追記:過去に行くための~の部分とそのくだりを若干変更しました。
ご指摘、有難うございました。
追記2:この話、深夜テンションで書いたので見直ししてなかったんですよね。誤字脱字や分かりづらい所がいっぱい。
直しておきましたが、他にもあったら言ってくださると助かります。
唐突に蛇となってから何週間経ったのだろうか。困惑しつつも蛇としてのの生活に慣れてきてしまっていた。今は小動物を絞め殺して食べることさえも慣れてしまい、自分の心までもが人で無くなるような気がしている。
……人にはない、温度を感じ取ることのできる機能。既に自在に扱えるようになっていた。蛇の感じ取れるモノは、本来赤外線のみであり、動物の体温以外を見分けるなんて事は恐らく出来ないのだが、自分は違っていた。多少のブレはあれど、植物と地面のほんの少しの温度の差異を感じ取る事が出来ていた。人が蛇になった所からおかしいのだし、その程度は別に気にならない。
……だが、一つ気になることがある。森を歩いていると度々人の死体を見かける。その死体が着ている服装が全く見たことのない服だった。
白を基調として上半身から下半身まで繋がっている毛皮に、帯のような物を巻いた服。例えるなら縄文人か弥生人の服のよう。それを幾つもの死体が着ていたのだ。信じられないが、ここは過去の日本なのだろう。蛇になったかと思えば、今度はタイムスリップである。何が何だか全く分からない。
……考えていても仕方がない。今は蛇として生きる。これだけだ。
朝日が昇ってきた。一日が始まる。今日も、蛇として生きるのだ。
住みかとしていた薄暗い洞窟から出て、獲物を探しに行く。蛙や鳥の卵などが主な獲物だ。稀に小動物……兎なんかを仕留められる。自分の体はそこそこ長いので、その程度なら全身に巻き付いて絞め殺す事が出来る。
いつも通り? の筈だったのだが…。
森を進み、獲物を探していると、そこには見慣れないモノがあった。赤い血のようなものが辺り一面に散り、中央には人の様な人外の様な、得体の知れない生き物が居た。
顔面はほとんど潰れていて、頭の形すらほとんどわからなかった。服もつけておらず、全体的に火傷のような傷が複数あり、性別すら分からない有様だった。人間だと間違いなく即死する傷を負っていたにも関わらず、それはまだ動いていた。
……こちらに気づいたようだった。顔にはすでに口しか残っていないのに。一本しかない腕の、一本しかない指、それも第一関節までしか残っていない指をこちらに指して。
何かを言いたそうに、口をパクパクとしていたが、やがて口を動かす気力も無くなったのか、そのナニカはピタリと止まって、それから動く事は無かった。
こんな、人の様で、違う様な、得体のしれないナニカ、しかし、蛋白源として非常に優秀であろう、ナニカ。食べる気は全く起きない。当たり前だ。食べろと言われて食べるような人間はいないだろう。
……まぁ、人ではないのだが。
今日は獲物を探しに来た。何の為? 食べる為。ならば好都合ではないか。こんな貴重な蛋白源はこれから確実に見つかる事はないし、見つけたとしても仕留めることは出来ない。
食べるか、食べないか。葛藤。人としての常識を選ぶか、生物としての常識を選ぶか。
……おなかが、すいた。
その感情は、死体の元へと進ませる事には十分すぎた。生物としての本能。人間の忘れた、生物としての常識。
しゃく、しゃく、しゃく。
始めは余り食が進まなかった。その内、肉が高級ステーキの様に見えてきて、食べる度に、匂いを嗅ぐ度に、食欲は増していく。
どれだけの時間、私は肉を食べ続けたのだろうか。腹が一杯になるまで食べては、数日をかけて消化する。消化しきったら、食べる。それを何度も何度も、何度も繰り返していく内に、肉はおろか、骨すらキレイサッパリと食べ尽くしていた。
無我夢中だった。他のことには一切気を配らず、食べ続けていた。
余りにも悍ましいその食事を思い出すたびに吐きそうになるが、既にすべて消化しきっている。
不思議なことに、あれを食べていく内に、体は太く、長く、あり得ない速さで成長していた。
長さは十五mはあるだろうか。太さは赤ん坊の頭ほどある。
──よく分かっていない「力」が体中に漲っているような、そんな感覚があった。
人間であった頃の記憶や感情がどんどんと薄れていく。だが、人間としての心は無くならないと、不思議と思う事ができ、あまり動揺はしなかった。
……ここまでになると、最早大蛇ですらなく、妖のようだな、そんなことを思った。妖怪。そうか、あれはきっと、妖怪と呼ばれるものだろう。妖怪を食べた生き物は、妖怪になるのだと聞いたことがある。
人間から蛇になったと思ったら。今度は妖怪になってしまったのだろうか。意味の分からない、分かりたくないようなことが起きたようだった。必然であったのか、偶然だったのか。訳の分からない出来事が次々と私を襲う。
