BanG Dream!〜Destiny STAR〜 作:バリート
蘭→奏斗 奏斗→蘭
モカ→かなくん →モカ
ひまり→奏斗 →ひまり
巴→奏斗 →巴
つぐみ→奏斗くん →つぐ
今日は日曜なので一般的には暇だ。でも俺はきっちり予定があり、朝にグリグリの練習に顔を出し、その後俺はある場所に向かっていた。
「こんちはー」
「あ、奏斗!いらっしゃい!」
ここは【やまぶきベーカリー】。商店街のパン屋である。ここのパンは巷で人気で俺もここでパンを買って行く。
「おぉ〜今日も店番は沙綾か」
「何、私じゃ不満?」
「そうじゃないよ」
この子は山吹沙綾。商店街絡みで小さい頃からの知り合い。またまた可愛い幼馴染である。
「そういや千紘さんは?」
「母さんは奥、今はちょっと手が離せないんだ」
「あ、奏斗お兄ちゃんだ!」
「沙南ちゃん、こんにちは」
この子は沙綾の妹の沙南ちゃん。わざわざこっちまで来てくれたのでよしよしと頭を撫でる。
「えへへ///」
頭を撫でられ照れる沙南ちゃん、可愛い。
「兄ちゃん来てたのか」
「おう、純。出迎えご苦労」
こっちが沙綾の弟の純。
「何様だよ」
「強いて言うなら奏斗様かな」
「またふざけて‥で、奏斗今ならカレーパン揚げたてだよ」
「おっ、それはありがたい」
そんな訳で俺はバケットと食パン、カレーパン3つチョココロネを1つを買う事にした。
「花咲川はどうだ?」
会計時に沙綾とたわいもない会話をする。
「どうって言われても、中等部から上がっただけだしそんな変わらないよ」
「そんなもんか」
「あ、でも前言ったバンドやりたいって言っててね確かランダムスター‥ってギターが気に入ったらしくて‥」
「ランダムスター⁉︎」
「ど、どうしたの‥」
「いや、ちょっと驚いちゃって‥」
「(ランダムスターなんて変わったギター弾く人もいるんだなぁ‥)」
別にあれもちゃんとしたギターだが余りあれを弾いている人を見たことがない。
「って奏斗、話してる内容が近所のおじさん達と変わらないよ。老けたんじゃない?」
「失礼な、まだピチピチの男子高校生じゃい!」
「あはは、変なの」
確かに自分でも変だと思った。ピチピチなのは女子と魚介類で十分だわ。って沙綾、魚介苦手じゃん。
「ありがとねー!」
わざわざ店から体を出して見送ってくれる沙綾。
「あいよー」
挨拶のため一度後ろ向きで歩いて、すぐ体の向きを戻した。
そして現在昼、俺は普通に勉強をしていた。
「うっし、勉強終了。さてホシ達と遊んでやるかな‥」
リビングに行こうとすると電話が鳴った。
「もしもし」
「あ、奏斗さん。こんにちは」
「りみちゃんか、どうしたの?」
今電話しているのはゆりさんの妹、りみちゃん。時々グリグリの練習に顔を出しているのでその時お互い知り合った。とっても可愛らしい子である。
「あの次のグリグリのライブの件なんですけど、多分1人じゃ大変だと思うので良かったらお手伝いします」
「本当⁉︎助かるよ。受け持ったのはいいものの正直1人で全部やるのはしんどいからさ」
「でも‥わたし簡単なのしか出来ませんけど‥」
「それでも助かるよ。ありがとう」
「いえ、ではまた今度お願いします」
「うん、じゃあね」
電話を切り、再度リビングに向かう。ライブ時の助っ人が出来たので気持ちが少々楽になった。
ー香澄sideー数日前
私、戸山香澄。私は初めてライブに参加してそこで昔聴いた星の鼓動に近いものを感じた。そしてその翌日私は
「ん〜〜〜!最高です!」
有咲の家で朝ご飯を食べていた。作ってもらった有咲のおばあちゃんに感謝!
