スーパーロボット大戦Z 魔王たちの新たに歩む物語   作:有頂天皇帝

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遅れてしまいましたがお気に入り登録100人越えありがとうございます!!更新が遅いこの小説でそんなに多くの人たちがお気に入りしてくれて嬉しいです。やりたいネタとか沢山あるけどその前の話とか中々思いつかないで更新が遅くてすみません。今回挿入歌を入れてみたりしましたがどうでしょうか?他にも聞きたいこととしては鉄血のオルフェンズからイオクを早い段階で出してもよろしいですか、また気になることや要望があったら気軽に質問などをください。


第13話 交差する明日

日本を経ったZEXISは世界平和維持理事会の依頼を受けてWLFのテロリストを討伐するために行動を開始した。その途中にてAEUのモラリア共和国にてWLFのメンバーの討伐に成功した彼らの前にモラリア共和国に存在する民間軍事会社『PMCトラスト』とアストラギウス銀河最強のAT部隊『レッドショルダー』がZEXISに襲いかかった。

 

強力な兵器を所持しているZEXISの存在を疎ましく思ったことが今回の襲撃のきっかけである。また、PMCトラストのリーダーである『アリー・アル・サーシェス』とレッドショルダーの指揮官である『リーマン』少佐と因縁があったのか刹那とキリコがそれぞれ2人の相手をした。

 

キリコはリーマンを倒すことに成功したが、刹那はサーシェスのイナクトカスタムの動きに翻弄され一方的に攻撃をくらってしまった。さらにその動きがクルジスのKPSAだとわかった刹那はイナクトカスタムのパイロットの正体を知るためにコックピットから出てくるように言ってきた。

 

サーシェスはそんな戯言に従うつもりはないのか信号を無視してエクシアを攻撃しようとしたが、それよりも先に刹那がエクシアのコックピットから出て自らの顔を晒した。この突然の行動にはサーシェスだけではなくZEXISの全員が驚いていた。

 

サーシェスは刹那の行動に驚き思わず笑ってしまった。そして彼は依頼されたガンダムの鹵獲を達成するために刹那を殺そうとしたが、突如戦場に現れたヒイロとデュオの2人と同じコロニーのガンダムであるガンダムヘビーアームズとガンダムサンドロックの助けによりサーシェスは撤退した。

 

戦闘が終わった後、独断行動を起こした刹那に対して一悶着起こったが大事にはならずにその問題も一応は解決した。そしてZEXISの新メンバーとしてガンダムヘビーアームズとガンダムサンドロック。そしてそのパイロットであるトロワ・バートンとカトル・ラバーバ・ウィナーが仲間に加わった。

 

戦闘を終えた後、エルガン・ローディックの指示によりZEXISに対して敵対意識を持つ組織を炙り出しつつより柔軟かつ広範囲の領域をカバーするために部隊を2つに分けることになった。これは暗黒大陸の獣人達が太平洋全域に活動範囲を広げているのと新種の次元獣の発生頻度の増大やWLFの活性化などに対して警戒を上げる必要があるためでもある。

 

それらに対処するため部隊を平和維持理事会の直属である事を公言する表部隊とその存在が秘匿されている裏部隊に分けられることになった。表部隊はマクロス・クォーターを母艦とし編成はS.M.S、マジンガーZ、ダイ・ガード、クラッシャー隊、トライダーG7、グレン団。裏部隊はプトレマイオスを母艦とし編成はソレスタルビーイング、ダンクーガノヴァ、ゲッター、コロニーのガンダム、黒の騎士団とキリコ、そしてクロウ・ブルーストとなった。

 

表部隊と別れた裏部隊はゼロの頼みにより黒の騎士団の知名度を高めるためにエリア11のWLFを攻撃することになった。敵はレッドショルダーも雇っていた為に苦戦を強いられたが問題なく対処できた。あと少しでWLFを全滅させられるところに『ゼクス・マーキス』率いるAEUの特殊部隊である『OZ』とブリタニア・ユニオンのフラッグ・ファイター『グラハム・エーカー』率いるフラッグ部隊とナイトメア部隊、さらにシンジュクで襲ってきた謎のピンクのATが襲撃を仕掛けてきた。

 

謎のATとキリコが勝手に戦場を離れるという出来事が発生し、OZとブリタニア・ユニオンがいるためにキリコを追うことも出来ず裏部隊のメンバーは彼らと戦うのだった。以前戦ったことがあるからか、ブリタニア・ユニオンのユニオンフラッグに乗るグラハム・エーカーはガンダムエクシアを、OZのリーオーに乗るゼクス・マーキスはウイングガンダムを中心に狙っていた。

 

戦闘を終えOZとブリタニア・ユニオン迎撃することに成功したZEXIS裏部隊のメンバーはキリコの後を追った。そしてキリコがいる場所につくとそこにはスコープドックが撃墜されたキリコの姿と謎のATの姿があった。キリコが殺されると思ったスメラギは各機に急いで出撃するよう指示を出そうとしていたが、謎のATはキリコにトドメをささず撤退していった。

 

撃墜された時の怪我の影響で意識を失ったキリコだがプトレマイオスの医療システムのおかげで完治し、スコープドックを破壊されたキリコに黒の騎士団への資材を届けに来た商人のブールーズ・ゴウトから新たなスコープドックを貰った。さらにミサイルランチャーやソリッドシューター、ガトリング砲などAT武装を大量に詰め込み肩をレッドショルダーと同じ暗い血のような赤に塗装しレッドショルダーのマークを右肩につけるなど機体の強化を行っていた。

 

それからZEXIS裏部隊はエルガン代表からの依頼を受けて対イマージュ戦略における最重要機密の回収を行う専用チームのサポートを行うことになった。

 

現場であるインド中央部に裏部隊が着いた時には既に国連の輸送部隊がイマージュの襲撃を受けており、国連が派遣した サーフボードのような飛行ユニットに乗る人型巨大ロボット『KLF(クラフト・ライト・ファイター)』を扱う第303独立愚連隊のメンバーがイマージュと戦っていた。

 

第303独立愚連隊とZEXISが協力してイマージュを全滅させ、後は対イマージュ戦略における最重要機密を強奪するのみかと思っていると次元震が発生し、次元獣が現れた。その中にはクロウのターゲットでもある白いライノダモン級『ライノダモンMD(モビーディック)』も存在していた。

 

そしてライノダモンMDの攻撃によって国連の輸送機が墜落してしまった。第303独立愚連隊のリーダーにしてKLF『ターミナス303』のライダーである『ホランド・ノヴァク』の指示により同じくKLF『二ルヴーシュ』のライダーである『レントン・サーストン』は輸送機の中に入り、目的の対イマージュ戦略における最重要機密の回収を行った。

 

輸送機の中にあるコンテナの中にいたのはレントンの幼馴染みであり過去に連れ去られた少女『エウレカ』がいた。

 

