ペルソナ使いinロクアカ   作:アロンアルファ

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見切り発車です。
あと、サブタイトルの英語は文法的におかしいとこがあるかもしれませんが、スルーしてくれると嬉しいです。
…ペルソナ要素が冒頭しかない件について


The new teacher who came over is worthless

 気づけば不思議な場所にいた。

 青い部屋、とでも言えばいいだろうか? 床、壁、天井全てが青色に包まれていた。目の前にある椅子や長テーブル、そしてカーテンも例に漏れず。

 

 いつの間にこんな所に来たのだろうか? 

 そんな風に思っていた時、突然声を掛けられる。

 

「ようこそ、我がベルベットルームへ」

 

 いつの間にか目の前に長い鼻の老人? が椅子に座り、長テーブルに肘をついてこちらを見ていた。

 

「ほう、これはまた変わった定めをお持ちの方がいらしたようだ」

 

 変わった定め? というかどちら様だろう? 

 

「申し遅れましたな。私の名はイゴール」

 

 イゴールと名乗った老人が話を続ける。

 

「ここは夢と現実……精神と物質の狭間に存在する場所。私はここの主を務めております」

 

 そして、イゴールは自身の隣に目を向ける。誰もいなかったはずの場所に少女が座っていた。

 

「こちらは、同じくベルベットルームの住人であるフランと申します」

 

「……よろしく」

 

 フランと呼ばれた少女はそれっきり口を閉じてしまった。

 

「まだまだ気難しいところがありますが、大目に見てもらえるとありがたい」

 

 了承の意を込めて頷くとイゴールは嬉しそうに言う。

 

「結構。では、本題の方へ移りましょう」

 

 イゴールは続ける。

 

「本来、ここは何らかの形で契約を結んだ者が訪れる場所。近い将来、貴方にそういう運命が待ち受けているのやも知れませんな」

 

 契約? なんの契約だろう。詐欺かなんかだろうか? 

 

「ご心配召されるな、その時になれば分かるでしょう」

 

 うーん、気になるけど……まあいいや。

 

「ふふ……おっと、お目覚めの時間が来たようですな」

 

 イゴールがそう言うと、次第に自身の視界がぼやけ始める。

 

「さて、詳しい話は追々に致しましょう」

 

 意識が遠のいていく……

 

「ではその時まで、ごきげんよう……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん」

 

 瞼の先が眩しい。朝になっているようだ。

 

「んー……眠い」

 

 まだ頭がぼーっとする。

 なんか変な夢を見ていた気がするが、思い出せない

 

「って、もうこんな時間!?」

 

 時計を見ると、始業の時間が迫っている。どうやらゆっくりしている時間はないらしい。

 焼いてすらいない食パン一枚の朝食を済ませ、制服に身を通す。そして、軽く身だしなみを整え準備完了。

 

「行ってきます!」

 

 誰もいない家に挨拶をし、学院へと駆け出す。

 今日から新しい講師が赴任することになっている。初対面で遅刻というのは、なかなか勇気がいる行動だと思う。

 

「これならなんとかッ、間に合いそう!」

 

 そう思いながら、僕ことトーマ=ハスクは足を緩めることなく、自身の学び舎であるアルザーノ帝国魔術学院へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アルザーノ帝国魔術学院、それは由緒ある魔術学院である。ここに在籍する者は皆、日々魔術の研鑽に励んでいる。

 それは生徒だけでなく、教師にも言えることであり、この学院で教鞭を振るうことを誇りに思い、自身の魔術の研究に勤しんでいる。

 つまり、何が言いたいのかと言うと、例外もいるが基本的に皆優秀なのである。成績であったり、生活態度であったり。

 授業中に居眠りなんてしないし、遅刻なんてもってのほか。

 だが……

 

「遅い!!」

 

 始業のベルが鳴って20分が経とうとしているにも関わらず、未だに姿を見せない新任の講師に怒りを隠せない少女──システィーナ=フィーベルが声を荒らげる。

 長い銀髪に整った容姿。そんな彼女は実技、座学共に優秀であり、その証拠に学年トップの成績を残している。だが、そのストイックな性格から『講師泣かせ』や『説教魔神』などという不名誉なあだ名がある。天は二物を与えずとはよく言ったものだ。

