私レミリア♂紅魔館がヤバい!   作:たぶくむ

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紅霧異変 ~3~

「………想像以上に広いわね」

 

 

とうとう紅魔館に入った霊夢は、想像以上の、紅魔館の見た目的に中が広いということに若干の驚嘆と共に辺りを見渡す。

 

周囲は、当然といったところか、目に悪い赤一色、しかし、辺りにおいてある家具はどこか高級そうで、よく手入れされている印象を覚える。

 

 

「かなり掃除に手を込んでいるようね」

 

 

「あら?お判りになりますか?」

 

 

霊夢は唐突に、誰もいない空間に語り掛けるように声に出す。

 

 

しかし、しっかりと返答は来た。

一瞬のうちに、その場にメイド服を着用した銀髪の麗しい女性がそこにいたのである。

 

 

彼女は、紅魔館が誇る完璧なメイド長、そして、紅魔館唯一の人間『十六夜咲夜』である。

 

 

「あんたは、ここの主じゃなさそうね。」

 

 

「主の面会をご所望ですか?残念ながら、ご主人様は滅多に面会なさらないお方ですのので、お通しすることはできかねますわ」

 

 

立ち振る舞い、口調、どこか気品さを感じるが、どこか霊夢を見る目が冷たく、丁寧な言葉とは裏腹に敵意がみなぎっているような印象すら感じられる。

 

 

「そんなことは関係ないわ。さっさと案内なさい」

 

 

「………礼儀すら弁えない愚物には合わせるわけにはいかないわ」

 

 

その一言で、その場の雰囲気が一新された。

 

 

明確な敵意を感じた霊夢はいつでも動けるように、相手の動向を警戒する。

 

 

咲夜も丁寧な口調をやめ、攻撃的な口調に変貌を遂げる。

 

 

「ここら一帯に紅い霧を出しているのはそっちでしょ?あれ、迷惑だから消しなさい。何が目的?」

 

 

「日光が邪魔なのよ。ご主人様は冥い好きだもの」

 

 

「私は好きじゃないわ」

 

 

「それは私に言うことではなくて?」

 

 

「そう、なら主の所に文句を言いに行くわ」

 

 

「それを私が許すとでも?」

 

 

「ふーん、ここで騒ぎを起こせば、来てくれるのかしらね」

 

 

そういって霊夢は手に札を複数枚用意して戦闘に移行する。

 

 

「……まぁ、ゴミ掃除は、メイドとしての役目ですからね。貴方はご主人様にお会いできない」

 

 

対する咲夜は手にどこからかナイフを複数指と指に挟むように持ち、構える。

 

 

「それこそ、時間を止めてでも時間稼ぎができるもの」

 

 

その一言と共に、咲夜はナイフを投げ、霊夢も弾幕を放つ。

 

 

紅魔館玄関でも、霊夢と咲夜の弾幕ごっこが幕を開けた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

色とりどりな弾幕がホールを覆いつくし、咲夜へと高速で弾幕が襲い掛かる。

 

 

しかし、咲夜はそれらの弾幕をひらりひらりとまるで踊るように躱して見せる。

 

 

そして反撃とばかりにナイフと弾幕を霊夢へと放つが、霊夢もグレイズしながら躱していく。所々、衣服に刺さったナイフを引き抜きながら。

 

 

「………めんどくさいわね。それにその余裕そうな顔。笑みまで浮かべる余裕があるみたいね」

 

 

「ふふ……ええ、まるで、時が止まっているかのように、遅い弾幕ですわね。もっと上げてもいいわよ?」

 

 

当然、霊夢の弾幕は高速で放たれ、並みの妖怪ではなすすべもなく当たってしまうだろう。

 

 

しかし、咲夜は違う。放たれた弾幕をひらひらと躱していく

 

 

それが、霊夢の癇に障った。咲夜の余裕そうな顔もそのイライラを加速させる。

 

 

「なら、これならどうかしら?」

 

 

「霊符『夢想妙珠』」

 

霊夢のスペルカードが宣告される。

 

 

霊夢の周囲に虹色の弾幕が形成され、それらが咲夜へと殺到する。

 

 

「…………?こんなものかしら?」

 

 

しかし、ただ単に咲夜めがけて向かってくる弾幕程度、ただ避けるだけで終わってしまう。

 

あまりのあっけなさに、若干馬鹿を見るような目で霊夢を見ている。

 

 

