私レミリア♂紅魔館がヤバい!   作:たぶくむ

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銀髪少女………一体、何六夜なんだ!?


私にとっての太陽(銀髪少女 視点)

「はい!これで、一先ず、綺麗になりましたね!」

 

 

目の前の、メイド長のめいりん、そう、先ほどの翼の生えた男の子が言っていたが、その人が汚れ切った私の身体を拭いてくれたり、お風呂に入れてくれたり、そして、ボロボロの布の服の代わりに、彼女と同じような服装を着せてくれてた所だ。

 

 

「ごめんなさい!もう少し、まともな服があればよかったんですけれど、妖精メイド達が着用しているようなもので間に合わせになりますが、これで我慢してくださいね」

 

 

そうにこやかに話しかけてくるめいりん。

 

 

「…………………」

 

未だ、私はこの状況を掴めていないこともあるし、まだ、ここの住人たちのことをあまり信用できないということから、一言も言葉を発したことはない。

 

にも拘わらず、目の前の女性、そして、先ほどの翼の生えた男の子は忌避もせずに私の世話をしてくれる。

 

 

いや、先ほどの、翼持ちの男の子と似ている金髪で少し歪な翼の生えている女の子もいたし、私のことをあまり良く見ていない様だった。

 

しかし、私がここに入ることに関して拒絶している様ではなく、それ以外の何かしらの理由なのかもしれない。

 

 

そんなこんなで、めいりんに着替えさせられ、一通り、身なりを整えることが終了したときに、くぅという音が私のお腹から鳴った。

 

 

「あら………。そうですか、そうですもんね。お腹も空いていることですし、食事にしましょうか?」

 

 

「…………………」

 

 

そう言って、察したように私に問いかけてくるめいりん

そして、恐らく羞恥心からなのだろうか言葉を発せずにコクンと頷く私。

 

 

何か微笑ましいものでも見るかのように、手を引くめいりん

 

私は、赤い顔のまま、されるがまま、手を引かれて後をついていくのだった。

 

 

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「おや、もう終わったか、………うん、先ほどとは見違える程になったな」

 

 

廊下より、開けた場所、細く、そしてすごく長いテーブルが真ん中に置いてある場所に出る。食事をするところなのだろうと直感で理解した。

 

そこで、先ほどの翼持ちの男の子が一足先に席についていて。

 

私達が来たことを確認すると、私を見てそう言った。

 

 

「さ、お坊ちゃま……あ~と、あの人が座っている隣に座っていてくださいね。すぐに持ってきますから」

 

 

そうめいりんは私に言い、男の子の隣に座るように促す。

 

 

私はそれに従い、男の子の隣に座る。

 

そして、隣の男の子をじ~っと見る。

 

目を閉じて、何かを考えているようにも見えるその横顔をじっと見つめる。

 

 

横顔でもはっきりとわかる整っている顔、それはまるで人形であるかのように色白で、肩辺りまで伸ばしている艶のある青い髪、見ようによっては紫にも銀色にも見えるくらいに輝く光沢も合わさって、とても、人間とは思えないくらいの美貌を誇っている。

 

 

そもそも、翼がある時点で人間ではないことは一目瞭然だが。

 

…………それにしても、どうしてこの子は私をこんなところに。

 

 

彼の善意だとしても、素直に信じることのできない私。

そもそも他人を信用してはいけない、うかつに信用しては裏切られてしまう世界で生きてきた私にとっては仕方のないことだとは思うが。

 

それでも、他人の善意を素直に受け止めれない自分の浅ましさに嫌気がさす思いだ。

 

 

「……………うん?どうした?何かあったか?」

 

 

じっと見ている私の視線を感じ、見られていることに気が付いたのだろう。

 

 

ゆっくりと目を開き、そして、顔を私に向けてそう聞いてきた。

 

 

「…………ッ!?」

 

 

彼の視線に少しだけ、見惚れ、慌てて、さっと顔を逸らした。

 

 

宝石の様に輝く紅い瞳。それが私の姿をしっかりと捉えている。

 

 

得も言えない感情が私の中で充満していき、気恥ずかしさから顔をそむけてしまった。その感情が嬉しいという感情であったことも一因している。

 

 

「………フッ」

 

 

そうした姿が可愛らしく見えたのだろう、そっと微笑む様にして笑顔を向けてくる。

 

それも、私の羞恥心を刺激し、余計顔を赤く染めてしまう。

 

 

それにしても、私と同じくらいの年なのに、いや、人間ではないだろうから私より年上なのかもしれないが。なんだろうか。

 