最初は同行を拒否していたエウレカだが、レントンの心からの説得により二ルヴーシュspec2に乗り一緒に同行してくれた。そして、エウレカとレントンの2人の思いが共鳴したのか二ルヴーシュを中心に新たな干渉波が発生し、それが収まると二ルヴーシュの装甲の色が変化すると機体性能も向上『二ルヴーシュspec2』へとなった。

 

そしてZEXISは第303独立愚連隊の援護をしつつ次元獣と戦い始め、クロウもまた自身の標的であるライノダモンMDに1人で戦いを挑んだ。

 

次元獣と戦っている最中に、通常の次元震と異なる次元震が発生し、次元震が発生した場所に全身に赤い結晶体を纏ったかのような、醜悪かつ有機的な外見をした機体が現れた。その機体はクロウをターゲットにし戦闘を仕掛けたかと思えばすぐに戦場から去っていった。

 

謎の機体が去るとクロウは気を取りなしてライノダモンMDとの戦闘を再開した。しかしダメージを与えることは出来たがとどめを刺す前に次元震を使って逃げてしまった為に倒しきることが出来なかったことにクロウは一瞬悔しげに顔を歪ませるがすぐに気持ちを切り替えて次こそ倒すと決意するのだった。

 

戦闘終了後、ZEXISのメンバーとして新たに第303独立愚連隊のメンバーが加入することになったのだが、彼らの母艦である『月光号』である程度話をした限りだとレントンとエウレカを除いた月光号のクルーが何かを隠していると考えたゼロとスメラギは彼らを警戒するのだった。

 

そして現在ZEXIS裏部隊はアザディスタン王国を訪れていた。

 

♦♦♦

 

アザディスタン王国に到着したZEXIS裏部隊は情報収集を行うのと今まで軍に監禁されていたエウレカに外の様子を見せるためにZEXIS裏部隊の何名かが街におりていた。

 

そしてゼロもまたある人物と会うためにアザディスタン王国から離れた場所にある廃墟の地下へとやって来ていた。

 

そこにはゼロとその護衛として同行したクリスティアと龍騎。そして勝手に同行したC.C.がおり、今回の黒の騎士団の取引相手を待っていた。

しばらく待っていると入口の扉が開き、そこから2人の男女が入ってきた。

 

「遅れてしまい申し訳ありませんわ」

 

『問題ない。予定通りの時間だからな王留美』

 

入ってきた女性『王留美』が申し訳なさそうな表情をしながらゼロに謝罪をするがゼロは気にしてないため謝罪は不要と言った。

 

「(彼女が王留美。世界中の社交界で名を馳せる王家の当主にして黒の騎士団の有力なスポンサーの1人)」

 

「(だけど彼女はソレスタルビーイングと繋がりがある疑いがかけられている。真実かどうかは分からないけど警戒しておくに越したことはない)」

 

クリスティアと龍騎は初めて留美に出会ったが彼女はソレスタルビーイングとの繋がりがある疑いがあるため、彼女を通して黒の騎士団不利益が生じる可能性があるため2人は彼女を警戒していた。

 

『それで、やはりこの地にはWLFが潜んでいるのか?』

 

「えぇ、どうやらWLFはこの国の保守派に雇われているそうです」

 

『だが奴らの存在からして素直に雇われているとは思えない。恐らくこの国の第1皇女であるマリナ・イスマイールを誘拐し傀儡政治を行わせこの国を乗っ取る事でも計画してるのだろうな』

 

「その可能性は高いと思われます。現にマリナ・イスマイールの周囲にWLF所属のテロリストらしき姿が確認されてますわ」

 

WLFの目的を察したゼロがそう予測を立てると龍騎美もゼロの予測が正しいことを裏付けるようにWLFがマリナ・イスマイールの周囲にいるとの情報を言った。

 

「それからもう一つ。ゼロ様に有益な情報がありますわ。紅龍」

 

「はい、こちらになります」

 

留美は後ろで待機していた従者である紅龍に声をかけると、紅龍は手元に持っていたタブレットをゼロに手渡す。

 

ゼロは紅龍から受けとったタブレットに書かれている内容を上から順に読んでいく。そこには先程話していたアザディスタン王国に潜んでいるWLFたちについての情報が事細かに書かれているがその程度のことならば留美がわざわざゼロにとって有益な情報と言うわけが無い。

 

そんな事を考えながらゼロは読み進めていくと1枚の写真とそれについての説明を見つけて思わずゼロはタブレットを動かしていた指を止めた。

 

『これは・・・・』

 

「残念ながらお探しのガンダムフレームは見つかりませんでしたが、代わりに以前から貴方が探していたモノを暗黒大陸を調査していた部下が発見しましたわ」

 

『この事を知っているのは?』

 

「発見した部下数名と私たちだけです」

 

ゼロは留美に確認するように質問する。クリスティアと龍騎はゼロが黒の騎士団の戦力強化のためにガンダムフレームのような強力な機体を回収していることは知っていたが、そのゼロが動きを止める程のモノとは一体なんだろうかと疑問を感じる。

 

『そちらは何を求める』

 

ゼロはタブレットから目を離して留美に顔を向けながら留美がゼロに対して報酬として何を求めているのかを尋ねる。留美は笑みを崩さずゼロを見つめる。

 

「その件は実物を届けてから話し合いましょう。コレの価値はそう簡単には決められませんしね」

 

「それほどのモノなんですか?」

 

留美はこの場で報酬を求めず実物をゼロの元に無事に届けることが出来てから求めると言った。龍騎は留美が発見したモノが2人がそう語るほどのモノが何なのかをゼロに尋ねる。

 

『もしコレが私の知っている通りのスペックを持っているのならば、コレだけで国を落とすことが可能だ』

 

「「「っ!?」」」

 

ゼロの言葉に龍騎、クリスティア、紅龍は息を飲んだ。この世界にはMSやKMF、ATなど様々な機体が存在するがそれらの性能では優秀なパイロットでなければたった一機で国を落とすことは不可能である。

 

故にゼロの言っていることから留美が見つけたコレはマジンガーZやゲッターなどのスーパーロボットやランスロットやガンダムなどの特殊な機体と同等かそれ以上である可能性がある。

 

もしそれが本当であるならば未だ未知数である黒の騎士団の戦力がさらに強化されることに未だゼロのことを警戒している紅龍は懸念を感じ、龍騎とクリスティアはそんなシロモノを扱うことは黒の騎士団にとって危険では無いのかと少し不安を感じていた。

 

「それでは後日例の場所に届けさせていただきますので後ほど連絡しますわ」

 

『了解した。では我々もこれで失礼させてもらおうか』

 

「ええ、その時はその仮面なしでの対面を希望させていただきますわ」

 

ゼロは用は終えたことでこれ以上この場に用はないと判断し去ることにした。留美は笑みをくずさずにそう言いながらゼロに向けて頭を下げるのだった。

 

