ペルソナ使いinロクアカ   作:アロンアルファ

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遅れて申し訳ありません。大学の遠隔授業に振り回されてました、アロンアルファです。

この前P5Sクリアしたんですけど、思ったよりずっとペルソナしてて面白かったです。ソフィアかわいい。


Struggle till the last!

「ど、どうして?後一時間待てば先生が……」

 

「──起きると思う?」

 

 僕がそう問い掛けると、システィーナは黙ってしまう。

 

「システィーナも分かってるでしょ。マナ欠乏症はそんなに軽いものじゃない」

 

「それは……そうだけど」

 

 例え、目が覚めたとしても、満足に体を動かすこともできないだろう。

 そして、歯噛みするシスティーナに僕は続ける。

 

「それに、今この瞬間にもルミアの身に何かあるかもしれない!だから──」

 

「でも、だからってなんの力もない私たちが行っても……」

 

 不安を隠せない様子のシスティーナ。そんな彼女に僕は安心させるような笑みを浮かべる。

 

「大丈夫、僕にはペルソナがあるんだ」

 

「えっ……ぺる、そな?」

 

 突然、訳の分からないことを言い出した僕に、システィーナはぽかんとしてしまう。

 

「ほら、さっき戦った時、変な鎧着た巨人いたでしょ?あれだよ」

 

「え?そんなの……そういえばいたような……」

 

「僕、あれ使えるんだ。だから大丈夫だよ」

 

 正直、全然大丈夫ではないが、今はこう言わなければシスティーナを不安にしてしまうだろう。

 いくらペルソナが使えるといっても、先程の様な相手だと勝ち目は薄いだろう。だが、おそらく相手は今も尚結界を改変し続けている。不意をつけば、その邪魔をすることができるだろうし、それだけ時間を稼ぐこともできる。

 まあ、時間を稼げたとしても大した時間にはならないだろうが、何もしないよりはマシだ。

 

「システィーナには先生の治療を頼みたい。僕より保有魔力量が多いし、単純に魔術の技量も上だからさ」

 

「私が……?」

 

「少しでも先生の回復してあげて欲しいんだ。先生、結構やばい状態だし」

 

「トーマ……私は……」

 

 システィーナは何かを言おうとしたが口を閉じ、覚悟を決めたように頷く。

 

「分かったわ、先生の事はまかせて……だから、ルミアのことをお願い……ッ!」

 

「うん……約束するよ。絶対助けるから」

 

 それだけ言うと、僕は扉に向かう。

 目指すは転送法陣がある転送塔だ。何があるか分からないがやるしかない。

 僕はそう覚悟を決めると扉に手をかけ、ゆっくりと開き外に出る。回りは静寂に包まれている。パッと見は大丈夫そうだが、油断はせずにいつでもペルソナを呼び出せるようにする。

 

「よし……いくぞ!」

 

 そう言い、目的地に向かって駆け出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは……凄いな」

 

 転送塔の近くまで来たが、その転送塔を守るようにゴーレムが群がっていた。

 どんだけいるんだよと愚痴を言いたくなるが、これで確信することができた。

 

「ルミアはここにいる……!」

 

 それが分かれば十分だった。僕は四肢に力を込め叫ぶ。

 

「──ペルセウスッ!」

 

 ペルセウスを呼び出し、転送塔へと駆け出す。

 ゴーレム達が僕を止めようと、攻撃を繰り出そうとする。

 

「〈スクカジャ〉!」

 

 先程覚えたばかりの魔法を使う。すると、ゴーレムの動きが遅くなったような感覚になる。その為、ゴーレムの攻撃を避けながら転送塔へと駆け抜けていく事ができる。

 

「そこどいてっ!〈ガル〉!」

 

 邪魔なゴーレムをガルで吹き飛ばす。

 

「どわぁっ!危なっ!痛い!」

 

 ゴーレムの攻撃により、砕けた地面の欠片が体へ降りかかるが、ペルソナによる身体強化で無理やり走る。

 

「よし、着いた!」

 

 そんなこんなで目的地に到着した僕は転送塔の扉を蹴破り、階段を駆け上がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 遂に転送法陣がある部屋の前に到着し、扉を開け中を確認する。すると、すぐに目的の人物を発見する。

 

「ルミア!」

 

 薄暗い部屋に飛び込み、ルミアの元へ駆け寄る。

 

「ルミア、大丈夫!?」

 

「トーマ君、危ない!」

 

 ルミアがそう言うのと同時に、僕は結界の壁にぶつかる。

 

「痛っ!?な、なにこれ……?」

 

「おや、これは驚きました。まさか君がここに来るなんて」

 

 後ろから男の声が聞こえる。すぐに僕はその声がした方向に向き構える。すると、声の主が闇の中から歩み寄ってくる。

 僕はいつでもペルソナを呼び出せるようにしていた──が、その男の正体を知ると、驚きで固まってしまった。

 

「──えっ?」

 

「お久しぶりです、トーマ君」

 