人間として生きた最後の日。あの日、何が起きたのか。今となっては知る由はない。しかし、無性に気になる。何故こんなことが起きたのか。何故蛇になった? なぜ過去へ? 過去に飛ばさ
れ、人間ですらないとは。転生したのならば、何故? 事故に遭った記憶はないし、寿命のはずもない。まだ若かったはず。
妖怪は長寿である。寿命は計り知れない。その寿命を使って、自分がいた時代まで生き残り、何が起きたのかを見る事はできるかもしれない。
生き残ろう。辛い事がや苦しい事が起きたとしても。耐え抜き、真相を知る。
私は知的好奇心が強い。こんな謎な現象、気にせずに生きる事は難しい。この世界で生き残り、何があったのか、それを知る為に生きよう。
妖怪を食べた日から数年。妖怪となってからも同じ生活をつづけた。
変わったこと、といえば。
一つ、食べれる獲物が増えたこと。
大型の哺乳類や鳥類を仕留めらるようになったことだ。
大型の哺乳類。それは狼だとか、人間も入る。
皮が分厚く、堅くなったため、牙や銅矛程度ならば傷はつかない。
……二つ目は、人を食べるようになったこと。
元々、自分は人間だった。あれを食べた日からは、自分が人間であった事を気にしなくなっていった。
今までに何人食べたのだろうか。森の入り口辺りの洞窟に住みかを移してからは、頻繁に人間を食べるようになった。
三つ目。
妖怪となったときに、温度を感じ取るだけでなく、自分と接している物の温度を変える事が出来るようになったようなのだ。
変えられるといっても、水が沸騰する程度か水が凍る程度。ひんやりしたり、暖かかったったり、その程度である。
しかし、中々便利で、獲物を熱くして殺し、凍らせて保存する、といったことができる。
四つ目。
何人もの人をたべたから、妖怪としての力があるからか、今一解っていないのだが、短時間であれば人の姿に変身することができる。
性別はなぜだか選べず、女にしかなれなかった。
髪の毛は金髪で、目は蛇の時と同じ色、服は……着ていなかった。
水面を通して見たその時の姿はつい最近何処かで見たような、見ていない様な。私の記憶を刺激する見た目だった。
女を多く食べていたのだろう。確かに、最近は女ばかりが森に入り込む。
様子を伺っていても、食べられる事を覚悟したかのように動かなかったので、近くの人間の集落が人間を食べる怪物...私を恐れて贄として女をここに連れて来ているのだろう。
まぁ、楽して食べれる、程度にしか思っていない。
しかし何故金髪なのだろうか?記憶に残る私は日本人なのだが。
誰にも聞こえる事のない脳内での回想を終えた私は、何故女ばかりが来るのか気になっていた。
その理由を探すべく、擬態して集落に潜入する。といっても、陰で話を聴く程度なので、潜入は言いすぎか。
現在地、集落付近の大木の陰。ここから話を聴くのにちょうどよさそうな場所を探す。
集落には壁や物見櫓等は無く、農作業もしていない様子だった。
どうやら時代で表すと縄文時代辺りのようだ。まだ争いの無い、平和な時代。
狩猟、採集。土器を用いた調理。自然と共に生きつつも、人間としての文明の基礎を作っていった時代。
……お、丁度いい木がある。集落にかなり近いどころか集落に食い込んでいる巨大な木がある。
あそこなら人の話も聞こえそうだ。近くに人が何人もいる事も好都合。
蛇のままこっそりと移動し、木に着いたと同時に変身。
怪しまれないように、髪の毛は黒に変化させ、服も事前に用意した。
目は変化させられなかった。力不足なのか。
そんな事を思っている間に、話が始まったようだ。
「……森の怪物への生贄は次は誰にするんだ?」
「……私の妻だよ……」
なんと。妻ですか。
大して気にならないけど。これで、私は本当に怪物と思われている、という事が分かった。いい気分はしないが、悪い気分もしない。
ま、どうでもいい。
おっと、まだ話しているみたいだ。
「……なんで女ばっか生贄に……」
「……そりゃお前、怪物だろうが何だろうが女のほうが嬉しいだろ。そういうことじゃないか?」
適当だなぁ……そんな理由で生贄選ぶの?
──興味無くした。帰ろう。
……蛇になって森へと帰る。聞きたいことは聞けたし、用は無い。
────少しだけ、人間であった頃を思い出し、切ないような、さっきの奴らが妬ましいような。よく解らない感情が渦巻いていた。
下書きをメモ帳で書いてからコピペして投稿してるので、ルビ付けてほしいところあったら言ってくださいね。
接続詞の添削すんごい疲れました……怠ったのは自分ですが。というか、分かりやすい伏線しか仕込めない過去の私をバットで屠ってやりたいです。
タイトルについて
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変えようぜ!
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このままでいいでしょ