 

「まあまあ、落ち着いてシスティ。もしかしたら何か事情があるかもだし」

 

 そんなシスティーナを宥める少女の名は、ルミア=ティンジェル。

 彼女はその美しい外見に加え、性格も良しというスーパー美少女だ。

 そんな彼女は当然と言えば当然だが、男子から物凄く人気がある。週に一回告白されるぐらい人気がある。天は二物を与えずなんて嘘だった。

 一緒にいるシスティーナも、性格さえもう少し丸くなれば、もっと人気が出ると思うんだけどなぁ……。

 

「甘いわ、ルミア! 真に優秀な人はありとあらゆる事態に備えておくものよ!」

 

「流石にそれは無理があるんじゃないかなぁ……」

 

 僕もそう思う。

 とはいえ、システィーナがそこまで求めるのも少しわかる気がする。何故なら、新任の講師はあの……アルフォネア教授が優秀な奴と言ったためだろう。まさか、初日から遅刻するなんて思いもしなかった。

 ……その初日から遅刻しかけた僕が言うことではない気がするけど。

 

 教室内がざわざわとしている中、大きな音を立てながら扉を開け、一人の青年が入ってきた。

 黒髪で長身痩躯、身なりは適当。濁った目を除けばそれなりに整った顔をしている。

 そんな男に、当然の如くシスティーナが噛みつく。

 

「やっと来たわね! 初日から遅刻なんて一体何を……って貴方、今朝の!」

 

「違います、知りません人違いです」

 

「そんなわけあるかっ!!!」

 

 などとコントを繰り広げている。どうやら訳アリのようだ。

 

「ねぇ、二人は知り合いなの?」

 

「あ、トーマ君。知り合いっていうか、なんていうか……」

 

 後ろからルミアに事情を聞いたところ、どうやらあの新任講師(名をグレン=レーダスという)がルミアにセクハラをしたらしい。それにシスティーナはお冠なのだろう。

 

 とりあえず二人の喧嘩は一段落終え、やっと授業に入るらしい。もう半分も時間が残っていないが。

 そして再び、問題が発生する。

 

「えっと〜ここがこうで〜こうなって〜あれ、こうだっけ?」

 

 要領を得ない説明に、ミミズが這ったような字。(当然読めない)

 全くやる気が見えないまま授業が続く。

 

「先生ッ、いい加減にしてください!」

 

「言われた通りいい加減(・・・・)にやっているだろう?」

 

 システィーナが怒り、それをグレンが適当に受け流すといった形で進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで昼休み。お昼ご飯の時間だ。パン一枚しか食べていないせいで、この時が待ち遠しくて仕方なかった。

 急いで食堂に行き料理を頼む。ここの食堂は早い安い美味いと、三拍子揃っている。

 出来上がった料理を受け取り、空いているテーブルを探す。ちょうど四人掛けのテーブルが空いていたのでそこに腰を下ろす。

 いただきます、と手を合わせた後、料理を口に運ぶ。うん、美味い。

 しばらく料理に舌鼓を打っていると、声を掛けられる。

 

「ここ、座っていいかな?」

 

 声を掛けてきたのはルミアだった。システィーナも一緒にいる。

 僕は料理を口に含んでいるため、頷いて答える。

 二人がありがとう、と言いながら僕の前のイスに着く。そして、各々の料理に手をつける。

 途中、システィーナのメルガリアントークが炸裂したりしたが、二人と軽く談笑したりして平和な昼食の時が続いていた。

 

「ここ、座るぜ」

 

「あ、どうぞです」

 

 グレン先生が来るまでは。

 

「あっ、貴方は!」

 

「食事の時くらい静かにしろよ」

 

「なっ!?」

 

 ワナワナと震えるシスティーナを横目に、バクバクと料理を口に運んでいくグレン先生。

 何も無かったかのように振る舞っているが、この男、先程行われる予定だった錬金術の実験の準備をする際、なんと女子更衣室に突撃したという。なんでも昔と男女逆になっていたから気づかなかったとか。

