BanG Dream!〜Destiny STAR〜   作:バリート

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#4 凄い逃げちゃった!

ーりみsideー

 

朝、学校に着くと

 

「あぁ‥」

 

ギターを没収されている香澄ちゃんの姿が見えた。

 

「香澄ちゃん」

 

「りみり〜ん」

 

声を掛けたらこちらまできて抱きついてきた。

 

「ぁ、あの‥」

 

「あ、練習有咲の家でしよ」

 

香澄ちゃんは話を先に進めてしまう。

 

「勝手に誘うな!」

 

 

「あの‥ごめんなさい、やっぱり‥バンド‥出来ない‥」

 

 

 

ー香澄sideー

 

昼休みになりさーやと一緒に中庭でお昼ご飯を食べる。

 

「牛込さん来ないね」

 

「う〜ん」

 

あの後もう一回チャレンジしてみたがごめんなさいしか言わなかった。

 

「何唸ってんの?」

 

有咲がお弁当を抱えてやってきた。

 

「有咲!」

 

「有咲有咲」

 

自分の隣をポンポンと叩くが有咲はさーやの方に行ってしまった。

 

「契約結んだんで」

 

「有咲が一緒に食べたいって」

 

「言ってねぇ」

 

「言った」

 

「そういう言い方はしてねぇ」

 

「いつから仲良く?」

 

さーやが私達の仲の良さに疑問を持って聞いてきた。

 

「なってません」

 

「有咲どうしよう。りみりん何でバンドダメなんだろう」

 

「本人に聞けよ」

 

「だってごめんしか」

 

「じゃあそうなんじゃねぇの?」

 

「有咲〜!」

 

「うぜぇうぜぇ」

 

「卵焼きあげるから」

 

箸で卵焼きを掴み、有咲の前にやる。

 

「これは‥よくあるおかずの交換ってやつ‥」

 

「可愛い」

 

ぼそっと呟いた有咲にさーやが正直な感想を言う。

 

「可愛くないです」

 

有咲は照れて反論した。そして昼休みが終わり結局りみりんは来なかった。

ーりみsideー

 

「はい」

 

渡されたのは紙袋ではなく

 

「箱?」

 

「えっと気を付けてね」

 

「確保ーっ!」

 

お店を出たら何か声がしたのでその方向を向くと

 

「ばっちこーい!」

 

香澄ちゃんが突進してくる。落とした木箱を有咲ちゃんに拾われ

 

「作戦成功‥帰る」

 

あくびをしながらそんなことを言った。

 

「今日行く日って‥」

 

「疲れた」

 

そんな有咲ちゃんの方を見ていた香澄ちゃんが方向を変えわたしの方を見る。

 

「ごめん、やっぱりちゃんと話したくて。無理に誘っちゃってごめんね。でもバンド自体は嫌じゃなかったから何かあったのかなって」

 

「りみりんと話すの楽しかった。バンドのこととかライブのこととか色々教えてもらってドキドキした。りみりん、何か出来ることがあったら言って」

 

「ごめんなさい‥ごめんなさい‥」

 

わたしは涙を流しながらその言葉を繰り返し、その場から走り去った。

 

 

 

その後学校内では一度も香澄ちゃんと話すことはなく、香澄ちゃんの言葉は机の中に入っていた手紙で『ごめんね』とだけ書かれていた。

 

下校時、下を向いて歩いていると、何かにぶつかった。謝りながら上を向くと外国人が2人いた。わたしに道を訪ねているようだったが

 

「ええっと‥」

 

英語の発音が早すぎて何を言っているのかわからない。

 

「どうしたの?」

 

困っているわたしに声をかけたのは

 

「ハロー!アイムカスミ.アイムギタリスト!」

 

香澄ちゃんだった。

 

 

 

 

「案内出来て良かったね」

 

さっきの外国人を案内した後、公園で2人で階段に腰掛けて夕焼けを眺めていた。

 

「ありがとう、私すぐ固まっちゃうし、テンパっちゃって‥カッコ悪い」

 

「可愛いよ」

 

「香澄ちゃん凄いよ、自己紹介の時もバンドの時も全部一生懸命で楽しそうで‥」

 

「香澄ちゃんがバンドに誘ってくれて嬉しかった。でもステージに上がるの怖くて‥皆に見られてると頭真っ白になって動けなくなっちゃう」

 

「お姉ちゃんみたいにカッコよく出来ない。間違えたら迷惑かけちゃう、きっとガッカリさせちゃう」

 

