BanG Dream!〜Destiny STAR〜   作:バリート

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#7 急に怒っちゃった!

ー紗夜sideー

 

今日のセッションで感じたあの感覚、あんなに不思議な体験をしたので私のフェスへのやる気も、もちろん上がりスマホでサイトを調べていると

 

「おねーちゃん何見てるの?」

 

「日菜、スマホを覗き込まないでっていつも言ってるでしょ」

 

私の双子の妹、日菜が部屋に勝手に入って私のスマホの画面を見てくる。

 

「何このサイト‥ロックのイベント?」

 

「日菜には関係ないわ」

 

「‥そっか、ならいいや。じゃあさ、リビング行かない?今お父さんがおねーちゃんの好きな犬の番組見てるよ」

 

「別に日菜は犬好きじゃないでしょ」

 

「でもおねーちゃんは好きじゃん?あたし達双子だしたまには何か一緒に何かしても‥」

 

「いつもあなたは一緒のことばかりするじゃない」

 

「‥おねーちゃん、あたしは‥」

 

「同じ日に生まれたからってなんで同じことをしなければならないの?もう高校生なんだからお互い干渉しないって約束したでしょう。私は練習があるから早く部屋に戻って」

 

「‥わかった‥ごめんね‥」

 

日菜はそういい部屋を出ていった。もしフェスのことを日菜が知ったら必ず自分も出ると言い出す。

 

「(そして私の努力を軽々と才能で追い抜いていく‥)」

 

「比べられるのはもうたくさん‥絶対に頂点を取ってみせる‥!」

 

そして私はギターを手に取り練習を始めた。

 

 

 

ー香澄sideー 紗夜が友希那とバンドを組んだぐらいの頃

 

「すごーい、星のギターだ」

 

クラスの子が私のギターを物珍しい目で見ていた。

 

「えへへ、じゃあとっておきのキラキラ星を聞かせるね」

 

軽く弦を弾いていると

 

「あ、花園さん‥だよね?」

 

ギターケースを持った同じクラスの子、花園たえさん。

 

「それ‥」

 

花園さんはランダムスターを指さした。

 

「えへへ、ランダムスターって言うんだ」

 

凄いって返ってくると思ったが

 

「‥変態だ‥」

 

 

 

 

 

「私って変態なのかな‥?」

 

昼休み、いつもみたいに中庭で皆でお弁当を食べてるとき聞いてみた。

 

「じゃん」

 

「変ではある」

 

有咲もさーやも否定してくれない。最後の頼みのりみりんの方を見ても‥

 

「えっ、ええっと‥」

 

「そうなんだ〜‼︎」

 

庇ってくれなかった!

 

「だ、大丈夫だよちょっと変だけど‥」

 

「フォローになってなくね?」

 

「有咲の方が変だよ!この前盆栽に『トネガワ可愛いね〜、お水あげるね〜』って」

 

「そんな言い方してねぇ!」

 

「てか、何で変態?」

 

「わかんなーい!」

 

結局どうして変態かは分からず昼休みが終わってしまった。そして午後の授業は家庭科。裁縫で袋物を作っていて、私はギターケース入れを作ってるんだけど大きくて時間内に終わんなくて居残りになっちゃった〜!

 

 

「はぁ‥全然終わらないや、ちょっとだけ気分転換でギター弾こ!」

 

ギターの弦を1本一本弾きキラキラ星を弾いている時

 

「それ、音ヘン」

 

「ひゃああ!花園さん⁉︎いつから後ろに」

 

花園さんも家庭科の居残り仲間。というより花園さんも同じくギターケース入れを作っている。

 

「?虫でもいた?」

 

「ええっ、虫⁉︎どこ⁉︎とって!」

 

虫はやっぱり怖いので椅子から立ち上がり周りを見る。

 

「あれ?いないみたい?」

 

「ホント?ふぅ、よかった‥そういえばさっきなんか言ってなかった?」

 

虫のせいで聞こうとしていた事を忘れるところだった。

 

「うん、音が変って言ったの。チューニングがズレてると思う」

 

「えっ、ホント?聞いただけでわかるの?絶対音感?」

 

「うん、絶対音感。これちょっと言ってみたかった」

 

花園さんはちょっと嬉しそうに答えた。

 

「あはは、教えてくれてありがとう!‥ホントだズレてる‥」

 

「私もギター弾こ」

 

そう言い花園さんもケースからギターを取り出す。

 

「それ、花園さんのギター?青い!カッコいい!」

 

「うん、香澄のギターは変態って感じだね」

 

「変態じゃないよ!」

 

「ランダムスター持ってる人はそうなんだって」

 

「へぇ〜‥って変態じゃないよ!」

 

「大丈夫だよ。私そういうの気にしないから」

 

「だから〜」

 

やっと変態の意味がわかったがまだ誤解は解けてなかった。それを訂正しようとしたが、それよりも花園さんの演奏が凄く、まるでステージで演奏している人のようだった。

 

