私レミリア♂紅魔館がヤバい!   作:たぶくむ

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弾幕ごっこ

日が隠れかける夕暮れ時、この後真っ暗闇の深夜の時間帯になるであろうこの夕暮れ時に、レミリアは起きる。

 

人間達からすれば、この時間帯は『夜』に差し掛かり、早い者は寝る時間帯にすら差し掛かるだろう。だが、この時間帯は吸血鬼にとっては一日の始まりに過ぎない。

 

夜こそ、吸血鬼の活動時間、人間達でいう『朝』なのだ。

 

レミリアはベットの上でゆっくりと体を起こし、寝ぼけたままぼ~っとする。

 

紅魔館の領主として、威厳にあふれてしっかりしているレミリアなのだが、特段寝起きには弱い。これは、吸血鬼として500歳という若さも影響しているのだろうが。

 

回らない頭が徐々に回り始め、次第に意識はしっかりしてくる。

 

レミリアはベットから完全に起き、寝巻姿から着替えようとクローゼットの前に立ち、着替えようと上着を脱ぎかけて気が付く。

 

 

「咲夜」

 

 

そう声をかける、紅魔館が誇る人間にして完璧なメイド長、十六夜咲夜の名前を。

 

 

「はい、お坊ちゃま」

 

 

そして、すぐ後ろで、咲夜からの返答が返される。

レミリアは脱ぎ掛けた上着をもとにもどし、後ろを見ずにこう言うのだ。

 

 

「いつも言っているのだが、『時を止めて』私の部屋に来てまで着替えをのぞこうとしないでくれ」

 

 

「……………………」

 

 

いろいろ突っ込みどころはあるが、所々解きほぐして説明していこう。

 

まず、『時を止める』という点についてだ。元々咲夜が時を止める。つまりは人間としての域を超えるまでの潜在能力を備えているということは一目会った時からレミリアは気が付いていた。

 

まぁ、親も家もない彼女がいささか可哀そうだなと同情の気持ちがほとんどであったが。

 

それでも、咲夜の元々のスペックの高さにいち早く気が付いたレミリアは、その咲夜の特殊能力ともいえる才能を引き出すために、『懐中時計』を咲夜に渡しておいたのだ。

 

咲夜が時を止める能力を持っているということはその時点ではまだ解らなかったが。偶然『運命』を見て、霊力、まぁ魔力と似たような力をエンチャントして渡しておいたがそれが功を奏したようだ。

 

 

咲夜は時間を操れる。

 

時間を止めれる。というわけではなく、時間の流れを遅くしたり、早くしたりできるということだ。時間も当然、空間も操れるようにもなったらしい。

 

時間と空間は密接に関係しているためであろう。

 

 

自分の能力を開花させた彼女は、一層紅魔館の為に働きたいという意欲が強くなり、空間を操って紅魔館を広くさせたり、食事、洗濯、掃除等、時を操って一瞬で終わらせたりなど、様々な面で貢献してくれている。

 

 

そして、それが後者にもつながるのだが、その能力が、咲夜の何かに拍車をかけてしまったようで、いろいろ、変態的な思考を行ったり、気が付いたら鼻血を出したと思えば「忠誠心です」の一点張りだし、時に暴走したりと、完璧であるメイドという側面『駄メイド』っぷりも出るようになってしまった。

 

 

どうしてこうなってしまったのか。

 

いや、心当たりはある、パチェの使い魔である小悪魔が何か変なことを咲夜に吹き込んでしまっていたのだ。

 

その時から、健全だった咲夜が変わってしまった。

 

 

そして今日、私の着替えを見計らって、時を操ってまで自室に侵入してくるのは、これで何回目だろうか。

 

うかつに素肌を見せようものなら、例の『忠誠心』とやらが部屋を赤く染めてしまう。

 

部屋が汚れるし、それだけはやめてもらいたい、案外私は綺麗好きなのだ。

 

 

「そもそも異性の部屋に勝手に来るのはよろしくない」

 

 

「私はメイド長として、そしてお坊ちゃまの専属ですし、護衛の任も従者としての役目ですわ」

 

 

「いいや、流石に自室にいるから護衛は必要ないだろう」

 

 

「しかし、お坊ちゃまの素肌が周囲に晒されてしまうかもしれませんわ」

 

 

「今現在進行形で素肌が晒されかけているのだが?」

 

 

「ッ!!それはどこのどいつですか!?」

 

 

「………………お前だよ」

 

 

レミリアは呆れながらそう言ってしまう。

 

 

その後、何とか説得して、渋々ながらも納得させることができ、ゆっくりと着替えることができた。

 

 

レミリアが着替えている同時間帯に、ある屋敷内が赤く染まってしまったらしいが、それはレミリアにとって知る由などないのであった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

さて、着替えも終わり、朝食を済ませたレミリアは、紅魔館のメンバー皆を呼び集め、前日の件、『スペルカードルール』というもの、そして、紫から数年後、異変を起こすようにといった内容を話すことにした。

 

主な目的は、異変の為に、『スペルカードルール』というものが、どういったものなのか、また「スペルカード」という決闘方法についてであった。

 

時に、異変に向けて、「スペルカード」での戦闘をやってみよう。

 

というわけだ。

 

 

概ね「スペルカード」は紅魔館メンバー内では好評であるようで、遊び感覚かつ全力で戦えるというのは、面白そうだということだ。

 

特にフランや美鈴が好色を示していた。

 