そして取引を終えたゼロにスメラギから連絡が届いた。それによるとどうやらWLFが動き始めたようで数時間前にこの国の第1皇女であるマリナ・イスマイールと偶然その近くに居合わせたリリーナ・ドーリアンがWLFのテロリストによって誘拐され、現在監禁状態にあるそうだ。

 

この国の保守派の狙いはマリナに王政を廃止させ、その上でアザディスタン王国を本来のあるべき姿にすることを目的に動いていた。しかし、WLFの真の目的はマリナを傀儡とし政策やその他全てをWLFの指示に従わせることでアザディスタン王国をWLFの活動拠点とすることであった。

 

現在ヒイロと刹那、そしてクロウの3人がマリナとリリーナを救出するために潜入するための準備を行っていた。そしてその情報を聞いたゼロは留美からの情報とマリナとリリーナが拐われた場所から2人が監禁されていると思わしき場所を絞り込んだ。

 

「やはり貴方もその場所が怪しいと睨んでるのね」

 

『あぁ。こちらの独自の情報源とWLFのデータから予測すれば奴らのアジトなど簡単に判明するものだ』

 

「そうね。こちらもあなたと同じポイントに2人がいると考えているわ。今刹那とヒイロ、クロウの3人が救出するための準備をしていて私たちは陽動として3人のサポートをすることになったわ」

 

『了解した。こちらもすぐにそちらと合流する』

 

「えぇ、よろしくね」

 

これからの行動についての話をスメラギとの会話を終わらせるとゼロは別の場所に連絡を取りながら歩き始めた。

 

『私だ。例のモノの準備は出来ているか』

 

「はっ!既に補給と整備を仕上げそちらへと向かっております!!」

 

『ではこちらが指名したポイントに向いZEXISと合流しろ』

 

『了解致しました!!ではルル─ゼロ様もお気をつけを!!』

 

ゼロは通信の相手である暑苦しい忠義の騎士と呼べる男に内心苦笑しながら通話を切った。そしてZEXISと合流するために待機していたそれぞれの機体へと乗り込み飛んでいくのだった。

 

 

 

ZEXISと合流したゼロたちはWLFが潜んでいると思わしき場所へと向かうとそこにはやはりWLFのアジトがあり、その周囲にはWLFの戦力らしき『スタンディングトータス』や『スコープドック』といったAT、『ヘリオン』や『ティエレン長距離射撃型』といったMS、世界最大の企業グループであるアクシオ財団ご開発した人型機動兵器『アクシオ』。そして巨大機動兵器である『戦車型ジェノサイドロン』と『地上空母型ジェノサイドロン』など多種多様な機体が展開されていた。

 

『ほう、野盗風情にしては中々の戦力を持っているようだな』

 

「なっ!?」

 

「我らが野盗だと!?」

 

ゼロがWLFの戦力に対して見下しながらそう言うとWLFのテロリストたちはゼロの言葉に激怒した。彼らは『理念も信念も打ち砕かれた者が世界を変える下で集った』という大層なお題目を掲げている組織だがゼロからしてみれば馬鹿馬鹿しいとしか言えなかった。

 

『所詮貴様らは自分たちにとって都合のいい言葉を並べて無益な争いを起こすだけの存在だ。ここにいるソレスタルビーイングたちのような覚悟も信念も何も持っていない』

 

「き、貴様っ!!」

 

『どうした。私は事実を述べただけだが?』

 

どこまでもこちらを見下してくるゼロに対して頭に血が上りきったWLFのテロリストたちは機体の武装をゼロが乗るゼダスに銃口を向ける。

 

「おいおい、陽動には成功したけどやりすぎなんじゃないか?」

 

デュオは先程のゼロの挑発が現在マリナとリリーナを救出するためにアジトに忍び込んでいる刹那たちの動きを悟られないためにわざとああ言ったのだと思っていた。

 

確かにこれでWLFのテロリストたちをこちらに釘付けすることに成功はしたが、WLFのテロリストちは完全に頭に血が上りゼロを倒すことに躍起になってしまっていた。冷静さを失った敵というのは何を仕出かすか分からないため、これが吉と出るか凶と出るかは今はまだ判断出来ないでいた。

 

「関係ないわ。敵として向かってくるなら叩き潰せばいいんだから」

 

「違ぇねぇな!そっちの方がやりやすいぜ!」

 

葵と龍馬は好戦的な笑みを浮かべながらそう言った。他の面々も概ね同じ考えなのか戦闘態勢に入っていた。その中でレントンはニルヴァーシュspec2のコックピットの中で悩んでいた。

 

「(流されるままにZEXISに入ったけど、まさかテロリストと戦うことになるなんて・・・・)」

 

第303独立愚連隊がZEXISに加入したことで第303独立愚連隊に所属しているレントンもまたZEXISとして今回出撃することになったのだが、今までKLFで戦闘をしたことはあるがそれは人類の敵であるイマージュや次元獣が相手であり、今回のようなテロリストとはいえ同じ人間と戦うのは初めてだった。

 

人間同士による殺し合いという今までの人生でも経験することがなかった出来事にレントンは人を殺してしまうかもしれないなどの恐怖によって体の震えが止まらなかった。そんなレントンの様子を察したホランドがレントンに通信を入れた。

 

「レントン無理はするなよ。危なくなったらすぐにでも後退しろ」

 

「でも隊長・・・」

 

「もう俺達は独立愚連隊じゃない。俺の事はホランドでいい」

 

「え・・・」

 

ホランドとの付き合いは短いが、それでもここまで自分に対して気を使ったことなどあまり無かったのでホランドがレントンに対して気遣ってる事に動揺した。

 

「死ぬなよ、レントン。お前の隣にはエウレカもいるんだからな」

 

「は、はい!」

 

「レントン・・・」

 

ホランドの一言に気合いが入ったのか気持ちを入れ替えるように勢いよくレントンは返事をした。正直、ホランドが何を考えてエウレカを助け出したのかや人間同士で戦うことに不安を感じていたがホランドの一言で気持ちを入れ替えた。

 

レントンにとって1番に優先すべきことは彼にとって大切な存在であるエウレカを守ることだ。そのために戦う道を選んだのだ。こんなところで立ち止まる訳にはいかないと再認識するのだった。

 

『来るわ!各機戦闘開始!!』

 

スメラギがそう言ったのと同時にWLFは後方に待機しているティエレン長距離射撃型による遠距離からによる一斉砲撃がZEXISに向けて放たれた。

 

ノヴァイーグルやニルヴァーシュspec2、ターミナス303、ガンダムキュリオス、オープンゲットしたことにより3機の戦闘機になったゲッター1などの機動力の高い機体は砲撃をかわしながら接近し、それに続くようにほかの機体が援護するように砲弾を撃ち落としていく。

 

「キュリオス、目標を迎撃する!」

 

飛行形態になっているキュリオスはMS形態に変形すると両腕に『GNハンドミサイルユニット』を装備し、地上にいるWLFを爆撃する。機動性の劣るティエレン長距離射撃型はミサイルをかわすことも出来ず次々と爆散していった。