「ッ!!」

 

 

しかし、その虹色の弾幕はホーミング性能付きの弾幕だ。避けた咲夜へと方向を変えてさらに咲夜へと殺到していく。

 

 

それに加えて、霊夢から放たれる通常の弾幕を付け加えて、多少厄介に映る。

 

 

「へぇ、なら…………」

 

 

「幻幽『ジャック・ザ・ルビドレ』」

 

 

咲夜は自身に霊力を集中させる。

 

 

若干のタメの時間を要したが、それに比例するほど、今までの弾幕とは一際大きい弾幕を周囲にばら撒く。

 

 

しかし、その程度、天才の霊夢から見れば平凡そのもの。

顔色変えずに躱せて見せれるだろう

 

 

「………ッ!!??」

 

しかし、その余裕もすぐに驚愕な表情に変わる。

 

 

なんと目の前には無数の、おびただしい量のナイフが目の前に展開され、それらが今、自分に向かってこようとしている。

 

 

(―――危なッ!!)

 

 

しかし、こういった場面では霊夢の人外じみた勘の良さを発揮する。

 

 

とっさの判断でお祓い棒で目の前のナイフ群を払い、即座に低空飛行で地面を擦りながら躱していく。

 

 

「あら、もう終わったのかと思ったけど、案外あがくのね」

 

 

まるで意外だとでもいいたげな口調でおどけて見せる咲夜。

 

 

「……余裕だったけど?自意識過剰にもほどがあるんじゃない?」

 

 

対する霊夢も先ほどのスペルカードに言及し、逆に挑発して返す。

 

 

「そう、なら、お次はこれよ?避けれる?」

 

 

「幻世『ザ・ワールド』」

 

 

次は大量に連なり、広範囲に広がる弾幕を放つ。

 

 

それも、霊夢にとっては余裕で避けられる程度のもの、だが、先ほどのこともあるため、霊夢は油断せずに構え、しっかりと咲夜の動向をうかがっていく。

 

 

「時よ止まれ」

 

 

そんな咲夜が独りでにつぶやくようにその言葉を口にする。

 

 

「そして、時は動き出す」

 

 

 

(……………ッ来た!!)

 

 

先ほどと同じくナイフの群、しかし、さらに量が増え、ナイフのハンドルが青一色だったものが、緑色のナイフも混じって霊夢に襲いかかる。

 

 

だが、それも先ほどのスペルカードを避けた時と同じ要領で避ける霊夢。

 

 

「…………………ッ!!??」

 

 

しかし、避けた先にも突然現れる大量のナイフ群。

 

 

とっさによけようとするも、体勢を崩してしまい、所々グレイズしきれないかすり傷がついてしまう。

 

 

「クッ!!霊符『夢想封印』!!」

 

 

ここで霊夢は2枚目のスペルカードを切った、ホーミング性能がある弾幕を放つと同時に、周囲の弾幕を打ち消す効果を持つ霊夢の能力である。

 

 

霊夢が放った夢想封印の玉のような弾幕と、札の弾幕によって咲夜の弾幕、主にナイフ全般といった弾幕を打ち消していく。

 

 

「!!」

 

 

ホーミングで追跡してくる弾幕を咲夜もかいくぐりながら、好機はここだと弾幕を放っていく。

 

 

すぐさま目の前にナイフの弾幕が突然現れ、襲い掛かってくるのに霊夢も対応せざるをなかった。

 

ホーミング弾幕を避けるだけの咲夜と、突如現れるナイフの弾幕に手を焼いて、攻撃の手が緩む霊夢。

 

 

この状況から、咲夜が大きく有利なのだろうということは見て取れる。

 

 

しかし、両者、制限時間切れでスペルカードブレイク。

 

 

地面へと着地する霊夢。

 

 

「ッ!」

 

 

しかし、反射的に顔を横に傾ける。

 

 

元々傾けなければあったであろう右頬のあたりに一本のナイフが通り抜ける。

 

 

しかし、若干反応が遅かったのか、完全によけきることはできなかったようだ。

 

 

霊夢の右頬にナイフがかすって、かすった頬から赤い雫がツウッと流れた。

 

 

「………化け物じみた反射神経ね。完全に殺ったとおもったのだけれど」

 

 

「………こればっかりは自分の悪運に感謝ね。」

 

 

目の前に降り立って未だ余裕そうな笑みを浮かべながら話しかけてくる咲夜。

 

