スーパーロボット大戦Z 魔王たちの新たに歩む物語   作:有頂天皇帝

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前回本編と同じ感じで進めるからオリジナルルートをやると言いましたが、やってみたい話ができたので今やっているオリジナルルートが終了したらルルーシュたちがZEXISのメンバーと合流する原作ルートの続きからやることにします。とりあえず今回ではスパロボZでは参戦しなかった『鉄血のオルフェンズ』『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』のキャラたちの戦闘があります。それから感想や意見などを貰えると作者としては嬉しいので書いて貰えたら幸いです!そしてハナバーナさん活動報告にてコメント頂きありがとうございます!書いていただいた機体を参考にルルーシュの専用機にするのもありかなと考えてます。ただ元になったオフルマズドの画像が中々見つからないのが少し難点でした。それでは本編をどうぞ!


第8話 鉄華団とタービンズとザンネン5

スーパーロボット大戦Z 魔王たちの歩む物語 8話 タービンズと鉄華団とザンネン5

 

ハンマーヘッドから少し離れた場所で待機している戦艦『スィン・ルン級重巡洋艦』、『カルセドニー級巡洋艦』、デブリ帯での航行を考慮し前方に槍の先端のような形をしたシールドを備え、作業用のサブアームと通常より多い射撃武装が追加された黒く塗装された装甲強襲艦『ブリューナク』がタービンズと鉄華団の会話が終わるのを待っていた。彼らはゼロの命令によってタービンズの護衛として同行している黒の騎士団傘下の傭兵部隊『ブラッディガルム』。主に宇宙で活動している彼らは宇宙海賊の討伐や阿頼耶識システムを無理矢理埋め込められた宇宙ネズミと呼ばれるもの達の保護、艦の護衛などをおこなっている。

 

主に使用している兵器は『マン・ロディ』や『ガルム・ロディ』、『ティエレン』、『フラッグ』などのMSを中心に部隊を編成し行動する。更に今回の依頼で不測の事態に対応ができるように黒の騎士団最新鋭MS『ガフラン』3機と開発中の機体である『ゲシュペンスト』が与えられたことで『ブラッディガルム』の面々はゼロの期待に応えるべく気合いが入っており何が起こっても問題がないように何時でも行動できるように待機していた。

 

「連中、どう出ると思うかね?」

 

シュバルツのブリッジにてブラッディガルムのリーダーである前髪の一部が赤いメッシュの黒髪の青年──レイブンはコーヒーカップを片手にタービンズと鉄華団の会話が終えるまでの暇つぶしとして副官である長い金髪の青年──アルカ・ホークスに鉄華団がどのような行動に出るかを尋ねてみた。

 

「私に聞かずとも貴方ならば分かりきっているのでは?」

 

「硬いことを言うな。軽い暇つぶしのようなものだ君の考えが聞きたいのだよ」

 

レイブンは笑みを浮かべながら硬い表情をしているアルカに質問を投げかけると最初は答える気はなかったが上官であるレイブンの無茶ぶりのような質問はいつものことであると諦め仕方なく答える。

 

「高い可能性で鉄華団はタービンズと戦闘に入るでしょうね。彼らのCGS時代の扱われ方を知っていれば彼らが大人しくマルバに資産を渡すはずもありませんし、彼らとしてもクーデリア・藍那・バーンスタイン嬢を地球に送り届けるためにもテイワズの後ろ盾は必須です。よって交渉は決裂し戦闘に入ると断定できます」

 

アルカは事前にゼロから与えられた情報を元に鉄華団がどのように行動を移すのかを予想する。護衛依頼を受けた際にゼロから依頼内容だけでなく鉄華団の面々がCGSを乗っ取った動機や彼らの所持する武装、個人情報などあらゆる情報も渡されていたために彼らがどうするかなど簡単に予想出来た。その答えに満足が言ったのかレイブンは笑みを浮かべながら頷いていた。

 

「うん。やはり君も私と同じ予想になったか。まぁ事前に渡された情報を見ればそう考えるのは当たり前だね」

 

「では我々はどうしますか?」

 