「そっか‥」

 

「ごめんね‥」

 

「りみりんとまた話せてよかった」

 

香澄ちゃんは階段を登り

 

「はあぁ〜、やぁ!」

 

滑り台で滑り、体操選手みたいな着地のポーズをとる。その姿と香澄ちゃんの笑顔にわたしもつられて微笑んだ。

 

 

ー香澄sideー

 

りみりんと別れた後私はいつも通り有咲の蔵に来ていた。

 

「りみりんとね英語喋ってね、話し合ってねバンドが出来ない理由もちゃんとわかって」

 

私はギターを弾きながらさっきあった出来事を有咲に話した。有咲は盆栽をいじりながら「へぇ〜」としか言わない。

 

「だから2人で頑張ろ!」

 

「へぇ‥え⁉︎」

 

「日曜楽しみだねぇ、りみりんも来るって。さーやも誘おうかな?待ち合わせ16時半で良いよね?」

 

「行く前提かよ⁉︎」

 

やっとしっかり喋ってくれた。

 

「行かないの?」

 

「行かないとは言ってない‥」

 

有咲は難しい。

 

 

ー奏斗sideー

 

今日はとうとうライブ当日。午前中俺はバイトを入れていた。

 

「こんにちはー!」

 

「あ、奏斗くん!ちょうど良かった。これから私裏の片付けしてくるから受け付けお願い出来る?」

 

この人は月島まりなさん。ライブハウス【CiRCLE】のスタッフ。そして俺はここCiRCLEで半年ほど前から働いている。

 

「了解です」

 

制服に着替え受付に立つ。今日は結構短い時間で予約を入れている人が多かった。まぁ今日はSPACEで合同ライブがあるし、当日練習を軽く済ませ本番に臨む感じだろう。人こそ多かったがそれでも仕事量はあまり多くなく、特に問題も起こらず上がる時間になった。

 

「お疲れ様でした」

 

「お疲れ様。奏斗くん、これからグリグリのライブの手伝いに行くんだっけ?」

 

「はい、この後すぐ」

 

「君も大変だね、SPACEのオーナーによろしくね」

 

ここを建てる時、SPACEのオーナーに手伝って貰ったことがあるらしく、まりなさんは時々会議などで顔を合わせたらしい。

 

「はい」

 

「グリグリの皆にまた来てねとも言っておいてねー!」

 

「はいはい」

 

二回目の返事は結構テキトーに返した。外を見ると今朝天気予報で言ってた通りに雨が降っていた。

 

「さてと、さっさと行きますか」

 

その時俺はスマホの電源を切っていた為、その後に起こる事件に気づくのが遅れた。

 

 

 

ー香澄sideー

 

私と有咲は結局14時半にSPACEについてしまった。まぁ私が色々見て回りたいと言ったからだけど。更に沙綾から来れないという連絡も来た。残念。

 

 

そしてライブ中、私は全力で楽しんでいたが

 

「りみりんどうしたんだろう?次グリグリだよ」

 

さっきから全然姿が見えなくて少し心配になる。

 

「姉ちゃんのとこにでもいんじゃねぇの?」

 

そんな会話の中次はグリグリの出番だと思い、再びステージに顔を向けるが

 

「あれ?」

 

セットリストと順番が違っていた。不思議に思っているとさっき演奏していた人がちらほらフロアから出て行く。

 

「りみりん」

 

俯いていたりみりんに声をかける。

 

「お姉ちゃんたちまだ来てなくて‥昨日まで修学旅行だったんだけど、台風で飛行機が遅れちゃって‥今向かってるけどライブはもう‥」

 

「来るまで待つのは?」

 

「ダメ!」

 

オーナーが強く私達に言った。

 

「何があろうとお客さんを待たせるのはダメ!」

 

そして誰かが走ってくる音がした。

 

ー奏斗sideー

 

「りみちゃん、ゆりさん今日本橋駅通り過ぎたって」

 

先ほどゆりさんから連絡をもらった俺はその内容をりみちゃんに伝える。

 

「奏斗さん!お姉ちゃん達は‥」

 

「正直かなりヤバい。電車もあと10分はかかるし、そっから急いでも時間は厳しい‥」

 

「穴を開けたら二度とウチの敷居は跨がせないよ、コーチであるアンタもね」

 

オーナーの言葉にちょっと来るものがあったが俺は堪えた。

 

「出来るだけ時間伸ばしてみるから」

 

