ペルソナ使いinロクアカ   作:アロンアルファ

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オリジナルペルソナの簡単な能力を載せておきます。

【愚者】ペルセウスLv1
物火氷雷風光闇
ーーー弱耐耐ー

《スキル》
スラッシュ
ガル

属性表記はP4式です。銃撃属性は物理属性に含まれています。


We will laugh together, won't we?

「すごい力だった……」

 

 先程の戦闘を思い出しながら呟く。

 正直、自分でもペルソナがどういうものなのかはまだよく分からない。ただ、この力は間違いなく僕の力になってくれるだろう。

 

「そういえば、昨日の夜……」

 

 僕は寝ている間に起こったことを思い出した。イゴールが言っていた僕の旅路がどうとかいう話。もしかして、この力が関係しているのか?

 

「……それより、これからどうしようか」

 

 現状、よく分からない事ばかりだ。あの不審者の事が気になる。それにルミアの事だって。

 そもそもの話、なんでルミアがあの不審者に連れられていたんだろうか。誘拐して身代金とか?いや、確かにルミアはフィーベル家に住んでいるが、あくまで居候だと聞いている。誘拐するならシスティーナだろう。

 というか、こんな真っ昼間からすることではない。だとしたら、もっと別の要因か。何故、このタイミングで事を起こしたのだろうか。

 ……学院に講師がいないからか?今、学院にいる講師はグレンだけだ。それなら、確かに普段より制圧は容易いだろう。だとしても何故?

 

「……やっぱりわかんないな」

 

 これ以上考えても結論が出るとは思えないので、一旦思考を打ち切ることにする。

 とりあえず今すべき事は助けを呼ぶことだろう。幸い、付近に誰もいないはずだ。今が学院から脱出するチャンスだ。

 そうと決まれば、早く実行しよう。何が起こるか分からない以上、早急に対処しなくてはいけない。

 そして、僕は学院の正門に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 正門に近付くと、誰か倒れているのが分かった。

 

「だ、大丈夫ですかっ!?」

 

 その人物は学院の守衛だった。急いで駆け寄り、無事かどうか確かめる。

 しかし、時すでに遅し。守衛が僕の声に答えることは無かった。

 

「なんで、こんな……」

 

 この守衛とは何度か挨拶を交わしたこともある。そんな日常の一部が失われたことに、混乱せずにはいられなかった。だが、すぐに自身のすべき事を思い出し、なんとか持ち直す。

 

「早く助けを……」

 

 しかし、正門から一歩踏み出そうとするも、見えない結界にそれを阻まれる。何度も出ようとするが、その壁は僕にはどうしようもなく硬かった。

 

「ど、どうしよう……」

 

 これでは助けを呼ぶことが出来ない。これからの事を考えようとしたその時。

 

 

 ドゴォーン!!

 

 

「っ!?」

 

 背後から凄まじい音と光が発生したのが分かった。

 すぐに振り返り、それの発生源を確認する。学院の四階部分から、巨大な閃光が、放たれているのが見える。

 

「何なのさ、あれ!?」

 

 まさか、あの不審者がやったのか?

 そう考えると、すぐに不安が押し寄せてきた。何故、あんなのが発生したのか。まさか、人に向けて使われたのか?

 今、この学院にいるのは、Ⅱ組の生徒とグレンだけだ。そう考えると、居ても立っても居られず、その現場へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ある程度近づくと、先程の閃光が放たれたせいで瓦礫になりかけている四階から見慣れた銀髪が突き落とされるのが見えた。

 

「あれって、システィーナ?」

 

 急いで、システィーナの落下地点へ向かう。そこには魔術で器用に着地していたシスティーナがいた。

 

「システィーナっ!」

 

「っ!?」

 

 僕の声に驚いたのか、ビクッとしながらこちらを向く。そして、すぐに安堵の表情を浮かべる。

 

「なんだ、トーマか。よかった……」

 

「大丈夫?四階から落ちてきたみたいだけど」

 

「あっ、そうだ!グレン先生がっ!」

 

 システィーナが件の四階にいるであろうグレンを心配して目を向ける。

 

「グレン先生がいるのか?」

 

「今、グレン先生はテロリストと戦っているのっ!」

 