「このまま待機するさ。これは彼らの問題なのだから我々が介入すべきでは無いしな。なぁにどうせ何らかのイレギュラーが発生して我々が出撃するようなことが起こるだろうさ」

 

「それはいつもの勘ですか」

 

「フッ」

 

意味ありげな小さい笑みを浮かべるレイブンにアルカは嫌な予感を感じながら頭を抱えてため息を吐く。レイブンの勘は高確率で当たるために確実に何か起こるだろうと容易に想像出来るため、何が起こっても問題ないように警戒を続けるのだった。

 

 

─────そして彼らの予想通り、タービンズと鉄華団の交渉は決裂し戦闘に入るのだった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

ライが格納庫に向かっている頃、イサリビのブリッジにはオルガを筆頭に鉄華団の主だったメンバーとクーデリアが集まっており、前方にある強襲装甲艦『ハンマーヘッド』に乗っているマルバから依頼されて火星に向かっていたタービンズのリーダー『名瀬・タービン』と会談していた。マルバの依頼を受けた名瀬はその代金としてオルガたちにCGS時代の財産の引渡しを要求してきたがオルガはそれを拒否し、対MS・対艦の戦いになるのだった。

 

「まぁオルガたちならその選択をとるだろうね」

 

パイロットスーツに着替え、自らの愛機である青い日本鎧のような装甲をしたMS『アマツ』に乗り込んだライはオルガたちの判断に小さな笑みを浮かべるとおやっさんこと『ナディ・雪之丞・カッサパ』が既にMSに乗り込んでいる鉄華団のMSパイロットである『三日月・オーガス』のガンダム・バルバトスと『昭弘・アルトランド』のグレイズ改が何時でも出撃が可能であることをオルガに伝えていた。そしてオルガは全員に伝えるように

 

『いいかお前ら!!テイワズの傘下に入るためにもマルバの野郎とタービンズの連中に俺たちが唯のガキじゃねえことを見せつけてやるぞ!!』

 

オルガの言葉に鉄華団の面々はヤル気を出し、各々の仕事に取り組むのだった。ライはオルガの言葉と鉄華団の様子を見て少し懸念を感じていたが今言うべきことでもないため今は自分のやるべきことに集中しようと操縦桿を握るのだった。そして、ハッチが解放されてMSが出撃していった。

 

「三日月・オーガス、バルバトス出るよ」

 

「昭弘・アルトランド、グレイズ出るぜ!」

 

「ライ・アルトリウス、アマツ出撃する」

 

イサリビから3機のMSが出撃すると、ハンマーヘッドの方でも3機のMSが出撃していた。ハンマーヘッドから出撃してきたMSはピンクとダークブルーに染められたテイワズを代表する汎用MS『百錬』二機と、背部に巨大なブースターユニットを備えた高機動MS『百里』。百里が先行してイサリビに向けて攻撃しようとブースターを噴かせると一気に距離を詰めようとするがその進行方向にバルバトスが移動すると装備している『300mm滑空砲』を百里に向けて砲撃するも百里はそれを難なくかわしつつライフルをバルバトスに向けて連射してくる。三日月はライフルの射撃に当たらないようにかわしつつ百里に接近していた。

 

『じゃあそっちの相手は2人に任せるね』

 

『お、おう!』

 

三日月は昭弘とライにそれだけ通信を入れるとすぐに切ってバルバトスは飛び出していき百里をむかえうとうとした。しかし勢いよく飛び出したものの、バルバトスは苦戦を強いられた。

 

『ちょこまかと・・・・ウザいな』

 

三日月は百里に向けて滑空砲を何度も放つが通常MSが使用するライフル系の武器に比べ威力は絶大だが大型故に小回りがきかず百里のような機動力の高い相手には不利な武器であるためその砲撃はカスリもしなかった。その上バルバトスは元々300年前の機体な上CGSの基地動力源としてろくに整備せずに放置されていたために劣化しており本来の性能が出せないでいた。鹵獲したグレイズのパーツなどを使って応急処置してあるものの満足なスペックに至っていないのが現状である。

しかし、その三日月を相手している百里のパイロットである『ラフタ・フランクランド』もまた苛立っていた。

 

『このお!いい加減堕ちなさいよ!!』

 

