私レミリア♂紅魔館がヤバい!   作:たぶくむ

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今日の朝、とある誤字報告がございまして。

何だろうと思ってみてみたら、序盤の話の方で、フランちゃんの生い立ちで『次女として生まれた~』という説明をしていた件でした。

そういえば、このおうぜ様の世界線はフランちゃんは長女やん…………。とちょっと考えればこんなミスはないだろうという誤字?を序盤でしてしまい、思わずクスリと笑ってしまった今日この頃です。もちろん即座に適用させていただきました。

誤字報告していただきましたユーザー様、ありがとうございました^^:


春雪異変 後日談

春の時期となっても一向に冬が終わらないという異常現象、である『春雪異変』

 

 

その実態は、『冥界』の管理者である西行寺幽々子が、白玉楼にある西行妖の封印を解こうとして、幽々子の庭師である魂魄妖夢に幻想郷中から『春』を持ってくるように命じたことが事の発端である。

 

 

しかし、封印されていた西行妖は、人を『死』へと誘う危険すぎるお化け桜であったため、元々、終わらない冬を解決しようと動き出した博麗霊夢、霧雨魔理沙、十六夜咲夜、そしてレミリアとフランが全力を以て西行妖を再封印して、この異変が終わった。

 

 

この異変は、一歩間違えれば幻想郷の滅亡の危機にもなりうる危険な異変であったため、幻想郷の賢者『八雲紫』が冬眠中に飛び起き、急ぎ対処したこの異変。

 

 

霊夢達の奮闘と、八雲紫とその式たちが、『冥界』と『幻想郷』を繋ぐ『境界』を操作して必死に冥界からの『死』を防いだことによって、幻想郷への影響はなかった。

 

 

当然、幻想郷の滅亡にも関わる重大な異変を起こしてしまった西行寺幽々子には、それ相応の責任を取ってもらわざるを得なくなる。

 

 

しかし、当の霊夢達は、それといって無関心であり、西行寺幽々子への処遇はそれほど重くない処遇へとなる。 これが霊夢以下の言い分である

 

 

『私はただ単に異変解決の為に向かっただけよ』

 

 

『私もだな!愉しかったぜ!!』

 

 

『……………私はお坊ちゃまの御命令通りに異変解決を』

 

 

『咲夜を守りに』

 

 

『お兄様の付き添いで』

 

 

こういった意見?や、幽々子と紫が旧知の友という関係から、さほど重い処遇はなく、ただ単に冬が長く続いた『異変』として扱われた。

 

 

しかし、おとがめなしという訳ではなく。

 

 

・二度と西行妖の封印を解かない

 

 

・幻想郷に被害が及ぶような『異変』を起こさない

 

 

・春を遅らせた責任をとって幻想郷へと『春』を何倍にも返すこと

 

 

 

を条件に、晴れて春雪異変は完全に解決したのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そういえば、霊夢、魔理沙。お前たちはとある屋敷に迷い込んだ挙句、そこに住んでいる妖怪の猫を虐めて、その屋敷の家財を盗んでいったそうじゃないか』

 

 

『……………な、なんのことかしら』

 

 

『…………さ、さぁ………な、なんのことやら』

 

 

『藍しゃま!!こいつらです!!』

 

 

『………………あッ!!!???』

 

 

『………………お、お前はッ!!??』

 

 

『…………………そうかそうか、やっぱりお前たちか。お前たちが、橙をねぇ………フフフ、何、別に難しい話をするわけじゃない。少し私と『オハナシ』をしようと思って、ねぇ?』

 

 

『……………に、逃げるわよ!!』

 

 

『が、合点!!』

 

 

『こらッ!!待てッ!!!今日という今日は許さんぞッ!!霊夢ゥゥゥゥゥ!!!』

 

 

と、珍しく九尾の狐が憤怒の表情を露にし、霊夢と魔理沙を追いかけまわしたこと以外は穏やかに異変が終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ふぅ、ようやく落ち着いたな。一日が長く感じたぞ」

 

 

「フフッ、お疲れですか?」

 

 

「何を言う、一番疲れているのは咲夜。お前だろうに」

 

 

「従者たる者、この程度で根を上げては失格ですわ」

 

 

「やれやれ、よくも強かに育ってくれたものだな」

 

 

時は変わって紅魔館のレミリアの自室では、息を吐き、ソファーに座るレミリアと、そのレミリアへと紅茶を注ぐ咲夜の姿があった。

 

異変解決に咲夜を向かわせてから一日が経過、レミリア達がこうして紅魔館へと帰宅して、自室で二人がこのようなやり取りをしている頃には夜更け近くになっていた。

 

 

フランは、帰宅した途端に、『眠いから寝るねー』と、いうが早いかすぐに自室に向かって飛んで行ってしまった。

 

