咲夜は対峙している霊夢に対して持っていたナイフを数本投げて牽制する。
しかし、霊夢も投げられたナイフを事もなげに叩き落とす。
霊夢も弾幕を放つがこれも咲夜は踊るようにして避ける。
先ほどから、これの繰り返しである。
霊夢は先ほどのスペルカードで使われている時間停止の攻撃を警戒してか、あまり深くに踏み込むことをためらっているようにも思え、咲夜は霊夢の動きを察知してか、様子見とばかりにナイフを牽制として放っているのみであるからだ。
と、いうよりは、咲夜に関しては何かを狙っているかのような、そんな怪しさを霊夢は自身の勘ながらも感じているのである。
次は自分の番だと豪語しておきながら、思ったよりも踏み込めない。咲夜は隙のない弾幕を放っているからである。
……………………これじゃ、埒があかないわね。
「霊符『夢想封印』」
膠着状態で不利になるのは自分の方である。そう考えた霊夢は攻めることにした。
霊夢が切ったスペルカードが弾幕を構成し、ホーミング性能を備えた弾幕が咲夜へと襲い掛かる。
「フッ……………………」
しかし、咲夜は霊夢から放たれた弾幕を見て、すでにそれは見切ったといわんばかりに不敵に笑みを浮かべ、自分に追尾してくる弾幕ですらひらひらと躱してしまう。
「奇術『幻惑ミスディレクション』」
対する咲夜も対抗としてのスペルカードを宣告する。
咲夜から四方へと時計の針のような弾幕、いわばクナイ弾のばら撒く。
「………ッ!!」
しかし、それだけではない、今度は直線的であり、高速に放たれるナイフの弾幕。
辺りへゆっくりとばら撒かれるクナイ弾と直線的に、かつ高速で向かってくるナイフの弾幕。それらが霊夢の動きを制限していく。
しかし霊夢はしっかりと弾幕を見極め、次々に安置へと弾幕を避けながら移動していく。
「フフッ、かかったわね」
「ッ!?」
「メイド秘技『殺人ドール』」
安置へと移動した霊夢に獲物を狩る目で怪しげに笑った咲夜がそういうと、咲夜はとっておきのスペルカードを宣告する。
霊夢が咲夜の紅くなった瞳を見た瞬間、目の前にはより大量のナイフの弾幕で覆いつくされた。
時間を停止させて、配置するは大量のナイフの群、まるで逃げ道など等にない。
高密度に放たれたナイフは赤と青で彩られていた。
「あら、棒立ちでいいのかしら?」
「!!??」
しかし、これだけでは終わらない。また一瞬のうちに緑のナイフが配置されている。
これは高密度で直線的に配置していた赤と青のナイフとは違い、逃げ道少なからずあった逃げ道を次々と塞いでいくようにばらばらに配置されているナイフである。
…………避けられないッ!
もはや直感的に感じた結論をすぐに飲み込んだ霊夢は大胆な行動に移る
「霊符『夢想封印』」
「!?」
スペルカードを宣告すると同時に咲夜へと突進。
自信のスペルカードの効果で周囲のナイフの弾幕を打ち消しながら向かってくる。
「自棄にでもなったのかしら!ただただ突っ込むだけでは攻略できないわよ!!」
しかし、この奇想天外な霊夢の突撃は咲夜にとっては無駄な行為、一応想定の範囲内であるようだ。
また時を止めて、向かってくる霊夢に対してまたナイフの弾幕を再配置する。
そして、肝心の咲夜自身は、咲夜が向かってくる方向とは違う方向へと移動しながら。
(………無謀な突進は自滅になることを知りなさい)
そう、停止した世界の中で独りほくそ笑んだ咲夜は、そっと腰につけている懐中時計へと魔力を込める。
停止した世界を再び進める。
その時の錯綜の途中、ふと咲夜は霊夢へと目を見やる。
「……………ッ!?いないッ!?」
時間を停止した時には確かにそこにいた霊夢がいない。
霊夢がいたであろう場所にナイフの弾幕が通過していく。だが、当の本人がいない。
「…………見つけたわ」
「ッ!?しまッ!!」
後ろで霊夢の声がしたとたん、咲夜は自分の失態にすぐさま気が付いた。
急ぎ、時間停止をさせようと能力を発動させようとするが。
「もう遅いわ」
「霊符『夢想封印』」
能力を発動させるより、霊夢のスペルカードの宣告の方が早い。
霊夢の「夢想封印」は無防備な咲夜の背後を襲った。
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「……どうして、場所が、わかったのかしら?」
咲夜は、息絶え絶えになりながらもそう霊夢に問いかける。
先ほど、霊夢の弾幕によって撃墜された咲夜は勢いよく壁に衝突し、壁にクレーターを創り出し、めり込んでいる。
「………………勘よ」
霊夢は当の咲夜の方を見ずに、上へあがる階段へと見やりながら返答する。
「…………、勘…?その程度の。観測で、判断を下したというの?」
「……………………」
「…………まったく、化け物、ね」
そういってゆっくりと気絶するように眠る咲夜。