「スゴイスゴイ!どうやって弾いたの?」

 

「なんとなく?コード覚えたら弾けるよ」

 

キョトンとした顔で答える。

 

「わぁ〜私もコード覚えたい!花園さん、教えて!」

 

「おたえ」

 

「え?」

 

「おたえって呼んで」

 

【おたえ】。きっとあだ名で呼んで欲しいのだろう。

 

「うん、わかった。おたえ、コード教えて!」

 

「いいよ」

 

今度は許可が下りた。その後おたえから弦の抑え方のコツを教えてもらっていたが

 

「戸山さん、花園さん、終わったの?」

 

「「あ」」

 

結局この日は裁縫は二人とも終わらなかった。

 

 

 

そして翌日。

 

「有咲、りみりん昨日は練習いけなくてごめんね」

 

「ううん、大丈夫だよ」

 

「まぁそうなる予感はしてたからな」

 

「あんな大きなの作るから」

 

「うん今日も居残りだって‥あ、でも、おたえと仲良くなったよ!」

 

「誰だよ?」

 

「花園たえちゃん。うちのクラスの」

 

といっても有咲はクラスが違うから顔が思い浮かばないのも無理ない。

 

「おたえ凄いんだよ!音聞くだけでチューニング出来るし、演奏も上手なんだよ!」

 

「SPACEでもバイトしてるよね」

 

「え!そうなの⁉︎」

 

私はりみりんからの情報に食いついた。

 

「う、うん。この前もライブの時にいたと思うけど」

 

「そうなんだ!今日居残りの時聞こ!」

 

「ふーん、で、今日は練習来んの?」

 

有咲は興味なさそうに放課後について聞いてくる。

 

「うん、今日こそ課題終わらせるから!」

 

 

ー有咲sideー

 

香澄が今日はくるって言っておきながらもう日が暮れそうなのに来ない。

 

「香澄ちゃん、今日も来れないって‥」

 

牛込さんがメールを確認して、あたしに報告する。

 

「‥‥」

 

予想はしてたが本当に来なかった。

 

「早く香澄ちゃんにもアレ見せたいよね」

 

「べ、別に見せたいわけじゃねーし‥」

 

新しく蔵に置かれたモノ。つい最近来たのでまだ香澄は知らないモンだ。

 

「(香澄の奴‥何してんだ‥)」

 

 

ー香澄sideー

 

「練習にも間に合わなかったし、明日も居残りだ‥」

 

最終下校時間になりおたえと二人で学校を出る。

 

「うん、でも楽しかった」

 

「えへへ、私も!おたえはいつからギターをやってるの?」

 

「小学生の頃からかな。始めはピアノをやってたんだけど、そこがいろんな楽器を教える教室で、お母さんを探してる時たまたまギターの教室に入っちゃったんだ」

 

「そこで聞いたギターの音がカッコよくて‥それがきっかけだよ」

 

「わぁ、凄い!運命だね!」

 

「うん、そうかも」

 

「バンドはやってるの?」

 

「まだそんなレベルじゃないよ」

 

「え〜、じゃあ私はまだまだだ」

 

レベルの差にがっくりしてしまった。

 

「好きなら大丈夫。ギターは弾きたい人が弾くの」

 

「‥うん!またギターのこと教えてね!」

 

おたえとはこれからもっと仲良くなれそうだった。

 

 

それから数日が経ち、

 

「それでねおたえがね‥」

 

皆におたえを話をするのが最近の昼休みにすることだ。

 

「そ、そうなんだ」

 

「課題終わらせる気ないな」

 

「あるよ〜!」

 

さーやがおちょくってくる。でもおたえにギターを教えてもらってる時間の方が長いのはここでは黙っておこう。

 

「あの‥課題終わったらまた蔵で練習しない?香澄ちゃんがいないと‥ね、有咲ちゃん」

 

「私関係ねーし」

 

「ええっ、でも‥」

 

「あ、おたえ!」

 

偶然おたえを発見したのでギターを持ったまま駆け寄る。

 

「あっ、香澄ちゃん‥」

 

「おーい、おたえ」

 

「Gコードは中指から抑えた方が良いかも」

 

「あ、そうか、こうだね」

 

「有咲、もう戻るの?」

 

「それが?」

 

「えっ、待ってよ、有咲!」

 

有咲が冷たい態度を取っていたので追いかけた。でも全く口を聞いてくれなかった。

 

 

そして放課後、ケース入れはお互い完成し、更に私はキラキラ星も弾けるようになった。

 

「キラキラ星、ちゃんとコード弾けてたよ」

 

「うん、ありがとう。おたえのおかげ」

 

「あんまり嬉しそうじゃないね?コード弾けるようになったしギターケースも完成したのに」

 

確かに弾けるようになったのは嬉しい。でも‥

 

「有咲、様子が変だったから‥」

 

「お昼の?」

 