バルバトスを相手にスピードで翻弄することは出来ているのだが戦闘が始まってから一度も致命打を与えることが出来ていなかった。それはバルバトスの動きに原因があった。

 

ぬるりと、まるで生物のように有機的に動き、直撃を避けている。その独特なマニューバーを生じさせているのは『阿頼耶識システム』の恩恵だった。

 

パイロットの脊髄にインプラントされた有機デバイスを介して機体とパイロットを接続し、機械的なプログラムに縛られない生物的な操作を可能とするこのシステムは、地球圏では忌み嫌われ非合法な少年兵やヒューマンデブリに対し施されることが多かった。しかしその効果は絶大で、全くMSの操縦を習ったことがない人間でも即座に熟練のパイロットのごとく機体を扱うことが出来る。またこのシステムは施術の回数が多いほど伝達される情報が増加し、そして本人の反応速度も向上する。三日月はこれを三回受けており、本人の鍛え上げた技量も相まって、圧倒的に不利な状況にありながら互角の戦いを繰り広げるほどの力を与えていた。

 

『邪魔をするなよ』

 

『あんたがあたしたちの邪魔をしてるのよ!』

 

一方的に見えた三日月とラフタの戦いだったが、その実は膠着状態を迎えている。

そして昭弘の方であるが、

 

『中々しぶといね』

 

『ここを任されたんでなぁ!あいつに!!』

 

三日月に対しライバル心のようなものを抱いている昭弘は、彼からここを任されたという状況を、実力を認められ信頼されたと判断していた。元々責任感の強い少年であり、その上でヒューマンデブリとして使い捨ての駒のごとく扱われていた自分に信を置いてくれたことに対し、全力で応えねばという意志を持ったのだ。

 

故に死力を尽くして食い下がる。それは技量の差を覆すとまでは行かないが、アジーの百錬を足止めするには十分な成果を出していた。

 

『いい加減!』

 

百錬が振るったブレードが直撃し、グレイズ改の頭部が大きくひしゃげ、機体が仰け反る。

 

『ま、まだだと言った!』

 

ぎぎいと軋みながらグレイズ改の左肩後方にマウントされていたバズーカが起きあがり、砲口が百錬へと向けられた。

 

『くっ!』

 

極至近距離からの不意打ちはしかし、かろうじて回避された。再び距離を取った二機は仕切直しをした。そしてライとアミダの方はというと・・・・

 

『随分としぶといなっ!』

 

『あんたも中々やるじゃないか!久しぶりに熱くなってきたよ!!』

 

MSの戦いの中で最も苛烈な戦いをライとアミダは続けていた。アミダのピンクに染められた百錬の片刃のブレードとライのアマツの太刀が何度も刃をぶつけ合い火花を散らせていた。

 

アマツの袈裟斬りに振り下ろした刀を百錬はブレードで受け流すと反対の手に握っていたマシンガンの銃口をアマツのコックピット部分に向けて撃とうとしたがアマツは百錬の胴体をを蹴って距離を取ることでマシンガンの射程から逃れたかと思えば距離を詰めて斬りかかる。

 

『いいねぇ!子供だと思っていたら中々の腕じゃないか!』

 

アミダは笑みを浮かべながらブレードで斬りかかるのを今度はアマツが刀で防ぎそして返す刀で斬りかかるのを百錬は紙一重でかわしながらマシンガンを撃つ。こうして何度も2人は斬り合い、撃ち合い、かわし合うなどして互いの力をぶつけ合っていた。

 

その様子をイサリビとハンマーヘッドで見ていたオルガと名瀬たちはそれぞれ感じている思いは違うがどちらも共通しているのは戦っている相手の強さに驚愕していることだろう。

 

「まさかライの奴と互角に戦える奴がいるなんてな・・・」

 

格納庫に移動していたオルガはまさかライが苦戦するとは思わず苦虫を噛んだような顔をしていた。

ライの実力は鉄華団の誰もが認める程であの三日月すらも彼には勝てないと言わしめる程だ。現にギャラルホルンとの一騎打ちの際には相手のグレイズを一撃で仕留めた。そんなライが互角に追い込まれるなど予想外だがそれほどテイワズの力があるのだと考えると地球に向かうためにも何としても傘下に入らなくてはならないと再度思わされた。

