私レミリア♂紅魔館がヤバい!   作:たぶくむ

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紅い悪魔(後編)のフラン視点です。


悪魔の妹(フラン視点 前編) 

「奥・!元・・・の・・す!」

 

「・っ!旦・・、・・・・様!ご・・・・・!」

 

 

遠くの方から何か聞こえてくる。辺りが真っ暗で、自分が目を開けているのか、閉じているのかすらわからなくなる。

 

 

身体が浮く、何かに抱きかかえられている。

 

撫でられているのだろうか、とにかく、目が見えないことには判断のしようがない。

 

目を開けようにも、不思議と目が開こうとしない

 

 

「母・!わ・・・も・・・を・・・・く・・い!」

 

 

ッ!別の何かから触れられている?

 

 

そこで、体の自由がきいたような感じがして、目を開けてみた。

 

 

 

 

………!!!

 

 

 

目に映ったのは綺麗な青だった。

 

 

こちらに顔を向け、顔が会ったと思えば微笑んでくる美しい顔

 

 

そして何より、宝石のように、輝く眼

 

 

 

 

欲しいなぁ…………

 

 

 

 

ふとそんな想いが芽生え、その紅に手を伸ばそうとする。

 

 

その手はやんわりと躱されてしまったが、その後の一つの肖像画のように神秘的で、美しいその笑みに見とれてしまった。

 

 

「・・・ア?そ・・・あ・・・・な・・・・、ど・・・でも・守・・・・い」

 

 

「・い!・・ど・・・の・・守・・・・・す!」

 

 

「ね・、・なた?・・子・・前・・・・ど、ずっ・・から・・て・の・・るの」

 

 

「あ、・・。な・・い?」

 

 

「フ・・ド・ル、そ・、こ・子・名・・ラン・-ル!ね?・い・前で・う?」

 

 

視界の隅でそんな会話が行われているのを聞いた目の前の紅が花の咲くような笑顔でこちらに顔を合わせてきた。

 

 

 

「私はレミリア、お前の兄だよ、フラン、フランドールッ!よろしく!」

 

 

 

これが、私フランドール・スカーレットと、私の兄レミリア・スカーレットの初対面だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

………目が覚める、さっきのは、二年前の記憶だろうか、いや、そうだ。

 

 

私が生まれた時の夢を見るなんて珍しい。それほど、印象的だったのだろう。

 

 

 

 

私、フランドール・スカーレットはスカーレット家の長女として生を与えられて2年になる。

 

 

 

吸血鬼という種族に生まれ、人間という生き物の血が必要不可欠だという種族なのだとか

 

 

私は、人間という物を見たことがない。なんでも、ここ、紅魔館の外に出なければ見つけることができないのだ。

 

 

まぁそれはともかくとして

 

 

眠りから覚めた私は、少し寝ぼけてベットの上でぼけーっとしてしまう。

 

 

 

 

……コンコン

 

 

ドアをノックする音が聞こえる。

 

 

「……なに?」

 

 

「お嬢様、朝食の準備ができております。」

 

 

「そう……、いまは、いらない」

 

 

「かしこまりました。お嬢様。」

 

 

失礼しますと一声かけてから、ドアの外に控えていた使用人、眷属?が出ていく。

 

 

 

正直、私はこの館、紅魔館が好きではない。

 

 

 

……私はお父様が嫌いだ。

 

 

 

正確にはお父様に嫌われているから、嫌っているの方が正しい

 

 

前々からそうだ、何かあいつが私を見る目が周りと違うのだ。

 

 

何か、腫物を扱うように、邪魔者を見る目でこちらを見てくるのだ。

 

 

私への対応も冷たい。

 

 

勘違いではなく、確実に。

 

 

また、使用人たちの目も、何だが、私ではない私を見るように扱っている。

 

 

大方、ほとんどが、スカーレット家長女のフランドールを見ていて

今ここにいるフランドールを見ようともしていない。

 

 

それが気に障るのだ。

 

 

 

別に悲しくはない、私にはお母様とお兄様がいる。

あの二人はちゃんと私を見てくれている。

 

 

お母様は体調を崩していて、あまり対面の機会が多くない。

 

 

 

その代わり、お兄様がその分沢山私と接してくれる。

 

 

今日もこんな時間にもかかわらず……

 

 

 

コンコン

 

 

 

「フラン?起きてる?」

 

 

ほら来た!聞き覚えのある優しい声!お兄様だ!

 

 

「うん!おきてるよ!にーに!」

 

 

「今、入っても大丈夫?」

 

 

「うん!へいき!」

 

 

ガチャ…

 

 

ドアが開いた瞬間、ドアを開けたお兄様に向かって突っ込むように抱き着きにいく

 

 

「うわっ!?」

 

 

驚いたように声を挙げながらもしっかりと抱き留めてくれるお兄様

 

 

私よりも少し身長が上のお兄様だけど、抱き心地が良くて、いい匂いがして、ごつごつしてなくて、やらわかくて、とにかくすごいの!