 

霊夢はこの時、先ほどの二枚のスペルカードについて考察を行う。

 

突然目の前に展開されるナイフの群れ。それが飽きることなく次々と襲い掛かってくる現象。

 

魔方陣を展開してはいるが、一度にあんな大量のナイフを発射できるようには思えない。

 

「…………………時間停止による弾幕、いいえ、ナイフの大量設置かしら」

 

 

そう、様々な考察の結果、霊夢はそういった結論に至った。

 

 

「…………………ご名答、流石は博麗の巫女かしら?」

 

 

正解を当てられた咲夜も驚くことなく、逆に面白くなってきたと一層笑みを深めながら余裕そうな軽口を叩いて見せる。

 

 

咲夜にとっては。理屈がわかったとしても到底止められることがないという考えで、相当自分の能力に自信を持っていることが見て取れるのだ。

 

 

「………種は解った。こっからは私の番ね」

 

 

「あら、あると思っているの?解ったでしょう?貴女の時間ですら、私のもの。時間を取られた貴女に勝ち目なんてあると思う?」

 

 

「時間停止程度、何ともやるようによってはいくらでも対策できるわ。それより、これからの自分の身の振り方を考えておくべきよ」

 

 

「あら、怖い」

 

 

霊夢の警告にも軽口を叩いておどける咲夜。

 

 

「でも……………………」

 

 

と、霊夢は続ける。

 

 

「今までの分もあるけど、何か一目見た時から何か気に入らないのよね。あんた」

 

 

「…………奇遇ね。私も貴女のこと、気に入らないわ」

 

 

案外似たものどうしな両者、にらみ合う。

 

 

霊夢と咲夜、第二ラウンドが今、始まろうとしている。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「火符『アグニシャイン』」

 

 

パチュリーがそうスペルカードを宣告すると、火の渦が魔理沙を襲う。

 

まるで激しく火が渦となって襲い掛かってくるように、紅く、燃えているような弾幕だ。

 

 

「ほいっと!」

 

 

しかし、この程度は魔理沙にとっては朝飯前であったようで、持ち前の素早さで軽々と避けていく。

 

ついでに反撃も込みである。

 

 

「水符『プリンセスウンディネ』」

 

 

今度は、レーザーのような弾幕と、それに組み合わせて比較でき弾速が遅い弾幕を張ってくる。かと思えば、大きい弾幕を少しだけ早く射出していたりと、何か抜け目のない弾幕の展開をしているパチュリー。

 

 

魔理沙はその弾幕を見て、懐から愛用のミニ八卦炉を取り出す。

 

 

そして、パチュリーに向けて、かつスペルカードを打ち消すように、ミニ八卦炉に魔力を集中させる。

 

 

「恋符『マスタースパーク』」

 

 

けたたましい音と共に極太のレーザーを発射する。

 

 

マスタースパークは周囲の魔理沙に向かって襲い掛かる弾幕を巻き込みながら、打ち消し。なおかつパチュリーへと一直線に襲い掛かっていく。

 

 

「……………………」

 

 

しかしパチュリーは、そのマスタースパークに対して自身の前に結界を展開してマスタースパークを相殺する。

 

 

「………おお、マスタースパークを消す結界なんて初めて見たぜ」

 

 

「……………この程度、別に些細なことよ」

 

 

「言ってくれるぜ。まだ、手の内を残しているんだろ?見たところ、魔法が得意だってんだから相当の引き出しはあるはずだぜ」

 

 

「そうね。いろいろ試したいスペルも魔法もあるし、実験台にでもさせてもらおうかしらね」

 

 

「へぇ、面白いな!断然、ここの魔導書に興味がわいてきたぜ!相当の掘り出し物なんだろうな!」

 

 

そういって、また飛び出す魔理沙。

 

「木符『シルフィホルン』」

 

対するパチュリーもまたスペルカードを宣言する。

 

 

今度は葉っぱのような弾幕を斜め、上、右側から放ったりと、不規則的に流れに合わせて射出していく弾幕を放つ。

 

不規則的に流れていく弾幕に対し、魔理沙も特段変わらず簡単によけていく。

 

 

「おいおい、そんなに飛ばして大丈夫なのか?」

 

 

「ええ、特段健康そのものね。あいにく、今日は調子がいいし、魔力も人以上、それも並みの魔法使い以上に蓄えている自信があるの」

 

 