この見た目は完全に私と同じくらいの年の男の子ぐらいであるのに、表情、雰囲気、話し方。そのどれもが全て上品で、大人びていて、それでいて、慈愛、という物を感じる。

 

 

無条件で、気を許し、甘えたくなるような、そんな雰囲気だ。

 

 

流石に、まだあったばかりの他人である関係の身柄、そんな気持ちは押さえているが、何か、すぐに気を許したらすぐに堕ちてしまいそうだ。

 

 

「おまたせしました~!」

 

 

そう言って、めいりんがボウルを手に持ってこちらにやって来た。

 

そのボウルを私の目の前のテーブルに置く。

 

 

湯気だっているボウルの中は、赤、緑、黄色と、色とりどりの具材が浮かぶ真っ白で、とろけているような海。

 

当時の私は、貧困に苦しんでいる身であったがために知らなかったのだが、『シチュー』に目を奪われてしまった。

 

食欲を掻き立てる匂いが鼻腔をくすぐり、一瞬忘れていた空腹が先ほどより強く主張してくる。

 

 

はっと我に返って、周りを見る。

 

これを、自分が食べていい物なのだろうか、そう言った疑念を帯びた私のささなかな主張は、男の子とめいりんが浮かべた笑顔で許されたようだ。

 

 

そっとスプーンを手に取って、具材と共に液体を掬ってみる。

 

 

ポタポタと一滴一滴落ちていく。その光景すら、神聖な物の様に感じられ、その光景にすら見とれてしまいそうになる。

 

 

いけない。これでは無くなってしまう。

 

スプーンで掬ったものが全て落ちて行ってしまう。そう考えた私は、慌てるようにして口の中に入れた。

 

 

「…………ッ!!!」

 

 

口の中に入れた途端、溶けていくように広がっていく上品な味わい。

しっとりと溶けこみ、濃厚で芳醇。

 

口に入れただけで、今まで私が食べていた物よりも何十倍、何百倍も美味だと、そう感じる。

 

濃厚な匂いが食欲を刺激し、そしてスッと鼻から出る度に食欲を掻き立てるように鼻腔をくすぐっていく。

 

 

ゆっくりと、具材を噛んでみる。噛むだけでほぐれていくような柔らかい食感、柔らかい触感の中に紛れる繊維の抵抗

 

しかし、それすら、即座にほぐれ、じゅわっとはじけるように口いっぱいに広がる。

 

久しく食べていなかった肉の味だ。

 

「………ッ!!…………………ッ!!」

 

 

気付けば、体を震わせ、瞳から、一滴の雫が零れたのを皮切りに堤防が壊れ、勢いよく涙が流れ出して止まらなくなる。

 

一口、また一口と、掬って口に入れるごとに感じる味わいとこれも久しく、もしかしたら初めてかもしれない、人情の様な温かさを感じる。

 

涙を流している私を男の子はやわらかい笑顔で微笑み、頭をゆっくりと撫でる。

 

その一撫でに、涙が溢れ、自分の涙腺を刺激してくる。

 

こらえきれずに男の子に優しく抱きしめられるようにして男の子の胸に顔を埋めて、声にならない感涙を表す。男の子は優しく、それでいて何も言わずに抱き留めてくれた。

 

傍に控えるめいりんも、恐らく、何も言わずに微笑んでいたのだと思う。

 

 

親という存在をすら知らず、親の愛という物を知らない私は、その男の子の抱擁に、何か、暖かいものを感じ、そのまま、永遠に身体を委ねていたいと感じた。

 

 

もしかしたら、それが慈愛を受けるということなのかもしれない。

 

 

 

 

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食事が終わり、未だ、あの美味の名残があるが、満腹になった。

 

 

ずっと食べていたいと感じたのは初めてであり、満腹という本来喜ばしいこの現象すら、恨めしく感じてしまう。

 

 

何杯か、おかわりを貰った。

終始無言な私であったが、空になったボウルを物欲しげに見ていたのに気付いためいりんが気を利かせておかわりを持ってきてくれたのだ。

 

 

「さて、お腹も膨れたところで、君に提案、聞いてみたいことがあるんだけど」

 

 

そう言って、満足げな私を見計らって、男の子が声をかけてきた。

 

 

「この紅魔館で、働いてみない?」

 

 

「ッ!?」

 

 

その提案に、バッと勢いよく顔を挙げる。

 

 

「嫌だっていうんだったら、そこまで無理強いはしないさ。元の場所まで戻るまでに、私達がサポートをするし、でも、親御さんも、いないんだったら、ここで、働いて、一緒に過ごしてみないかな?お給料も出すし」

 

 

「!!!!!」

 

 

コクコクと勢いよく頷く。願ってもない提案だ。

 

今まで、生活するに苦難していた環境だ。働けるんだったらこれ以上願うこともない。

 

 

それに、さっきの料理も、おいしかった、めいりんも優しかった。

 

 

…………………それに、この人に、沢山、貰ったから。

 

 

私だけが、貰ってはこの人に悪い、それに何らかのお返しをこの人にしたい。

 

 

そんな意思の表れが反応に出た。

 

 

「うん、じゃあ、決まりだね」

 

 

その一言で、得も言えない歓喜の感情が私を襲う。

認められた!今日から、私はここで働ける!この人の為に、働けるッ!!

