特にオチ
タイトルは何となくです。"桜"内梨子なので。(?)
私は浦の星女学院に通う桜内梨子。
スクールアイドル、Aqoursとしても活動してます。
私には好きな人が居ます。
誰かと言うと桜季春人君。
今も無意識的に彼のいる隣の席を見てしまう。
最初に出会ったのは桜が咲き満開の時。
その時は唯一の男子生徒なんだ……くらいしか思ってませんでした。
でも、私はスクールアイドルとして、彼はマネージャーとして一緒に活動して行く内に彼の優しさや温かさに触れて少しずつ惹かれていきました。
本当に皆の事を良く見ていて、悩みには素早く気づくけど、自分の事になると急に疎くなる鈍感さん。
だから
「は、春人君!」
「ん?どうかした?」
「つ、月が綺麗だね」
「今、真昼間で月なんて出てないよ?」
なんてこんな風に全く微塵も好意に気づいてくれない朴念仁
私がちゃんと好きだって言えるなら違うのかな……アピールをしてみたり。
例えば、鞠莉ちゃんとか果南さんみたいにハグしてみるとか………?
ってムリムリムリ!そんなの恥ずかしいよぉ!
「なぁ、曜。梨子さっきから何やってるんだろうね。」
「春ちゃん……女の子には色々あるんだよ。とっても複雑な気持ちが」
「大変なんだね。」
「はぁ……」
何か春人君に言われてるみたいだけど、遠くて聞こえない。
彼に、はしたない所見せてないわよね……?
なんてずっと何気ない言動、行動をついつい彼を意識してしまう。
遠くから見てるけど、目が合うと恥ずかしくてつい逸らしてしまう。
ふとした時に彼の事を考えてしまう。
例えば、彼とのファーストキスとか……
自分の顔が赤くなるのを感じた。
何と厄介な病なのだろう。
それなのに幸せも届けてくれる不思議な病。
苦しいのに嬉しい。厄介なのに心が温まる。
そして、彼が千歌ちゃんや善子ちゃん、曜ちゃんとかのAqoursのメンバーと楽しく話しているのを見てると、ついつい嫉妬してしまう。
何となく空を見上げる。
雲ひとつない晴天の今の空と違い、心の中は雲に一面覆われて土砂降りの雨
この心の雨は、この醜い気持ちを流してくれないのかな。
***
貴方にもっと私を見て欲しい。
笑顔を私に見せて欲しい。
どれだけ貴方を好きで恋焦がれているかわかって欲しい。
さらに言えば、貴方には私だけを見て欲しい。
その貴方の眩しい笑顔を私だけに見せて欲しい。
でもそんな事が出来る訳もなく………
恥ずかしがり屋で地味な私が出来る精一杯のアピールと言えば
「春人君!今日ね、しいたけがね!」
「はいはい、千歌分かったから。」
「春人君、ちょっと距離近いんじゃないかな。」
「梨子の笑顔が怖い………」
こうやって、貴方が他の女の子とくっつかないように、ささやかな抵抗をするだけ。
いつもこんな風な事をすると自分が、嫌な人間だなって自己嫌悪に陥る。
するとニヤッと千歌ちゃんが笑った気がした。
「梨子ちゃん、ちょっと相談があるんだけどいいかな?」
俯きながら千歌ちゃんはそう言ってきた。
「うん、もちろんだよ」
***
部活前の教室で椅子を二つ並べた。
「それで千歌ちゃん、相談したいことって?」
「うん……あのね…………
春人君に告白しようと思うんだ」
私は、その時凍り付いた。さぞかし驚き、なんとも間抜けな表情をしていただろう。
そして私は悟った。
自分の初恋はここで終わるのだと。
素直に気持ちを表すことができない私と違って、千歌ちゃんは明るくて天真爛漫、素直に自分の気持ちを表現できる。
私なんかよりお似合いのカップルだ。
彼も千歌ちゃんと話すときはなんとも楽しそうな笑みを浮かべているし。
「うん、いいんじゃないかな。お似合いのカップルだと思うよ。」
なんとか表面を取り繕いながら私はそう答えた。
「本当にいいの……?」
「……どういう事?」
相変わらず彼女は人の感情に鋭い
「梨子ちゃんも好きなんでしょ?」
「べ、別に私は……」
心臓が氷の様に凍りついた気がした。
「千歌、知ってるんだ。春君よく梨子ちゃんの事見てるの。」
気付かなかった。
「そしたらなんで告白しようと思ったの?振られちゃうかもっていう心配はないの?」
告白をする上で、結局諦める理由や踏みとどまる原因の一番であろう振られる心配、そしてこのままの関係性でいられるのかという心配
「このまま自分の気持ちを抑えるのは嫌だから。」
彼女らしい理由だと思った。
「このまま気持ちを押さえつけるより、せっかく初めて感じたこの気持ちを伝えたいの」
私は思い切り頭を金づちで撃たれたような衝撃を受けた。
「決めた……!千歌ちゃんには悪いけど、私も告白する」
このまま気持ちを腐らせるより、気持ちを伝えたい。
「ふっふっふっ千歌、女優になれるかな」
いきなり千歌ちゃんが笑い出した。
何か私、おかしかった?
「やっとする気になった!?実は千歌が告白するのは嘘でーす!」
「千歌ちゃん!?」
「いやぁ、なんか梨子ちゃんを見ててなんか、もどかしくて、もどかしくて。だから告白するって嘘ついて梨子ちゃんの気持ちに火をつけようと思ってさ!騙されたでしょ~~?」
「千歌ちゃぁぁん!!!」
「さあて、春君をデートに誘おう!えっと、『今週の土曜日暇ですか?暇ならどこか遊びに行きませんか?』っと」
いつの間にか取られていた携帯で勝手にメッセージが送られた。
「やめてぇ!」
「いいじゃんいいじゃん、あ、返ってきた。えっと『いいよ。』だって!」
「急に決められても……あと本当にOKしてくれるとも限らないし……」
「ダイスキだったら大丈夫だよ!その気持ちを伝えればいいだけ」
***
そのまま流されるように物事は進み、彼とのデートの日が来てしまった。
はしたないようなところは見せてないと思う……
もうすっかり日が落ち、周りが月明かりに照らされている時に桜が綺麗な所に私は連れて来た。
本当に楽しい時はあっという間に過ぎる。
「あのね、話があるんだけど……いいかな?」
うなずいたのを確認すると、次の言葉を紡ぐ
「春人君、私、桜内梨子はあなたの事を愛してます。付き合ってください!」
私は1歩彼に歩み寄る
私の後ろで、ひらりと桜が舞い散った
桜の花言葉は純潔と精神美と優美な女性らしいです。関係ないですけど