しかし、対する霊夢は特段興味を示さずに一段一段階段を上り始める。
「………………化け物、ねぇ」
霊夢は階段をのぼりながら誰に言うでもなくぼそっと一言放つ。
「それはお互い様じゃないの?」
「……………あら、バレてましたか?」
気絶するように眠っている咲夜へと霊夢は一瞥しながらそう言うと、気絶していたはずの咲夜はけろっとした顔で返答して見せる。
そして、咲夜は平然と立ち上がり、階段を上ろうとしている霊夢へと目を向ける。
手には、無防備になった霊夢へと撃ち抜く用に一本のナイフを隠し持ちながら。しかし、その企みも霊夢に見破られてしまったのだ。
「…………あんた、メイドじゃなくて、暗殺者にでもなったら?」
「誉め言葉として受け取っておくわ。一応、暗殺業とかもしていたもの」
「…………とんだ食わせ者ね」
霊夢ははあ、とため息をひとつつきながらやれやれといった表情に対し、咲夜は未だ戦意が失われておらず、これからが楽しいんだといわんばかりに好戦的な笑みを浮かべている。
「面倒ね」
「フフッ、まだまだこれから、楽しみましょう?」
好戦的な笑みを浮かべている咲夜ではあるが、実のところ能力を使い果たし、かなりの消耗をしているのは確かだ、だが、能力が使えなくても善戦して、少しでも霊夢を消耗させてやろうと考えている。
再び、階段をはさみながら。対峙する霊夢と咲夜。
人間同士の弾幕ごっこは熾烈を極め、今、ここに、第三ラウンドが開幕しようとする………………ッ!!
「……………やってらんないわ」
「なっ!?」
はずだった。
霊夢は踵を返して、咲夜とは反対方向に飛び出していく。
突然の行動に咲夜は驚愕を隠せないでいる。
「もう、勝手にあんたんとこの主の所にいってやるわ」
「ま、まちなさい!」
そういって飛び出す霊夢を追いかける咲夜。
しかし、未だ消耗も少ない霊夢とかなり消耗した咲夜。
その二人のスピード差は明らかであり、どんどん距離を離されていく。
「妖精メイド達! 侵入者よ!お坊ちゃまの元にお通ししてはいけないわ!」
咲夜の一言にこたえるように突如出現する妖精メイド達、霊夢の進行方向に立ちふさがるが弾幕を放ってくる。
「……………どきなさい」
「お坊ちゃまの元にはいかせない!」
「あのお方の元に侵入者は絶対に通さない!」
「…………はあ、面倒ね。本当に」
次々と撃墜しても新しいのが現れて弾幕を放っては足止めしようとしてくる妖精メイド達。
霊夢は自身の勘を頼りに、向かってくる妖精メイド達を撃墜しながら。
そして、後ろから追ってきているであろう咲夜から逃げながら。
当の紅魔館の主を探していくのであった。
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「日符『ロイヤルフレア』」
魔理沙に、パチュリーのスペルカードが宣告される。
曲線上に紅い弾幕、まるで火を思わせるような弾幕がまるで広がったり、収縮したりと飛んでいく。
「クッ!!なんなんだぜ、これは!!」
時に激しく、時に緩やかに緩急をつけながら襲い掛かってくる弾幕に魔理沙は苦戦する。
「ロイヤルフレアよ」
「そんなことを聞いているんじゃないぜ!」
パチュリーにツッコミをかますくらいには余裕はあるようではある。
「あら、まだ余裕みたいね」
「正直、キツイぜ」
「そう、なら」
「月符『サイレントセレナ』」
ロイヤルフレアが急に収まって、なくなったかと思えば、次に繰り出されるは空から降ってくる粒状の弾幕。
まるで、雨かと錯覚するような水色の弾幕が降り注ぐように流れてくる。
そこにパチュリーが放つ鮮やかな水色の弾幕が高速で周囲にばら撒かれていく。
「たくッ!無駄に面倒だぜ!」
そういいながら魔理沙はイリュージョンレーザーで降りかかる弾幕を次々と撃ち落としていく。
「無駄口を叩いている暇はないわよ?」
「火水木金土符『賢者の石』」
パチュリーから次々と繰り出されるのはどれ最高級のスペルカード。
一枚目を防げばさらに連続で二枚目、そして3枚目と次々とパチュリーは息をつかせる暇はあたえないとスペルカードを切っていく。
パチュリーの周りに5つの魔法仁、そしてパチュリーを取り囲むように魔法陣が表れ、それぞれ属性が違うのか、色鮮やかな弾幕をそれぞれ射出していく。
一方は早く、一方はゆっくりと、それぞれに緩急をつけて襲い掛かってくるため、見極めが難しく、避けずらい。
「クソッ!まとめて吹き飛ばしてやるぜ!」
そういって、魔理沙は手に再びミニ八卦炉を持ち、魔力を込める。
できる限り、最高火力で。
周囲にパチュリーの『賢者の石』の弾幕に囲まれている現状を打破しようと、ミニ八卦炉をパチュリーに向ける
「恋符『マスタースパーク』ッ!!」
そしてけたたましい音と共にまたマスタースパークがパチュリーに襲い掛かる。
