大丈夫!?」

「いつつ…ああ、なんともねえよ。っと、大丈夫ですか?」

 

┌───────────────────┐

少年が手を差し伸べてくれたのでその手を

掴んで立ち上がらせてもらう。     │

あなたはぶつかったことを丁寧に謝った。

└───────────────────┘

 

「ああいえ、気にしないでください。俺も怪我したわけじゃないんで」

「そうそう。小さいですけどこう見えて兄さん頑丈ですから」

「うんうん……ちっこい言うなぁ!!」

 

┌───────────────────┐

突然ギャーギャー喚く少年のお腹が大きな

音を出して鳴った。時刻は夕刻で、子供は

もうお腹がすく時間だろう。      │

└───────────────────┘

 

┌──────────┐

どうしよう?    │

うちに来ない?  │

│ さようなら    │

└──────────┘

 

 ここはうちに来ない?を選びましょう。しかしこの二人は一体誰なんですかね?(すっとぼけ)

 

「え?いいんですか?でも…」

 

┌───────────────────┐

少年のことを兄さんと呼んでいた鎧姿の子

が遠慮がちに聞き返す。お詫びの意味もあ

るからと言うと二人は顔を合わせて頷いた

└───────────────────┘

 

「じゃあ、お言葉に甘えて」

「ご馳走になります!」

 

┌───────────────────┐

道中、他愛のない話をしながら家に向かっ

た。あなたは狭いところだが上がって、と

家に招いた。             │

└───────────────────┘

 

「うわあ〜……!」

「こ、この本全部お姉さんの!?」

 

 ああ、錬金術師になっていると二人との会話が変化するんですよね。錬金術学ぶためには金、膨大(な知識)、(研究)成果!が必要ですからね。たとえ国家資格を持っていなくてもホモちゃんの家にはかなりの量の本がありますよ。

 

「お姉さん錬金術師だったんですか!?」

 

┌───────────────────┐

鎧の子に興奮した様子で聞かれた。別に隠

すことでもないのでそうだよ、と教えた。

夕飯が出来るまで読んでてもいいよ。と言

うと、二人は目を輝かせてお礼を言ってき

た。こんな純粋な目を見るのは久々だ。 │

└───────────────────┘

 

 こういう所は年相応って感じで可愛いですよね。まだ名前知りませんけど(すっとぼけ)

 

┌───────────────────┐

夕食ができた。普段三人前なんて作らない

から上手くできてるか心配だ。     │

└───────────────────┘

 

 ホモちゃんは料理上手なのか……それともメシマズなのか……錬金術師になる前の職業は無職だったので私には分かりません。

 

「いっただっきまーす!!」

 

┌───────────────────┐

少年が大きな口でパクリと食べた。モグモ

グと咀嚼し飲み込む。あなたは恐る恐る味

を聞いてみた。            │

└───────────────────┘

 

「美味い!」

 

 お、どうやらメシマズではなかったようですね。まあだからといってめちゃくちゃ美味しいというわけではないようですが。ここは美味くても不味くてもどちらでも変わりません。食えりゃいいのよ食えりゃ!

 

┌───────────────────┐

ガツガツと料理を口に運ぶ少年を見てあな

たは微笑ましい光景だなあと感じた。しか

し鎧の子の方はスプーンを取ろうともせず

あなたは鎧の子は食べないの?と聞いてみ

た。                 │

└───────────────────┘

 

「え!?いやその僕!今お腹すいてなくて!」

「おおお前はガキの頃から少食だったもんなあ弟よ!こんな美味しい料理を残すなんてもったいない!俺がお前の分まで食べてやるよ!あははは!」

 

 突然手をわちゃわちゃさせて話すもんだからホモちゃん驚いて目をぱちぱちさせてますね。可愛い。(ノンケ)

 

┌───────────────────┐

夕食を食べ終わり、洗い物を片付けたあな

たは少年達の対面のソファに座った。コー

ヒーを二人に出して自己紹介をした。  │

└───────────────────┘

 

「えっと、俺はエドワード・エルリックって言います。こっちは弟の」

「アルフォンス・エルリックです。あのモクナワートさんは独学で錬金術を?」

 

 ええええええ!?最年少で国家資格を取ったとかいうあの鋼の錬金術師のエドワード・エルリック〜!?(棒)

 

