私レミリア♂紅魔館がヤバい!   作:たぶくむ

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レミリア、友達できるってよ

美鈴が紅魔館に仕えてはや数百年。美鈴は、メイドとしての仕事をしっかりとこなすことが出来、紅魔館での仕事に慣れるのに十分すぎるほどの年月である。

 

 

特に紅魔館に変わったところは見られず、強いて挙げるとすれば、ある日から、人間達の襲撃が無くなったことである。

 

 

そのため、美鈴の仕事の量が減ることとなり、ある程度余裕をもって紅魔館の仕事に取り組めるようになったというのは彼女談である。

 

 

しかし、一途に武を追い求めていた美鈴からすれば、退屈なのも、本音の様で、レミリアやフランに組手している。………後者の方はあちらからの腹いせが大半でいつもコテンパンにされてはいるが。

 

 

しかし人間界の方ではどういう状況になってしまったのだろうか。

 

 

レミリアがこの世に生を与えられて、400年にもなる。

 

 

その頃、人間界、いや世界では、急速に科学が進歩していき、人間同士の争いが頻繁に起こるようになった。

 

 

既に人間側からすれば、吸血鬼や、紅魔館、そして、紅い悪魔『レミリア・スカーレット』の存在など、ただのおとぎ話程度にしか認識されず、年を経る度徐々に紅魔館の存在が薄れ、人間の間では空想上の存在にされているということが現状である。

 

 

そして、昔は魔術が栄えていた。

 

 

そのため、この紅魔館や、その周辺も魔術によって認識を阻害するような術も施していたのだが、ある程度魔術を嗜んでいる人間でも解けるような簡単な術式である。そのため、紅魔館の存在を認識され、襲撃に訪れることが可能であった。

 

 

しかし現在、科学が人間の間で急速に発展し、魔術は廃れ、忘れられていった。したがって、魔術を覚えない人間は、紅魔館の存在すら認識できないということだ。

 

 

そんなわけで図らずとも、人間達から忘れられ、平和な暮らしをすることになった紅魔館一行。

 

 

刺激を求めているレミリアにとっては退屈は、生き地獄である様で、どうにか解消できないかと四苦八苦している。

 

 

だが、紅魔館はいつも通りの日常を送っている。

 

 

部下の労を労ったら、フランがむくれ。

 

 

美鈴に吸血をした後、フランが首筋を差し出して吸血をせがんで来たり

(吸血鬼同士の吸血は無用だと説明したら、瞳に光を無くして『お兄様は、美鈴がいいの?』と聞いてきて怖かったため吸血したが。その時のフランは溶けたように惚けていた。)

 

 

時にフランが兄と妹が主題の本を中心に読んでいたり。

 

 

フランが一人で本を読んだと思えば、薬品欄のページばかりじっと見ていて、不気味で妖しい雰囲気が漂っていたり。

 

 

 

 

………ある意味では、命の危険を感じるような刺激的な出来事が起こっているようだが(特にフラン絡み)

 

 

そんな平和な紅魔館の日常がずっと続いていくかと思われたが、ある日、とある来客が訪れた。

 

 

『ここの館の領主に会わせてほしい』

 

 

夕暮れ時、そろそろレミリアやフランが起床する時間帯。

 

 

久しぶりに吸血鬼の退治に来る人間が来たかと美鈴が対応に当たったのだが、来客の口から出たのはその言葉。

 

 

敵意や悪意を感じられず、さらにどう見ても、戦いに来たという雰囲気が感じられない。

 

 

どうにも自分で判断をするのが、難しく、困ったような顔で美鈴がレミリアに判断を伺ったのだ。

 

 

起きたばかりで、寝ぼけている寝衣姿のレミリアを起こして、判断を伺い、レミリアはその来客と会うことにした。

 

 

美鈴が「………御馳走様です」と小さな声で呟いていたのは聞こえていなかったのだろう。

 

 

 