「うん、ごめん、おたえ!私行ってくる!」

 

私は急いで有咲の蔵へ向かった。

 

 

 

 

「有咲ー!有咲ー!」

 

蔵中でも聞こえるぐらい大きな声で呼んだ。

「近所迷惑なんですけど」

 

戸から少し顔を出して有咲が言う。

 

「ごめん!私何かした?」

 

「別に‥」

 

「待って!入れて!」

 

再び戸を閉めようとした有咲を止める。

 

「契約違反。一緒にお昼食べるって言ったのにどっか行く!蔵で練習するって言ったのに来ない!」

 

「!‥ごめん‥」

 

有咲はずっと私を待っていてくれていたのに自分はギターばかりに気を取られて有咲のことを全然考えていなかった。

 

「う、うぅ‥ごめん‥ごめぇぇん‥!」

 

「今回だけだからな。次やったらゆるさ‥」

 

「有咲〜!」

 

「うわぁ!まだ入っていいって言ってねぇ!」

 

思わず飛びついた私を有咲は振り解こうとした。なんか嫌そうに言ってたがその後しっかり蔵に入れてもらった。

 

「あ、香澄ちゃん」

 

「ごめんね、りみりん」

 

久しぶりに来た蔵、何も変わってないと思ったら

 

「あっ、何これ!凄い!キーボードだ!蔵にあったの?」

 

今まで見たことないキーボードがあった。

 

「トネガワ売ったんだって〜」

 

「あの葉っぱ売れるの?」

 

「トネガワなめんなよ!」

 

まぁトネガワのことは置いておいて

 

「ね、有咲!弾いてみて!」

 

「ふふ〜ん、いいぞ」

 

軽くキラキラ星の1フレーズをピアノのような音で弾く。

 

「凄い!」

 

「音も変わるんだぞ」

 

今度はさっきより低めの音になる。

 

「凄い!凄い!」

 

「だろ?ってそろそろ時間か‥多分ばぁちゃんが夕飯出来たって言ってくる頃だな、ちょっと見てくる」

 

有咲達と一緒に一度家の方に行くと

 

「あ、来た」

 

「・って花園たえ⁉︎ちょ、なんでいんの⁉︎」

 

「香澄と一緒に来たから」

 

「さっきまでいなかっただろ!」

 

「ご飯食べてた」

 

「人ん家で勝手に食うな!」

 

「香澄、仲直りできてよかったね」

 

「うん、ありがとう!」

 

「みんなの分もすぐ来るって」

 

「ホント!私おなかすいちゃった〜!」

 

「ええっと‥」

 

「人ん家で勝手に仕切んな!」

 

結局晩ご飯は皆でごちそうになった。

 

 

 

 

晩ご飯を食べた後、私とおたえは路面電車に乗り帰宅中だった。

 

「ありがとう、おたえ!色々教えてもらっちゃって!」

 

「ううん、私も楽しかったから」

 

「ねぇおたえ、一緒にバンドやらない?」

 

「え?」

 

「課題は終わっちゃったけど、私もっとおたえと弾きたい!」

 

「文化祭もオーディションも一緒に出れたらきっとすごくキラキラドキドキ出来る気がする!」

 

「オーディション?」

 

「うん、SPACEの。みんなにはまだ言ってないけど‥」

 

「無理」

 

「え?」

 

「無理だよ」

 

おたえがキッパリと言う。

 

「な、なんで?」

 

「SPACEはガールズバンドの聖地。バイトしたから時間はあまり経ってないけど、オーディションを受けたバンドをたくさん見てきた」

 

「どのバンドも技術だけじゃなくステージに立ちたいって気持ちがすごく伝わってきた。聴いてて震えちゃうくらい」

 

「香澄は自分がどっちでもその人たちに並べると思う?SPACEの舞台は誰でも簡単に立てる場所じゃないよ」

 

「いっぱい練習する!」

 

「ちゃんと弾けるようになるまでどれくらいかかる?」

 

「わかんない‥でもやってみる!頑張って練習してオーディション受けて、みんなでキラキラドキドキする!」

 

「‥じゃあ、やって。私を震えさせて」

 

 




奏斗「はい、7話が終了!そして今回の次回予告担当は‥」
沙綾「どうも、山吹沙綾です」
りみ「牛込りみです」
奏斗「二人は今回どうだった?」
りみ「香澄ちゃん、また練習に来てくれるようになってよかった〜」
沙綾「私は香澄がさっさと課題仕上げないかなって思ってたよ」
奏斗「そうか、その香澄って子は知らないけど学校の課題はさっさと終わらせた方がいいしね」
沙綾「そういえばあの羽丘トップの奏斗はどうやって副教科の課題を終わらせるの?」
りみ「あ、それわたしも聞きたい。奏斗さんどうしてるんですか?」
奏斗「裁縫はあえて簡単なのにしてるな」

次回 メッチャドキドキしちゃった!

沙綾「なんか結構普通だった‥」
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