 はい、エルリック兄弟との邂逅イベントです。いつもは昼で終わらせるランニングを夕方まで続けましたよね?それはこのイベントを起こすためだったのです。

 この邂逅イベントは【錬金術】の技能があるなしに関係なく特定の日の夕方に街にいると起こります。但しコミュニティを築けるかはこれからの選択肢と技能によります。

 

┌───────────────────┐

あなたは愛称でいいと言って肯定した。こ

の前、リザ同伴で中央に勤めているマスタ

ングと話したことも伝えた。      │

└───────────────────┘

 

「大佐と中尉と!?ど、どういう関係ですか?」

 

┌───────────────────┐

リザとは友人で、マスタングはリザの紹介

で会ったことを伝えた。二人は感心した様

子で頷いた。             │

└───────────────────┘

 

「へえ〜…なあなあフォルさん。良ければでいいんだけどフォルさんの錬金術見せてくれないか?」

 

┌─────────────┐

少しだけだよ?     │

│ それはちょっと・・・  │

└─────────────┘

 

 さあ選択タイムですね。ここは錬金術を見せましょう。見せるのは大佐にも見せた知恵の輪錬成になりますかね。

 

┌───────────────────┐

あなたは錬成陣が書かれた紙を用意して錬

金術を披露した。知恵の輪が姿を変えて小

さなライオンの姿に変化する。二人はその

錬金術を見て感嘆の声を上げた。    │

└───────────────────┘

 

「うわっはー!すげぇ!」

「凄い!たてがみから爪まで細かいところまで再現されてる!」

 

 このくらいはお茶の子サイサイですよ。こちとら【錬金術Lv.8】、【器用Lv.8】ですからね!錬金術の精度に関しては国家錬金術師顔まけですよ!二十歳の女の子に錬金術の精度負けるとか恥ずかしくないのかよ(一転攻勢)。

 

 さてそろそろですかね(口癖)

 

┌───────────────┐

錬金術を見せるのを続ける  │

│ 錬金術を見せるのをやめる  │

└───────────────┘

 

 さてこれ以上披露してもこちらにメリットは……ありますねぇ!ありますあります!

 折角なので【応用錬成】を使ってみますか。

 

┌───────────────────┐

あなたは靴を鳴らしてフローリングの床か

らショートソードを錬成した。     │

└───────────────────┘

 

 これが【応用錬成】です。今のは靴底に錬成陣を彫っておいて、地面を二度タップすることで発動させる錬成陣を仕込んでおきました。種類はショートソードにしておいています。

 なぜショートソードなのか?それは皆様知っての通り、武器の中で一番火力が出るのはハンマーですが【筋力】がないホモちゃんでは箸より重いハンマーは持てません。そもそもハンマーは【怪力】が無いと攻撃の精度が不安定になります。

 

 その点ショートソードなら材質が石であっても扱えますし、ソードと違って【剣術】の技能がなくても使えます。

 やっぱ……ショートソードって、最高やな!

 

 え?大剣?あんなもの使うくらいならギロチン持っていった方がマシです。あんな筋肉モリモリのマッチョマンの変態専用武器みたいなものを華奢(脚部はムキムキ)なホモちゃんが持てるわけないだろ!いい加減にしろ!

 

「錬成陣なしで……!?」

「いや違う。靴底に錬成陣を仕込んでるんだ!」

 

┌───────────────────┐

これくらいでいいだろう。あなたは二人に

どうだった?と聞いた。        │

└───────────────────┘

 

「凄いですね……錬成速度といい精度といい…」

「…よっしアル!折角フォルさんがここまで見せてくれたんだ。俺達も対価を支払わないとな」

 

┌───────────────────┐

そう言うとエドは両手を合わせてショート

ソードに触れた。すると錬成反応が起こり

ショートソードが元のフローリングの床に

なった。               │

└───────────────────┘

 

「こんなもんでどうかな?」

 

 はえ〜、すっごい……やっぱり手合わせ錬成って便利ですね。自分自身が構築式になるってことは知識さえ持ってれば大体のものを錬成出来るってことですからね。

 素晴らしいわサスケくん……(人違い)あなたの体、私に頂戴!!