まぁ、時間が時間だから仕方のないことだが。

 

 

こうして、レミリアと咲夜は、異変終了後の一時の休息を愉しんでいる所だ。

 

 

紅魔館に帰ってきたときのみんなの反応ときたらすごかった。

 

 

紅魔館の中でもトップクラスの実力を誇る咲夜のメイド服が所々ボロボロになっており、戦闘の激しさを物語っており、それでもなお、五体満足で生きて帰ってきた咲夜の姿を見て、妖精メイド達が咲夜に憧れと仰望の視線がより熱くなった。

 

 

 

そして、これより一番衝撃であったのは、レミリアの翼に関してである。

西行妖の弾幕攻撃を受けてその片翼は見るも無残に焼けただれた痕が残っており、紅魔館は一瞬で阿鼻叫喚の地獄絵図に変わってしまった。

 

 

咲夜を守るために負った傷ではあるが、自分たちの主人が傷を負ったということは紅魔館の従者的に看過できない問題である。

 

本人は、『数日休んでいればすぐに治る』とは言っていたが、従者たちはまったく聞く耳を持たない。

 

 

『あああ!!!???お、お坊ちゃま!?『気』!!『気』ですぐに治して差し上げま…………ああッ!!??治らない!!!???』

 

 

『レミィ…………ッ!それは誰にやられたの…………ッ!?許さない…………絶対に目に物を見せてやるわ…………!!!』

 

 

『あぁ…………ああああああッ!!!???お坊ちゃまッ!!??ち、治癒魔法ッ!!!???あ、悪魔だから効かないッ!!??そうだ本です!!本はどこに!?あわわわわわわわ!!!???』

 

 

代理メイド長を務めていた門番は、泣きそうな表情に変わって珍しく狼狽えており。

 

 

レミリアの友人の魔法使いは、その傷を負わせた相手に対して激しい憤りを露にして。

 

 

その魔法使いの使い魔は、…………まぁ、予想通りというべきか、案の定パニックとなって右往左往と図書館内をあたふたしていた。

 

 

本来仕事をしっかりとこなすしっかり者の妖精メイド達にしては珍しく動揺していたようで、片翼に包帯を巻こうとしてきた。

 

そして、妖精メイド達は自主的にレミリアの護衛を願い出て、断ってもスニーキングでレミリアの護衛を勝手にやり始める始末。

逐一レミリアの起こす行動に反応しようとするし、少しでもレミリアに危害が及びそうなことをすれば泣きそうな表情でやめるように懇願するものだから困った。

 

 

幸いなことに、フランに関しては、レミリアと同行しているのもあり、レミリアの片翼を傷つけた西行妖に対しては少なからず思うことはあるが、見たところレミリアの言う通り数日程度で完治するものだったので、特に何も言わなかった。

 

 

そんなこんなでようやく事態が収束し、現在へと至る。

 

 

過保護な紅魔館の住人たちにもみくちゃにされ、多少疲労の色が見えるレミリア。

ようやく落ち着くことが出来ると、咲夜が淹れてくれた紅茶を口に含む。

 

 

「…………ふぅ、やっぱり、咲夜が淹れた紅茶は格別だな」

 

 

「…………至極光栄ですわ」

 

 

「…………どうした?浮かない顔をして」

 

 

レミリアは、咲夜の表情の変化を機敏に感じ取った。

紅魔館に帰ってきてからというものの、咲夜はどこか憂いを帯びた表情を無表情の内に隠している様だった。

 

 

レミリアは、長年咲夜と接してきていたため、咲夜の細かい表情の変化に目ざとく気が付いたのである。

 

 

「…………ッ、いえ。なんでもございませんわ」

 

 

「何でもないのであれば、そのような憂いの表情などしないだろう。…………話してみろ」

 

 

「…………」

 

 

そのレミリアの返答を最後に、その空間の中に沈黙が流れる。

 

 

…………これはしくじったか…………?

 

 

と、多少レミリアは、場を気まずくしてしまった自分の発言に後悔したが、もはや致し方ない。

 

 

「…………私は」

 

 

と、唐突に咲夜がポツリと言葉を漏らした。

 

 

「…………あぁ」

 

 

「…………お坊ちゃまに、異変解決を命じられていながら、その御命令を全うすることすらできず…………挙句には、お坊ちゃまの手を煩わせて…………その御身の片翼を…………ッ!!」

 

 

俯いた咲夜は、そう言いながら、自分の不甲斐なさと無力さに苛まれている。

両手は、自分への怒りで手に力が入る。

 

 

レミリアの従者である咲夜にとって、主人の命令は絶対であり、咲夜はその命令に全力を以て応えることが義務として感じている。

 

しかし、今回の異変では、レミリアの命令を全うできないどころか、死にかけ、その窮地を主人であるレミリアに助けられたのである…………片翼を犠牲にして。

 