そんなこんなで始まった紅魔館内での弾幕ごっこであったが、結果的にみんな楽しめて行えたようだ。

 

弾幕ごっこは、戦っている者以外にも、見ている側にも楽しめる。

 

弾幕を用いて、美しさを競うものであるから見ていて面白いのは当然なことだ。

 

それに、弾幕を発射しているたびに各個性が現れているため、それぞれが面白い。

 

 

フランは弾幕の中に遊び心が現れており、無邪気で元気なフランらしさというものを感じる。

 

 

美鈴は七色の美しい弾幕を放ち、さらに美しい弾幕だけではなく、接近戦を組み合わせたような攻撃を放つため、目立つような隙が見当たらない万能系といったところか、それでも、弾幕戦というのは苦手であるようで、所々ぎこちないが。

 

 

パチュリーは、飾りっ気がない弾幕が多く、その精密に練られた弾幕によって逃げ道を塞いで詰ませてくるところはどこか、抜け目のなさを感じる。

 

 

咲夜はナイフと霊力の弾幕を混じらせて攻撃を行う。

時を止めて一瞬で大量の弾幕を目の前に出現させてきたり、彼女が放つ弾幕に気を取られれば、死角からの弾幕など、いやらしさを感じる弾幕である。

 

 

時にどうして大量のナイフをばら撒いていたのか不思議に思い。

 

そんなに大量のナイフはどこで調達してきた?と聞くと。

 

元々紅魔館にあったナイフをありったけ集めてそれを弾幕として利用し、時を止めて再利用しているだけだ。と何ともないような顔で言われた。

 

咲夜はせっせと投げたナイフを拾って弾幕として活用させているらしい。

 

少し、なんというか、マジックが素晴らしいと思ったら、タネがしょうもないというがっかり感をレミリアは感じてしまうのであった。

 

 

こうして、紅魔館のみんなで弾幕ごっこというものを楽しんでいったのであった。

 

ついでに言うと、パチェリーが一番多くのスペルカードを開発するという進展をみせたのだが、実戦で使ったのはたった数枚のスペルカードのみであった。

 

理由は簡単だ。すぐに喘息で戦闘どころじゃなくなってしまったからである。

 

 

そして、時に一番白熱した弾幕ごっこは咲夜とフランの弾幕ごっこであった。

 

 

時に激しく、時に自機を狙う弾幕とナイフの飛び交いを互いに交わしながら繰り広げられる弾幕ごっこは見ている側も熱狂してしまうほどであった。

 

結果は引き分けであったが、いつの間にか集まっていた妖精メイドたちが大歓声を2人に送っていた。

 

 

弾幕ごっこ中、『死ね!クソ駄メイド!!』『くたばれ!金髪害虫!!』等、二人がぶつけ合った罵詈雑言をレミリアは聞こえなかったことにした。

 

 

しかしながら、スペルカードにおいて、勝率が高かったのは、なんだかんだ言ってレミリアであった。

 

 

流石に、威厳に満ちて、領主としての矜持を持ち合わせているものの、本質的にはまだまだ少年であり、勝負事には負けたくないという考えを持ちあわせているし、勝ちが積もると、流石に有頂天になって慢心してしまう。

 

 

そんなわけで、レミリアはついその時に放ってしまった言葉を後々後悔することになる。

 

 

『皆と私で一回戦ってみないか?私に勝てれば、何か一回、なんでもしてやろう』

 

 

この一言が、紅魔館の皆に火をつけてしまった。

 

 

喘息だったパチュリーの体調が一気に回復し、調子が最高潮に達してしまったり。

 

 

美鈴が急にやる気をだし。動きにキレが増し、これ以上ないという動きを見せ始め。

 

 

いがみ合っていたフランと咲夜がアイコンタクトだけで意思を伝えあい、意気投合して急に連携が良くなったり。

 

 

 

結果、息の合った連携等でレミリアは徐々に追い詰められてしまい、結局敗北してしまったそうだ。

 

 

その時の彼女たちが課したのは、着せ替えだ。

 

 

その時のレミリアはこの経験から、こんなことを学んだ。

 

 

『碌なことは言うものではない』

 

 

至極当たり前のことを、今になってレミリアは学んだのだ。

 

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『レミィには、一回メイド服を着せてみたかったのよね』

 

 

『おぉ!!さすがはパチュリー様!私も一回着てみてほしかったんですよ!!』

 

 

『美鈴のチャイナドレスもなかなかのセンスじゃない』

 

 

『えへへ、ありがとうございます!』

 

 

 

 

『う~ん、どの衣装がいいか、悩むわ』

 

 

『妹様、こういうのはいかがでしょう?』

 

 

『!! それは、属に言う…………』

 

 

『ゴスロリ、ですわ』

 

 

『パーフェクトよ、咲夜ッ!!』

 

 

『感謝の極みッ!!』

 

 

 

 

『な、なぁ、ど、どうして男物じゃないんだ…………?』

 

 

 

 

 

 

 

『紫様、お食事の準備ができました……………紫様?』

 

 

 

『……………………』

 

 

 

『………!?!?ど、どうなさったのですか!?紫様!?』

 

 

 

『……………………』

 

 

 

『ど、どうしてそんなに幸せそうな顔をなされて倒れていらっしゃるのですか!?』

 

 

『……………………』

 

 

『ゆ、紫様のスキマに何が……………ッ!?!?!?ブッッッ!!!』

 

 

 

その日、紅魔館がより一層紅く染まり、とある屋敷が真っ赤になった。

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