 

「オルガ!こっちは準備できたぞ!」

 

「あぁわかった!」

 

MW(モビルワーカー)に乗っているシノがオルガに声をかけてきたのでオルガはそれに返事をしてそちらへと向かう。オルガたちは三日月たちが戦っている間に次の作戦に取り掛かるのだった。

そしてハンマーヘッドの方では名瀬が思わず冷や汗をかいており、ハンマーヘッドのクルーたちは何も言えないでいた。

 

「ガキの集まりだと甘く見ていたがこいつは想像以上にやるみたいだな」

 

最初はおいたしたガキどもにお仕置をしようと考えていたが思った以上に鉄華団がやることに名瀬は驚いていた。特にアミダと戦っているアマツのパイロットに名瀬は興味を抱いていた。

 

アミダは圏外圏で最強クラスの名付き(ネームド)パイロット『ルージュのアミダ』として名が知れ渡っておりその実力は名瀬が知る限り地球圏のグラハム・エーカーやゼクス・マーキス、セルゲイ・スミルノフなどのエースパイロットらにも引けを取らないと思っている。そんなアミダ相手に互角に相手取っているのだからそのおど。

 

しかも相手の機体は300年前の厄祭戦時に開発されたヤマトフレームのアマツ。防御力を高めつつ機動力を確保しているロディフレームと違いバルバトスのようなガンダムフレームを製造する試作フレームとして『ツイン・リアクターシステム』やガンダムの武装などを搭載されたヤマトフレームはガンダムフレーム以上に操作性に難があり現在では基本的に乗り手が限られておりデブリ帯で見つけられたとしてもリアクターを回収するだけでフレー厶が使われることは無い

 

そんな機体を使った上でアミダと渡り合っている相手に名瀬は警戒を抱かせるのに十分だがそれと同じくらいにどんな奴なのか興味が尽きないでいた。そんなことを考えているとハンマーヘッドのブリッジクルーの1人である『エーコ・タービン』が慌てた様子で声をかけてきた。

 

「名瀬!ここら一帯に時空震の予兆の反応が発生したよ!」

 

「なに、こんな時にか!?チッ、アミダたちとガキ共に連絡して急いでこの場から離れさせろ!」

 

名瀬は想定外の出来事に驚いたがすぐに鉄華団を含めてこの宙域にいる全員にその事を知らせるように指示を出すと鉄華団もそれを聞き入れMSに乗っていたパイロットたちは戦闘を中断しそれぞれの旗艦であるイサリビとハンマーヘッドの側まで戻ると次元震が発生し、凄まじい光が辺りを輝かせその光が収まると次元震が発生した場所の中心にダモン級次元獣たちと見たことも無い戦艦と五機のロボット、そしてこれまた見たことも無い黒褐色の生物的な機体や同じような黒褐色の小さな戦闘機がいた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

次元震から現れた戦艦───『ゴディニオン』のブリッジでは突然の出来事に動揺しクルーたちと五機のロボット──『アッシュ』に乗っているパイロットたちはどうすればいいか分からなくなっていた。そんな彼らの前では彼らの世界の人類の敵である謎の『ウルガル』が次元獣との戦いを始めていた。

 

『ウルガルと戦ってるのは一体何なんだろう・・・』

 

赤いアッシュ『レッド5』に乗っている『ヒタチ・イズル』はウルガルと戦っている次元獣のことを知らないためその正体が何なのかが気になっていた。

 

『今はそんなこと気にしてる場合じゃないだろ!俺たちはさっきまでウルガルたちと戦ってたのに全く別の場所にいるんだぞ!?』

 

青いアッシュ『ブルー1』のパイロット『アサギ・トシカズ』はこんな状況だというのに呑気なイズルに対してツッコミを入れる。

 

