私レミリア♂紅魔館がヤバい!   作:たぶくむ

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この異変が終わったら…………。

紅魔館メンバーの視点を描くんだ…………。




最近になって、小説に手が付けられなくなってしまう。
如何せん、面白い動画が多いのが悪い。
モチベーションの方は未だ保っておりますのでご安心ください!


宴会 ~1~

太陽が落ち、辺りはもうすぐ暗くなるであろう時間帯。

 

レミリアを含む紅魔館主要メンバーはとある場所へと空を飛んで足を進めていた。

 

 

レミリア達は目的の場所、その目印ともなる鳥居が見えてくると同時にその境内へと足をつける。

そして、そのまま神社へと足を進めていく。

 

 

「………あら、レミリア達じゃない、よく来たわね。席は事前に用意してあるから、適当な席にでも座って待っていて」

 

 

「あぁ、今宵は楽しませてもらうよ、霊夢」

 

 

「えぇ。………それと、間違っても問題を起こして神社を傷つけないことね…………特にそこのメイド」

 

 

「…………フッ、なら、私は問題を起こさないわよ?強いていうなら、問題を起こされる立場の人間ですもの。大丈夫よ、喧嘩を売るような野蛮な人さえいなくなければ、ね?巫女様?」

 

 

「……………………」

 

 

「……………………」

 

 

「………咲夜、霊夢。今日は宴会という特別な日だ。そんな無粋な事は止めておけ」

 

 

「…………………そうね。非礼を詫びるわ。メイド」

 

 

「はっ。…………いいえ?こちらこそ、申し訳ありませんでしたわね。巫女」

 

 

「…………………はぁ」

 

 

神社の方からレミリア達の来訪を確認したのだろうか、鳥居をくぐったレミリア達を迎えたのは、楽園の素敵な巫女『博麗霊夢』

 

今日の宴会の主催者であり、主催地である博麗神社の巫女である。

 

 

巡り合えば、すぐにでも剣吞になる咲夜と霊夢をなだめるレミリアであったが、それでも二人の剣呑な雰囲気は止むこともなく、謝罪の言葉を口にはしているものの、その目はそうではない。

 

 

いつでも火が付けばすぐにでも大激闘が始まってしまいそうな、そんな目だ。

 

 

こればっかりは相性の問題だからどうしようもない、しかし少しくらい仲良くなれないものか。

 

と呆れたように肩をすくめ、再び神社へと足を進めるレミリア。

 

 

「……………………ッ」

 

 

「……………ぁはは、すいません…………」

 

 

「じゃあね!霊夢」

 

 

霊夢と睨み合いながらレミリアの後をついてくる咲夜と、その咲夜の後ろに、若干の申し訳なさを含んだ美鈴の控えめな一礼と無邪気な笑みを浮かべてひらひらと手を振るフランが続く。

 

 

「…………………けほっ…………ごめん、なさい。水を頂けないかしら?」

 

 

「……………………少し待ってなさい」

 

 

「はぁ…………はぁ…………。助…………かる……わ」

 

 

ぜぇぜぇと息切れを起こしているパチュリーを見かねた霊夢は、そのパチュリーの要望を聞き入れて、霊夢は水を汲みにその場を離れていくのである。

 

 

その後、激しく息切れを起こしているパチュリーを見かねたレミリアが席へと横抱きにして連れていくのは余談である。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「宴会?」

 

 

事の発端は、昨夜にまでさかのぼる。

 

紅魔館に博麗神社から宴会の誘いが来て、それを聞いたレミリアが紅茶を淹れる咲夜へと確認を取った。

 

 

「えぇ、今回の異変解決を祝して博麗神社で宴会を開催すると。そして、せっかくだから前回の紅霧異変の解決も同時並行で行うとも」

 

 

「……………そうか」

 

 

咲夜の言葉に、納得し、紅茶を飲むレミリア。

 

 

昔から幻想郷は何かにつけてすぐに宴会を開くのが特徴だ。

異変解決の後に博麗神社で宴会を開くのは、異変で起こった因果や因縁を全て洗い流そうという意図もあると聞く。

 

 

紅霧異変では、霊夢の巫女就任初めての異変解決でもあり、それにスペルカードルールの制定から新しいこともあった。

そのため、霊夢の方は多忙の毎日であり、宴会はおろか宴会の準備にすら手につけることが出来なかった。

 

 

それを汲んで紅魔館の方で宴会の準備を行い、霊夢達を招待して宴会を開いたのだが、やはり異変解決後の宴会は博麗神社が開催するという一種のけじめの様な物があるらしい。

 

 

「お坊ちゃま、いかがいたしましょうか?」

 

 

「あぁ、別に断る理由なんてない。是非とも参加させてもらおうじゃないか」

 

 

「かしこまりました」

 

 

「……………あぁ、それと、紅魔館への折角の招待なのだから、私達とフランはもちろん、パチェと美鈴も連れていこうか」

 

 

「パチュリー様と美鈴を?」

 

 