 そう言いながらも、悔しそうにしているシスティーナ。おそらく、グレンはシスティーナを助ける為に突き落としたのだろう。助けに行きたいが、それではグレンの行動を無駄にしてしまう。

 きっと、心の中で葛藤しているのだろう。今のなんの力もない私が行っても仕方がない、と。

 

「システィーナはここに居て。僕が行く」

 

「えっ?」

 

 今の僕には不思議な力がある。戦うのは怖いし、それで何かが変わるかどうかは分からないけど、何もせずに後悔はしたくない。それだけは確かだ。

 

「ど、どうして?私達に出来ることなんて……」

 

「ううん、何かあるはずだよ。どんなに小さい事だとしても、今の自分にできることが」

 

 それだけ言うと、すぐにグレンがいる場所へ向かう。

 

「先生はなんで魔力の量を……?後、「なら、よし」ってどういう?」

 

 この場を去る時、後ろでシスティーナが何かをブツブツと呟く声が聞こえたが足を止めることはしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 階段を駆け上がり、グレンの元へと走る。すると、曲がり角の向こうから激しい物音が聞こえてきた。

 身を隠しながらそっとその先を覗くと、グレンと不審者改めテロリストが激しい戦いを繰り広げていた。ただ、明らかにグレンが劣勢であった。やはり、一節詠唱が出来ないことが原因だろう。

 

(どうする?今すぐ介入していいのか?)

 

 自分が突入することで、今の流れを切る事はできる。ただ、先生が僕に気を取られて、その隙を突かれたりしたら最悪だ。

 

(まだだ、落ち着け。チャンスは来るはずだ)

 

 その時はすぐに来た。グレンとテロリストの攻防が止まり、二人の会話が始まる。

 今しかない。そう感じた僕はその場に躍り出る。

 

「グレン先生!」

 

「なっ!?」

 

「貴様は……あの時の!」

 

 二人は共に驚きの感情を示したが、すぐにグレンが吠える。

 

「馬鹿野郎っ!なんで来たんだ!」

 

 グレンのその問いには答えず、テロリスト──レイクを睨めつける。そして、右手を向ける。

 

「なぜ、貴様は生きている?」

 

「さあ?なんでだろうね」

 

 レイクの質問に惚けて答えるが、その心中はドキドキしっぱなしだ。一歩間違えれば死ぬと理解しているからだ。

 タイミングを間違えてはいけない。相手の一挙一動に注目する。

 

「だが、ここに来たのは自殺行為だったな。無謀な学生よ」

 

「やめろっ!」

 

 グレンの必死な声が響く中、レイクは詠唱を開始する。

 

「《雷帝──」

 

「(今ッ!)ベルソナッ!」

 

 レイクの詠唱の途中でペルセウスを呼び出し、一気に突撃させる。

 

「──なっ!?」

 

 レイクはすぐに詠唱を止め、咄嗟に浮いていた剣で迎撃する。

 

「くっ!」

 

 流石に判断が早い。だが、隙を作ることは出来た。

 

「《猛き雷帝よ・極光の閃槍以て・刺し穿て》──ッ!」

 

 グレンの【ライトニング・ピアス】が発動する。だが、レイクはそれに対し、剣を一本犠牲にすることで防ぐ。

 レイクは態勢を整えようと後ろへ飛び退くが、そうはさせまいと僕はペルセウスを再び突貫させる。

 

「<スラッシュ>!」

 

 渾身の一撃をレイクは剣を三本使い鍔迫り合いに持ち込む。拮抗するかと思われたが、それは思わぬ援軍により叶わぬものになる。

 

「《力よ無に帰せ》──ッ!」

 

 それはシスティーナの【ディスペル・フォース】による魔術支援だった。これにより、ペルセウスと鍔迫り合いをしていた三本の剣は力を失う。ペルセウスはそのまま、レイクが持っていた最後の一本を叩き折る。

 

「くっ!《目覚めよ刃──」

 

「遅ぇッ!」

 