 

┌───────────────────┐

あなたはエドの錬金術を賞賛した。しかし

少し気になることがある。本人に聞いてみ

ようかな?              │

└───────────────────┘

 

 遠慮する必要はありません。聞きましょう。あ、お前さKMRさ、さっき錬成してた時に……右腕機械鎧(オートメイル)だったよな?

 いやそんなこと……。嘘つけ絶対機械鎧(オートメイル)だったゾ。

 

「あ、これはその。イシュヴールの内乱の時に……アルもその時に…」

 

┌────────────┐

そうだったの・・・  │

│ ・・・本当に?    │

└────────────┘

 

 本当?(疑惑の目)嘘つきはホモガキの始まりってそれ一番言われてるから。

 

┌───────────────────┐

ジッと瞳を見続けるとエドは息を詰まらせ

て俯いた。人には言えない何かしらの理由

があるのだろう。これ以上詮索するのはや

めよう。無遠慮に聴いたことを謝罪した。

└───────────────────┘

 

 はいこれでフラグ立て(工事)完了です……。

 【応用錬成】を覚えているかつ、マスタングとのコミュニティを解放していると次の日の朝にエドワードが自分の連絡先が書かれた紙を手渡してくれて、エルリック兄弟のコミュニティが解放されます。一宿一飯の恩を返す人間の鏡+114514点。

 

 それでは時刻も遅いので寝ましょうね〜、寝るのもパイロットの仕事よ。

 

 

 オハヨー!、アサダヨ-!オキテ!オキテ!ヨイショ!コラショ!ガンバロウ!(SNKNゼミ並感)

 

「フォルさんこれ」

 

┌───────────────────┐

エドが文字が書かれた紙を手渡してきた。

これはいったいなんだろう?      │

└───────────────────┘

 

 「軍にこのコードをかけてくれれば俺に連絡がいくようになってるから、何かあったら連絡してくれ」

 

 はいコミュニティ解放です。同時にアルも解放されました。さて、これからは【敏捷】を上げます。ストーリーイベントに差し掛かるまでに何としてもレベルを6にしましょう。

 倍速!(アクセルシンクロォオオオオオオ!!!!!)

 

 はい。ストーリーイベント当日です。【敏捷】のレベルは6、何とか間に合いましたね。この日は雨が降っているので大佐が無能になります。

 ホモちゃんが街へ向かうと雨が降っているのに傘もささず走っているエドとアルを見つけます。その後ろに二人を追う褐色のオッサンがいますね。鬼ごっこかな?(純粋)

 

 このまま二人を追いかけましょう。ここで【敏捷】のレベルが5以下だと追いつけずに見失います。しかし7以上だと完璧に追いついてしまいストーリーが変化します。だから6じゃなきゃいけなかったんですね。

 

 さて追いつきました。しかしアルフォンスの鎧は半壊し、エドワードの機械鎧(オートメイル)は全壊しています。まさに絶体絶命!

 

「弟には手を出すな!」

「約束しよう」

「何言ってんだよ…逃げろよ……。立って逃げろよ!」

 

 本来ならもう少しで軍が駆けつけてくれるのですがエドとアルを自宅に泊めるイベントを起こしていると到着するのが遅くなります。

 なのでここで二人を助けないと原作主人公を見殺しにすることになります。そんなことしてはいけない(戒め)

 

┌───────────────────┐

褐色の男の腕がエドに触れる、寸前に男が

バックステップで下がった。先程まで男が

いた場所にはショートソードが刺さってい

た。                 │

└───────────────────┘

 

 では

 

「……何者だ。邪魔するのならたとえ女子供であろうと容赦はせんぞ」

 

┌──────────────┐

その子たちから、離れろ  │

│ この場から立ち去る    │

└──────────────┘

 

 戦闘開始です。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「フォルさん……!?なんでここに…」

「ダメだフォルさん!アンタの敵う相手じゃない!」

 

 アルとエドがそれぞれ言葉を投げかけるがフォルには届いていないようだ。ただじっと褐色の男を睨みつけている。

 

「先程も言ったが、()れはたとえ女子供であろうと向かってくる者には容赦はしない。そこを退くなら今のうちだぞ」

「……私は怒っているの」

 

 褐色の男だけでなくエドとアルも疑問符を頭にうかべる。

 

「子供を、こんなになるまで痛めつけて……」

 