 その男は、僕達Ⅱ組の前任の担任講師──ヒューイ=ルイセンだった。

 

「え……?なんで、ヒューイ先生が……?」

 

「それは、私がルミアさんを誘拐するための仕立て人だからですよ」

 

「な、なんでですかっ!?どうして、先生がそんなことを……」

 

 自身の記憶にあるヒューイ=ルイセンという男はこんな事をする様な者ではなかった。生徒達に慕われ、またヒューイ自身も生徒達を愛していた。そんな姿が嘘だったなんて信じられない。

 

 さらに、ヒューイは続ける。自分はルミアを転送法陣で送り届けた後、この学院を爆破する為の人間爆弾である──と。

 

「なっ!?そんなのって……」

 

「もうやめてください!ヒューイ先生、あなたはこんな事する人じゃなかったはずです!」

 

 ルミアが必死にヒューイを説得しようと試みるが、ヒューイは首を横に振る。しかも、元々ヒューイは王族、または政府要人の身内が入学してきた際に殺害する為に在籍したと言う。

 

「しかし、ルミアさんは少々立場が特殊ですからね。殺害ではなく誘拐という形になりましたが、些細な事です」

 

「…………」

 

 どうやら、ルミアはやんごとない身分というやつらしい。だが、今はそんな事はどうでもいい。

 どうすればルミアを助けることができるか、ただそれだけを考える。

 

「……いくら考えたところで、ただの学生にこの法陣を解呪することはできませんよ」

 

「そ、それは……ッ」

 

 僕自身、それは言われるまでもなく分かっていることだった。全部で五段によって構成されているこの法陣、見た限り僕では一段目すら解呪できるかどうか怪しい。

 僕では解呪するのは難しい。だったら他にできそうな人は、と考えるが思い当たるのはグレンぐらいだった。だが、そのグレンも今はマナ欠乏症で、できるかどうか分からない状態だ。

 何かないかと考えを巡らせている、そんな時だった。

 

「ですが、転送法陣が発動するまで、まだ時間があります。学院の地下にある大迷宮へと避難すれば、助かる見込みは十分にありますよ」

 

 突然、ヒューイがそんな事を言い出す。それはつまり──

 

「ルミアを見捨てろってことですか……?」

 

「まあ、そういう事になりますね」

 

 そんな事は認められない、認められないが……現状、ルミアを救う方法に見当がつかない。

 ここでルミアを見捨て、グレンやクラスメイト達を地下迷宮に連れて行けばルミア以外の皆が助かる。とても簡単な事だ。

 だが……

 

「そんな事、出来るわけない……ッ!」

 

 僕は一体何の為にここに来た?何の為の力だ?

 ルミアを救うと決めた筈だ。だったら最後まで足掻いて見せろ!

 そう決意すると共に、僕は法陣に近づこうとする

 

「だ、駄目!早く逃げてっ!私の事はいいからっ!」

 

「……やはり、そうしますよね」

 

 僕の行動にルミアとヒューイ、二人それぞれの反応を見せる。

 

「お願いだから!このままじゃ皆が……!」

 

「僕にとってその()の中には君も入ってるんだ!このまま見捨てるなんてできない!」

 

「でも!」

 

 それでも、僕に逃げてというルミアに僕は言う。

 

「システィーナと約束したんだ、絶対助けるって。また皆で笑い合うんだって!」

 

「っ!」

 

「システィーナは勇気を出してテロリストと戦った!グレン先生だってマナ欠乏症になるまで戦った!皆そうまでして、ルミアを助けたいんだ!」

 

「システィ……先生……!」

 

 僕は感情に任せて言葉を続ける。

 

「僕達の日常にルミアがいなかったら意味が無いんだ!ルミアと一緒に居たいんだ!一人で勝手に諦めるなッ!」

 

「トーマ君……ッ!」

 

 僕は涙を浮かべているルミアに問いかける。

 

「ルミアはどうなの?いつもの日常に、帰りたくないの?」

 

「わ、私は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りたいっ!」

 

 

 一度溢れた感情は止まらない。

 

「また皆で笑いたい!色んな事を知りたい!だから、だから……」

 

 ルミアは涙を流しながら最後にこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お願い……助けて……っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たな見出したり

 

ち、

一筋なり

 

「恋愛」のペルソナをせし

みへと祝福えん…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、これは……!」

 

 心が満たされるのを感じる。一瞬だが、確かにルミアとの繋がりができた。そして、新たな力を手に入れたことも理解した。その力が今まさに欲していたものだということも。

 

 トーマが右手を突き出す。すると、一枚のカードが舞い降りてくる。そして、心の中にある新たなペルソナの名を叫ぶ。

 

「来い──アンドロメダ!