 

 

多幸感、満足感、充実感全ていっぺんに体中に沸き起こる。

 

 

「それじゃあ、君の名前は、………ああいや、無いんだったか」

 

私に名前がないことを思い出し、少しだけ遠慮気味になる男の子。

 

 

私に名前がないことがこんなにも恨めしいことだとは思わなかった。

名前があったなら、この人に名前を呼んでくれていたはずなのに。

 

 

それが、少しだけ、いやかなり残念に思う。

 

 

「じゃあ、名前をあげようか、ここで働く君の、そして、これから君が生きていく為の、その名前を」

 

 

「………っぁ!!!!!」

 

 

『名前をあげる』

 

その一言にさっきまでの杞憂はどこへやら、名付けてもらえるという喜びに喉から、絞り出すように歓喜の声を挙げてしまった。

 

そして、目を輝かせながら、その『名前』を待ち望む。

 

 

十六夜 咲夜( いざよい さくや )。私が一番好きな、満月を表す名前をあげよう。今日から、君は十六夜咲夜。そう名乗りなさい。…………………それに、昨日満月だったし

 

 

………十六夜 咲夜。

 

 

………いざよいッ!さくやッ!!!

 

 

心の中で新たな自分の名前を復唱する。

 

 

嗚呼、なんて甘美な響き。

 

 

あの人の、一番、好きな満月を表す名前。

 

 

あの人の、一番ッ!!!

 

 

 

「……ぁい、い、ざよい、ぁくや」

 

 

「そう、いざよい、さくや」

 

 

そう復唱する私に、ゆっくりと名前を伝える男の子。

 

 

そういえば、彼の名前を教えてもらってはいなかった。

 

 

「ぁの、あなたの、おなまえは」

 

 

「…………ぁあ、言ってなかったか。私の名前はレミリア。レミリア・スカーレット。吸血鬼っていう種族だよ」

 

 

「ぇみりあ………さま」

 

 

レミリア。『レミリア・スカーレット』

 

 

私は今日、私の人生の全てを捧げる相手を、見つけた。

 

 

 

私は今日から、紅魔館の一員になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「…………………あら、新しいメイド?こんなに小さいのに………?…………………そう、美鈴、程々にしておくことよ。あぁ、私は『パチュリー・ノーレッジ』パチュリーでいいわ、咲夜」

 

 

「はい、ぱちぇりーさま」

 

 

「まぁ、色々、知らないこともあるでしょうし、解らなかったら、そこの美鈴、もしくは私とかに聞きなさい」

 

 

「はい、かしこまりました」

 

 

「ええ、いい子ね」

 

 

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「うわぁ!!可愛い子ですねぇ~!新しいメイドさんですか?私は『小悪魔』こあって呼んでいいですよ!!」

 

 

「………こぁさん?わたしはいざよいさくやともうします」

 

 

「!!!そうです!それでいいです!!咲夜さん!!あぁ~!もうッ!可愛いなぁ~」

 

 

「…………ぁつい」

 

 

 

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「…………フラン、フランドール・スカーレット。お兄様、レミリア・スカーレットの一番の妹よ」

 

 

「…………………」

 

 

「………何よ」

 

 

「ふらん様、私はいざよい さくやです。レミリア様の一番好きな名前をいただいたメイドです」

 

 

 

「…………………」

 

 

 

「…………………」

 

 

 

「…………譲らないから」

 

 

「…………わたくしも、おなじく」

 

 

 

「?ん?ん?どうしたの?フラン?咲夜?え?え?」

 

 




晩御飯がシチューだったので、じゃあそれでいいかと思って書きました。


はえ~!!銀髪少女って十六夜咲夜さんだったんですねぇ~(すっとぼけ)

これで皆さんが待ち望んだ咲夜さんが揃って、原作『の』紅魔館メンバーは集合しましたね!!

しかし咲夜さんの年齢的に、吸血鬼異変後に紅魔館入りした方が、しっくりくるんですよね。咲夜さん。

次回は、色々掘り下げていきたいと思います!
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