 カツ、カツ、と右足で地面を叩き二度鳴らす。錬成反応である青い光が地面に現れ、短い剣が生えてきた。

 その剣を手に取り、褐色の男に切っ先を向けて言い放った。

 

「悪いけど……手加減、出来ないから」

「何?」

 

 男がフォルの発言を訝しんでいると手に持っていた剣を男に向かって投げつけた。

 しかしフォルの突然の攻撃にも慌てず、右腕で剣を砕き落とした。

 

「こんなもので()れに傷を与えられるとでも……なっ!?」

「ふっ」

 

 フォルはその華奢な見た目に合わず、競技選手のように素早かった。二秒もかけずに男との距離を詰めると、細い脚を鞭のようにしならせて男の身体を蹴りつけた。

 

「ぐっ!」

 

 思わぬ攻撃にガードが遅れるが体格差とは厳しいものである。屈強な肉体を持つ男は平均よりの身長、体重の女性の蹴りを食らった程度では倒れない。一瞬身体がよろめくのが精一杯だ。

 

 だが、その一瞬があれば錬成出来る。

 

 フォルが左足で地面を踏み鳴らすと槍が錬成された。しかし先程の剣のように持ち手から生えてくるのではなく、対象を突き刺さんと切っ先を向けた状態で構築されていた。

 

「ぐっ…!?」

「掠っただけ、ね…」

 

 チョークを取り出して地面に錬成陣を描く。虎を模した石像が食いちぎらんと男に襲いかかった。

 右腕を振りかぶり虎の頭を粉砕することで防ぐ。すると男はフォルに話しかけてきた。

 

「貴様……何者だ…?」

「………ただの錬金術師」

「馬鹿を言うな。国家錬金術師と同等の、いやそれ以上の錬成速度に錬成精度、一介の錬金術師が使う錬金術を超えている」

 

 サングラス越しに目が合う。

 

「もう一度問おう、貴様は何者だ?」

「…………」

 

 考えているのか、敵の目の前だと言うのに瞳を閉じる。絶好のチャンスだが男も攻撃しようとは思っていないようでただフォルの言葉を待っている。

 

「……私はフォールン・モクナワート。今はそう名乗っている」

「今は、だと?」

「エリゼエールの悲劇を、あなたは知っているかしら?」

 

 その言葉を聞いた瞬間、男の目の色が変わった。

 

「エリゼエールだと……!まさか貴様は───」

「お話はこれくらいにしましょう」

 

 いつ間にか錬成陣を描いていたフォルは、地面を錬成して既に矢が装填された状態のバリスタを創り出した。

 男目掛けて拳大の矢が飛んでいく。それを右腕で破壊し、叫ぶようにフォルに言葉を投げかけた。

 

「それを知ったからこそ!尚更解せん!!貴様がエリゼエールの人間だったというのなら!()れのように国家錬金術師を憎むはずだ!!何故()れの行く手を阻む!!」

 

 休む間を与えず矢を錬成して放ち続けるが、男はそれを全て壊し、避けてフォルに語りかける。それが30秒程続いた後、フォルが錬成の手を止めて男に向き合った。

 

「……あなたがなんで国家錬金術師を狙うのか、その理由は何となくだけど分かった」

「ならば!!」

「でも、それは……この子達を傷つけていい理由にはならない」

 

 右腕が合った箇所を抑えながら何とか身体を起こしてこちらを向くエドと、上半身だけになった身体で起き上がることも出来ないアルの方を見て目を伏せる。

 

「憎しみを、はき違えてはいけない…」

 

 伏せていた目を戻し、男と目を合わせて話す。

 

「もっと広い目で、視野を広げて、己の憎しみと向き合いなさい」

 

 フォルの話を聞いていた男は身体を震わして睨みつけた。

 

「……理解出来ん…!己れは神の道に背きし者を滅ぼすだけだ!!」

「フォルさん!」

「逃げてフォルさん!!」

 

 男はフォルの元へ走り出す。それを見たエドとアルが声を上げるがフォルは微動だにしない。

 褐色の右腕がフォルの顔に触れる───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           

           

          

         !!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 銃声が鳴り響いた。

 

「そこまでだ。随分と派手に暴れてくれたな、傷の男(スカー)

「国軍か…」

 

 銃声の元には部下を連れたマスタングと銃を構えるリザがいた。

 