しかし、機動力に優れたATであるスタンディングトータスやスコープドックはキュリオスによるミサイルの雨をかわしつつ『ヘビィマシンガン』と『ハンディロケットガン』で反撃する。

 

「隼人!ゲッター2でいくぞ!」

 

「了解だ!チェェェェェンジ、ゲッタァァァァ2!!」

 

3機の戦闘機になっていたゲッター1は隼人のジャガー号を先頭にし、武蔵のベアー号、竜馬のイーグル号を順にして合体し左腕がパワーアームで右腕がドリルをした白いゲッターロボ『ゲッター2』へと変形し地上に降りた。

 

「くらえ!ドリルハリケーン!!」

 

ゲッター2は右腕のドリル正面に構え回転させるとドリルから竜巻が発生し、その竜巻はスタンディングトータスやスコープドックなどの地上にいるATたちを飲み込んでいき、ATたちは身動きが取れないまま次々と破壊されていく。ゲッター2のドリルハリケーンから逃れたATたちがゲッター2に攻撃を仕掛けるがカレンの紅蓮弍式とキリコのスコープドックRSCがそれらを破壊していく。

 

「くそっ!味方が次々と落とされてく!?」

 

「怯むな!数はこちらが勝っているのだ!!」

 

上空で戦闘を行っているヘリオンの中の一機がZEXISの戦力に驚愕する。それを部隊長らしき人物が自らを含めたこの場にいるWLFのメンバーにそう言いながら攻撃を続ける。彼の言うとおりWLFの戦力は一介のテロリスト組織にしては規格外と言える程であり現に先程からZEXIS側は多くのWLF側の機動兵器を破壊しているがその数は一向に減らないでいた。数というものはそれだけで脅威であり現に三大国家が反抗勢力であるレジスタンスやテロリストに敗北したことがないのも質が高いのもあるがその圧倒的な国力による数の暴力に寄るところも大きいだろう。

 

故にWLFのテロリストたちはこのまま戦い続ければZEXISも消耗しそこを突けば数が勝るこちらが勝利すると確信していた。しかし、彼らはZEXISの力を侮り自らを過信しすぎていたと思い知らされる。

 

「ヴァーチェ。目標を消滅させる」

 

GNフィールドを展開しプトレマイオスの防衛に当たっていたガンダムヴァーチェはGNフィールドを解除すると主武装である大型ビーム砲『GNバズーカ』を胸部の太陽炉と直結させる。

 

「GNバズーカ・バーストモード!!」

 

GNバズーカから巨大なビームが放たれると砂漠を削りながら射線上にいた敵を跡形もなく消し去る。さらにヴァーチェの攻撃をくらわなかった機体をデュオたちコロニーのガンダムたちとモニカたち黒の騎士団のKMFとMSが撃破していく。

 

「み、味方の損害が八割を超えました!?」

 

「バカなっ!あれだけの数の敵をこうもあっさりと倒すだと!?」

 

陸戦型ジェノサイドロンのコックピットにいるWLFの指揮をとっていたリーダーはZEXISの圧倒的な力に恐怖していた。確かに戦いにおいて数の差というものは重要といえるものである。

 

しかし、彼らが相手をしているのは通常の機動兵器とは比べ物にならないほどの性能を持つスーパーロボットであるゲッターロボとダンクーガノヴァ。三大国家の使用するどのMSよりも高性能なガンダムとゼダスたち。第7世代KMFランスロットと同等の紅蓮弍式。元レッドショルダー所属の凄腕AT乗りであるキリコのスコープドックといった強力な機体と優秀なパイロットたちである。

そんな彼らに対してただ数だけを揃えた烏合の衆であるWLFが勝てるどおりは端からなかったのである。

 

「よっしゃあ!この調子ならあと少しで全滅出来るな!」

 

「油断するな。連中がヤケになって人質に手を出す可能性もある」

 

朔夜はほぼ全滅しているWLFのテロリストを見ながら調子に乗ってついそう言うが隼人が言うように油断は禁物である。もしヤケになって人質であるマリナやリリーナに何かあればZEXISの立場的にも色々と厄介なことになってしまうと誰もが考えられるのだから。

 

「その肝心の刹那たちはまだ二人を救出できてないの!?」

 

「まだみたいだな(急げよ、刹那・・・)」

 

葵がノヴァイーグルをヒューマロイドモードに変形し、3Aダガーでヘリオンに投擲し破壊しながら救出の状況を尋ねるが、ロックオンはまだ刹那たちからはなんの音沙汰もないことを言いながら刹那たちが潜入したWLFのアジトの方を見るのだった。

 

その時、耳鳴りのような音が周囲に鳴り響いた。これは次元震が発生する際に聞こえてくる音であり、実際にプトレマイオスと月光号の計測器で次元境界線の歪曲し、月光号のクルーであるギジェットがZEXISメンバーにそう知らせると同時に次元震が発生しそこからダモン級、ブルダモン級、ライノダモン級が現れた。

 

そこに追い打ちをかけるように残っていたWLFの残党を撃破しながら現れたのは異形の宇宙生物『インベーダー』だった。

 

「次元獣だけじゃなくてインベーダーまで現れるなんて・・・!」

 

「これは流石に予想外ですね」

 

くららとジョニーは突然現れた次元獣とインベーダーに対して思わず顔を顰めながら悪態をつく。そして運が良いのか悪いのか次元獣とインベーダーが現れたタイミングで刹那とヒイロ、クロウがマリナとリリーナ、そしてWLFを雇った生き残りの保守派数名の救出に成功した。

 

刹那とヒイロ、クロウはプトレマイオスに乗り込みマリナたちはゼロが用意していた騎士団のメンバーによって安全な場所へと連れていこうとしている。

 

「スメラギさん!刹那達を収容しました!」

 

「すぐに発進させて!下手をすれば、次元獣とインベーダーの両方を相手にすることになるわよ!」

 

クリスティナはスメラギに刹那たちを無事にプトレマイオスに主要したことを伝えるとスメラギは刹那達にすぐに機体に乗って出撃するように命令する。スメラギの指示を聞いた刹那達はガンダムエクシア、ウイングガンダム、ブラスタを出撃させた。

 

「(あのアイムとかいう野郎・・・本当に次元震を起こしやがったのか・・・?)」

 

クロウはブラスタのコックピットの中で先程の出来事の事を考えていた。刹那とヒイロと共にマリナたちを救出しにWLFのアジトに潜入したクロウだが、そこでクロウはアイム・ライアードと名乗る男と出会った。その男は自らを軍人と名乗ったり、マリナに爆弾が仕掛けられている、クロウの前世の恋人などクロウを不快にさせる様な嘘を喋り続けた。

 

アイムの目的が分からないが、アイムは自らの武器は次元震であると言ったことが事実であるかのように次元震が発生したことからアイムが本当に次元震を発生させたのではないかとクロウは考えさせられてしまう。

 