 今横でキルア豆について語っている先生は、その話を聞く限りこの学院の出身らしい。あっ、ルミアがキルア豆分けてもらってる。

 ……案外、根は悪くない人かもしれない。

 

「お前も食うか?」

 

「えっ、いいんですか」

 

「ああ、その肉を一切れくれたらいいぞ」

 

 ただ人を選んでるだけかもしれない。まぁ、交換するけど。

 その後、システィーナにほんの少し豆を分けた後、スコーンを一切れ無理やり奪っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから何日か経ったが、グレン先生の授業態度が改善することは無かった。むしろ、日を経つ毎に悪くなっていった。

 翌日はさらに適当な説明、汚い字で板書。

 翌々日、教科書のページを破り黒板に貼り付け、先生は寝ていた。

 さらに次の日は教科書そのものを釘で打ち付け、やっぱり寝ていた。

 そして今日、ついに教科書を持ってくることすらやめ、そのまま眠りについた。

 そんなグレンにシスティーナが厳しく言い放つ。

 

「本当はこんな手使いたくないけど仕方ありません。ちゃんとしてくれないと私の父親に頼んで貴方をクビにしてもらいますよ!」

 

 システィーナの実家であるフィーベル家はここら辺ではかなり有名で権力を持っている立場にある。高々学院の一講師をクビにすることなんて簡単だろう。

 だが、ここでも先生は僕達の予想を超える行動にでた。

 

「お父様に期待してます、とお伝え下さい!」

 

 どうやらグレン先生はアルフォネア教授に無理矢理講師をやらされているとの事。クビになると聞いて心底嬉しそうにしていた。

 これにとうとうシスティーナがキレた。左手に付けていた手袋をグレンに投げつける。

 

「グレン先生、貴方に決闘を申し込みます!」

 

 これに対しグレン先生は嫌々ながらも乗った。

 決闘方法は【ショック・ボルト】のみというもので、システィーナが勝ったら、グレンは真面目に授業をする。逆にグレンが勝ったら、システィーナはグレンに対し何も言わない。そういう取り決めの下、決闘は行われることになった。

 

 決闘を行う二人は中庭へと向かった。その決闘を見守るために向かうクラスメイトに混じり足を進める。

 正直、システィーナの勝ち目は薄いと思う。相手は仮にも講師、しかもここのOBだ。かなりの実力があると見ていいだろう。

 それはシスティーナにだってよくわかっているはずだ。それでも許せなかったのだろう。だから、行動に移した。その在り方には素直に尊敬の念を浮かべられる。

 

 この決闘がどのような結末を迎えるか……できるだけ平穏に終わって欲しい、と願う僕であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空いた口が塞がらないとはこの事だろうか……? 

 決闘の結果だけを伝えるならば、恐らくシスティーナの勝利だろう。ギリギリとかではなく、圧勝だ。

【ショック・ボルト】は基本三節だが、一節で唱えることも出来る。よっぽどでない限り、一節で唱えることが可能である。

 しかし、なんとグレンは一節で唱えることが出来なかったのである。

 あの手この手で勝とうとするが、どう頑張っても詠唱の速さにおいて三節は一節に勝てず、ボロボロにされていた。

 そして、システィーナが勝利し約束について言及にしたところ

 

「あっれ〜〜そんな約束、ボクしたっけなあ〜〜。電撃バカスカ打ち込まれて忘れちゃった☆」

 

 とのこと。

 

「と、いうわけで……これぐらいで勝ったと思うなよ!?」

 

 あばよ! と言った後、高笑いしながら走り去っていくグレン先生。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうやら、新しくやってきた講師はロクでなしらしい。

 

 




主人公ステータス

〔知識〕Rank.1_平均的
〔勇気〕Rank.1_なくもない
〔魅力〕Rank.1_人並み
〔優しさ〕Rank.1_それなり
〔伝達力〕Rank.1_そこそこ

コミュ無し
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