 グレンが一枚のアルカナ──愚者のアルカナを引き抜き、【愚者の世界】を起動させる。

 この時、トーマは知らなかったが【愚者の世界】は発動者を中心とする一定効果領域内における全ての魔術起動の完全封殺するものである。

 これにより、レイクは今この瞬間完全な無防備になった。グレンはこの隙を逃さず、落ちていたレイクの剣を一本拾い、そのままレイクの左胸部分を貫く。

 

 一瞬、この場を静寂が支配する。最初に言葉を発したのはレイクだった。

 

「……見事だ」

 

 レイクは直立不動なまま続ける。

 

「そこの学生二人には驚かされた。そして……『愚者』、貴様にもな」

 

「……何が言いたい?」

 

「さぁな?」

 

 そして、レイクは崩れ落ちそのまま息を引き取った。

 

「ちっ……胸糞悪い」

 

 そう吐き捨てると、グレンも膝を着く。

 

「「先生ッ!!」」

 

 僕とシスティーナはグレンに駆け寄る。グレンの体に触れると普通ではないほど冷たくなっていた。

 

「冷たい……一体、何で」

 

「あのテロリストと戦う前に先生、【イクスティンクション・レイ】を使って、それでマナ欠乏症になってるの!」

 

「えっ、あの神殺しの!?」

 

 その言葉を聞いて、驚きを隠せなかった。【イクスティンクション・レイ】はあのセリカ=アルフォネアが大昔に使ったとされる大魔術である。

 グレンの保有魔力量では使うことは出来ないはずだが、何らかの方法で無理やり使ったというとこだろう。そして、その代償がこれだ。

 

「ク、クソッ……」

 

 それでもグレンは無理やり起き上がろうとするが、すぐに倒れ込んでしまう。

 

「早く……行かねぇと」

 

「先生ッ!」

 

 システィーナの呼び掛けも虚しく、グレンは気を失ってしまう。

 

「先生、先生!ど、どうしよう……このままじゃ」

 

「と、とりあえず先生を安全な所に運ぼう!」

 

「え、ええ!分かったわ」

 

 近くにある保健室──安全面の問題により学院には各階に保健室がある──にグレンを運び、傷のある部分に包帯を巻いていく。

 応急処置として二人で【ライフ・アップ】をかけていく。数分間続けているが、傷は塞がらず、そして、マナ欠乏症も治ってはいない。それでも、二人は【ライフ・アップ】をかけ続ける。少しでもグレンの容態が良くなると信じて。

 その甲斐あってか、すぐにグレンが呻き声を上げ、目を開く。

 

「う……ここは……?」

 

「先生ッ!大丈夫ですか!?」

 

「……ッ!よかった……!」

 

 グレンが目を覚ましたことに気づき声をかける。システィーナも安堵したのか目に涙を浮かべている。

 

「お前ら、やめろ……もう大丈夫だ」

 

 グレンがそう言い魔術の施行を止めさせようとするが、すぐにシスティーナが窘める。

 

「大丈夫なわけないじゃない!放っといたら貴方死んじゃうわよッ!」

 

「というわけで、大人しくしててください。お願いします」

 

 そう言うとグレンは渋々と引き下がる。

 

「……分かった」

 

 そして、グレンは再び目を閉じ、眠りについていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして、二人で【ライフ・アップ】をかけ続けていたが、突如甲高い音が部屋に鳴り響いた。

 

「「ッ!」」

 

 二人して肩を跳ねさせる。そして、音の発生源を探す。それはグレンのポケットからであった。

 取り出すと宝石のようなものがでてきたが、未だに音を鳴らしている。

 

「えっと……なにこれ?」

 

 わけも分からずに適当に触っていると、突然宝石から声が聞こえてきた。

 

『グレン!無事か?』

 

 どうやら、通信機のようなものらしい。そして、おそるおそる返事をする。

 

「えっと、どちら様でしょうか?」

 

『ッ!?誰だ!』

 

「は、はい!グレン先生の教え子のトーマ=ハスクです!」

 

 ドスの聞いた声に驚いたが、なんとか自分の事を話す。

 

『……何?グレンはどうした!?』

 

「えっと、グレン先生は……」

 

 通話の相手にグレンの容態を伝える。

 

『そうか……一応、生きてはいるんだな?』

 

「は、はい。ところで貴方は?」

 