紫と薄紫が交互に縦の縞となっているふんわりとした衣の上に、それよりもほんの少しだけ濃い薄紫の服を羽織っている。ドアキャップ染みた、こちらもふんわりな同色の帽子には三日月の飾りがついている。

 

 

身長は一五歳前後の少女と言ったところか。長い濃い目の紫色の髪は側頭部で一部リボンでまとめられている。瞳もまた紫色と、紫一色の少女であった。

 

 

姿を現したレミリアを目にしたその少女は驚愕と疑惑が混じり合ったような目を向けてきている。

 

 

自分よりも年上であり、強大な吸血鬼の姿がこんな小さい子供の様な姿に拍子抜けしたのだろうか、はたまた驚いたのだろうか。

 

 

もしかして、性別が不明だったとか………?

 

 

レミリアはその少女に紅魔館に訪れた用事を訪ねてみる。少女は若干動揺したものの、どもりながら教えてくれる。

 

 

少女の名前は『パチュリー・ノーレッジ』

 

 

紅魔館にある膨大な魔導書を求めてやってきたのだそうだ。

 

 

どうか、それらを読ませてほしいと頭を下げてお願いした。

 

 

レミリアとしては、読ませるのはやぶさかではないのだが、もちろん無料(タダ)で教えるわけにはいかない。

 

 

パチュリーなる少女に読ませる代わりの対価を要求して見せた。

 

 

『自分の知識量には自信がある。そして、さらに自身の魔法の成果すべてを差し上げる。』

 

 

正直、魔法に関してはレミリアはなんの興味も無かったのだが、人間界の知識には少しばかり、興味がある。それに、突然やってきたフランにパチュリーが何を吹き込んだのか、フランが魔法に物凄い興味を示したため、パチュリーの要求を承認し、図書室にある魔導書を読むことを許可した。

 

 

 

 

 

 

………その後パチュリーに性別が女だと勘違いされていたことに気付き、落ち込んでいたのはまた別の話。

 

 

 

 

 

 

レミリアとパチュリー、二人は気が合うらしく、すぐに打ち解けた。

 

 

『レミィ』『パチェ』と呼び合う仲にまで進展もし、気の合う友人という関係にもなった。

 

 

レミリアとしては、対等の友人関係というのは初めてであり、新鮮であった。

 

 

ずっと紅魔館に居座るパチュリー。レミリアは家に戻らないのかと問いかけたが、パチュリーは少し前に魔女狩りとやらで親を失っていたそうだ。

 

 

そのため、レミリアは紅魔館に住まないかと提案すると、パチュリーは快くその提案を受け入れ、すぐさま、彼女の部屋を紅魔館に転移させた。

 

 

彼女の準備の速さと用意周到さから、元から紅魔館に住みつく気だったのだろうとレミリアはあきれていたが。

 

 

しかし、パチュリーを紅魔館に受け入れた後、どういうわけか、パチュリーが意図的にレミリアを避けるような動作を見せるようになる。

 

 

嫌われているわけではないことはレミリアにもすぐにわかった。だからということもあってなぜパチュリーが自分を避けているのかが解らなかった。

 

 

受け答えはしっかりできる。『レミィ』『パチェ』と呼び合っている。

 

 

嫌う素振りを見せるどころか、感情には出さないものの、好意的には見られている。

 

 

だが、お茶会等に誘うと素気無く断られる。

 

 

レミリアには到底不明瞭なのだが、まぁそれでいいかと半ばあきらめている。

 

 

そんなこんなで吸血鬼を恐れずに知識欲を満たすために単身紅魔館へやって来た少女が、晴れて新しき紅魔の住人となった。

 

 

紅魔館の主レミリア・スカーレットとその友人にして紅魔館の知識人兼魔法使い『動かない大図書館』パチュリー・ノーレッジ

 

 

こうして静かに、また一つの歴史が収束した。




ちょいと短いかもですね。
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