私レミリア♂紅魔館がヤバい!   作:たぶくむ

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動く魔女(パチュリー視点 前編)

「ふうっ………、ふうっ………」

 

 

息を切らしながら、私は道を歩いていく。いや、山を登っていってる。

 

 

自分自身、あまり外に出ないで、運動もしないで読書ばかりの生活が祟った。

 

 

こればかりは、自分の運動不足と能力の不足を憎まずにはいられない。

 

 

私は『パチュリー・ノーレッジ』

 

 

魔法使いという種族に生まれ、人間ではない存在である。

 

 

『魔法』を自身の原動力にしている妖怪?と言った方がいいのだろうか、生まれつきの魔法使いとはそういうようにできている。

 

 

私は基本的に、というよりほぼ毎日家に籠って本を読んで暮らしている。

 

 

そんな生活を続けてきて、15年程になる。

 

 

しかし、なぜ私がこんな無駄に険しい山をこんなに苦労して登ることになってしまったのか、それは数日前にさかのぼる。

 

 

第一に、私は家族を早いうちに亡くしている。

 

 

魔法使いという種族は、人間達から突然の迫害対象になってしまったようで、『魔女狩り』と称して多くの同族が殺されていった。

 

 

中には人間達も、その被害にあって殺されたらしいが。

 

 

私の両親も『魔女狩り』によって亡くしてしまった。

 

 

運よく私だけが、両親の機転も働いて生き延びることが出来た。

 

 

それは10年程前のことで、その時から独り立ちを強要された。

 

 

元々暮らしていた家は人間達に燃やされてしまったため、新しい住処を探そうかと森に入っていったところ、またまた運よく廃れていた一軒家を見つけることが出来、その家に移り住むことに決めた。

 

 

幸い、魔法使いは、捨虫の術によって食事と睡眠が必要のない種族であるため、ずっとそこで暮らしていく分には特段不自由はなかった。

 

 

その家は、どうやら、同族の魔法使いが住んでいたようで、数多くの魔導書がその家にあった。その家の持ち主は、10年たった今でも戻ってくる様子はないため、そういうことなのだろう。

 

 

それから、私は魔導書を読むことでしか時間を潰せなくなり、それが10年続いた。

 

 

字が読めるのかという点は問題ない、特別愛情を注いでくれなかった両親も、英才教育だけは一人前に私にやらせていたため、難しい字でも読めるほどに教養はあるつもりだ。

 

 

今では、私は魔法使いという種族に加え、研究しても終わりが見えないほどの『魔法』の魅力にひかれ、本を読むことが私の生きがいとまで言えるほどの本の虫になった。

 

 

その点については、両親に感謝してあげてもいいだろう。

 

 

だが、新しい住処にある魔導書の本数にも流石に限界があるため、10年もすれば読んでいない本など無くなってしまった。

 

 

反対に良く10年も持った方だろう。

 

 

未知にたどり着くために、新しい魔導書を探す。

 

 

そのことが私がこの険しい山を登ることになった原因だ。

 

 

ではなぜこんな険しい山を登ることになったのか、単純に魔導書を探すのならば街などで探せばいいだろう。

 

 

街に行って魔導書を探す、これは私も考えた。

 

 

しかし、街には人間しか居らず、いつ『魔女狩り』に遭うか解らない。

 

 

魔女狩りには基本的に女性が対象だ。時々、男性も対象にされることもあるが。

 

 

現在の魔女狩りの対象者は広範囲に及ぶ、独身の者、風貌が珍しい者、住所不定の者。 

挙げられるとすれば上記であるが、私にとって全て適応されかねない。

 

 

さらに、私はこれまで人間と、さらにいえば私以外の種族と会話すらしたことがない。

 

 

交流関係のない私には、命の危険を感じながら、大勢の人の中歩きたくはない。

 

 

よってこれは却下である。

 

 

他の案を、と考えたところでふとある一冊の本の存在を思い出し、急いでその本を探しに家の中を探し回った。

 

 

見つけたのは、紅魔城に関しての本である。

 

 

『紅魔城』

 

 

とある地域の険しい山を越えた先にあるとされる城の名前である。

 

 