他の共演者がりみちゃんの肩に手を置きながらそう言い、再びステージに立った。皆MCを長くしたりや弾ける楽曲を出来るだけ弾き時間を伸ばした。だがそれも限界がきてしまう。ステージの照明を消されお客さんはもう終了したのかと思いちらほらフロアから出て行く。

 

「ほら、片付け!」

 

オーナーがバンドグループに早く帰るよう催促する。皆残念そうな顔をしながら自分の楽器を閉まっている。

 

「ちょっと何なの⁉︎」

 

先からいたりみちゃんの友達であろうツインテールの子がオーナーに文句を言う。

 

「邪魔!」

 

だがオーナーの威圧で黙り込んでしまった。

 

「(俺がどうにかしなきゃいけないのに‥でも‥)」

 

今、グリグリのコーチとして何も出来ない自分が情けなくて仕方がない。考えが何も出ずにいると

 

「こんにちはー!」

 

「え‥」

 

「こんにちは、戸山香澄です!」

 

猫耳の子がステージに立ち、お客さんに向かって話し始めた。

 

「キラキラ星‥?」

 

そしてキラキラ星を歌い始めた。しかもアカペラだ。

 

「ちょっと、何やってんだよ⁉︎」

 

ツインテールの子が袖で止めようとしたが

 

「カスタネット⁉︎」

 

ステージにあったカスタネットを手渡し、猫耳の子に引っ張られツインテールの子もステージに上げられた。フロアは全然盛り上がっていないがほとんどの人は足を止め、彼女らを見ている。

 

「りみちゃん‥?」

 

りみちゃんがリィさんのベースを持ちステージに立っている。ベースをアンプに接続し弦を弾くが

 

「ああっ‥」

 

緊張してかアンプの調整を間違えたみたいだ。再度調整をし弦を弾く、今度は綺麗な音が出た。そしてそのまま演奏を再開するカスタネットとベースが加わるだけでもまぁまぁ変わる。明かりのあるステージで歌う彼女の元に

 

「おっ待たせ〜!」

 

リィさんが手を振りステージ上の彼女らに声をかける。もちろん他のメンバーも揃っている。

 

「機材は皆さんが使いやすいよう配置したので思いっ切りやってください!」

 

「ありがとう、行ってくる」

 

そしてグリグリと三人はそのままキラキラ星を演奏した。ベースはりみちゃんのままで、リィさんはタンバリンを叩いた。そしてボーカルはあの子。

 

「(凄いな‥あの子。グリグリのためにステージに立つなんて‥俺には‥)」

 

俺はステージ袖からその光景を眺めるだけだった。

 

ーりみsideー

 

ライブ終了後わたしと有咲ちゃんは不思議な感覚に襲われていた。声も出さずただ立ってるだけのわたし達の元に

 

「有咲、りみりん!」

 

わたし達の肩に腕をまわす香澄ちゃんが来た。

 

「ライブしちゃった!歌っちゃった!」

 

「ちょー恥ずかしかったんですけど!」

 

「でも綺麗だった、海みたいだった!」

 

「牛込さんがいなかったら大変だったぞ」

 

「りみりん、ちょーカッコよかった!凄いキラキラしてた!」

 

「香澄ちゃんと有咲ちゃんを見てたらわたしも頑張りたいって、怖かったけど、楽しかった」

 

「わたしもバンドしたい!」

 

「りみり〜ん!」

 

香澄ちゃんがわたしに飛びついてきた。

 

「有咲も!」

 

わたしを巻き込みながら有咲ちゃんも抱きしめた香澄ちゃん。バランスを崩して段々と床に落ちていった。

 

 

 

 




奏斗「はい、4話終了!そして今回の次回予告担当は‥」
七菜「Gitter*Greenのキーボード鮫部七菜です」
ひなこ「ドラムの二十騎ひなこでーす!」
奏斗「お二人は今回どうでしたか?」
七菜「トラブルもあったけど無事ライブが出来て良かった」
奏斗「そうですね、りみちゃんも凄く頑張ってくれましたし」
ひなこ「最高だったぜー!フオォー!」
奏斗「まぁ、そうですね」
ひなこ「ひなちゃんは今回も大活躍!そして次回も‥」
奏斗「あ、次回はまた新たな話が進むのでひなこさんは出番ないです」
ひなこ「え〜次回ひなちゃんの出番ないの〜⁉︎」
七菜「少し休憩ね」

次回 賭けてみちゃった!

七菜「今回は特に展開が読みやすいサブタイトルね」
奏斗「そういう時もありますよ」
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