「一連の国家錬金術師殺害の件、市街地破壊の件、一般人に暴行を加えた件、全て償ってもらうぞ」

「両手を頭の上にあげて、彼女の傍から離れなさい!」

「リザ……それにマスタングさんまで」

 

 フォルがマスタングの名を口にすると傷の男(スカー)と呼ばれた褐色の男はフォルから離れ、マスタング達の方へ視線を向ける。

 

「マスタング……国家錬金術師の?」

「いかにも!『焔の錬金術師』ロイ・マスタングだ!」

「神の道に背きし者が裁きを受けに自ら出向いて来るとは…今日はなんと()き日よ!!」

「……おもしろい。この私を焔の錬金術師と知ってなお戦いを挑むか!!愚か者め!!」

「え?ちょっと、大佐!」

 

 リザに銃を渡し、傷の男(スカー)を迎え撃つために錬成陣が描かれた手袋を嵌めて指を鳴らす。しかし火花は出ず、錬成反応は現れなかった。

 

「おうっ!?」

 

 傷の男(スカー)の手が触れる寸前にリザがマスタングの足を蹴り、仰向けに倒された。尚も仕留めようとする傷の男に二丁の拳銃で反撃する。しかし弾丸は一発も当たらず傷の男(スカー)はステップを踏むことで躱し、路地へ下がっていった。

 

わけも分からずいきなり倒されたマスタングはリザの行動に文句をつける。

 

「いきなり何をするんだ君は!」

「雨の日は無能なんですから下がっててください大佐!」

 

 信頼している部下から突然浴びせられた『無能』の言葉はマスタングの頭に重くのしかかり、プライドにヒビが入った。

 

「あー、そうか。こんな雨降ってちゃ湿気って火花出せませんもんね大佐」

 

 マスタングの錬金術は手袋が濡れていると使えないのだ。軍服まで濡れる程の雨の中で傘もささずに立っているのだ。手袋が濡れるのは当たり前だろう。

 

「わざわざ出向いてきた上に焔が出せぬとは好都合なことこの上ない。国家錬金術師!そして我が使命を邪魔する者!この場の全員を滅ぼす!!」

「やってみるがよい」

 

 背後から野太い声が聞こえ、それと同時に丸太のような豪腕が傷の男(スカー)の顔を掠める。コンクリートの壁を粉砕する威力を見て傷の男は顔をしかめる。

 

「新手か……」

「この場の者を全員滅ぼすと言ったな、ならまずはこの『豪腕の錬金術師』…アレックス・ルイ・アームストロングを倒して見せよ!!」

 

 先程のアームストロングの一撃でコンクリートの建物は崩壊した。瓦礫が市街地へ降り注ぐのを見てマスタングの部下がアームストロングに声をかける。

 

「あー!ちょっと少佐!あんまり市街地を破壊せんでください!!」

「何を言う!!破壊の裏に創造あり!創造の裏に破壊あり!破壊と創造は表裏一体!!壊して創る!!これすなわち大宇宙の法則なり!!」

 

  軍服を脱ぎ捨てその素晴らしい肉体を顕にして自論を語る。周りが何故脱いだのか、なんて無茶な錬金術なのかと困惑しているのをよそに、アームストロングの言葉を聞いたフォルが口を開いた。

 

「……言い得て妙」

「え」

「ちょっとフォル!?」

「ほう…話が合いそうですなご婦人。今度一緒にトレーニングでもいかがでしょう?」

「…悪くない」

 

 思わぬ繋がりが出来たところでフォルがアームストロングを制し、傷の男(スカー)に話しかける。

 

「あなたはどう思う?少佐さんの錬金術。……同じ錬金術師として」

「…………」

「なに!?」

 

 錬金術の錬成過程は大きくわけて三つ。『理解』、『分解』、『再構築』と分けられる。傷の男(スカー)は錬成を『分解』の課程で止めているのだ。槍やバリスタの矢を壊す時に錬成反応が出ていたことにフォルは気づいていた。

 

「…この人数を相手にするのは、流石のあなたも分が悪いはず」

 

 投降するように語りかけるが傷の男(スカー)は決して頷こうとしない。諦めるように息を吐いたフォルは「仕方ない」と小声で呟き、話し始めた。

 

「内乱の恨みを晴らしたいのだろうけど…今はまだその時じゃない」

「内乱……?まさかっ!」

 