「(あいつの言葉を信じてたら、精神が参っちまう・・・。今は奴の言葉は忘れる)」

 

しかしここでいくら考えてもアイムが真実を語っているかは分からないため今はそのことを考えるのではなく、目の前にいる次元獣とインベーダーの相手をすることに集中するためにアイムの言葉を一旦忘れることにした。

 

そしてZEXISメンバーが次元獣とインベーダーに対して警戒をしていると、1体の次元獣がマリナとリリーナに近づいていた。

 

「リリーナさん!」

 

「!」

 

「あれは!」

 

「くっ!」

 

マリナが次元獣からリリーナを庇うように前に出た。次元獣が向かう先に同じ生徒会メンバーであるリリーナの姿を見つけたカレンはリリーナを助けようとするがそれよりもヒイロが早く気づきウイングガンダムをバード形態に変形し一気にリリーナ達を襲う次元獣の前にMS形態に再度変形し立ち塞がり次元獣の攻撃を受け止める。

 

「ヒイロ!」

 

「あいつ!皇女達を助けるために自分を盾にしたのかよ!」

 

「でも、あのままでは・・・!」

 

リリーナは自分達を守ってくれたウイングガンダムに乗っているヒイロを心配し、思わず声を上げてしまう。そしてヒイロがリリーナ達を守るために盾になった事にデュオは驚いた。だがカトルはこのまま次元獣の攻撃を受け止めていてはヒイロが危ないと助けに行こうとしたが、それよりも先にヒイロが刹那に声をかけてきた。

 

「刹那・F・セイエイ・・・!お前はガンダムではない!」

 

「!」

 

ヒイロの言葉に刹那は思わず目を開いてしまった。

 

先程、リリーナとマリナを救った際に刹那達はWLFのテロリストたちを殺した事に対してマリナが殺すのではなく話し合いの手段を取れば犠牲が出ないと刹那に言い、一方的な暴力による武力介入を行うソレスタルビーイングの手段を否定するが刹那はそれに対してソレスタルビーイングが武力介入を行わなくとも戦争は起こり犠牲は出ると言い、さらには6年前アザディスタン王国が王政を復活させ国民の意識をまとめるためにクルジス共和国を武力併合を行った戦争に参加していたことと自らがソレスタルビーイングのガンダムマイスターである事を語ってしまった。

 

その時、リリーナが刹那たちソレスタルビーイングの考えでは戦いをさらに生み出すだけであり彼らが言うような戦う力を奪うだけでは戦いが無くなることはなく、平和な世界を実現する事は出来ないと言った。刹那はリリーナの言葉にショックを受け、刹那はソレスタルビーイングのやり方では戦争を根絶する存在『ガンダム』になれないのかと疑心暗鬼に陥ってしまった。

 

「ならば、お前はガンダムになれ!」

 

刹那とリリーナの会話を聞いていたヒイロは今の刹那がガンダムではないというのならば、これから刹那が目指すべきガンダムになればいいと言い切った。そのヒイロの言葉に気付かされた刹那は決意の籠った目になると操縦桿を強く握った。

 

 

挿入歌 『FIGHT』

 

 

「俺は・・・ガンダムに・・・!」

 

ガンダムエクシアは一気にウイングガンダムが対峙している次元獣に近づくとGNブレイドを展開し、そのまま次元獣を一刀両断に切り裂き絶命した次元獣は爆散して消え去った。

 

「ソレスタルビーイングとコロニーのガンダム・・・」

 

「マリナ様!今は逃げましょう!」

 

「は、はい!」

 

同じ三大国家に敵対しながら全く別の組織である2機のガンダムが協力し合う姿にマリナは思わず見入ってしまうが、リリーナの声を聞いたことで正気に戻り今度こそ黒の騎士団のメンバーが二人を安全な場所まで連れて行こうとする。しかし、そこにさらに1体のブルダモン級の次元獣がウイングガンダムとガンダムエクシアごとマリナたちに襲いかかろうとした。しかしそのブルダモン級次元獣の頭上に突如影がかかった。

 

「受けよ!我が忠義の一撃を!!」

 

その声が聞こえたのと同時にライノダモン級次元獣の頭の上に落下してくる両肩がオレンジ色に塗装されたサザーランドが大型ランスを落下の勢いに乗せてブルダモン級次元獣の頭部に突き刺すとブルダモン級次元獣は甲高い声を上げながら絶命して爆散した。

 

『どうやら間に合ったようだな』

 

「申し訳ありませんゼロ様。こちらに向かう途中にインベーダーの群れの襲撃を受けてしまった事で合流に遅れてしまいました。他の者達も間もなくこちらに合流します」

 

次元獣を倒したサザーランドを操縦している男、ジェレミア・ゴッドバルトはゼダスの下へと移動し大型ランスを構える。そしてジェレミアが言った通りに両肩が黒く塗装されたサザーランドとガフランによる部隊とその先頭を赤く塗装された『グレイズリッター』と2機のガンダムタイプMSの『ガンダムアスモデウス』と『アースリィガンダム』がおり、後方には鋭利なシルエットをした黒く塗装された戦艦『ウラノス』が待機していた。ジェレミアの態度から彼等が黒の騎士団のメンバーだと察したZEXISメンバーでありスメラギが確認をするようにゼロに尋ねる。

 

「ゼロ、彼等はあなたの組織の人間で私達の味方という事でいいのかしら?」

 

『そう考えてもらって問題ない』

 

「しっかし、また大層なもんを用意してやがるな」

 

ゼロはスメラギに対して彼らが自分の配下である黒の騎士団のメンバーだと告げる。それに一応の安心を見せるがスメラギたちはこれ程の戦力を持つゼロにより一層の警戒を抱かせるのには十分だった。

 

特に治安維持を目的とした武力組織『ギャラルホルン』が所有するMS『グレイズ』を地球での戦闘を前提とした機動力に重点を置いて改良された『グレイズリッター』とガンダムAGE-1と異なる技術で造られたと思われる2機のガンダムに目を離せないでいた。だが、今はその事ばかりに目を向ける訳にもいかないためZEXISメンバーはインベーダーと次元獣へと注意を向けた。

 

『各機は次元獣とインベーダーを迎え撃つ!マリナ皇女とドーリアン外務次官令嬢を守り抜くぞ!』

 

「え! 皇女様と一緒にいるのってドーリアンの娘かよ!」

 

「前に誘拐を計画したくせに気付かなかったの?」

 

「ちらっと見ただけでわかったゼロやお前がすげえんだよ!」

 

「あたしはアッシュフォード学園で何度も会ってるからね」

 

ゼロはZEXISメンバー各機に指示を出す。玉城は誘拐された中に以前エリア11でまだ扇グループとして活動していた頃に誘拐を企んでいたリリーナがいることに驚いたがカレンはそれに気づいていなかったことに呆れていた。しかし、ゼロことルルーシュやカレンのようにリリーナとよく会っていないのならば顔を覚えていないのも仕方がないだろう。