「あぁ、折角の親睦を深めるチャンスだ。幻想郷に来て知り合いが一人もいない。互いに話す相手が少ないというものも不憫だろう?」

 

 

「………そうですね。かしこまりました。ではそのようにいたします」

 

 

と、いう訳でレミリア達が宴会に参加することとなり、レミリア達の不在時の館の警備は妖精メイド達が請け負うという形で話は纏まった。

 

 

「宴会?うん!!行く!!お兄様と一緒なんだったら断る理由なんてないよ!!」

 

 

「宴会ですか?いいですね!是非とも参加させていただきます!」

 

 

フランと美鈴に関しては異変の参加に前向きであったのに対して

 

 

「……………………嫌よ」

 

 

大方予想通りであったが、パチュリーは宴会の参加には難儀を示す。

まぁ、根が引き篭もりであり、あまり外に出ようとしないパチュリーが宴会の参加などしたくないということなど想像に難くない。

 

 

何とか説得するレミリアではあったが

 

 

・この館に誰もいないという状況にするわけにはいかない。図書館も同様

 

・顔を合わせる人間なんて今更いない

 

・そもそも私が宴会に参加することへの意義はない

 

・面倒くさい

 

 

と、後半になるにつれ色々私情が駄々洩れになっているが、断固として参加を拒否しようとするパチュリーにどうしたものかと頭を悩ませるレミリア。

 

 

しかし、その均衡を破ったのは意外な人物だ。

 

 

「折角の催しですし、参加してもいいと思いますよ?それに、妖精メイド達とこあちゃんが紅魔館と図書館の警備と管理をしっかりやってくれますし」

 

 

と、レミリアと同じように説得する美鈴であった。

 

しかしこの様な説得では、パチュリーの牙城を崩すことは出来ない。

 

 

「……………うーん、仕方がないですね。行きたくないのでしたら、そこまで無理強いはできませんね。ですがパチュリー様、――」

 

 

 

と、パチュリーの耳元に口を寄せて、囁くようにして言った言葉が、パチュリーの堅固な城は崩れ落ちた。

 

 

美鈴の言葉を聞いたであろうパチュリーは一瞬で ぼっ、と効果音が付くくらいに顔を紅潮させる。

 

 

「…………あ、貴女…………なんでそれを…………!!わ、わかったわ。わかったから…………。う、うぅ…………行けばいいんでしょう?」

 

 

そうして、パチュリーの宴会の参加も美鈴の助力で何とか取りつくことが出来た。

 

 

後に 『どうやってパチェを説得したんだ?』

 

 

というレミリアの純粋な疑問に対して美鈴は

 

 

『秘密です。ふふっ、女性には色々言えない秘密があるんですよ』

 

 

と、含みのある笑みを浮かべながら曖昧にして返すのであった。

この真相は、パチュリーと美鈴にしか知らない。

 

 

今日の朝に、咲夜たちが支度を整え、宴会が始まる夜に、博麗神社へと出発したのだ。

 

 

そんなこんなで、レミリア達も博麗神社の宴会に参加することになったのである。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

神社内へと足を踏み入れると、宴会の席が立ち並んでいる開けた場所に到着した。

見たところ、紅魔館メンバーは比較的早く来ていたようで、神社にはあまり人がいないようだ

 

 

「おう!レミリア達じゃないか!遅かったな!」

 

 

「…………貴女だって、さっき来たばかりじゃない」

 

 

先客には、レミリア達に気が付き、片手を上げてこちらに手を振ってそう言う白黒の魔法使い『霧雨魔理沙』と、そんな魔理沙に呆れながらも突っ込む魔法使いにして人形遣い『アリス・マーガトロイド』がいた。

 

 

「……………?魔理沙とアリス?知り合いだったの?」

 

 

「おっ?そういう咲夜も、アリスと知り合いだったのか?」

 

 

「咲夜とは、先の異変で少し知り合っただけよ。…………まぁ、魔理沙に関しては、腐れ縁ね」

 

 

「腐れ縁だなんて結構な物言いじゃないか」

 

 

「心配しなくてもいいわ。紛れもない事実ですもの」

 

 

「…………悲しいぜ」

 

 

そう言って、肩を竦めておどける魔理沙。

見たところ、言い方こそは辛辣そのものだが、特段不仲の様には見えないからそういうことなのだろう。

 

 

「……あぁ、自己紹介が遅れましたね、失礼しました。私の名前は『アリス・マーガトロイド』。魔法の森で暮らしている魔法使いです。どうぞ、今後とも良しなにお願いします」

 

 

「………紅き館『紅魔館』の主、『レミリア・スカーレット』だ。先の異変では、咲夜が世話になったようだな。感謝する」

 

 

先ほどの魔理沙と咲夜に対して砕けたような口調が一変し、うってかわって上品に、丁寧な口調でレミリアに挨拶をするアリス。

 

一瞬、レミリアはその洗練された仕草に感嘆したが、すぐさま挨拶を返す。

 

 

「いいえ、お世話になったのは、こちらの方です。少しばかり、こちらの諸事情に協力していただいた身ですもの」

 