 フォルの言葉の意味にいち早く気づいたのはアームストロングだった。傷の男(スカー)はかけていたサングラスを外し自分を包囲している軍人達を睨みつけた。

 

「褐色の肌に赤目の……!」 

「イシュヴァールの民か……!!」

 

 沈黙が場を支配する。雨が地面を打つ音だけが響く。傷の男(スカー)は包囲網を見回すと再びフォルに向き直った。

 

「……確かにこれでは使命を果たせそうにないな」

「おっと動くなよ。この包囲から───」

「フン!!」

 

 マスタングの言葉を遮って傷の男(スカー)は地面を破壊した。大量の石材が砕かれ視界を土煙が潰す。市街地の一部は爆撃でも食らったかのような有様になった。

 

「野郎、地下水道に…」

「追うなよ」

「頼まれても追いませんよあんなおっかないの。あーあ、後片付けが大変だなこりゃ」

 

 マスタングと部下の会話を聞きながら傷の男(スカー)が逃げた先を考える。が、直ぐに無駄だなと思い首を横に振る。

 

「おー、終わったか?」

「ヒューズ中佐!!今までどこに!」

「物陰に隠れてた」

「お前な!援護するとかしろよ!」

「うるせー!俺みたいな一般人をお前らデタラメ人間の万国びっくりショーに巻き込むんじゃねー!」

 

 ヒューズと呼ばれた眼鏡を掛けたオールバックの青年は言いたいことを言えたのか、ひとしきり話すと唖然としていた部下達に指示を出した。

 

「って、お前らボーッとしてんじゃねえ!やる事あるだろ!市内緊急配備!人相書き回せよ!!」

「ハッ!」

 

 指示を受けた軍人達が自分らの仕事を始めた中で、エドは路地に倒れているアルに駆け寄った。心配して声をかけるエドワードにアルフォンスが鉄拳を食らわせたことで兄弟喧嘩が始まった。しかしそれはお互いに互いのことを心配していたからこその言い争いで、周りの大人達も止めようとはしなかった。

 

「でも生きてる」

「うん…生きてる」

 

 兄弟喧嘩に区切りがついたところで雨模様だった空に太陽の光が差す。

 二人の姿を見てヒューズがため息をついた。

 

「全く……万国スペシャルびっくりショーだなこりゃ」

「すまん。この事は」

「OK、上には内緒にしておくよ」

「助かる。兄はともかく、弟の体は言い逃れできんからな」

 

 エドワードの機械鎧(オートメイル)はイシュヴァールの内乱で失ったことになっているがアルフォンスの体に関しては言い逃れできない。もし軍上層部に知られればアルフォンスは実験動物のような扱いを受けることになるだろう。そんなこと、あってはならない。

 

「しかし厄介なやつに目をつけられたな」

「ああ…イシュヴァールの民か……」

「マスタングさん」

「モクナワートさん、どうかしましたか?いやその前に」

 

 マスタングとヒューズの会話を遮りフォルが話しかける。フォルが話し始める前にマスタングはフォルに頭を下げた。

 

「この度は我々の到着が遅れたばかりに、一般人である貴女を危険な目に合わせてしまいました、申し訳ありません。つきましては後日、お詫びの品と謝礼金を支払わせていただきます」

「いえ、そんなものはどうでもいいんです」

「は?」

 

 謝罪をどうでもいいと言われマスタングは目を白黒させる。

 

「私が言いたいのはそんなことじゃなくて、あの男のことです」

「スカーのこと…ですか?」

「はい。彼の復讐には正当性があります。けれど、だからと言って人を殺していいことにはなりません。至急、彼を確保しなければいけないと思います」

「それはそうですが……奴は逃げるのも上手ければ隠れるのも上手い。そう簡単に捕まえることが出来ないのが現状なんです。私の部下も自由に動かせることが出来ないので…」

「だからこそ」

 

 フォルが何を言いたいのか分からなかった。しかし、次の一言でマスタングは理解した。

 

「マスタングさん、軍にもどこにも属していないけど自分の指示通りに動く凄腕の錬金術師、欲しくありませんか?例えば───」

 

 ニヤリと笑い、自分を指さす。

 

「私とか」




ホモちゃんは筋力のレベルは1のままですが敏捷がMAXなので脚がムキムキです。毎日走り込みしてれば多少はね?
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