 

「話なら後にしろ!二大怪獣の揃い踏みなんだからよ!」

 

「気をつけろよ。どうやら、どちらさんも俺達しか目に入っちゃいねえようだ」

 

デュオが玉城とカレンに無駄話を止めるように言い、インベーダーと次元獣に警戒しろと言った。そして隼人が言うように何故かインベーダーと次元獣はお互いの存在に対して敵意を見せずらZEXISに対してのみ敵意を見せていた。

 

「面白いじゃない・・・!チンケなテロリストを相手にするよりスリルあるわ!」

 

「どうせ、こいつらは放っておきゃ、アザディスタンの王都に攻め込むんだ・・・!ここで食い止めるぜ!」

 

葵はWLFのような大した事ない敵ではなく手応えのある敵と戦えることに闘志を燃やしていた。また、クロウが言うようにインベーダーや次元獣を放っておけば近くにあるアザディスタンを襲い、多くの人々が犠牲になってしまう。故にそれを食い止めようと全員が葵達のように闘志を燃やしていた。

 

「やれるな、刹那?」

 

「・・・・・・・・」

 

「お前が違うと言うのなら・・・・意志を持って戦っていると言うのならそれを見せてみろ」

 

ヒイロは刹那に確認するようにそう言うと、刹那はガンダムエクシアのGNソードをインベーダーに向けて決意するように宣言した。

 

「エクシア・・・敵を駆逐する!!」

 

インベーダーと次元獣、ZEXISによる戦闘が始まっているのを戦場から離れていくマリナはその戦いから目を離せないでいたのと同時に困惑していた。

 

「彼等はアザディスタンを守ろうとしてくれる・・・。何の見返りも求めず・・・自分の身を盾にして・・・彼等は何のために戦うの・・・」

 

マリナはアザディスタンと関係ない人間であるZEXISが、かつてアザディスタンが滅ぼしたクルジスの人間にしてソレスタルビーイングのガンダムマイスターである刹那・F・セイエイという少年たちがアザディスタンを守ろうと戦っているのか、何故自ら危険だと分かりながら世間から認められないというのに戦おうとしているのか。

 

彼等がなぜ戦っているのかただの小娘でしかないマリナにはその理由は今は分からないでいた。しかし、彼等が戦っている姿から何故か目を離すことが出来ずその姿が見えなくなるまで戦場に目を向けるのだった。それは隣にいたリリーナも同じだった。

 

 

挿入歌 『FIGHT』 終了

 

 

そして舞台は戦場へと戻り、ZEXISは次元獣とインベーダーの人類にとっての脅威と戦っていた。WLFとの戦いで多少の疲労や燃料や弾薬などの消費もあったがゼロが用意していた援軍のおかげで補給などを行う時間もできたために問題なく戦えていた。

 

「気をつけて下さい!またインベーダーが来ます!」

 

「まったく!お呼びじゃないのよ、あんた達は!」

 

ジョニーがこの場に新たにインベーダーが現れたことを知らせると葵は舌打ちをしながら新たに現れたインベーダーを倒そうとダンイーグルを 向かわせようとしたが、それより先にレーダーに反応が映った。

 

「待ってください!さらに高速で接近する機体があります!」

 

いち早く気がついたジョニーが警戒するように全員に伝えるが、それよりも早くその機体は新たに現れたインベーダーを倒すとそのままダンイーグルの上空にその姿を現した。そして、その機体の姿を見て誰もが驚いた。

 

『紅いダンクーガだと?』

 

ゼロがそう呟いたように突如現れたその機体は細部は異なるものの葵たち4人の乗る四機のヴァリアブル・ビースト・マシン。通称『VBM』が超獣合神した姿であるダンクーガノヴァとその姿は似ているのだった。ゼ

 

「何だ、あいつは・・・?」

 

「インベーダーを倒したって事は私達の味方?」

 

『フ・・・』

 

突然現れた紅いダンクーガに朔哉が言うようにその正体もわからない事から警戒してしまうがくららが言うようにインベーダーを倒したところから味方ではないかという意見もあったが、その意見は紅いダンクーガがダンイーグルに攻撃を仕掛けてきたことで違うことがわかった。

 

「あたしを狙ってきた!」

 

「どうなってんだ!?インベーダーと俺達の両方と戦うつもりかよ!」

 

インベーダーを襲ったかと思えばこちらにも攻撃を仕掛けてきた紅いダンクーガの目的も分からず朔哉は思わず叫んでしまった。

 

「気をつけろ、チームD!あの機体、ダンクーガノヴァと同じジェネレーター反応がだ!」

 

「え・・・!」

 

「じゃあ、あれも・・・ダンクーガ・・・!」

 

紅いダンクーガを調べていたクロウはあの機体から葵達のダンクーガノヴァに使用されている特殊なジェネレーターと同じ反応があることが判明し、葵とジョニーたちチームDは目の前にいる紅いダンクーガが姿を模しただけのものではなく自分達と同じダンクーガであることに驚愕した。

 

『ならば、あいつの相手はお前達に任せる・・・!』

 

「相手の正体もわからないのに危険だわ!」

 

ゼロは紅いダンクーガかダンクーガノヴァと同じジェネレーターを使っていることからチームDに紅いダンクーガの相手をするよう指示を出すが、スメラギは相手の正体も実力も分かっていないのにチームDのみに相手をさせることは危険だと判断しゼロの指示を否定する。しかしそのスメラギの意見を葵自身が断る。

 

「大丈夫よ、スメラギさん。どうせ、あいつはあたし達を狙ってくるから」

 

「インベーダーを片付けたのは、その邪魔になるからだけのようね」

 

「おもしれえ!ケンカを売ってんなら、買ってやるぜ!」

 

「そうですね。やられっぱなしというのは性に合いませんしね」

 

『決まりだ。各機はインベーダーと次元獣の相手に集中、紅いアンノウンはチームDに任せる!』

 

葵を筆頭にチームDのメンバー全員が紅いダンクーガと戦う気のようで闘志を漲らせていた。その姿にスメラギは反対することも出来ずゼロの指示通りチームDだけで紅いダンクーガの相手をすることになった。

 

「いくわよみんな!」

 

「ええ!」 「おう!」 「はい!」

 

「超獣合神!!」

 

「「「「ダンクーガノヴァ!!」」」」

 

葵の掛け声を合図に四機のVBMは超獣合神し、一機のスーパーロボット『ダンクーガノヴァ』へとなった。

 

『ダンクーガノヴァ・・・』

 

紅いダンクーガのコックピットの中でパイロットの人間がダンクーガノヴァの姿を見るとその名を呟いていたが、当然の事ながら葵達にその声が聞こえるはずもなく葵たちは紅いダンクーガと向けて攻撃を放とうとする。

 

「まずはアレを撃ち落とします!ミサイルデトネーター!!」

 