「いってくる」
有咲は朝食を食べず学校に行くみたいだ。さっき有咲の布団を剥がしたら凄く怒られたけどそっからちゃんと起きたみたいだ。
「有咲、今日は行く日なの?」
おばあちゃんが有咲を玄関まで見送っている。
「有咲、一口」
一瞬躊躇ったが差し出された玉子焼きを一つ口にし
「いってきます」
家を出た。その後私も置いていかれないようすぐに出た。
「あの‥星のギター‥」
登校中私はその話題を有咲にふった。昨日グリグリのライブには有咲と行ったんだ。まぁ有咲は少し嫌々だったけど。そういう訳になったのは私が有咲の家のギターが気に入って、それでライブも観てみたいと言い参加した。ギターも持っていったけどライブ終了後その場で有咲に没収されちゃった。で、そのまま帰っちゃったみたい。
「すぐ追っかけたけど暗くてシールが見えなくて」
「シール?」
有咲が聞き返す。
そもそも有咲の家に行けたのはそのシールがあってこそなのだ。
「でもどうしてこんなのあるんだろう?」
疑問に思っていたら電柱に貼ってあったシールを見て急に有咲が走り出す。私もすぐに追いかけた。
「さーや、おはよう」
学校に着いたらちょうどさーやも学校に来ていたみたいだ。
「おはよう。今凄い珍しいモノを見たよ、めっちゃ走る市ヶ谷さん」
市ヶ谷。その名前は以前にも話題に上がっていた。中学から学年トップをとってはいる凄い人。入学式でも新入生代表として挨拶するはずだったが欠席していた。
「(やっぱり有咲があの市ヶ谷さんだったんだ!)」
そう言われ私は有咲のいる教室に乗り込んだ。でも‥
「失礼」
「有咲待って」
「何でですか?」
なんか他人行儀。そんな素振りをとった有咲は廊下へ出て行く。私もその後をついていこうとしたが走って遠くの方までいってしまった。仕方ないので昼休みに再び向かうと
「早退?」
「3時間目くらいに帰ったよね?」
有咲は学校にいなかった。
ー奏斗sideー
月曜になり再び学校が始まり俺のある一種の苦痛が俺を襲う。
「はぁ‥この学校、相変わらずトイレが遠いなぁ‥」
まだ一応女子校なだけあり男子トイレなんか設置されていない。そのため俺は自分の教室がある3階から職員トイレのある1階まで降りなければならない。めんどい。
「あ、奏斗。ちょうど良かった」
「蘭じゃないか、どうした?」
階段の踊り場で蘭と出会う。
「別に大したことじゃないけど、次のグリグリのライブも観に行くからそれを伝えようと思って」
「おっ、それはありがたい。ゆりさん達凄く練習してるから楽しみにしててくれよ」
「うん、期待してる」
簡単に話を終え俺達は別れる。蘭と俺が幼馴染なのは学校ではまだ余り知られていない。だからこそ新入生が羽丘唯一の男子と仲良く話してるとなれば噂はすぐに広まってしまうだろう。蘭はそんな目立ち方を好まないので、俺も周りを注意しなければならない。
「さて、さっさと戻るか‥」
再び教室に向かおうとした瞬間
「奏斗〜!」
「ぐはっ‥⁉︎」
背中から伝わる強い衝撃が俺を襲った。
「ひ、日菜‥お前、背中を思い切り叩くなっての!」
コイツは氷川日菜。俺と学年2トップを争う天才美少女。コイツはマジでヤベェ。‥2トップってサッカーのポジションみたいだな。
「大丈夫だよ、奏斗頑丈だし」
「いやそうじゃなくてさ‥てかお前何でそんなテンション高いんだ?」
いつも楽しそうだが今日はそれ以上だ。
「いや〜、パスパレの練習で彩ちゃんが面白くてしてるんっ♪っしてるんただ!」
『るんっ♪』と言う日菜特有の謎ワード。場面で色々な意味合いがあるが今はワクワクに近いだろう。その彩ちゃんなる人物についてはわからないけど。
「パスパレ‥あぁ、麻弥さんがサポートドラムやってるあの‥」
日菜は『Pastel*Palettes』略して『パスパレ』というアイドルバンドをやっている。アイツはオーディションで合格してメンバー入りした。
そしてそのバンドには今ドラム不在らしくメンバーが見つかるまで真弥さんがサポートとして入っている。個人的には麻弥さんを正規メンバーにすればいいと思うけど。
「そうそう!あ、そうだ。今度のグリグリのライブあたしも観に行くから!割引きしてね!」
「いやそもそもあそこでバイトもしてないし、あのオーナーにそんなこと言えるか⁉︎」
マジでそんなこと言ったら杖で八つ裂きにされそう。
「ちぇ〜、まぁいいや。あたし達も今度ライブやるし、チケットあげるから来てねー!」
「はいはい」
まるで嵐が通り過ぎたようだった。
ー香澄sideー数日前
放課後有咲の家に向かったら
「有咲」
「不法侵入!」
蔵の清掃をしていた。少し有咲と話をしようとしたら視界の脇にあのギターケースがあった。ランダムスターに触れようとした時