『ああ、セリカ=アルフォネアだ』

 

 まさかの人物である。驚きすぎて、返事が出来なかった。

 

『おい、どうした?』

 

「あ、いえ!なんでもありません!」

 

 しかし、これはチャンスかもしれない。なにせ、セリカは第七階梯(セプテンデ)だ。これほど頼もしい味方はいない。

 

「あの!なんとかこっちに来ることは出来ませんか!?そうしたらきっと──」

 

『悪いが、それは出来ない。試したが、転移できなかった』

 

 僕の言葉を遮って返ってきた言葉は否定だった。やはり、現実はそんなに甘くないということだろう。

 

「そ、そうですか……」

 

 ただ、やはり期待はしていた為、少し落ち込んでしまう。

 本当にどうしようか。グレン先生が目を覚ますのはまだ先だろうし、それまでに取り返しのつかないことにならない保証もない。

 うんうんと考えていた僕の耳にセリカの声が入ってくる。

 

『そういえば、少し妙なことがあってな……』

 

「?」

 

『魔力回線を通して、そっちの結界の詳細を調べたんだが……』

 

 さらっと凄いことを言っているが、今は置いておこう。

 

『どうやら、何をどうやっても中から外に出られなくなっているらしい』

 

「えっ?じゃあ、テロリスト達はどうやって外に?」

 

『わからん』

 

 セリカも分からないといった様子だ。これからどうしたらいいのか、全くわからず途方に暮れようとしたその時。

 

「あの……学院の転送法陣から転移させたり出来ないんですか?」

 

 グレンに【ライフ・アップ】をかけ続けていたシスティーナが声を上げる。

 

『いや、それは無理だ。一度完全に構築された転送法陣の設定を変えるなんて──』

 

 そこまで言ってセリカの声が一旦途切れるが、すぐにまた聞こえてきた。しかし、先程とは様子が違い、何かを考えているようだった。

 

『学院の結界をいじった奴なら……』

 

「えっと……アルフォネア教授?」

 

『……あーいや、すまない。だが、もしかしたら奴らの計画が分かったかもしれない』

 

「本当ですか!?」

 

『ああ、あくまで可能性だが──』

 

 話を簡単にまとめると、学院にある転送法陣をテロリスト達が行き先を変えて使う、との事だった。そして、グレンが倒れてから襲撃がないことを考えると、テロリストはあと一人──転送法陣の改変をしている者だけである。さらに、転送法陣の改変には五、六時間はかかるらしい。

 

「という事は、後三時間ぐらい……」

 

『あくまで予想だがな』

 

 これで首の皮一枚繋がったという感じだ。だが、まだ大きな問題がある。

 

「先生……後三時間以内に起きるのかしら?」

 

「うーん、どうだろう……」

 

 グレンの顔色は以前良くない。マナ欠乏症は簡単に治るものではないから当然だが。

 

『とりあえず、後一時間程は寝かしといてやれ。今起こしたところで動けんだろう』

 

「そうですね……」

 

『それじゃあ一旦切るぞ。こちらでもなんとか出来ないか試してみる。また一時間後に』

 

 そう言うとセリカの声は聞こえなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 僕は考える。

 グレンが目を覚ますまでこのままでいいのだろうか?

 それまでに何も起こらないという保証は無いはずだ。

 そんな僕の耳にシスティーナの声が聞こえてくる。

 

「ルミア……」

 

 そんな彼女の顔は不安に満ちていた。今この瞬間にも取り返しのつかないことになってしまうのではないかと心配で仕方ないのだろう。

 

「大丈夫よね……?きっと、またみんなで笑い合えるわよね?」

 

「……」

 

 システィーナが絞り出すように言うその言葉には、心からの願いが込められていた。

 

 システィーナのその言葉に僕は意を決し、言葉を発する。

 

「僕……行くよ」

 

「……えっ?」

 

 システィーナの目を見ながらはっきりと言う。

 

「ルミアを助けに行く」




主人公ステータス

〔知識〕Rank.1_平均的
〔勇気〕Rank.1_なくもない
〔魅力〕Rank.1_人並み
〔優しさ〕Rank.1_それなり
〔伝達力〕Rank.1_そこそこ

コミュ無し
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