 

それが咲夜にとって不甲斐なかった。主に守られる従者、本来ならば逆である。

主を御守りし、そして主の命を完璧にこなすことが従者である自分の仕事なのだ。

 

 

そのため、今回の異変で、自身の無力を痛感し、そして、ぬるま湯に浸かっていた自分自身に憤りを感じていたのである。

 

 

「私に…………ッ、もっと力があれば……ッ!!お坊ちゃまの片翼を…………ッ、いいえ、お坊ちゃまの手を煩わせることなど…………ッ!!!」

 

 

「いいや、そんなことはない」

 

 

咲夜の自身に対する呵責にも似た言葉は、すぐさまレミリアによって遮られた。

 

 

「…………ッ」

 

 

「何回も言っているが、お前は良くやってくれているよ。それも、完璧にな」

 

 

「…………」

 

 

「だがな、失敗しない者など、この世には一人として存在しない。それは私にも同義だ。失敗したことのない者など、面白みに欠けるものだ」

 

 

レミリアは、ゆっくりと立ち尽くしている咲夜へと近づいていく。

 

 

「…………しかし……」

 

 

「悩め、そして考え、次に生かし、成長しろ。お前の成長につながるのならば、たかが片翼程度安いものだ。そして、成長することがお前にできる最大限の償いだと思え」

 

 

「……ぁ……お…坊ちゃま………?」

 

 

レミリアは、咲夜へと近づいたと思えば、咲夜を屈ませ、そしてその体をゆっくりと抱きしめる。

 

 

「…………ただ、まぁ。私にも非があるさ。西行妖という存在について、良く知っていれば。そしてその危険性を十分に理解していれば。お前をそのような危険な場所に一人で向かわせることなどしなかっただろうに」

 

 

「……………………ぁ」

 

 

咲夜を抱擁しているレミリアは、咲夜の頭を撫でながら言い聞かせる親の様に穏やかな口調で話していく。

 

 

「これが、私の失敗であり片翼を失ったことが、お前を死地に向かわせてしまった私への罰だ。しかし、この程度で済んでよかった」

 

 

「……………………お坊ちゃま」

 

 

「…………………片翼を捥がれることが何だ。『片腕』を捥がれるより、数十倍もいい」

 

 

「……………………」

 

 

「済まなかったな咲夜。私にもっと物事を見る目があれば、お前を危険な目に遭わせずにすんだというのに………」

 

 

「お坊ちゃま…………」

 

 

「フフッ、もう、私は同じようなミスはしないと誓う。だからお前も、私の元から離れてくれるなよ?我が愛しき『片腕(咲夜) 』」

 

 

「……………………ッ!!!!????」

 

 

咲夜は、その言葉を受け、一瞬でレミリアの抱擁を抜け出し、顔を見せないようにバッと俯けてしまう。

 

 

「ぬぉッ!?ど、どうした!?咲夜!?」

 

 

詳しく言えば、そのレミリアの表情を見て、という方が正しいだろう。

 

 

綺麗に整った顔、宝石の如く輝く紅の瞳。

 

咲夜にとってもレミリアの顔を、まっすぐに見つめるだけでも心臓の鼓動が激しくなるのに、その顔に慈愛の笑みを浮かべながらも、哀愁を帯びた憂い顔を真正面で、それも間近で見せられてしまえばもう想像の通りだろう。

 

 

「……………………いいえ…………少しだけ…………『忠誠心』が溢れ出てしまっただけですわ」

 

 

案の定、鼻を押さえながらレミリアに返す。

咄嗟に布の様な物で鼻からあふれ出る『忠誠心』を抑え込もうとする咲夜。

 

 

「あ、あぁ、そうか、無事ならばそれでいいのだが…………」

 

 

「しかし、お坊ちゃまの御言葉、しかと胸に強く留めますわ、もう、このような醜態を晒しませんわ、お坊ちゃま」

 

 

「……………あぁ、精進しろよ、咲夜」

 

 

未だ心配そうにしているレミリアを何とか誤魔化してレミリアの部屋から退出していく咲夜。

しかし、レミリアの言葉はストンと、自分の胸に容易く入り込んで、全身をじんわりと暖かくさせてくれた。

 

時に、威厳溢れる姿。凛々しく戦うその姿。そして、家族愛、紅魔館全てを愛しているといっても過言ではない慈愛に満ちた姿。

 

 

自分は、そんな主の全てに惹かれているのだと、そして、長年から燻っていた感情が沸きあがる。

 

 

「……………………ありがとうございます。そして…………『お慕い』しておりますわ。お坊ちゃま」

 

 

咲夜は、言葉にしても言い表せない程、主への『敬愛』を表すのである。

 

 

 

 

 

 

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