彼ら五機のアッシュによって結成されたチーム『チームラビッツ』と母艦であるゴディニオンは全地球防衛軍通称GDF参謀次長コミネ大佐は木製軌道第三小惑星グリッドB25~27の位置にウルガルの定期航路が発見されました。これは補給ルートであると高い可能性があるために今回八個を叩くことを作戦目的としていた。しかしそこにいたのは補給部隊ではなく精鋭部隊だった。想定外の出来事に対してコミネはこの状況にヤケになって出撃命令をだした。想定外の出来事と上に実戦経験の乏しいイズルたちは思うように動くことも出来ず一方的に攻撃されもうダメか誰もが思ったその時、次元に歪みが生じたかと思うと周囲を光が包んだ。そして光が収まったかと思うと彼らがいた場所とは全く異なる場所に移動し周囲にはウルガルの他に見たことも無い戦艦とロボット、そして化け物がいた。

 

『とにかく今はタマキをピット艦に戻そうぜ!このままじゃタマキはいい敵の的になっちまうぜ!』

 

『うぅ~ローズ3が全く動かないのら~』

 

コミネの無策な指示によって敵に突っ込んだ『ローズ3』はウルガルの容赦ない攻撃によって推進器や武装を破壊されたことにより身動きが取れなくなってしまいローズ3のパイロット『イリエ・タマキ』は涙目になり、『ゴールド4』のパイロットである『スルガ・アタル』はタマキとローズ3をピット艦に戻すよう提案する。その提案にチームラビッツの全員が賛同し『パープル2』のパイロット『クギミヤ・ケイ』が引いてローズ3をゴディニオンのピット艦へと連れていき、レッド5、ブルー1、ゴールド4が2人がピット艦に戻る間ウルガルたちの様子を見ていた。

 

ウルガルたちは次元獣に対して攻撃を仕掛けるが戦闘機タイプのウルガルの攻撃は全く効かず次元獣に蹂躙されるが、人型タイプは次元獣に対して掌に内蔵されているビーム砲で反撃し次元獣もまた波動スピンソーで攻撃するなどして互いに目の前にいる敵を倒そうとしているように見えた。

イズルたちは目の前の光景に目を離せずそれぞれの武装を構えながら固唾を呑んでウルガルと次元獣の様子を伺っていると1匹の次元獣がイズルたちの存在に気づくと咆哮を上げながらレッド5、ブルー1、ゴールド4へと突撃してきた。

 

『こっちに気づいた!』

 

『俺が迎撃してやるぜ!』

 

イズルが近づいてくる次元獣に気づくとスルガのゴールド4が右腕そのものである超長距離狙撃型ビームライフル『88式90ミリ70口径高位荷電粒子砲』の照準を次元獣に合わせると狙い撃った。荷電粒子砲をくらった次元獣は爆散した。しかしそれによって他の次元獣や次元獣と戦っていたウルガルもまたイズルたちアッシュの存在と元々この場所にいた鉄華団とタービンズのMSの存在に気づくと戦闘をやめ突如アッシュやMSたちに襲いかかり始めた。

 

『何で全員戦闘やめて俺たちに襲ってくるんだよ!?』

 

『俺が知るかよ!』

 

『とにかく僕達で何とかしよう!』

 

迫ってくるウルガルと次元獣に対して戦闘を開始するイズルたち。レッド5はブースターを噴かせながら『88式ビームキャノン』二丁によるビーム連射で次々と撃ち落としていき、ブルー1は『88式突撃刀アサルトブレード』で敵を斬り伏せていき、ゴールド4は右腕の荷電粒子砲だけでなく右肩のランチャー『87式高機動誘導弾マジックワンド』と左腕に装着されている機銃『86式40ミリ45口径輻射誘導光子共振式速射砲』をひたすら連射した。アッシュに搭載されているシステム『JURIA-SYSTEM』による搭乗者の生存本能による闘争本能の高まりによってアッシュの戦闘能力が上昇する。これによって実戦経験の乏しい『チームラビッツ』の面々はアッシュの性能を引き出すことが可能なのである。

 

『お前、邪魔だよ』

 

バルバトスは滑空砲の銃口を次元獣の口の中に突っ込むと全弾ぶち込み内側から爆散させると使い物にならなくなった滑空砲を捨てるとメイスを構えると向かってくるウルガルと次元獣にメイスを容赦なく叩きつけ絶命させていく。突撃していくバルバトスを援護するようにイサリビは『対空砲』、『二連装主砲』を昭弘のグレイズ改はライフルで三日月に迫るウルガルと次元獣を落としていく。