 

 手の平にあるカードを握り砕く。すると、トーマの背後に金色の髪を靡かせ、白の衣を見に纏い、大きな杖を持つ女性型のペルソナが現れた。

 

「え……?」

 

「な、なんですか……これは?」

 

 それを見ていた二人は共に驚きを隠せずにいた。

 

「アンドロメダ、〈アナライズ〉!」

 

 そのスキルを使用すると、転送法陣に関する情報が頭に流れてくる。その情報を元に解呪術式を組み立てていく。

 

「《原初の力よ・我が血潮に通いて・道を為せ》!」

 

 右手の手首を噛みちぎり、そこから流れ出た血を黒魔【ブラッド・キャタライズ】で魔術触媒に変化させた。そして、〈アナライズ〉によって作り上げた解呪術式を法陣の一段目に書き込んでいく。

 

「《終えよ天鎖・静寂の基底・理の頸木は此処に解放すべし》!」

 

 解呪術式を描き終えると、黒魔儀【イレイズ】を起動させる。すると、法陣の一段目が光の粒子となって消えていった。

 

「やった……!」

 

 解呪に成功したという事実に舞い上がりそうになるが、まだ四つも残っている。すぐに同じように二段目に取り掛かるが、やはり当然と言うべきか、難易度が上がっている。

 

「えっと……こっちが……」

 

 先程より増えている情報を整理し、解呪術式を組み立てていく。幸いな事に時間はまだまだ残されている。ゆっくりと、しかし着実に組み上げていく。

 

 そして、二段目、三段目と法陣の解呪を終わらせる。だが、四段目に取り掛かろうとしたその時、自身に異変が起きる。

 

「はぁ、はぁ……次っ……て、あ……」

 

 視界が歪む。そして、体に上手く力が入らずにそのまま倒れてしまう。

 

「トーマ君っ!?」

 

 ルミアの悲痛な叫びが響く。

 何とか体を起こすが、先ほどまでとは比べ物にならないほどの疲労が浮かんでいた。

 

「はぁ、はぁ……〈アナライズ〉……!」

 

 そして、再び解呪術式を組み上げようとするが、明らかに集中できなくなっている。それでも、先程の二倍以上の時間をかけながらも、何とか解呪術式を組上げ、法陣に書き込んでいく。

 

「《終えよ天鎖・静寂の基底・理の頸木は此処に解放すべし》……!」

 

 そして、四段目の解呪も成功。だが、ここでトーマの動きが止まる。

 悟ってしまったのだ。このままでは解呪できないと。今の自身の保有魔力量では五段目を解呪するのに少し足りない。しかも、何故かは分からないが、ペルソナを呼び出すことができなくなってしまう。

 

「クソっ……!後、少しなのに……」

 

 ゴールまであと一歩だというのに、その一歩が果てしなく遠い。

 焦り、恐怖、絶望。様々な負の感情が頭の中に渦巻いている中、それでも諦める事はできず、ペルソナを呼び出そうと右手を前に出す。しかし、いつまで経ってもカードは降りてこない。

 

 もうダメなのか?やはり僕では無理なのか?所詮ただの学生にはこれが限界だというのか?

 トーマの中で何かが崩れようとした、その時──

 

 

 

 

「やっと、届いた……!」

 

 伸ばした右手に何かが触れた。それは、ルミアの手だった。

 

「トーマ君……私も、一緒に頑張るから……諦めないで!」

 

「ルミア……?」

 

 その瞬間、ルミアの体が光り始め、その光が触れた部分からトーマの体に伝わる。

 

「……ッ!力が溢れてくる……!」

 

 何が何だかよく分からないが、今ならいけると確信した。

 

「うぉおおお!ペルソナァッ!」

 

 アンドロメダを呼び出し〈アナライズ〉。頭の中を巡る膨大な情報の中から、必要なものだけを抜き出し、解呪術式を作る。

 

「よしっ!……これで、最後だ!」

 

 勢いよく手を動かし、法陣の上に書き込んでいく。そして、最後の解呪術式を書き終える。

 

「《終えよ天鎖・静寂の基底・理の頸木は此処に解放すべし》──!」

 

 その瞬間、法陣から溢れんばかりの光を発し始める。そして、視界が白に染る中、ピシリ、と何かが壊れるような音がした。

 次第に光が収り、目の前にはルミアがいた。その足元にあったはずの転送法陣は、最初から何も無かったかのように、綺麗さっぱり消えていた。

 

「はは……やった、やったぞ……!」

 

「トーマ君ッ……トーマ君ッ!」

 

「おわぁっ!」

 

 感極まったルミアが飛びついて来た為、尻もちを着いてしまう。

 

「……僕の負けですか、ふふ」

 

 そんな二人を見ながら、ヒューイは知らず知らずの内に笑みを浮かべていた。それはまるで、守りたいものを守れたというように。




主人公ステータス

〔知識〕Rank.1_平均的
〔勇気〕Rank1→2_やるときはやる
〔魅力〕Rank.1_人並み
〔優しさ〕Rank.1_それなり
〔伝達力〕Rank.1_そこそこ

コミュ
「恋愛」■□□□□□□□□□
ルミア=ティンジェル
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