今までよりも火力は高いであろう。マスタースパークの音の激しさと周囲に伝えるような魔力のバチバチがそれを物語っている。
「ッ……………………!」
パチュリーも、先ほど出現させた5つの魔法陣を前方に出して、マスタースパークを受け止める。
ジジジジと魔力のぶつかり合いで周囲に激しく魔力の波が飛び散っていく。
5つの魔方陣、それに対するは大きなマスタースパークという極太なレーザー。
この二つがぶつかり合って衝撃波が周囲につたわる。
一際大きな衝撃と音が周囲をを響きならした時、魔方陣とマスタースパークは相殺しきったのか、その場に姿を表してはいなかった。
「…………あれを、消しちまうのか。私の自信作だぜ…………?」
もはや、自分の最高の一撃がかき消されてしまい、もはやたはは、と笑うしかない魔理沙に対して、パチュリーは再び魔力を込めている
「おいおい、まだあるのか…………?」
「当然、私の知識量と魔力量をなめてもらっては困るわ」
そういってパチュリーは先ほどよりも大きな魔力をその体に込めていく。
そして、その膨大な魔力によって生み出される弾幕を魔理沙へと放とうとする。
「…………………ゲホッ!!!???」
「…………………うえ!?」
突然、パチュリーが大きな咳をした。
一瞬で魔力が消散し、魔理沙は驚きのあまり変な声を出してしまう。
「ゲホッ、ゲホッ、ケホッ……………こ、こんなときに…………………ッ!!」
「あえ………………?」
一変苦しそうに咳をするパチュリーに対してポカンとする魔理沙。
「あ~、何だ、気の毒だな。同情するぜ」
なんとなく気まずい雰囲気になってしまったものの、魔理沙はそう言う。
「まぁ、とにかく、それとこれとは話が別だぜ、戦えないんだったら魔導書をもらっていくぜ~」
「……も、もってかないでー」
魔導書を探しに図書館内を移動しようとする魔理沙に、止めようとするパチュリー。
だが、喘息のせいで思った通りに体が動かない。
万事休す。
「パチュリー!パチュリー!!」
「……………ッ!!!」
「あん?」
パチュリーに突如、救世の声がかけられた。遠くの方でパチュリーを呼ぶ声。
ばっとパチュリーは声の方向へと目を向ける。
「捕まえたよ!!白黒の泥棒!!」
「んー!んーー!!!!!!」
「……………………」
「ん?」
白黒の泥棒を捕まえたと喜色満面の笑みで縄を手に持ちながらこっちに向かってくるフランと、捕まって縄で縛りつけられてしまっている射命丸文。言葉を発することが出来ないでいる。口にテープの様な物を付けられているからである。
それを見て何とも言えない表情をするパチュリーに状況がつかめずに?マークを浮かべながら首をかしげる魔理沙。
「あれ?パチュリー、その人は?」
また、フランはポカンとした顔で魔理沙を見ながら、パチュリーに聞く。
「ケホッ!……………………そっちが泥棒よ」
「え?」
「泥棒って………、私かッ!?」
「んーーーー!!!!!!」
図書館内は複雑な雰囲気に包まれた。
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「…………そろそろだな」
「………………ええ、そろそろね」
二人の何か言葉を発してはいけないような異様な空気がその一言によって消散していく。
二人はテーブルを挟んで紅茶を楽しんでおり、テーブルの上には空になったティーカップとティーポット。
「そろそろ終焉の時来る、だな」
「ええ、では、首尾の方はよろしくお願いするわ」
「ああ、………いや、しばし待て」
「…………………?どうかしたの?」
「ああ、少し失礼するぞ」
「はえ……………………?」
そういって、気が付けば紫の目の前にいるレミリア。
紫が認識しするが早いか、レミリアは牙を突き立てる。
狙いは首筋。
「……………ッ!?」
「……………ん…………」
一瞬の内に時間が止まった。
その場に流れるは何かが何かを飲んでいるような音が流れるのみである。
「…………ん、もういいぞ」
「……………なっ……………なっ!!!???」
スッと首筋に立てていた牙を抜き、口を拭いながらレミリアはそういう。
紫は首筋に手を抑えながらも突然のレミリアの行動に言葉を失っている。
「何、腹が減っては、とはよく聞く格言であろう?戦地に向かうのだ、これくらいは許せ」
そう何ともないように言い放つレミリア。
「では、お前も程を見て、姿を隠しておけよ。何しろ博麗の巫女にバレたとなれば体裁も悪かろう」
そう言って、部屋から退出していくレミリア。
部屋に残ったのは、未だ放心している幻想郷の賢者の姿ただ一人だった。
パチュリーのスペルカード1枚目と2枚目順番逆になってしまいました。
すいません、ご了承ください
あ、それと、おぜう様、お迎えできました。