アマツは太刀と小太刀で敵を斬り裂きながら、背中にジョイントされている2対のバルカンにより死角になっている敵を乱れ打ちする。

タービンズの面々もMSの百里や百錬が先行してウルガルと次元獣を相手取りハンマーヘッドがその援護を行っていた。

そして後方で待機していたブラッディガルムのMSたちが出撃し鉄華団、タービンズ、ゴディニオンのフォローにまわっていた。

 

そこからの戦闘はあっという間に終わりを告げた。この宙域に現れたウルガルと次元獣は全て爆散したことで戦闘は終了した。念の為に警戒は続けられているが新たな敵の姿などは周囲には見られなかった。

 

「終わった、のか?」

 

「一応はな。だが問題はこれからだ」

 

ユージンは不安を感じながらオルガに尋ねるとオルガは苦虫を噛み潰したような顔をしながら答える。タービンズと協力して次元震から現れた化け物連中を倒したが元々はタービンズに鉄華団の力を見せつけるための戦いだったのだからコレで戦いは終わりという訳には行かなかった。しかし先の戦闘により昭弘のグレイズは半壊した上に武装もバトルアックスのみとなり、三日月のバルバトスは装甲の一部が破損し主武装であるメイスの奥の手であるパイルバンカーも使用済みであった。そしてライのアマツは見た感じでは損傷がないように見えるが強引な操縦やバルバトス同様マトモな整備をされていなかったことにより機体の関節部のあちこちが摩耗しこれ以上戦闘を続ければ腕や足が破壊されるかもしれない。

それに対してタービンズの面々はまだ余裕があるように見られた。このまま再度タービンズと戦うことになれば高い確率で鉄華団が敗北するだろう。そうオルガたちが考えているとハンマーヘッドから通信が届いた。

 

『ようガキども』

 

「・・・・何の用ですか?」

 

『なにお前さんたちがただのガキじゃないことは十分見させて貰ったぜ。それにこれ以上の戦闘は互いに出る被害は多くなっちまうし次元震から現れた連中のこともあるからこっちとしてもこれ以上の戦闘は避けたいんだよ。それに』

 

『お前さんたちと少し話しをしてみたくてな』

 

思わぬ形で鉄華団とタービンズとの戦いは終わりを告げた。それがどのような意味を持つのかは名瀬たちタービンズの面々を除いて知るものはいないのだった。




アマツ
全高 18.9m
重量 35.6t
動力源 エイハブリアクター×2
使用 ヤマトフレーム
武装 太刀、小太刀、サブアーム×2、肩部シールド×2、

300年前の厄祭戦にてガンダムフレームを造るための試作機として製造された『ヤマトフレーム』の一機。ツインリアクターシステムを搭載し、防御力・機動力・攻撃力を並立させた近接戦闘を可能にした機体であるが、機体をフルスロットルにした場合のパイロットに負担するGが凄まじく一般パイロットが使用した場合機体に振り回された挙句運が悪ければ死ぬこともあった。
しかし厄祭戦時代では優秀なパイロットたちがガンダムフレームたちと共にヤマトフレームに乗りモビルアーマーを相手に善戦していたと記録が残っているためその性能の高さは保証されている。
しかし現在では扱いやすいロディフレームやグレイズフレームが主流となっているためヤマトフレームの機体はリアクターだけが使用されるのが現状である。

MSの形式番号を書いてみたいんですがオリジナルの場合はどうやればいいのか分からないので意見など貰えるとありがたいです。また時間が出来たらオリキャラや機体などを設定としてまとめて出します。

戦闘を終え、タービンズとの話し合いの場に着くことができたオルガたち鉄華団。彼らの目的を成し遂げることはできるのだろうかと内心不安を感じるオルガたち。そして次元震によって突如この世界にやってきてしまった特務機関MJPのメンバーはこれからどうなるのか不安を感じていた。そんな彼らの思いとは裏腹に彼らはテイワズの本拠地へと向かうのだった。それがどのような結果をもたらすのか、それは神のみぞ知ることである。

次回、第9話『テイワズ』

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