「商品に触らないでくださ〜い」
そう言い有咲はスマホの画面をこちらに見せる。映っているのはランダムスターのオークション画面。
「30万。私とってこれはゴミだけど誰かにとってはめちゃくちゃ価値がある」
それを見せ再び作業に戻った。そして私は不意にこう言った。
「私も手伝う!」
その後数日の間ずっと有咲の片付けを手伝った。有咲にはギター目的って言われちゃったけど‥まぁ確かにそれもあるけど。でも最初は嫌な顔されたけど、段々と見る時間も伸びていき有咲と過ごす時間も増えた。最近になって有咲が蔵の片付け終わったら触ってもいいと言われたのでとても頑張れた。そして
「終わった〜!」
片付けが完全に終了した。もうホコリも蜘蛛の巣も無くピカピカだ。私はすぐランダムスターまで近寄ると
「待て」
まるで犬を躾るかのように指示する。ここで逆らってしまったら見ることが出来なくなるので体の動きを止めた。
「よし」
許可が下りたので取っ手を持ち一度地面に置こうとした時、パキンと音をたて取っ手が壊れ、ケースは落下、ガタンと音が蔵に響いた。
「怪我は⁉︎」
有咲が声をかける。自分には何ともなかったがランダムスターの弦が切れてしまった。
「ごめん、ちゃんと持ってなかったから‥ごめん‥」
悲しくて目から涙が溢れる。
「戸山さん、戸山さん」
でもその声は私には届かなかった。ギターを壊してしまったことへのショックが音を遮る。
「戸山香澄!」
やっと呼ばれていることに気づいた私。
「行くよ」
スマホの画面で地図を出し私に見せる。その場所は【江戸川楽器店】。私たちはケースにビニールシートを被せ、2人で傘もささずその場へ急いで向かった。幸い、店員さんも居てくれたので
「落としちゃって‥修理、お願いできますか?」
走った後の乱れた呼吸と悲しみで言葉が出ない状態の中必死にその言葉を絞り出した。
タオルを貸してもらい、修理を待つ私達。
「お待たせー!」
その声が聞こえた時立ち上がる。店員さんの
「完璧」
という言葉に安心する。
「良かった‥良かった‥!ごめんね‥!ごめんね!」
再び涙が溢れてきてしまう。今度は謝罪の涙。
「あの‥いくらですか?」
「基本調整、学割で3000円」
三本指を立てながら料金を提示する。
「私、出すから!」
有咲がお財布を出そうとしていたのでそれを止めた。
私はランダムスターをケースに入れずそのまま抱きしめて有咲の自宅に向かっていた。ケースは修理不可だったので諦めるしかなかったけど本体が無事なだけマシな方だ。
「良かった‥」
ギターが直って安堵する私に
「持って帰れば?」
「えっ‥」
有咲のそんな一言を発する
「出品取り下げたから‥大事にする?」
「うん!する!」
私は即答した。
「よし、540円」
「オークションの取り下げ手数料、30万はおまけしてあげる!」
「うん!」
お財布をポケットから取り出そうとすると
「あ、あと300円しかない‥」
ギターの修理代で金欠になってしまった。
「やっぱ売る!」
「ダメ〜!」
有咲の家に着いた私達。
「綺麗になったね。約束通り有咲の部屋にして」
有咲のおばあちゃんが有咲に鍵を渡す。そしておばあちゃんは床の扉を開ける。覗くとそこは少し大きめの部屋になっていた。
「付けてみて」
言われた通りアンプとギターを接続する。一度私達は顔を合わせ有咲がスイッチを入れる。そして弦に軽く手を滑らせてみた。ジャァンという音が響く。蔵で音がこもるので音の反響が凄い。いやもっと凄いのは
「凄い‥」
「凄い凄い凄い!鳴った!凄い!凄いよ〜‼︎」
もう言葉では表せないくらいだった。全てが凄い。それしか言えないほどだった。
「香澄!」
興奮する私に大きな声で呼びかける有咲。
「ここで練習すれば‥」
「ただし‥一緒にご飯‥嫌ならいいけど⁉︎」
その意味を理解した私は
「うわぁい‼︎」
「うえぇ‥」
思わず私は有咲に抱きついた。有咲は素っ頓狂な声を出しててちょっとおかしかった。
奏斗「はい、3話が終わりました。そして今回の次回予告担当は‥」
ゆり「Gitter*Greenのギターボーカル牛込ゆりです」
リィ「同じくベースの鵜沢リィです!」
奏斗「お二人は今回どうでしたか?」
リィ「いやぁ初体験だった。ランダムスターなんて初めて触ったよ!」
奏斗「俺もランダムスターは実物は見たことないです」
ゆり「私は出番なかったし、りみが初めて出たのが良かったかな」
奏斗「りみちゃんは本当に優しい子ですよ」
リィ「もしまた練習覗きにきたらまたアイツが何かしでかすよな‥」
奏斗「ひなこさん‥全力で止めないとですね」
ゆり「まぁ、私達は修学旅行を思い切り楽しんでその後ライブも楽しみましょ」
次回 凄い逃げちゃった!
奏斗「あれ?台風発生‥?」