 

「そうだな、是非とも機会があれば、紅魔館に訪れてくれ、歓迎する。それに、こちらの方にも博識な魔法使いがいるんだ」

 

 

「ええ、是非とも、伺わせていただきますね」

 

 

そう言って、アリスは上品に微笑んで一礼して見せる。

その丁寧な口調と、気品を感じる仕草は、まるで貴人の様な雰囲気を醸し出し、レミリアにとしては珍しく ほぉ、と感嘆の息が漏れた。

 

 

しかし、アリスは目の前の気高い吸血鬼から無意識的に放たれているオーラの様な物に圧され、内心少しばかり緊張していた。

 

そのオーラからしても完全に力量は自分よりも上だということがありありと解り、何か失礼なことがあってはいけないと、アリスは無意識にその身体を力ませいた。

 

 

レミリアから無意識的に発する威のオーラと、侵しがたい気品さは、アリスのみならず、がさつな印象を与える魔理沙でさえも初対面ではその佇まいを直すほどである。

 

 

まぁ、魔理沙はレミリアと接していくうちに、気品さの裏に見た目相応の好奇心の様な物や、無邪気さを知ったため、今では砕けて接せるようになったのだが。

 

 

「ではな、私も早めに席に座って羽根を休ませたいものでね。…………良い宴を」

 

 

「おう!またな!少ししたら邪魔しに行くぜ!」

 

 

「……………………良い宴を」

 

 

そして、レミリア達は、魔理沙とアリスと別れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「咲夜」

 

 

「はい」

 

 

「宴会に出す料理の件なんだが、流石に霊夢一人では手が足りないだろうから、台所に行って手伝ってやりなさい」

 

 

「…………………私が、ですか?」

 

 

レミリアの命令に、少しばかり、嫌そうな反応を示す咲夜。

 

 

「あぁ、宴会の準備と言えども、たった一人で用意するにはかなり大変だろう?いくら主催者と言えども任せっきりにしていられない」

 

 

「………かしこまりました」

 

 

咲夜は一礼して、一瞬でその場から姿を消す。

大方時間を止めて台所にでも向かったのだろう。

 

 

「ふぅ……あとは…………ッ?美鈴、フラン、パチェがどこに行ったか、見ているか?」

 

 

「パチュリー様…………あっ………」

 

 

「…………?知らないよ?」

 

 

「……………………あぁ、そうか」

 

 

その後、レミリア達は、忘れられていたパチュリーを探しに向かうのであった。

無表情ながら、一人残されたパチュリーがむくれていたのは印象的だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんやかんや一悶着もあったが、そのまま神社内でゆったりと時間を潰していくと、次々と宴会の参加者が来訪してきた。

 

 

氷の妖精と大妖精。闇を操る妖怪。騒霊三姉妹と呼ばれている音楽団と先の異変の首謀者である亡霊と半人半霊の庭師。

 

 

そして、幻想郷の賢者と式である九尾の狐と化け猫の妖怪。

 

 

人間と妖怪が元々の因果関係なしに博麗神社という場所へと一堂に会している光景が広がる。

 

 

妖精達ははしゃぎ周り、そこに居合わせた巫女がお灸を据えたり。

 

魔法使いが三人集まり、ああでもない、こうでもないとそれぞれ魔法に関して談義していたり、そこに吸血鬼の妹が顔を出して参加していたり。

 

楽器の調整をしている騒霊三姉妹。

 

賑やかな者達がいれば、今度はお淑やかに談笑を愉しんでいる者達もいる。

 

 

先ほどまで静かだった博麗神社が、賑やかな空間へと変化し、それをレミリアは静かにその光景を眺めている。

 

 

「あー、全員揃っているわね」

 

 

そして、台所の方から声が掛けられる。

鍋を手に持っている霊夢と咲夜、そして後から来て咲夜と同じように台所の手伝いをしていた魂魄妖夢が料理の支度を終えてこちらに向かって来ていた。

 

 

霊夢達は、手に持っている鍋を即席の台に乗せ、その蓋を開ける。

蓋が開かれるといい匂いが鼻腔をくすぐり、食欲を誘う。

 

 

そして、最後の料理を運び終える頃には、皆宴会が始まるのだということを察知し、各々自由に好きな席へと座る。

咲夜は開けられているレミリアの隣に座る。妖夢も同様に自分の主である幽々子の隣の席へと座る。

 

 

「それじゃあ、始めましょうか」

 

 

霊夢が声を掛けると同時に、霊夢は酒の入った杯を手に取って掲げる。

そして、それに呼応するかの様に、皆同じく酒の入った杯を掲げる。

 

 

「異変解決を祝して、乾杯」

 

 

「「「「乾杯!!」」」」

 

 

霊夢らしい簡素な言葉で音頭が告げられ、皆それに一斉に応えて乾杯する。

 

 

少々遅ればせながらも、ようやく訪れた春へと歓喜を表すかの如く。

 

博麗神社での宴会が開催した。

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