 

 

「フラン?いきなり人に抱き着いてきたら危ないだろう?」

 

 

「はーい、ごめんなさい、にーに」

 

 

抱き着くのはお兄様だけなんだけど、でも、お兄様に怒られるのもなんだか好きだ。

 

 

そういう趣味とかではなく、ただ単純にお兄様が私を見てくれているっていうことを認識できるから。

 

 

「ほら、フラン、絵本持ってきたから一緒に読むかい?」

 

 

「うん!いっしょによむ!」

 

 

しゅんとしてる私を見かねたのか、お兄様は一緒に絵本を読もうと誘ってくる。

 

 

お兄様は私のことを気にかけてくれる。

 

この館にいる誰よりも。

 

確かにお母様も私のことを可愛がってくれるけど、最近ではお部屋で寝てばかりであまり私のお部屋に来てくれない。

 

 

私は、お兄様が大好きだ。

 

 

 

お兄様は私に新しい世界を見せてくれる。

 

 

色々な知識、外の世界、美しい情景

 

 

紅魔館の中にいたままじゃ到底知ることのない無限の可能性を私に教えてくれる。

 

 

 

 

それに、お兄様は私を愛してくれている。

 

 

お兄様だけが私を見てくれている。

 

 

父だと名乗るあいつも、仕えている使用人たちとも違う。

 

 

他の誰よりも、お兄様は私を見て、私を愛してくれる。

 

 

 

 

 

―――私だけを!お兄様が見ている!愛してくれてる!

 

 

 

 

 

………少し興奮しすぎた。

 

 

 

 

 

まぁ我ながら、『にーに』呼びと、子供のふりは少しだけ恥ずかしいけれど、そっちの方がお兄様からの受けがいいから、お兄様から良く見られるためには多少の恥ずかしさなんて何ともない。

 

 

 

「じゃあ、ベットの上で一緒に読もうか」

 

 

「うん!」

 

 

 

ベットの上で絵本を広げて、一緒に寝そべって絵本を読む。

これがまた至福の時だ。

 

 

その日は一緒に玩具で遊んだり、運動したり、一緒に寝たりした。

 

 

 

 

 

―――いい匂いでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「………?にーに?どうしたの?」

 

 

「い、いや、なんでもないよ……」

 

 

今日はなんだかお兄様が暗い顔をしている。私に感づかれないように上手く隠そうとしているけど、バレバレだ。

 

 

 

 

 

 

 

――――お兄様が隠し事してるのは、何か嫌だなぁ………

 

 

 

 

 

「でも、にーに、悲しそうな顔してるよ?」

 

 

 

「……母上の体調があまりよろしくないらしい」

 

 

 

しばらく、お兄様は言うことを憚っていたようだが、決心したようにそう告げる。

 

 

 

「………………」

 

 

 

お母様がお部屋で寝たきりなのは知ってる。それも、かなり前からだ。

 

 

陰でこそこそと使用人が話しているのをこっそり聞いてみるに、あまり長くはないらしい。

 

 

 

ゴホゴホと咳をしたり、顔色がだんだん悪くなっていったり、食欲がわかなくなって、人間の血すら、喉を通さなくなっているだとか。今ではすっかり衰弱しているらしい。

 

 

 

『死』

 

 

そんな言葉が私の脳裏によぎった。

 

 

あまり良くわからないけど、本でそういう単語を見た気がする。

 

 

この世?からいなくなって、二度とその人と会うことができなくなるらしい。

 

 

 

お母様が死ぬ。

 

 

あまりピンとこないけれども、お母様がいなくなってしまうのだろうか。

 

 

………これといって感情が沸かない。

 

 

 

お母様は優しい、あまりお母様とお話したりすることは少なかったけれども、それでも私のことを愛してくれていているのは解る。

 

 

そんなお母様と会えなくなるのは寂しいし悲しいことなんだろう。

 

 

………?

 

 

解らない

 

 

『死』という概念も、お母様がいなくなってしまうというのに無感情で受け入れる私という存在にも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――もし、お兄様がいなくなってしまったら?

 

 

………嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!

 

 

お兄様と会えない生活なんて信じられない!

 

 

 

手が、顔が、体が、震える、心に黒い靄がかかる。

 

 

お兄様が死んじゃいやだ!!!

 

 

 

「………ッ!?」

 

 

身体が優しく抱きしめられる。

 

 

犯人はそう、お兄様だ。

 

 

暗い顔になっていることを察したのだろう。

 

 

何も言わずに私を抱きしめている。

 

 

急速に体の震えが止まり、反対に幸福感が湧き出てくる。

 

 

 

――心地いい………

 

 

そんな時間はすぐに終わってしまう。

 

 

「よし、フラン!今日絵本を読んであげようか?一緒に遊ぼうか?」

 

 

パンッ!と手をたたいて、仕切りなおすようにそう私に言った。

 

 

 

「きょーはにーにといっしょにあそぶ!」

 

 

今日もお兄様と一緒に過ごすことが出来そうだ。

 

 

 

それにしても、あんなにお兄様が心配するなんて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――ズルいなぁ………

 

 

 

 

 

 




あまり小説を書く時間が取れなくて、本当に不定期に投稿します。


出来上がり次第、上げていきます。
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