ダンクーガノヴァの腰の左右のランチャーを展開すると多連装ミサイルを紅いダンクーガに向けて放つが紅いダンクーガはミサイルの合間を潜るように避けた。

 

「次はコイツだ!ブゥゥスト! ノヴァ! ナックルゥゥゥッ!!」

 

ミサイルをかわしている紅いダンクーガに照準を合わせながら右腕を向けると、ロケットパンチの要領で右拳を撃ち出した。ミサイルをかわしていた紅いダンクーガはブーストノヴァナックルが迫ってくるのに気づくと回避は間に合わないと感じたのか二本の剣を取り出したかと思えば二本の剣を連結させそのままブーストノヴァナックルの軌道を逸らして防いだ。

 

「あれって断空剣!?」

 

そして紅いダンクーガは二本一対の剣を連結させた『ダンブレード・ツイン』を握ると一気に加速してダンクーガノヴァへと接近してきた。

 

「そっちがその気ならこっちもやってやるわ!断空剣!!」

 

戻ってきた右拳で左足から射出した断空剣の柄を握ると刀身が生え、そのまま向かってくる紅いダンクーガのダンブレード・ツインを迎え撃つ。

 

「あんた、何者なのよ?ケンカを売るにしても、最低限の礼儀ってのがあるんじゃない?」

 

『・・・・・・』

 

「黙秘ってわけね・・・。だったら、悪いけど、少しばかり痛い目に遭ってもらうわ!」

 

断空剣とダンブレード・ツインが鍔迫り合っている中、葵は紅いダンクーガのパイロットに対して葵達チームDとダンクーガノヴァを襲ってきたのかその理由を尋ねるが相手のパイロットはそれを無視する。葵はそんな紅いダンクーガのパイロットに対してそう言うと断空剣を握る力を強め、紅いダンクーガをそのまま勢いよく弾き飛ばした。そして弾かれた紅いダンクーガはその勢いを利用して上空へと飛び上がって距離をとると体勢を立て直し落下する勢いを利用して再びダンブレード・ツインでダンクーガノヴァを斬り飛ばす。

 

「くっ、やってくれたわね!だったら次はこれよ!」

 

「断空砲、アルティメットフォーメーション!」

 

「脊髄反射システム・・・コネクト。マキシマムレベル!シューーーーーート!!」

 

葵は断空剣を収納するとジョニーの掛け声と共に両手を収納して砲身をせり出した腕部キャノン、背面に装備したキャノン砲『アブソリュートキャノン』。そしてミサイルデトネーターを展開するとくららが紅いダンクーガに照準を合わせるとそのまま発射のトリガーを引き、一斉射する。

 

紅いダンクーガはミサイルデトネーターをかわした時と同じように回避行動をとるが、全てかわしきることが出来ず翼に攻撃が掠めたことで体勢が崩れた。

 

「よし!この調子で一気に攻めるわよ!!」

 

葵はダンクーガノヴァの背中のブースターを噴かせると地面に降りた紅いダンクーガに接近する。距離を近づけたダンクーガノヴァは再び断空剣を取り出すと紅いダンクーガに斬りかかろうと一気に近づこうとするが、ダンクーガノヴァの後方に現れたインベーダーが襲ってきたことによってそちらに気を取られたその一瞬の隙をつかれ紅いダンクーガは距離を詰めるとそのままダンブレード・ツインでダンクーガノヴァに斬りかかり、ダンクーガノヴァは地面に倒れ伏してしまった。

 

「こんっの!」

 

もう一度紅いダンクーガに攻撃を仕掛けるために地面に腕をつけ脚に力を込めダンクーガノヴァを立ち上がらせようとするが、立ち上がる隙すら与える気はないのか紅いダンクーガは地面に降り立つとダンクーガノヴァを見下ろし、ダンブレード・ツインの剣先を突きつける。もはやこれまでかと葵達は迫ってくるダンブレード・ツインと紅いダンクーガを睨みつける事しかできなかった。そう思っていたその瞬間──

 

『ったく、見ちゃいられねえぜ!』

 

そんな男の声が聞こえたかと思えば、ダンクーガノヴァの後方に現れたインベーダーを倒しながら現れた紅いダンクーガともダンクーガノヴァとも異なる新たなダンクーガに似た翼のある黒い機体は紅いダンクーガに迫るとその身体を断空剣で斬りつける。

 

斬られた紅いダンクーガは斬られた衝撃によって機体を損傷したのか機体のあちこちから火花を散らしていた。

 

『くっ、これ以上の戦闘は無理かっ!覚えていろ、ダンクーガ・・・!!次こそは私とR-ダイガンで貴様達を倒してみせるっ!!』

 

紅いダンクーガのパイロットは機体の状態からこれ以上の戦闘続行は不可能と判断して戦場から離脱していった。葵達は去っていく紅いダンクーガ──R-ダイガンの姿をただ黙って見ることしかできないのだった。

 

「R-ダイガン・・・それがあの紅いダンクーガの名前・・・」

 

葵は戦場から去っていったR-ダイガンの消えていった方に目を向けながらその名前を呟くと負けた悔しさから自分でも気が付かないうちに操縦桿を握る手に力を込めるのだった。

 

「それよりどうなってんだ、これ・・・?」

 

「紅いダンクーガ・・・R-ダイガンを倒したのもダンクーガなのか・・・」

 

「あのダンクーガの剣・・・私達のダンクーガと同じ断空剣だったわよね・・・」

 

朔哉はR-ダイガンにやられるかと思えばまた新たに現れたダンクーガに似た機体によって助けられた今の状況に呆気に取られ、ジョニーはR-ダイガンを倒したあの黒い機体もまたダンクーガノヴァと同じダンクーガなのか考えていた。そしてくららは黒い機体が使用していた剣がダンクーガノヴァの使用している断空剣と同じものであることに驚愕していた。

 

『ま・・・とりあえずの役目は果たしたか。帰ったら、お小言が持ってるだろうがな』

 

「待って・・・!いったいあなたは何なの!?」

 

黒い機体のコックピットの中で男はそう呟くとR-ダイガンが去った方とは反対の方へと機体の顔を向けると同じように戦場から去ろうとする姿に葵は思わず声をかけてしまった。その声に反応したのか黒い機体は足を止めダンクーガノヴァに顔を向けた。

 

『そうだな・・・。勝負の切り札・・・最後のダンクーガとでも呼んでくれ』

 

「最後の・・・ダンクーガ・・・」

 

『じゃあな!』

 

黒い機体──最後のダンクーガと名乗るその機体はのパイロットである男は機体の名前を語ると葵は復唱するようにその名を呟くと黒い機体は戦場を去っていくのだった。

 

「行っちゃった・・・」

 

「最後のダンクーガ・・・。ファイナルダンクーガとでも呼べばいいんでしょうか・・・」

 

「どういう意味だよ、最後ってのは!俺達にとどめでも刺すってのかよ!」

 

「わからない・・・。あのR-ダイガンっていう紅いダンクーガを本気で倒す気もなかったみたいだし・・・」

 