「へぇ、じゃあせいぜい息切れしないようになッ!!」

 

 

「魔符『ミルキーウェイ』」

 

 

お次はこっちの番だと魔理沙もスペルカードを宣告する。

 

自分を軸に、逆時計回りに星形の弾幕を射出しながら、周囲に小型の星が弾幕をばら撒いて、パチュリーの行動範囲を狭めようとしている。

 

 

「………無駄ね」

 

 

しかし、その星形弾幕も、パチュリーの結界によってかき消されてしまうようだ。

 

 

星形の弾幕を結界で打ち消すどころか、逆にレーザーを放って魔理沙の隙をついて落とそうとしている。

 

 

「くそッ!結構面倒だな、それ」

 

 

魔理沙はパチュリーの結界に対して苦言を呈するが、こればっかりはこうも言ってはいられない。

 

 

もう一度、手に持っているミニ八卦炉に魔力を込める。

 

 

………火力不足なら、さらに火力を増せばいいだけだ!

 

 

そう、それが彼女が魔理沙である所以である。

 

 

彼女の弾幕ごっこに対する意気込み、それは

 

 

『弾幕はパワー』ということである。

 

 

弾幕は火力を追求していけばいい、それが彼女の研究であり、それが彼女である。

 

 

さらに再び、さっきはかき消されてしまったが、今度は魔力は十分だ。

 

 

「恋符『マスタースパーク』ッ!!」

 

 

先ほどのマスタースパークとはさらに大きく、そして勢いよく発射されたこのレーザー。

 

 

「……………!!」

 

 

パチュリーはこのマスタースパークの異変に機敏に気が付いた。

 

 

これは、結界で 封じ込めるほどの威力ではない。と。

 

 

そう判断したパチュリーはさっさとその場から距離を離し、レーザを回避した。

 

 

「…………もっと火力を高めれるのね。少し驚いたわ」

 

 

「ああ、火力が私の自慢なんだ」

 

 

驚いたとは言うものの、表情を一切変えないパチュリー、それに対し、結界を打ち崩したことによって上機嫌にそう返す魔理沙。

 

 

「…………まぁ、少々本気でやらなきゃいけない相手だっていうことは解ったわ」

 

 

「おっ、それは光栄だね」

 

 

そう言ったパチュリーは全身に魔力を込めていく。

 

 

魔理沙も軽口を叩いている者の、雰囲気が変わった相手、パチュリーを見据えて油断なくじっと構えている。

 

 

パチュリーはおもむろに手に持っていた本を開く。

 

 

「喜びなさい。私のとっておきのスペルカード、貴女に見せてあげましょう。せいぜい、途中で被弾しないように」

 

 

「へッ!どんとこいだぜ!」

 

 

パチュリーは本を持っている右手とは反対の左手を上に高くつき上げ、突き上げた左手に魔力を込めていく。

 

 

魔力が左手の上に集結していき、それがまるで火のような激しさを帯びながら形を形成していく。

 

 

それは、まるで太陽。

 

 

先ほどの『アグニシャイン』の火とはまるで次元が違う。

 

 

それはまるで太陽の怒り。

 

 

「ッ……………………」

 

 

魔理沙も並々ならぬ雰囲気を直感的に感じたのか、息をのみ、パチュリーの次の動向について厳重に注意する

 

 

「日符『ロイヤルフレア』」

 

 

そのパチュリーの宣言と共に、太陽の怒りの弾幕が放たれた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「あやや、一足先に紅魔館に入っていった魔理沙さんを追っていくか、いま門の前で戦っていらっしゃる霊夢さんを密着するか、う~ん、悩むわね」

 

 

…ツンツン

 

 

「しかし、魔理沙さんの後を追っていくのもなかなか特ダネのにおいがしそうだけど、霊夢さんの方が面白そうなのよね…………」

 

 

 

………ツンツン

 

 

 

「あやや、何ですか?さっきから私の背中をツンツンしている人は。一体何の用ですk……………」

 

 

「こんにちは」

 

 

「あやややややや!!!???こ、ここここれは、吸血鬼の!!え、え~と」

 

 

「フランドール・スカーレット」

 

 

「そ、そう!フ、フランさん!し、しかし、どうしてここに?」

 

 

「貴女?」

 

 

「へ?」

 

 

「図書館に侵入しようとしている一匹の白黒ネズミさんって」

 

 

「!?」

 

 

 




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