そこには強大な吸血鬼の中でも特段力の強い『スカーレット家』の住処であるらしい。

 

 

魔法使いの間でも、その存在は有名らしく、なんでも、紅魔城の地下の図書館には膨大な本があるらしい。魔導書も、同様に。

 

 

現在、人間の方では、紅魔城の存在は無い物として扱われている。紅魔城があると思わしき場所に紅魔城はなく。建築物が建っていた形跡もない。

 

 

何百年も昔のことで、不死身の化け物も存在など架空の存在でしかありえないというのが人間の見解だ。

 

 

私も最初は、その紅魔城の話は人間側の見解とほぼ同意見であったが、次第に本を読み解いていくうちに吸血鬼と紅魔館の存在は真実ではないかという疑念が頭をよぎるようになった。

 

 

それに、人間ではない私たちの魔法使いがいたわけだ、吸血鬼の存在もいたところでおかしくはない。

 

 

吸血鬼にも、魔術を行使する個体が本に居たそうだが。

 

 

もし、紅魔城も、何らかの魔術の作用で隠蔽、もしくは転移されているとしたら………。

 

 

突如紅魔城の存在に興味が沸き、さらにその紅魔城に眠る膨大の本に惹かれ、紅魔城の存在を探すことを決意した。

 

 

そのため、今、この山を必死に登っているわけだ。

 

 

山を登り、森を抜け、広いところに出ればそこが紅魔城だ。

 

 

と本には書いてあった。

 

 

険しい山を必死で登り、休憩を挟みつつ登り続ける。

 

 

………休憩の時間の方が多かっただろうが。

 

 

何時間もかけて山を登る。山を登りきると先には森。

 

 

先があまり見えない森を今度は歩いていく。

 

 

それにもかなりの時間をかけて歩くと開けた場所に出る。

 

 

本によるとそこが紅魔城であるはずだが、目の前は何もなく、ただ自然が立ち並んでいるだけだった。

 

 

所詮は空想の逸話だったのか、魔力の流れすらその開けた場所から感じられず、多少気落ちしながら帰路につこうと振り返ったその時。

 

 

偶然、微かな魔力の流れを感知することが出来、その流れをたどっていくことにした。

 

 

最初は微かな微弱な魔力であったが、先を進んでいけばいくほどその魔力の流れは力を増していく。

 

 

まさか、もしかして、とはやる気持ちを抑えながらもその道を一心不乱に歩いていく。

 

 

………

 

 

………………

 

 

 

 

………………………あった。

 

 

 

あった。深紅に染められている建物が、壮大に見え、真っ赤に染め上げられ、威厳やおぞましさを感じてしまう。

 

 

あれが、紅魔城…………。

 

 

架空の物ではなかった。本に書いてあった通り、紅魔城は存在していた………ッ!

 

 

感動を覚えながら、紅魔城へ一歩一歩と近づいていく。

 

 

近くで見れば見るほどその壮大さが感じられる。

 

 

とりあえず入ってみよう。

 

 

そう考え、私は紅魔城の門へと近づこうとする。

 

 

「そこまでです」

 

 

そう、声がかかる。

 

 

目を向けると、どこかの国で着用されている服、華人服だろうか?、を身に着けている女性がこちらに鋭い目を向けて警戒しているようだ。

 

 

「この紅魔館に何用で参られましたか?」

 

 

言葉遣いは丁寧であるが、その目、体勢から、私への警戒を強め、私が不審な動きをすればすぐにでも臨戦態勢がとれるように構えている。

 

 

とりあえず、彼女の警戒を解くことが必要だ。

 

 

私がここに来た理由を話そうと。口を開こうとする。

 

 

 

 

 

 

 

………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………開こうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………初対面の人とどうやって話すべきなのかしら。

 

 

 

それに、そういえば、ここって吸血鬼の住処だったわね。

 

 

 

………………………………もしかしなくても、危険な場所だったりするのかしら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………急に帰りたくなった。

 

 

 




ぱちゅりー「人間怖いから、お宝探し気分で紅魔館を見つけようとするけど、門番のお姉さん怖いし、コミュ障だから喋れんし、しかも人間よりもっと怖い吸血鬼ここにいるやんけ、帰りたい………」



だいたいこんな感じ
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