「R-ダイガンとファイナルダンクーガ・・・。全て謎ね・・・」

 

R-ダイガンとファイナルダンクーガというダンクーガノヴァとは異なる2機のダンクーガたちの存在と何のために行動をしているのかその目的も分からないために困惑しながら去っていった方向を見るしかできないでいた。

 

そしてダンクーガノヴァたちの戦闘が終了したのと同じようにZEXISメンバーたちもまたインベーダーと次元獣たちの殲滅を終了させていた。

WLFとの戦闘に続いての次元獣とインベーダーとの連戦に疲労していたZEXISメンバーは戦闘が終了した事で気を落ち着かせていた。

 

「・・・・・・」

 

戦闘を終えた刹那はガンダムエクシアの武装を収納すると戦場を離れると避難していたマリナの前まで移動した。

 

「ソレスタルビーイング・・・!」

 

「聞こえるか、マリナ・イスマイール?」

 

「刹那・F・セイエイ!本当に・・・本当にあなたなの!?」

 

マリナは前に現れたソレスタルビーイングのガンダムであるガンダムエクシアに驚くが、それ以上に刹那が本当にソレスタルビーイングのメンバーでガンダムに乗っていたことに驚きを隠せないでいた。

 

「あの男・・・!何をするつもりだ!?」

 

「黙って見ていろ」

 

前回と同じように自らの顔を晒している刹那に苛立ちを隠せないのかティエリアはガンダムヴァーチェをガンダムエクシアの元に向かわせようとしたが、ヒイロがそれを止める。

 

「お前にしちゃ、随分と親切じゃないかよ」

 

「・・・自分でもわからん・・・」

 

「え?」

 

「あいつも・・・刹那・F・セイエイもリリーナと同じだ・・・」

 

デュオがティエリアを止めたことを意外そうに言うが、ヒイロ自身も何故そうしたのか分かっていなかった。ただ、刹那とリリーナ考え方は違えどどこかに同じように思えたから行動したようだ。

 

「マリナ・イスマイール、これから次第だ。俺達も、この国も」

 

「・・・・・・」

 

「戦え、お前の信じる神のために」

 

「刹那!」

 

「各機は速やかに後退を。合流地点はポイント1710よ」

 

「俺は・・・ガンダムになる」

 

刹那はマリナに対してアザディスタンもZEXISもこれからの行動によってその存在は人々に評価されるものだと告げ、そのために戦えと言った。マリナは刹那の名を呼ぶがそれよりも先にスメラギが全員に後退の指示を出したことでZEXISの機体と戦艦はそれぞれルート別に後退し始めたために刹那もマリナに何も答えずに後退するのだった。

 

「ソレスタルビーイング・・・刹那・F・セイエイ・・・」

 

マリナは後退していくZEXISと刹那が乗っているガンダムエクシアの姿が完全に見えなくなるまでその姿を見続けるのだった。そして同時にある事を決意するのだった。

 

後日、マリナは再びアクシオン財団代表のカルロス・アクシオン・Jrとリモネシア共和国の外務次官シオニー・レジスと会談を行い、以前話していたリモネシア共和国との同盟並びにアクシオン財団の資本導入の件についてマリナは最良の方法を検討するためにもう少し時間が欲しいと考え、2人にその件を断る事を伝えた。

 

WLFとZEXISの戦っている姿を見たマリナは確かに2人の案を受け入れればアザディスタン王国は豊かになるかもしれないが、圧倒的な力によって今の状況を一変させてもその事に納得できない人間によって新たな争いが必ず起こってしまうとマリナは考えていた。だからこそアザディスタンの全ての民が納得する方法でこの国を変えていきたいとマリナは思いそのために行動していくつもりだ。

 

そんな今の世界の情勢を理解せず、そんな考えで女王として国を導こうとしているマリナの浅はかさにシオニーは怒り、二度と支援の話をしないと部屋を後にしカルロスもその後に続くのだった。

 

マリナは自分の判断が本当に正しかったのか、これから先本当に自分はこのアザディスタン王国の王女として国民を守ることが出来るのか、そして遠い地で戦っている刹那・F・セイエイのように自分も戦うことが出来るのか様々なことに不安を感じるばかりだった。

 

この時のマリナの選択が正しかったのか間違っていたのかまだ誰にも分からない。しかし、それでもマリナはこの選択を間違いで無いものにするために行動を続けなければならないのであった。




◆◆◆


ガンダムアスモデウス
型式番号 ASW-G-32
全高 18.0m
本体重量 32.5t
装甲材質 ナノラミネートアーマー
動力源 エイハブ・リアクター×2
使用フレーム ガンダムフレーム
武装 ハンドガン×2 対MSナイフ ヒートウイング ヒートソード

ガンダムフレームの一機でありデブリ帯で半壊している状態のものを黒の騎士団が回収し機体データを元に修理した機体。コックピットは本来のものが修復不可能だったためにヤマトフレームのものを組み込んでいる。中距離・近距離の戦闘に特化した機体であり、背中の翼型ブースターである『ヒートウイング』の8枚の羽が刃型ビットとなっており遠隔操作によって敵を切り裂く他、ヒートソードと連結することで大剣にすることが可
機体イメージはガンダムバルバトス第2形態を黒く塗装し機体の装甲も厚くなっている上で鋭さを増している。

アースリィガンダム
型式番号 PFF-X7/E3
全高 18.7m
本体重量 45.4t
武装 ビームライフル シールド ビームサーベル バルカン

『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』のクガ・ヒロトの機体であるコアガンダムとアースアーマーがドッキングした機体。今作では次元震で飛ばされたのかとある遺跡で半壊した状態のコアガンダムを黒の騎士団が発見し、機体の中に残っていたデータを元に現在アースアーマーを含めた他のアーマーを製造中である。
武装はビームライフルとビームライフルといったオーソドックスになっているが、ビームライフルをエネルギーパックを内蔵したシールドと接続させることで時間はかかるが強力な一撃を放つ事が可能。また、他のメンバーの機体も同じ遺跡にて発見されており現在修復中である。

ウラノス
黒の騎士団が所有する宇宙戦艦の1つ。イメージはガンダムAGEの母艦である『ディーヴァ』を黒く塗装したものであり、前方に艦載機用カタパルトを持つ薄い楔状の外観が特徴。前方に艦載機用カタパルトを持つ薄い楔状の外観が特徴。武装は甲板上のビーム主砲や、ビーム撹乱弾などの各種弾頭を射出するミサイル発射管、多数の対空ビーム砲などである。

表部隊と合流するために人格連のタクラマカン砂漠へと向かう裏部隊。その途中、ゼロは数名の部下を連れて別行動をとった。残った黒の騎士団のメンバーたちはゼロがいない間も各々がやるべきことを行う。その中で1人、モニカは訓練の最中にかつて、ルルーシュに忠誠を誓った日のことを思い出していた。

次回、第13話『銃士の秘めたる思い』

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